2025年9月21日日曜日

9月20日(2)

Juliaの日時処理からの続き

5年前の国勢調査の記事がないかと調べていたら,それはなくて5年前の自分の誕生日の記事が発掘された。誕生日の曜日を調べるJuliaプログラムの話だ。5年も経っているからもう一度実行してみようと,Jupyterではすぐ動いたが,コマンドラインでどうするのか迷った。

プログラムを実行形式にchmodして,頭に#!/usr/bin/env julia(あるいはjuliaの絶対パス)を書けばいいだけなのだけれど,!に気がつかず,シェルスクリプトのコメントと解釈されてエラーがでた。しかし耄碌しているのですぐに原因に気付けずChatGPT-5にたよることになる。

そんなこんなで,過去の習作コードをChatGPT-5に投げてバイブコーディングして得られたのが次の結果とコードである。プログラミングとはAIとの対話のことだった。

 koshi@mba2020 ~ % ./birth.jl

【基礎情報】

今日                : 2025年9月21日(日曜日)

誕生日              : 1953年9月20日(日曜日)


【差分と年齢】

生誕からの経過日数 : 26299日

満年齢              : 72歳


【年ごとの誕生日一覧】(*は日曜)  ※最終年:2025年

1953年9月20日(日曜日)  0歳  *

1954年9月20日(月曜日)  1歳  

1955年9月20日(火曜日)  2歳  

1956年9月20日(木曜日)  3歳  

1957年9月20日(金曜日)  4歳  

1958年9月20日(土曜日)  5歳  

1959年9月20日(日曜日)  6歳  *

1960年9月20日(火曜日)  7歳  

1961年9月20日(水曜日)  8歳  

1962年9月20日(木曜日)  9歳  

1963年9月20日(金曜日)  10歳  

1964年9月20日(日曜日)  11歳  *

1965年9月20日(月曜日)  12歳  

1966年9月20日(火曜日)  13歳  

1967年9月20日(水曜日)  14歳  

1968年9月20日(金曜日)  15歳  

1969年9月20日(土曜日)  16歳  

1970年9月20日(日曜日)  17歳  *

1971年9月20日(月曜日)  18歳  

1972年9月20日(水曜日)  19歳  

1973年9月20日(木曜日)  20歳  

1974年9月20日(金曜日)  21歳  

1975年9月20日(土曜日)  22歳  

1976年9月20日(月曜日)  23歳  

1977年9月20日(火曜日)  24歳  

1978年9月20日(水曜日)  25歳  

1979年9月20日(木曜日)  26歳  

1980年9月20日(土曜日)  27歳  

1981年9月20日(日曜日)  28歳  *

1982年9月20日(月曜日)  29歳  

1983年9月20日(火曜日)  30歳  

1984年9月20日(木曜日)  31歳  

1985年9月20日(金曜日)  32歳  

1986年9月20日(土曜日)  33歳  

1987年9月20日(日曜日)  34歳  *

1988年9月20日(火曜日)  35歳  

1989年9月20日(水曜日)  36歳  

1990年9月20日(木曜日)  37歳  

1991年9月20日(金曜日)  38歳  

1992年9月20日(日曜日)  39歳  *

1993年9月20日(月曜日)  40歳  

1994年9月20日(火曜日)  41歳  

1995年9月20日(水曜日)  42歳  

1996年9月20日(金曜日)  43歳  

1997年9月20日(土曜日)  44歳  

1998年9月20日(日曜日)  45歳  *

1999年9月20日(月曜日)  46歳  

2000年9月20日(水曜日)  47歳  

2001年9月20日(木曜日)  48歳  

2002年9月20日(金曜日)  49歳  

2003年9月20日(土曜日)  50歳  

2004年9月20日(月曜日)  51歳  

2005年9月20日(火曜日)  52歳  

2006年9月20日(水曜日)  53歳  

2007年9月20日(木曜日)  54歳  

2008年9月20日(土曜日)  55歳  

2009年9月20日(日曜日)  56歳  *

2010年9月20日(月曜日)  57歳  

2011年9月20日(火曜日)  58歳  

2012年9月20日(木曜日)  59歳  

2013年9月20日(金曜日)  60歳  

2014年9月20日(土曜日)  61歳  

2015年9月20日(日曜日)  62歳  *

2016年9月20日(火曜日)  63歳  

2017年9月20日(水曜日)  64歳  

2018年9月20日(木曜日)  65歳  

2019年9月20日(金曜日)  66歳  

2020年9月20日(日曜日)  67歳  *

2021年9月20日(月曜日)  68歳  

2022年9月20日(火曜日)  69歳  

2023年9月20日(水曜日)  70歳  

2024年9月20日(金曜日)  71歳  

2025年9月20日(土曜日)  72歳    

ChatGPT-5 Thinking が提案してきたコードは以下のとおりである。かなり修正してもらった。

#!/usr/bin/env julia

# birth.jl


using Dates


# --- ヘルパ ---

const WDAY_SHORT = ["月","火","水","木","金","土","日"]

const WDAY_LONG  = ["月曜日","火曜日","水曜日","木曜日","金曜日","土曜日","日曜日"]


fmt_date_ja(d::Date; long_wday::Bool=true) = string(

    Dates.format(d, dateformat"yyyy年m月d日"), "(",

    (long_wday ? WDAY_LONG : WDAY_SHORT)[dayofweek(d)], ")"

