流体抵抗力(1)からの続き
藤原邦男先生の「物理学序論としての力学」の§3.4 流体中を落下する球状物体では,空気中で1cmの球体が受ける流体抵抗力は慣性力が主役を演じるとある。また,その慣性力として, $ f_{\rm I} = \dfrac{1}{4} \rho \, \pi a^2 \, v^2 $ の形が与えられている。一方,Whiteの$C_{\rm D}$ を用いれば,流体抵抗力は $ F(v) = \dfrac{1}{2} \Bigl( \dfrac{24}{Re} + \dfrac{6}{1 + \sqrt{Re}} + 0.4 \Bigr) \rho \, \pi a^2 \,v^2 $ となる。そこで,この両者を球体の速度の関数として比較してみた。以下の図で青が$f_{\rm I}$,オレンジが $F(v)$である。
図1 $C_{\rm D}$の速度依存性(2 < $ v $ < 10)
図2 $C_{\rm D}$の速度依存性(0.1 < $ v $ < 2)
図3 $C_{\rm D}$の速度依存性(0 < $ v $ < 0.1)
このグラフを描くにあたって採用した値は次のとおりである。空気の密度 $\rho = 1.2\, {\rm kg / m}^3$,空気の粘性係数 $\eta = 1.8 \times 10^{-5}\, {\rm kg / m \cdot s } $,球の半径 $ a = 2 \times 10^{-2}\, {\rm m}$,級の断面積は $ \pi a^2 = 1.26 \, \times 10^{-3} {\rm m}^2 $,球の質量は使わないが,$m = 2.7 \times 10^{-3} {\rm kg} $,したがって,レイノルズ数は $ Re = \dfrac{\rho 2a v}{\eta} = 2.67 \times 10^3 v $。
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