2022年1月9日日曜日

寒中見舞い

 2019年3月に定年退職したのを機に,2019年の正月から年賀状をやめて3年目になる(あれ,4年目かな,あるいは2020年の正月からかな・・・)。このように人間(老人)の記憶はあやふやなものだ。

世間のしがらみからは完全に逃れるだけの勇気がないので,親戚の一部には今でも年賀状を出している。出していない友人などからの年賀状を受け取った場合には,なるべく寒中見舞いを出す。記憶回路が劣化しつつあるのでときどき忘れるかもしれない。

寒中見舞いはいつ出すものかと,早速インターネットで確認してみた。二十四節気小寒から大寒にかけてということで,1月5日ごろから2月4日ごろとなる。これが過ぎればもう立春だ。そうすると暑中見舞いは,立秋まえの小暑から大暑にかけての7月7日ごろから8月6日ごろなので,前半は梅雨がまだ明けていないわけか。

さらに,立秋は残暑見舞い,立春には余寒見舞いと続くが,これは出したことがない。と思う。

ところで,年賀はがきの発行枚数は年々減少している。ピーク時の2003年には44億枚だったものが,2021年には18億枚であり,最近5年間では,平均2.9億枚づつ(-12%)減っている。2011年から2016年までは平均1.2億枚(-3.6%)でなので,発行枚数の減少は加速化している。この調子だと2028年(ちょうど自分が後期高齢者の75歳に差しかかるころ)には,年賀はがきの発行は0となってしまう計算だ。我々昭和世代とともに,はがき・手紙・新聞などの文化は消えていくのかもしれない。


図:年賀葉書発行枚数の推移(Yahoo Newsから引用)

2022年1月8日土曜日

三項間漸化式

鈴木貫太郎のチャンネルで, $p = a+\dfrac{1}{a}\ $が与えられたときに,$a^6+\dfrac{1}{a^6}\ $を求める問題があった。これを一般化して,$b_n \equiv a^n+\dfrac{1}{a^n}\ $を求める問題を考えた。

ここで,$b_{n+1}=p\ b_n- b_{n-1}$ が成り立つ。これは三項間漸化式なので,このあたりに一般解法がある。漸化式の特性方程式 $x^2 - p\ x + 1 = 0$の解を$\alpha=\frac{p + \sqrt{p^2-4}}{2},  \beta=\frac{p - \sqrt{p^2-4}}{2}$とする。このとき,$b_n = A \alpha^n + B \beta^n \ $で一般解が与えられることにより,$b_0=2, b_1=p\ $の初期条件から$A, B$を決定すると $A=B=1$となる。

つまり,$b_n = \Bigl( \frac{p + \sqrt{p^2-4}}{2} \Bigr)^n +  \Bigl(  \frac{p + \sqrt{p^2-4}}{2} \Bigr)^n$ となる。例えば,$b_{10} = -2 + 25 p^2 - 50 p^4 + 35 p^6 - 10 p^8 + p^{10}$ だ。

これをMathematicaでプロットしたら,こんな感じのグラフが出てきた。ただし,$a$が実数ならば,$| p | \ge 2$ なのだ。


図:Plot[b[10], {p, -2.4, 2.4}]のグラフ

2022年1月7日金曜日

絵本太功記

 昨日は授業がなかったので(曜日振り替えの日),国立文楽劇場の初春文楽公演(文楽座命名150年)の第二部「絵本太功記」を見に行った。

最近は,コロナ対策のため上演時間を短くした三部制となっている。パンフレットにある竹澤宗助の談によれば,演者は自分の舞台が終わるとすぐ帰ることになっていて,先輩の舞台を見て勉強する機会が減っているとのこと。

実際,第二部は14:15から16:40までの2時間半弱とかなり短くなっている。2011年の夏休み特別公演では,「二条城配膳の段」「千本通光秀館の段」「妙心寺の段」「夕顔棚の段」「尼ヶ崎の段」で3時間50分あったのに。それでも,午前中から久々に大阪に出てデパート巡り(といってもなんばの高島屋だけなのだが)をして疲れていたので,早々に寝てしまう始末だった。