)


# 引数: [YYYY MM DD [ENDYEAR]]

function parse_args()

    if length(ARGS) == 0

        return Date(1953, 9, 20), year(Dates.today())

    elseif length(ARGS) == 3 || length(ARGS) == 4

        b = Date(parse(Int, ARGS[1]), parse(Int, ARGS[2]), parse(Int, ARGS[3]))

        lasty = (length(ARGS) == 4) ? parse(Int, ARGS[4]) : year(Dates.today())

        return b, lasty

    else

        error("使い方: ./birth.jl  または  ./birth.jl YYYY M D  [ENDYEAR]")

    end

end


function list_birthdays(birth::Date, last_year::Int)

    last_year = max(last_year, year(birth))  # 下限は誕生年

    for y in year(birth):last_year

        d = Date(y, month(birth), day(birth))

        age = y - year(birth)

        star = (dayofweek(d) == 7) ? "*" : ""   # 7 = 日曜

        println(fmt_date_ja(d; long_wday=true), "  ", age, "歳  ", star)

    end

end


# --- 本体 ---

birthday, list_until = parse_args()

today = Dates.today()


println("【基礎情報】")

println("今日                : ", fmt_date_ja(today; long_wday=true))

println("誕生日              : ", fmt_date_ja(birthday; long_wday=true))


println("\n【差分と年齢】")

days_elapsed = Dates.value(today - birthday)

age_years = year(today) - year(birthday) - (Date(year(today), month(birthday), day(birthday)) > today ? 1 : 0)

println("生誕からの経過日数 : ", days_elapsed, "日")

println("満年齢              : ", age_years, "歳")


println("\n【年ごとの誕生日一覧】(*は日曜)  ※最終年:", list_until, "年")

list_birthdays(birthday, list_until)

2025年9月20日土曜日

9月20日(1)

古稀健康余命からの続き

72歳の誕生日。日々おいしくご飯を食べられていてありがたいことである。昼寝を2回していても寝つきは良く快眠快便だ。しかし,いつ何時急変するかわからないのが山の天気である。平均値主義の立場では,72歳でほぼ健康寿命に到達するが,健康余命はまだ少し残っている。

ChatGPT-5 Thinkingを用いて次のような依頼をした。以下の健康余命推測値のグラフによればあと10年のアディショナルタイムだけど・・・。

Q(koshix):
現時点で入手できる様々なデータを勘案して,あるひとの現在の年齢をYとして,日本人男性の平均余命 L_m(Y),健康余命H_m(Y)と女性の平均余命L_f(Y),健康余命H_f(Y)を求める近似式を導け。余命の値の精度はそこまで要求していませんので,小数点以下0桁でじゅうぶんです。

A(ChatGPT-5 Thinking):
(回答略)・・・(Pythonコード修正)・・・(回答略)

Q(koshix):
この段階での,D(Y), L(Y), H(Y) のそれぞれの意味と定義と推測式を整理して教えてください。

A(ChatGPT-5 Thinking):
まず前提(コンテキスト)を短く整理します。
・目的:任意の年齢 $Y$ に対し、平均余命 $L(Y)$ ・健康余命 $H(Y)$ を簡便に推定。
・データ源:最新の「簡易生命表(2023)」の年齢別平均余命(5歳刻み)を使用。
・健康余命は厳密推計(Sullivan法など)ではなく、「平均余命と健康余命の差」
 =不健康期間 $D(Y)$ を年齢とともに縮むと仮定した近似で推定します。

1.記号と意味
・$Y$:現在年齢(年)。
・$L_m(Y), L_f(Y)$:男性/女性の平均余命(今から平均してあと何年生きるか)。
・$H_m(Y), H_f(Y)$:男性/女性の健康余命(自立・健康状態で過ごせると期待される年数の近似)。
・$D_m(Y), D_f(Y)$:男性/女性の不健康期間の期待年数(平均余命と健康余命の差)。
 $D(Y)=L(Y)−H(Y) \quad (\Rightarrow H(Y)=L(Y)−D(Y),H(Y)\le L(Y))$

2.近似の定義と推測式

1) 平均余命 $L(Y)$(男女共通の算出方法)
・生命表の5歳刻み点 $(x, e_x)$を用意(例:x=60,65,70)。
・区間 $\lbrack x,x+5 \rbrack$に$Y$が入るとき,線形補間:
$\displaystyle L_{\bullet} \approx e_x^{(\bullet)} + \dfrac{e_{x+5}^{(\bullet)}-e_{x}^{(\bullet)} }{5}(Y-x)$
ここで $\bullet \in \{m,f\}$(男性/女性)。端点外は端の値にクリップ、下限0。
これで $L_m(Y), L_f(Y)$を求めます。

