2019年10月18日金曜日

プログラミング教育の欠点(2)

以前にプログラミング教育の欠点(1)を書いてそのままだった。

小学校教育現場の状況や教員の負担などを見聞きするとともに,小学校へのプログラミング教育の導入はまずかったという気持ちが強くなってくる。

小学校学習指導要領の「第1章 総則」の「第3 教育課程の実施と学習評価」の「1 主体的・対話的で深い学びの実現に向けた授業改善」に次の内容がある。
(3) 第2の2の(1)に示す情報活用能力の育成を図るため,各学校において,コンピュータや情報通信ネットワークなどの情報手段を活用するために必要な環境を整え,これらを適切に活用した学習活動の充実を図ること。また,各種の統計資料や新聞,視聴覚教材や教育機器などの教材・教具の適切な活用を図ること。あわせて,各教科等の特質に応じて,次の学習活動を計画的に実施するこ  と。ア 児童がコンピュータで文字を入力するなどの学習の基盤として必要とな   る情報手段の基本的な操作を習得するための学習活動  イ 児童がプログラミングを体験しながら,コンピュータに意図した処理を行わせるために必要な論理的思考力を身に付けるための学習活動
これを受けて,「理科」の内容の取り扱いでは,
(2) 観察,実験などの指導に当たっては,指導内容に応じてコンピュータや 情報通信ネットワークなどを適切に活用できるようにすること。また,第 1章総則の第3の1の(3)のイに掲げるプログラミングを体験しながら論理的思考力を身に付けるための学習活動を行う場合には,児童の負担に配慮しつつ,例えば第2の各学年の内容の〔第6学年〕の「A物質・エネル ギー」の(4)における電気の性質や働きを利用した道具があることを捉える学習など,与えた条件に応じて動作していることを考察し,更に条件を変えることにより,動作が変化することについて考える場面で取り扱うものとする。
また,「総合的な学習の時間」の内容の取り扱いでは,
(9) 情報に関する学習を行う際には,探究的な学習に取り組むことを通し て,情報を収集・整理・発信したり,情報が日常生活や社会に与える影響 を考えたりするなどの学習活動が行われるようにすること。第1章総則の 第3の1の(3)のイに掲げるプログラミングを体験しながら論理的思考力を 身に付けるための学習活動を行う場合には,プログラミングを体験するこ とが,探究的な学習の過程に適切に位置付くようにすること。
というわけだ。関連業界や学会のみなさんは,プログラミング教育の導入という燃料を投入されて大変活気づいているようだが,どう考えても無理があるような気がする。余裕のある学校や教員が取り組むことには全く異論がないけれど,学習指導要領で規定してしまうことの副作用の方が気になってしまう。結局これも社会階層の分離を推進する方向に働くのだろう。自分にはていねいに分析や批判する気力とエネルギーがないのが残念。

[1] プログラミング教育(文部科学省)
[2]小学校プログラミング教育の手引き(文部科学省)
[3]小学校プログラミング教育に関する研修教材(文部科学省)
[4]教育委員会等における小学校プログラミング教育に関する取り組み状況等(文部科学省)
[5]小学校プログラミング教育に関する指導事案集(文部科学省)
[6]小学校を中心としたプログラミング教育ポータル(未来の学びコンソーシアム)






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