2019年10月19日土曜日

児童生徒の自殺

先日のNHKニュースによると,児童生徒の自殺者数が増加しており,平成30年度は,昭和63年以来最多の332人に達したとあった。子どもの数は減っているのだから,実数ではなく比率で比較するべきだと思って統計データを調べてみた。

日本の統計データは,総務省統計局政府統計ポータルサイト e-Stat に集約されているとはいうものの,本当に探しにくく使いにくいものが多い。データを改ざんし,廃棄し,まともに整理できないという,さんざんな日本政府なのである。大学にAI教育を強制しているので,そのうち自動化されることを見越しているのだろう。

なんとか次の2つのデータにたどりついた。
[1]学校基本調査年次統計在学者数(e-Stat)
[2]平成30年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果(平成30年度) 7.自殺(学校から報告のあったもの)(e-Stat)

あくまでも学校から報告のあったものであり,調査対象の定義も時期によって変動しているが,傾向は捉えられているだろう。小学生の自殺数は1桁以上小さいのでこれを除き,中学生と高校生の各年度の自殺者数をその年度の在学者数で除したものをグラフ化した。

図 日本の中学・高校生の自殺率(1974-2018)

文部科学省には,生徒指導のカテゴリーに自殺予防というページがあり,児童生徒の自殺予防に関する調査研究協力者会議(平成30年度)が設けられていて,それなりに対応している。しかし,この会議の基本資料であるべき児童生徒の自殺者数推移は横ばいであるという結論を誘導するグラフになっている。出発点がこんな認識なのでこの先が思いやられるのであった。

[1]10代前半の自殺,100年ぶりの高水準に。その要因は(石井志昂:不登校新聞)


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