2) 不健康期間 $D(Y)$(年齢依存ギャップの近似
出生時(0歳)では平均寿命−健康寿命の差が大きく、高齢ほど縮む実態を踏まえ、
0歳と65歳の差を結ぶ直線で近似します(以降も直線で外挿、ただし下限を設ける)。
・男性:
$D_m(0)=8.49,\quad D_m(65)=5.10$
$D_m(Y) = {\rm max} \Bigl( 8.49- \dfrac{8.49-5.10}{65} Y, d_{\rm min}\Bigr)$
・女性:
$D_f(0)=11.63,\quad D_m(65)=7.50$
$D_f(Y) = {\rm max} \Bigl( 11.63- \dfrac{11.63-7.50}{65} Y, d_{\rm min}\Bigr)$
・​下限(クリップ):$d_{\rm min} = 3.0$年 (極端に小さくならないようにする安全弁)

3) 健康余命 $H(Y)$
・男女別に
$H_m(Y) = {\rm max} \{L_m(Y) - D_m(Y),0\}, H_f(Y) = {\rm max} \{L_f(Y) - D_f(Y),0\}$
・表示はご要望通り小数0桁(四捨五入)。

3.計算フロー(実装時の手順)
(1) 5歳刻みの生命表ノード(男女別)を辞書で用意。
(2) 任意の $Y$に対し,男女別に線形補間で$L_m(Y), L_f(Y)$を得る。
(3) 同じ $Y$を上の直線式へ入れて$D_m(Y), D_f(Y)$を産出(下限クリップ)。
(4) $H_{(\bullet)}(Y) = {\rm max}(L_{(\bullet)}(Y) - D_{(\bullet)}(Y),0)$。
(5) 表示時に四捨五入して整数化。

4.近似の限界と使いどころ
・用途:年齢別の大まかな傾向把握、可視化、粗いシナリオ比較に適します。
・限界:実際の健康余命は年齢階級別の要介護・ADL制限率などに依存。厳密にはSullivan法等で再計算が必要。
・感度:$D(Y)$ の傾きや下限 $d_{\rm min}$ を微調整すると、特に高齢側の $H(Y)$ が数年単位で変わり得ます。



図:平均余命と健康余命のグラフ

2025年9月19日金曜日

Welcome to BUNRAKU!

国立文楽劇場の爽秋文楽特別公演は,9月6日から10月14日までと,例年(去年は11月2日〜24日)より早期に始まり長期間にわたって開催される。これは10月13日まで開催される2025大阪・関西万博対応の特別仕立てである。

プログラムは次のようになっている。
Aプロ
・Welcome to BUNRAKU!
・恋女房染分手綱(道中双六の段,重の井子別れの段)
・日高川入相花王(渡し場の段)
Bプロ
・心中天網島(北新地河庄の段,天満紙屋内の段,大和屋の段,道行名残の橋づくし)
Cプロ
・Welcome to BUNRAKU!
・曾根崎心中(生玉社前の段,天満屋の段,天神森の段)
前半の9月25日までが,A-B-C,後半の9月26日からが,C-B-A という順に上演される。

今回は,外国人向けの英語での文楽の概要説明(約10分)Welcom to BUNRAKU! が含まれるAプロを観賞した。恋女房染分手綱も日高川入相花王もこれまで何度か見ている演目だ。

いつもより上演期間が倍近くに延びているためか,731席の国立文楽劇場は3-4割の入りだった。外国人は10人程度なので,3-4%というところか。万博の外国人観光客をターゲットとしているため,新たな試みとして従来の日本語字幕投影のかわりに,スマホアプリによる日本語・英語字幕表示システムが取り入れられた。

EG-Gというアプリで,手元に字幕が表示される。ところが,これはネットワークを使わないので,端末は機内モードにしておく。アプリで端末のマイク利用をONにしておくと,劇場内に流れる非可聴音で信号を流し,これを聞き取って端末に字幕を表示するというものらしい。

問題は,舞台を見るときは眼鏡をかけているので,手元だと眼鏡を外さないといけないということ。やはり視線移動が多くなるとちょっとしんどい。これが耳からの情報ならばOKなのだけれど。端末側でイアホンを利用しているかどうかが判別できて,なおかつスピーカーから音が出ないという設定ができればいいけど。AirPods とか指定すればできそうではあるが。

肝腎の文楽の中身だけれど,日高川を泳ぐ清姫のウロコ模様の帯着物がいまいちきれいに伸びてはいなかったのが残念。



図:EG-Gの画面(2025.9.17 撮影)


2025年9月18日木曜日

EXPO'70パビリオン

太陽の塔からの続き

9月に入っても猛暑日が続いている。万博記念公園は澄んだ青空で人も少ないので,絶好の散歩日和のはずだったが,ジリジリと照りつける太陽は太陽の塔どころの話ではない。

その太陽の塔から東に少し歩くと,かつての鉄鋼館がEXPO'70パビリオンとして,1970年大阪万博の資料館となっている。それぞれが2階建ての本館と別館からなっていて,本館の1階は特別展,本館の2階から別館が常設展。

