会員等以外による推薦などの第三者の参画など,高い透明性の下で厳格 な選考プロセスが運用されるよう改革を進めるとともに,国の機関である ことも踏まえ,選考・推薦及び内閣総理大臣による任命が適正かつ円滑に行 われるよう必要な措置を講じる
という素性の解らない第三者機関を使って,アカデミーの独立性を露骨に侵害しようとしている。津田大介のポリタスTVのゲストとして呼ばれた隠岐さや香は,なぜここまでこだわるのかがわからないといっていた。そうなのである。軍事研究を進めることがねらいだとしても,日本学術会議などは別に大きな支障にはならない。内閣府に別に拵えた総合科学技術・イノベーション会議を使えば,なんでもできるはずである。
あえていえば,安倍晋三=清和会右翼の思い込みによる学者に対するルサンチマンぐらいしか考えられない。日本学術会議に手を突っ込みたがっていたのは清和会的な右派勢力だ。それが,防衛費倍増の財源を巡る清和会と岸田政権の綱引きにからんで話がややこしくなっている。
隠岐さや香が,日本社会のいろいろな分野で安全装置が外されつつあるといっていた。その一番が,ロシアのウクライナ侵攻を奇貨とした防衛費のGDP1%枠の撤廃であり,集団的安全保障の名のもと米国の軍事システムに完全に組み込まれることだった。