PDCAサイクルに回されて(1)からの続き
Wikipediaには「PDCA」が流行っているのは日本の特殊事情であると書いてあったので,各国政府の状況と比較してみた。前回と同様,政府関係のドメインで検索される総ページ数の内,PDCAというキーワードを含んだページ数の割合を%単位で求めたものである。
domain URL country google (10^4 p) +PDCA ratio1(%)1 +site:gov 米 国 115000.0 15,700 0.001
2 +site:gc.ca カナダ 861.0 467 0.005
3 +site:gob.mx メキシコ 2840.0 15,900 0.056
4 +site:gov.br ブラジル 8500.0 15,300 0.018
5 +site:gov.uk 英 国 7810.0 466 0.001
6 +site:gouv.fr フランス 2470.0 422 0.002
7 +site:gov.it イタリア 645.0 1,070 0.017
8 +site:gob.es スペイン 500.0 542 0.011
9 +site:gov.ru ロシア 654.0 83 0.001
10 +site:gov.cn 中 国 2970.0 5,730 0.019
11 +site:gov.tw 台 湾 2830.0 7,490 0.026
12 +site:go.kr 韓 国 3720.0 17,100 0.046
13 +site:gov.ph フィリピン 921.0 6,620 0.072
14 +site:go.id インドネシア 4850.0 67,900 0.140
15 +site:gov.in インド 2440.0 1,180 0.005
16 +site:gov.au オーストラリア 4790.0 934 0.002
17 +site:go.jp 日 本 4830.0 125,000 0.259
やはり,日本政府は飛び抜けて「PDCA」というキーワードの使用率が高かった。英米豪はきわめて低い。インドネシアとフィリピンを除くアジア各国でも日本よりは1桁小さくなっている。なお,ここでは,前回と同様だが,googleの使用言語を英語に設定した上で,各国の中央政府(州政府を含む)のものと思われるドメインについての検索を行なっている。
政策やプロジェクトが合理的に実施評価されていればわざわざ「PDCA」という言葉を持ち出す必要がない。そうでない場合は,「PDCA」という旗を振って合理的な政策実施を進めたくなるのだろうが,科学的・合理的・客観的な分析と反省への関心・意欲・態度が身体化されていない残念な国では,角運動量保存則で逆に自分が振り回される羽目に陥る旗を振り回そうとあがくことになるのかもしれない。
(注)主要国のうちではドイツが抜けていると思われるかもしれないが,ドイツの連邦政府と地方政府がそれぞれよくわからないドメイン名をバラバラと用いているように見えたために,まとめて投網にかけることができなかった。彼の国のインターネット名前空間はいったいどういう仕組みで構成されているのだろうか。誰か教えて下さい。
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