当時の懐かしい写真やパンフレットなどが並んでいて,ビデオが再生されている。半年(183日)で6420万人が入場しているので,1日平均35万人だ(ピークは85万人)。現在のEXPO2025では,20万人が限度。それでも入場者数人口密度はともに平均10万人/km2程度だ。



写真:EXPO'70 のペーパークラフト模型(2025.9.16撮影)

参加国に中華人民共和国はなくて,中華民国。ドイツは西ドイツ(ドイツ連邦共和国)だった。ただしパビリオン名称はドイツ館だったらしい。入場料金は大人800円だったけれど,15歳から22歳の青年という枠があって600円。自分はこれで入場したのだった。



写真:太陽の塔の未来の顔(1970-1992)(2025.9.16撮影)

太陽の塔には3つの顔があって,表の現在の顔,背面の過去の顔,そして黄金の未来の顔だ。その未来の顔が1992年に老朽化のため交換され,再整備されてこの資料館におさめられている。いまとなっては,こちらの方がきれいなので再度交換してはどうだろうか。

P. S. アイジャック事件というのか。男が目玉部分に数日間ろう城したあの事件。

2025年9月17日水曜日

太陽の塔

火星の石からの続き

諸般の事情で,万博記念公園に行くことになった。EXPO'70の方だ。目的地は太陽の塔EXPO'70パビリオン(EXPO'70の資料館)。

高校2年の夏休みに万博1人旅をしている。7月末の4-5日間,京都鹿ケ谷の親戚の家に泊まり四条河原町から阪急電車で茨木市まで行き,そこからシャトルバスで万博会場東口に到達するコースだ。けっこう期待して太陽の塔の中にも入ったけれど,若干ハリボテ残念感があった。

その後,阪大に入学して万博会場から数km圏内の蛍池駅近くに住むことになるとは思わなかった。学生時代の9年が終って結婚してからも10年ほどは池田市(石橋とか緑ケ丘とか)に住んでいた。万博の跡地にも何度か訪れている。

そういえば,米島君が来阪した1970年代後半に,エキスポタワーに登ったあと,エキスポランドの塀を乗り越えて入場してそのまま出場した。この頃,研究室のハイキングでは正規の入口からエキスポランドに入って大塚さんとミニジェットコースターに乗った記憶もある。

いずれにせよ,1970年の万博閉幕後,しばらくはエキスポタワー(1970-2002)もエキスポランド(1970,1972-2009)も存在していた。太陽の塔は無事に残されたけれど,危険なので内部は立ち入りできなかった。それが,紆余曲折の末に2018年から再び内部が公開されることになった。

リニューアルされた太陽の塔は30分刻みの予約制で,10時30分から11時までの予約をとった。実際にいってみるとそこまで厳密に管理しているわけではない。たまっている人数を10人+αごとにまとめて注意事項を説明して送りだす。あとは適当に展示されている生命の樹のオブジェをみながら過去から未来へと階段を登っていくわけだ。昔のようなハリボテ感を再び体験できた。

当時はお祭り広場の大屋根があって内部見学がおわるとそこに出て大屋根内の展示などをみたのだが,この度は階段を下りて出口にむかう。内部の写真は。500円払って透明肩掛ケースを借り,そこに入れたスマホで本人だけ撮影可能となっている。タッチがうまく感知されず,あせりまくった(スライドすればいいだけ)。顔認証はこういうときに役立つのか。



写真:太陽の塔(2025.9.16撮影)

[1]母の塔(月のひつじ)
[2]青春の塔(太陽の塔はなぜ残った,日本経済新聞)
[3]大阪万博の交通(WIkipedia)

2025年9月16日火曜日

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ニュートリノレーザーからの続き

前回紹介したテキサス大学アーリントン校のJonesとMITのFomaggiによる,Superradiant Neutrino Lasers from Radioactive Condensates は,Physical Review Lettersの6ページほどの論文だ。

チラ見したところなんとなく簡単そうな式が並んでいる。これならば自力でフォローできそうな気もしたけれど,ChatGPTにサポートをお願いしてみた。「私が理解したかどうかを確認してください」というのに対して確認ミニテストを用意してくれてその判定もできる。

最初に元の論文をアップロードしてまとめさせてからの続きであり,1日あけても覚えていて正しい式とそれに対応する解説を加えてくれる。中学校や高等学校の教科書レベルでのチュータリングも同様に可能だと思われる。
Q(koshix):
論文に登場する番号つきの式の意味を一つづつ理解したいので,順に解説してください。あなたが一つの式の解説をした後,私が理解したかどうかを確認してください。私はそれについて疑問点があれば問いただします。理解できれば次の式に進むようにお願いします。このようにして,ゆっくりと対話的に理解を深めていきたいのですがよろしいですか?

