天理市立メディカルセンターの2Fにある地域包括ケア広場で,奈良県栄養士会の会長の講演があった。タイトルは「栄養講座〜高齢期のフレイル及び骨粗鬆症予防〜(リンク先は同趣旨の厚生労働省資料)」だ。35pのPowerPoint資料が配られ,健康アンケートと簡易骨密度測定(結果はBで問題なさそう)がついてくる。
25席用意されていて,おしゃべりで元気そうなお婆さん達が20名ほど集まっている。爺さんは,自分を含めて2-3名程度だ。日本は超高齢社会となり100歳以上が 9万5千人いるが,男女比はという質問があった。婆さんらは元気に答える。教室では黙ってしまう若者と大違いだ。答えは1-2割が男で8-9割が女というもの,婆さんら正解。うーむ,男性12%女性88%なのか。
講師は,女性の長生きが多いのは皆さんのように活動的でぺちゃくちゃしゃべりし,コミュニティを形成する能力の高さからくるのだとのこと。うーん,確かに爺さんはコミュニケーションが苦手だ。人によるのかもしれないけれど。
厚生労働省の5年ごとに改定される食事摂取基準が,2020年版からその目的に「高齢者の低栄養・フレイル予防」をうたうようになった。そもそも用語としてもフレイルティからフレイルに変更された。ここでのフレイルの定義は「健常状態と要介護状態の中間に位置するもの」である。なお,高齢者の年齢区分も,従来の70歳以上から,前期高齢者65-74歳と後期高齢者75歳以上の2区分に詳細化されている。
食事摂取基準の対象は,,歩行や家事などの身体活動を行っている者であ り、体格〔body mass index:BMI、体重(kg)÷身長(m)2〕が標準より著しく外れていない者」だ。指標としてBMIが頻繁に登場する。自分の平均BMIは18.9であり,幽明の境目だ。高齢者のBMI基準も2020年度版からは若者より高く設定されて BMI=22,自分の場合体重 72 kg が必要なので,10 kgも足りない。
フレイルから元気な状態へは,がんばれば戻れるらしい。そのためには,(1) 筋量の増加のためにたんぱく質摂取量を増やし,(2) 筋力の増加のために筋トレをすること。適切なたんぱくしつ摂取量は,1.3〜1.5/kg/日 なので自分の場合 80g にも達する(食事摂取基準では60 g)。
たんぱく質の多い食品でコレステロールのリストとして挙げられたのが次のものだった。
とりささみ100g,ぶたもも肉100g,牛ひき肉100g,たまご1こ,まぐろ赤身5切れ(トロはダメよ),焼き魚1切れ,木綿豆腐1/2丁,納豆1パック,牛乳200mL,チーズ20g,ヨーグルト100g 等々。1食で 25gとれば3食で目標が達成できる。
後半には,女性も多かったので骨粗鬆症の話が中心になる。血液中には1%のカルシウムが定常的に含まれている必要があって,これを維持するためには1日に700mg程度のカルシウム摂取が必要だ(そのうち実際に吸収されるのは野菜20%小魚30%乳製品50%程度である)。
牛乳1本で1/3はまかなえる。小松菜,ひじき,じゃこ,豆腐,納豆もよい。このとき,魚とキノコを摂取してビタミンDも忘れずに。
ビタミンDの合成は日光にあたった皮膚で行われるため,若い子が日焼け止めクリームを塗りすぎるのもよくないとのことだった。将来の骨粗鬆症を招くことになる。
写真:天理市の栄養講座(2024.10.28撮影)k