今回は,「二条城配膳の段(太夫5名−勝平)」と「夕顔棚の段(藤大夫−團七)」と「尼ヶ崎の段(呂勢太夫−清治,呂太夫−清介)」という配役だった。そうか,咲寿太夫が森蘭丸だったのか,その辺は夢の中でよくわかっていなかった。最後の呂太夫−清介でようやく目覚めることができた。

今日は,呂太夫も声がでていたし,清介は太棹三味線の糸を切る迫力だったのでなかなかよかった。「夕顔棚のこなたよりあらわれ出でたる武智光秀」で有名な尼崎の段は,以前,清介が素人向けの浄瑠璃教室の練習テーマにとりあげてやっているのをネットで見たことがある。ただ,この物語はどうにも感情移入しにくくて苦手である。


写真:尼ヶ崎の段の床本(国立国会図書館から引用)


2022年1月6日木曜日

2022年1月5日水曜日

2022年1月4日火曜日

2022年1月3日月曜日

2022年1月2日日曜日

2022年1月1日土曜日

2021年12月31日金曜日

2021年12月30日木曜日

2021年12月29日水曜日

2021年12月28日火曜日

2021年12月27日月曜日

2021年12月26日日曜日

2021年12月25日土曜日

教養強化合宿(3)

 教養強化合宿(2)からの続き

外山恒一の第15.9999...回「教養強化合宿」が12/24〜1/3という日程で実施されている。弘前大,鳥取大,九大,北九州市立大,大阪芸大予備,福岡教育大,埼玉大,早大2,中大,立教大,一橋大,国際基督教大,京大,華中科技大など15名が集まった。恒例の合宿初日交流会の余興の教養チェックの結果(集合時の12名)が報告されているので確認してみる。

宮崎滔天を知ってた人0,不破哲三8,蜷川幸雄2,石川一雄0,日比野克彦0,森恒夫1,田中美津1,児玉誉士夫3,沢木耕太郎3,香山リカ11,花田清輝3,秋田明大1,西尾幹二2,伊藤野枝6,白井聡6,加藤登紀子2,チャールズ・マンソン1,ロバート・ジョンソン0,ゴダール6,グラムシ8」

自分の場合:ウーマンリブの田中美津は記憶から飛んでいた。白井聡は白井佳夫のイメージを浮かべながらよく名前を聞く評論家かなと思ったが,調べてみると顔は見たことがあって,なんのことはない白井克彦の息子なのか。シャロン・テート事件のチャールズ・マンソンとブルース歌手のロバート・ジョンソンは全く手が出なかった。

地元だからなのか意外に伊藤野枝の認知率が高い。

2021年12月24日金曜日

新規感染者数の増減率

 NHKが毎日発表している都道府県別の新規感染数・死亡数のデータがある。これから東京都と大阪府の数値を取り出して,新規感染者数の対前週比率の常用対数を日毎に求めて整理している。簡易実行再生産数も別に計算しているが,それより直接的に感染者数の動向をみることができる。

これによれば,11月末まで減少を続けてきた感染者数は東京では12月第1週から,大阪では12月の第2週ころから増加に転じた。12月下旬の現在では,週平均値で1.6倍〜1.7倍近くの増加傾向を示している。オミクロン株の影響が見えてきたのかもしれない。

これまでの例では,市中感染が見つかってから4ヶ月ほどで新規感染者数がピークを迎えているので,これから年末・年度末にかけて再び感染の波がやってくるのかもしれない。それにしても,空港検疫でPCR検査をせずにすませるという考えが理解しがたいのだった。




図:新規感染者数の対前週比率の常用対数の推移

2021年12月23日木曜日

リアプノフ指数

 橋本幸士さんの論文,A bound on energy dependence of chaos がarxivに掲載された。本編はわずか2ページ少々の短い論文(7ページのsupplementがついている)だが,非常に普遍的な内容を持っている。

我々の推測(conjecture)の主張は以下の通りである。ハミルトニアンが座標や場の変数の有限多項式で作られた任意のハミルトン系について,高エネルギー極限のエネルギー$E$ で測定した古典/量子リアプノフ指数 $\lambda (E)$は,エネルギー依存性において以下の上界を満たす。

 $c \le 1 {\ \rm for\ }  \lambda (E)\  \propto E^c \ ( E \rightarrow \infty )$ (1)