A(ChatGPT-5 Thinking):
もちろんです。では、論文の「番号付きの式」を順番に、背景 → 数学的意味 → 物理的直観 → 使いどころの順で短く丁寧に解説し、毎回あなたの理解を確認してから次へ進みます。必要に応じて簡単な小テストも挟みますね。

式 (1) $D^+_i = |e_i\rangle \langle g_i|, \quad D^-_i = |g_i\rangle \langle e_i |$

何を定義しているか(背景)
各原子(番号 $i$)を二準位系として扱い、上(励起)状態$ |e_i\rangle$ と下(基底)状態 $|g_i\rangle$ の間を行き来させる遷移演算子を定義しています。スーパーラディアンス(SR)の標準的導入で使う「擬スピン(Dicke の大スピン)」形式に入るための基本ブロックです。

数学的意味
・$D^+_i$は、$|g_i\rangle \mapsto |e_i\rangle$ に上げる「ラダー演算子」
 $D^+_i|g_i\rangle = |e_i\rangle , D^+_i|e_i\rangle = 0$
・$D^-_i$は、$|e_i\rangle \mapsto |g_i\rangle$ に下げる「ラダー演算子」
 $D^-_i|e_i\rangle = |g_i\rangle , D^-_i|g_i\rangle = 0$
これらは**内部状態($$)空間)**だけに作用し、位置や運動量の自由度には触れません。

物理的直観
・$D^+_i$:原子 $i$ に励起を作る(光・相互作用で上に上げる)
・$D^-_i$:原子 $i$ の自発放出/遷移で下に降ろす(光子やニュートリノ放出の素過程を表現)

使いどころ
後で 全体演算子 $\displaystyle D = \Sigma_i D_i$ を導入し、多数原子の集団遷移(コヒーレントな自発放出)を角運動量代数で解析します。SR における「$N$ 原子の協調的な自発遷移」をこの言語で表せるようになります。

確認(超短いチェック)
1.$D^-_i|e_i\rangle$ と $D^+_i|e_i\rangle$はそれぞれ何になりますか?
2.これらの演算子は原子のどの自由度に作用しますか(内部・位置・運動量のどれ)?
疑問点があれば遠慮なくどうぞ。大丈夫そうなら 式 (2) に進みます。

Q(koshix):
1. 励起状態を基底状態に降ろして放射させる作用,答えは$|g_i \rangle$ ,励起状態をさらに励起させる作用,答えは 0。
2. 内部スピン自由度
・ニュートリノが放射される場合はβ崩壊を想定していますか?

A(ChatGPT-5 Thinking):
完璧です!✨
1.✅ $D^-_i|e_i\rangle = |g_i\rangle, D^+_i|e_i\rangle = 0$
2.✅ 内部準位(擬スピン自由度)のみに作用 ― 位置や運動量には関わりません。

ニュートリノ放射の場合について
はい、ご指摘の通り、この論文が考えているのは 放射性崩壊(電子捕獲 EC や β 崩壊) です。
・光の場合:$|e \rangle \rightarrow |g \rangle + \gamma$
・ニュートリノの場合:$|p \rangle \rightarrow |d \rangle + \nu$
つまり「励起状態」や「基底状態」の代わりに、
・親原子(まだ崩壊していない) $|p \rangle$
・娘原子(崩壊後にニュートリノと一緒にできる)$|d \rangle$
を二準位系として定義しています。式(1) は光のSRの基本形を説明する段階ですが、後半でこの $|p \rangle, |d \rangle$ に対応させてニュートリノ版に置き換えています。

ここまでで「式(1)」とニュートリノの場合の対応は理解できましたか?
よろしければ次は 式(2) の $D^3_i$ の定義(擬スピンの $z$-成分)に進みましょう。
以下,(10)式まできたところで,自分の理解が追いつかなくなったのでちょっと中断。

2025年9月15日月曜日

スーバーラディアンス

ニュートリノレーザーからの続き

数日前に,Google検索における日本語のAIモードが開始されたというニュースがあった。さっそくMacBook Air M1のSafari からGoogleにアクセスしたものの,あなたの端末や環境ではまだですよちょっと待ってね的なメッセージが返ってきた。Chromeにしてもだめ。どうやらAndroid端末が必要みたいだ。

と思っていたら,いつの間にか使えるようになっていた。しかし,これまでもGoogleで検索したら最初に出てくるのがAIによる概要だったので,どう違うのか確かめてみた。テーマはさきほどのニュートリノレーザーに登場したスーパーラディアンス

かなり趣が異なっていた。従来型の普通の検索におけるAI概要だと,全く物理の範囲に及んでいない。一方,AIモードでは20-30のサイトを検索してまとめているようだ。おまけに勝手にイメージまで生成してくれた。

Googleの通常の検索(AI による概要)
「スーパーラディアンス」という言葉は一般的に確立された専門用語ではありませんが、「より高次の輝き・光輝・美しさ」を意味すると解釈できます。英語の接頭辞「スーパー(Super)」が「より高次の、優れた」という意味を持ち、名詞の「ラディアンス(Radiance)」が「輝き、光輝、美しさ、魅力」を意味することから、これらの単語を組み合わせた造語と考えられます。

具体的には、以下のような文脈で使われる可能性があります。
比喩的な表現:人の内面からにじみ出る魅力や、超越的な美しさ。
製品名やブランド名:製品やサービスが提供する卓越した輝きや光沢を強調するために使用されることがあります。

「スーパーラディアンス」という言葉の正確な意味は、使用される文脈によって異なります。
■GoogleのAIモード
スーパーラディアンスとは
スーパーラディアンス(超放射)とは、多数の原子や分子が協同して光を放出し、非常に強い光のパルスを生み出す量子光学現象のことです。個々の原子がばらばらに光を放出する「自然放出」とは異なり、全体の光の強度が原子の数の2乗(\(N^{2}\))に比例して増幅されます。 

スーパーラディアンスの特徴
・協同的な放出:複数の発光体(原子など)が、共通の電磁場を介して相互作用し、あたかも一つの巨大な双極子のように振る舞います。
・高速・高強度な放出:個々の原子が光を放出するよりもはるかに速く、短時間で強い光のパルスを放出します。放出のピーク強度は、原子の数の2乗に比例して増大します。
・コヒーレンス:放出される光はコヒーレント(位相が揃っている)な性質を持ちます。
・遅延時間:協同的な放出が始まるまでに、励起から一定の遅延時間が生じることがあります。 

スーパーラディアンスの条件
スーパーラディアンスが起こるには、以下の条件が満たされる必要があります。 
・励起状態の用意:多数の原子をほぼ同時に励起状態にする必要があります。
・高い密度:原子が、放出される光の波長よりも狭い領域に密集している必要があります。
・長時間のコヒーレンス:個々の原子が位相の乱れを起こさず、協同的な相互作用を保つことができるほど、デコヒーレンス(位相緩和)の時間が長い必要があります。 

関連する概念 
・超蛍光(スーパーフルオレッセンス):スーパーラディアンスと関連が深い現象で、自然放出の量子ゆらぎからマクロな分極が自発的に形成され、コヒーレントな光のバーストを放出します。
・ブラックホール超放射(ブラックホールスーパーラディアンス):一般相対性理論の分野で、ブラックホールの自転エネルギーを電磁波として取り出す現象を指します。量子光学の超放射とは異なる概念です。 

応用例
超放射現象は、量子コンピューティングや量子通信技術における光信号の高速処理や記憶技術への応用が期待されています。近年では、室温の固体系でも観測されるなど、基礎研究から応用研究へと進展しています。 AI の回答には間違いが含まれている場合があります。



図:GoogleのAIモードが勝手に生成した微妙なイメージ

2025年9月14日日曜日

ニュートリノレーザー

すごいパワーワードに出会って,作業中の雑用がどこかに飛んでいってしまった。ニュートリノレーザーなんだそれは。地球の裏側と通信できるだと。とんでも科学なのか。と思っていたら,一応 Physical Review Lettersレベルの論文(“Superradiant Neutrino Lasers from Radioactive Condensates” , Phys. Rev. Lett. 135, 111801, 2025 )だった。

ChatGPT-5 Thinking にまとめてもらった。
Q(koshix):
この論文の内容を物理の大学院修士レベルの初心者向けにわかりやすく解説した上で,応用の可能性を議論してください。

A(ChatGPT-5 Thinking):
了解しました。この論文 “Superradiant Neutrino Lasers from Radioactive Condensates” (Phys. Rev. Lett. 135, 111801, 2025) の内容を、物理の大学院修士課程レベルの初心者に向けて噛み砕いて説明し、さらに応用の可能性について議論します。以下の構成で進めます。

1.背景と文脈
(1) レーザーとニュートリノ
光のレーザーは「誘導放出(stimulated emission)」によって実現します。しかしニュートリノはフェルミ粒子で、1つの量子状態に1個しか入れないため、光のような誘導放出型のレーザーは実現できません。
(2) スーパーラディアンス(SR, Superradiance
ディック(R. H. Dicke)が提唱した概念で、多数の原子が協調して「自発的」に光を放出すると、放出率が個々の和ではなくN²スケールで強化される現象です。これはレーザーと違って「光子が原子を再励起する」わけではなく、原子間の量子相関による効果です。
(3) ニュートリノに応用できるか?
著者らは「ニュートリノ放出に対してもSRが働くのではないか」と考え、特に**放射性原子のボース=アインシュタイン凝縮体(BEC)**を用いることでニュートリノの「レーザー的」強化放出が実現できると主張しています。