より正確には,与えられた系に対して,十分に大きなEに対して $|\lambda (E)|\le C E|$となる$C \gt 0$ が存在する。(1)をカオスエネルギー限界とよぶ。

そこで,リアプノフ指数を調べてみたら,意外にもWikipedia日本語版の記述がたいへんわかりやすく書かれていた。 リアプノフ指数  $\lambda$ は初期値がわずかだけ異なった2つの軌道が時間とともにどのように離れていくかを示す指標であり,1次元の場合は,$\|{\boldsymbol  {\delta }}(t)\|\approx \|{\boldsymbol  {\delta }}(0)\|e^{{\lambda t}}$ となっている。

1次元離散力学系が,写像 $x_{n+1} = f(x_n)$で与えられる場合のリアプノフ指数は,

$\lambda =\lim _{{n\to \infty }}{\frac  {1}{n}}\sum _{{i=0}}^{{n-1}}\ln |f'(x_{i})|$

で与えられる(Wikipediaで数式をコピペするとlatex ソースがコピーできるのが有難い)。

図:リアプノフ指数の意味(Wikipediaより引用)

2021年12月22日水曜日

振り子の振れ幅

 小学校理科5年に「振り子の運動」の単元がある。振り子の等時性を,条件制御した実験によって明らかにするというのが目的である。その条件としては,振り子のおもりの重さ,振り子の長さ,振り子の振れ幅(振れ角の初期値の大きさ)の3つが設定されている。

実験で使う安価なデジタルストップウォッチでも100分の1秒まで測れるものが普通なので,小学生による実験でもそれなりの精度が出てしまうわけだ。そういうわけで,丁寧な実験をすると振り子の周期の振れ幅依存性が見えてしまう。単振動の一定周期$T=2 \pi \sqrt{\frac{L }{g}} \approx 2 \sqrt{L}$からのずれ,楕円積分から出てくる効果だ。振れ幅が大きいほど周期が単振動の場合より大きくなる。

これを,実験誤差だからといって無視したり抑え込んでしまうのか,あるいは,将来の学習への含みを残すのかは難しいところである。けれども,とりあえず小学校教員(理科系でないとしても)の豆知識としては,この事実を理解しておくことは必要だと思うので,授業でも取り上げることにしている。


近似式が転がっていたので,Mathematicaで計算してみた。振れ幅(片側)は30度以下が推奨となる。
k[s_] := Sin[s Degree/2]
t[s_] := 1 + k[s]^2/4 + 9*k[s]^4/64 + 225*k[s]^6/2304
Plot[{1.0, t[s]}, {s, 0, 90}, Frame -> True, GridLines -> Automatic]
Table[{s, "->", t[s]}, {s, 0., 90, 15}]
{{0., "->", 1.}, {15., "->", 1.0043}, {30., "->", 1.01741}, {45., "->", 1.03993}, {60., "->", 1.07281}, {75., "->", 1.11693}, {90., "->", 1.17236}}

 図:振り子の周期の振れ幅(振幅)依存性

2021年12月21日火曜日

新型コロナワクチン接種証明書アプリ

 12月20日,厚生労働省じゃなかった,デジタル庁による新型ワクチン接種証明書アプリがリリースされた。

早速インストールしてみる。手順は以下のとおり,

(1)  アプリをダウンロードする(iOSの場合

(2) アプリを起動して,これからの操作を選択

(3) マイナンバーカード取得時の4桁の暗証番号を入れる(そもそも何種類も番号あるのがおかしいわけだけれど)

(4) スマホ(iPhone)をマイナンバーカードの上において情報を読み取り

(5) パスポートを用意して画面撮影により情報を読み取り

(6) 接種した自治体を選択

(7) 以上で出来上がり(これで2次元QRコードが生成されるようになる)

マイナンバーカードに旧姓併記がある方(※近日中に対応予定),パスポートに旧姓・別姓・別名の併記がある方は利用できないというトンデモ仕様になっていた。面倒なこと夥しいので,さっさと選択的夫婦別姓制度を実現したら良いものを。3回目の接種分の証明は自動的に追加されるのだろうか?

図:新型コロナワクチン接種証明書アプリのアイコン