2.論文の主なアイデア
(1) 対象粒子系
・電子捕獲崩壊(EC)やβ崩壊するアイソトープをBEC状態にする。
・例:ルビジウム83(^83Rb)は電子捕獲により崩壊し、ニュートリノを放出する。^83RbはボソンなのでBEC形成が可能。
(2) スーパーラディアンスの条件
・通常は「発光する原子間距離が放出粒子の波長以下」で必要。
・しかしBECでは全原子が同じ量子状態にあるため、「どの原子が崩壊したか区別できない」→ SRが成立。
(3) 加速効果
・通常:^83Rb の半減期は 86日。
・BECで10^6個の原子がSRを起こすと、半減期は数分に短縮される。
・数百万倍スピードアップが可能。
(4) ニュートリノ捕獲にも増幅効果
・崩壊だけでなく、ニュートリノ捕獲(例:トリチウムによる宇宙背景ニュートリノ検出)も強化され得る。
・ただし現実には10^20〜10^25個の原子を長期間保持する必要があり、宇宙背景ニュートリノの直接検出にはまだ難しい。

3. 数式のイメージ(修士初学者向け)
・ディックモデルでは多数の2準位原子を「大スピン」状態として扱う。
・放射率は $W_N \propto (J+M) (J-M+1) \Gamma$ という形になり、半分くらい崩壊した状態で最大化する。
・光子の場合もニュートリノの場合も同様に「集団的相関」で強化されるが、ニュートリノではパウリ原理の制約がある。ただしBECで素早く外に逃げれば問題なし。

4.実験的可能性
(1) BEC形成:^87Rbや^85Rbではすでに実証済み。^83Rbについても理論的には可能。
(2) 観測方法:^83Rb崩壊後の^83mKrから出るX線を計測することで崩壊進行を追える。
(3) 課題:
・放射性同位体を超低温まで冷却・凝縮する技術。
・崩壊生成物(娘核、電子、X線など)の熱的影響でBECが壊れないようにする。
・実験室安全性(大量の放射性BECを扱う必要)。

5.応用の可能性
(1) 基礎物理学への応用
・ニュートリノの性質測定
 SRニュートリノ源があれば強力な「指向性ニュートリノビーム」が得られる。従来の加速器ニュートリノ源より小型で高強度。
・ニュートリノ質量や振動研究に新しい精密実験手法を提供。
(2) 宇宙論・天体物理
・宇宙背景ニュートリノ検出
 まだ難しいが、SRによる捕獲強化があれば数十年後に実現可能性が出てくる。
・超新星ニュートリノの模擬研究源。
(3) 応用技術的展望
・ニュートリノ通信
 物質をほとんど通り抜けるニュートリノビームを人工的に制御できれば、地球を貫通する通信が可能。
・ニュートリノ天文学のキャリブレーション
 人工ニュートリノ源で望遠鏡の較正を行う。

6.まとめ
・この研究は「ニュートリノレーザー」という新概念を提案。
・光と違いニュートリノには誘導放出が使えないが、スーパーラディアンスをBECに適用することで「レーザー的」強化放出を実現できる。
・実験的には^83Rbが有望で、数百万原子規模で半減期が数分に短縮。
・将来はニュートリノ物理の精密測定や宇宙背景ニュートリノ検出の突破口になる可能性。
・実用化はまだ遠いが、「ニュートリノ工学」という新しい分野を切り拓く萌芽的研究。

ご希望なら、この内容をさらに 講義ノート風に数回のステップ(量子光学 → スーパーラディアンス → BEC → ニュートリノ応用) に分けて展開することも可能です。まずは今回を「イントロ講義」として整理し、次回から式展開を詳しく追いかける形にしましょうか。

 


図:ニュートリノレーザーのイメージ(Geminiによる)

2025年9月13日土曜日

幻の甲子園

夏の甲子園は昭和17年(1942年)から昭和20年(1945年)まで戦争のために中断している。しかし,昭和17年は朝日新聞ではなく,文部省とその外郭団体の主催によって全国中等学校錬成野球大会として1942年8月23日-29日に開催されている。

軍隊動員のため全国規模の体育大会が中止されるところ,戦意高揚を目的として朝日新聞社とは関係なしとして開催された。「勝って兜の緒を締めよ 戦い抜こう大東亜戦」という軍事スローガンが掲げられ,試合時のサイレンは進軍ラッパが代用。

打者は球をよけてはいけない。球に当たっても死球にならないという特別ルールが採用される。1回戦で四国代表の徳島県立商業学校と南関東・東京代表の京王商業学校が対戦し,延長14回2-1で徳島商が勝利し,最終的には優勝している。


写真:昭和17年の幻の甲子園(甲子園きっぷから引用)

高校野球が好きで調べたわけではなくて,某舞台の設定が事実に基づいていたことを確認したもの。

2025年9月12日金曜日

iPhone17 Pro

iPhone16からの続き

うーん,前評判もイマイチであまり期待していなかったけれど,やっぱり内容もショボかった Apple Event(日本時間 2025年9月10日 午前2時)。1時間12分のイベント紹介ビデオを見た。昔は字幕なしで真剣にスティーブ・ジョブズやティム・クックの話に集中していたけれど,今は他の作業をしながらチラ見する程度だ。

最初に登場したのは,Air Pods Pro3。期待していなかったが,Apple Intelligenceと組み合わせて異言語同時通訳会話が成立している様子は,今回の目玉かも知れない。ただ,スペックをみると手持ちのAir Pods Pro2との違いはほとんどない。ノイズキャンセリング機能が2倍(Apple公称)になって,バッテリ持続時間が2時間のびた。ただし,ケースを含めたバッテリ持続時間はAir Pods Pro2の方が長い。

続いて iPhone。iPhone17 → iPhone Air → iPhone 17 Proの順に紹介があった。自分が引きつけられているのは唯一 望遠レンズの性能だ。インスタグラムに載せる散歩写真の幅が広がるのではないかと期待している。17 Proの望遠レンズは48MPになって,8倍ズーム(12MP)まで可能になった。光学ズームとはいいながらもこれはデジタルズームじゃないのか?

スッキリしたデザインと色調のiPhone Air にも興味を引かれた。瀬戸弘司によれば,音声がモノラルとか,A19Proチップを使っているのに後述のiPhone Pro 17 でさんざん強調した廃熱はどうなっているのか,MagSafeでAirの背中に着けるバッテリが紹介されたが,本体のバッテリ持続時間はどうなのかとか,いろいろと怪しい点が多いようだ。

自分的な本命の iPhone 17 Proは,最小構成の256GBが179,800円から。アルミの一体ボディのあまりパッとしないデザインで,色合いも含めてなんだか重苦しそうだ。純正ケースと純正ひもがそれぞれ1万円弱もする。熱問題かなりをさんざんアピールしていたけれどかなり微妙・・・。アップルの株価も先週から4%下落している。

iPhone17 Pro      iPhoneSE2      
2025 Sep        2020 Apr      
179,800円         69,800円      

A19Pro          A13 Bionic     
4.40GHz          2.66GHz       
6コアCPU          6コアCPU      
6コアGPU          4コアGPU      
16コアNE          8コアNE       
256GB          128GB        

6.3インチOLED      4.7インチLCD    
2622×1206ピクセル     1334×759ピクセル  
460dpi          326dpi  
2,000,000:1        1,400:1       
1000-3000ニト     625ニト       

48MPメイン|超広角|望遠  12MPシングル    
18MPフロント     7MPフロント     
ズーム .5× 1× 2× 4× 8×  ズーム 1×      

USB-C/USB3        Lightning/USB2   
FaceID          TouchID       
5G/LTE/Wi-Fi7     4G/LTE/Wi-Fi6    
BlueTooth6.0         BlueTooth5.0    
MagSafe Qi2 Qi       —         

33時間ビデオ       13時間ビデオ    
150.0×71.9×8.75      138.4×67.3×7.3  
206g           148g 


図:iPhone17 Pro (Appleから引用,Gemini Nano Bananaで編集)


P. S.  これまでは,物理SIMとeSIMのデュアルSIMだったが,17シリーズから日本向けiPhoneでは物理SIMが廃止されることになったので,老人は注意が必要らしい。


2025年9月11日木曜日

フルスペック総裁選

石破茂(1957-)総理の辞任表明にともない自由民主党の総裁選挙がフルスペックで行われる。フルスペック総裁選なんていう表現これまで使われたことがあったっけ。google trends によれば,2018年や2021年に微かな痕跡があるが,爆発したのは今回がはじめて。

ニュースによれば,衆参両院の国会議員票(295)と全国の党員票(295)の合計で決まるらしい。全国の自民党員は90万人(前回より15万人減)くらいいるので,どうやってこれを国会議員票数と等しく揃えた党員票数に換算するのかというと,ドント方式だとのこと。なるほどね。

総裁公選規程を紐解くと,党員投票は都道府県ごと集計し・・・とあったので,最初は都道府県別に国会議員数と等しい枠でドント方式を適用するのかと理解したけれど,ChatGPTに聞いて見ると比例代表議員の所属都道府県はどうしますかと尋ねられた。もっともだ。

そんなわけで読み直すと,集計した都道府県票は党本部に集めて衆参両院の自民党議員数までドント方式で算定する。それはそうか。なお,党員投票ができる選挙人の資格は,前2年間の党費を払っている党員と会費を払っている自由国民会議会員などの会友である。

議員投票と同数の党員投票の合計の有効投票の過半数を得たものが当選者になるが,いずれも過半数に達しない場合は上位2名で決選投票を行う。この場合は,国会議員票+都道府県票(47)となって,各都道府県票は2名の上位者に1票が割り当てられる。

なお,党則によれば,特に緊急を要する場合は党大会に代わる両院議員総会において後任総裁を選任することができ,その場合は国会議員票+各都道府県支部連合会代表者3票の合計による。フルスペックでない総裁選とはこれを指している。



図:都道府県別の自民党員割合(ChatGPT-5のコードによる)


[1]自由民主党 党則(84p)
[2]自由民主党 総裁公選規程(13p)