2022年6月15日水曜日

熊ノ郷準

 日経朝刊の交遊抄に阪大医学部長の熊ノ郷淳(1966-)さんが,阪大医学部の1年後輩の竹田潔さん(阪大免疫学フロンティア研究センター拠点長,審良静男の弟子)との関係について書いていた。

熊ノ郷というのは珍しい名前だけれど,和歌山にルーツがあるらしい。たぶん阪大理学部数学科の教授だった熊ノ郷準(1935-1982)と関係があるのではと調べると,Web上にご本人の記事があった。やはり熊ノ郷淳は,熊ノ郷準先生の息子だった。

淳さんが中学3年のときに,父に脳腫瘍がみつかり1年の闘病生活の後に若くして亡くなっている。それが契機となって,大阪教育大学附属高校池田校舎から阪大医学部に進学する。最初は脳神経外科医を目指していたのだが,適性がないことに気付いて岸本忠三(1939-)の下で免疫学の研究に進んだ,というようなことが書かれていた。

学部のころ,豊中キャンパスの生協の書棚に,岩波書店から出版されていた熊ノ郷準の「擬微分作用素」をみかけた。例の薄いけれど高い本のシリーズだ。阪大理学部の廊下でご本人のお顔を見たこともあると思う。大学院を修了してから,森田研究室のセミナーに通っていたころ,理学部の掲示板に,熊ノ郷先生が亡くなられた(47歳だった)ので御遺児のための奨学金を募りますという張り紙があったのが強く印象に残っている。


2022年6月14日火曜日

SDGs

 京阪奈三教育大学の連携が追求されていた10年前,奈良教育大学の特徴的な活動として,ESD(Education for Sustainable Development:持続可能な開発のための教育)という言葉を聞いたのが,SDGs(Sustainable Development Goals:持続可能な開発目標)への最初の接触だった。

その当時は,まったくピンと来なくて,この人達は何を目指しているのだろうか?状態だった。いまでも奈良教育大学の活動は続いている。2022年4月1日から,奈良教育大学ESD・SDGsセンターが設置され,6月26日には設立記念シンポジウムが開催される。

その後,SDGsという言葉をしばしば耳にするようになったがまじめに調べてはいなかった。3-4年前の日本経済新聞の正月版別刷にSDGsの17の目標が詳しく説明されているのを読んで,初めて得心が行った。なんだかいいこと書いてあるじゃないのというわけだ。

ところがその後,SDGsの旗ががあちらでもこちらでも振られるのに,微妙な違和感を感じるようになった。結局,資本主義の延命策を国連の名のもとで宣伝しているだけではないのか。その証拠に,投資会社が率先して,SDGsの双子の兄弟であるESG(Environmental, Social, and Corporate Governance)を売り込んでいる。

このSDGsの流行は実は日本固有の現象ではないのかと,萩原雅之さんが数日前にFacebookで指摘していた。Google Trendsを使って,あるキーワードの検索数を国別・年度別に傾向分析することができる。その結果,SDGsというキーワードは日本で突出して多く調べられていることがわかった。アフリカ諸国がそれに次ぐのだが,欧米ではかなり少ないのだった。


図:SDGsの検索傾向と国別比較

[1]マネジメントファッションにおけるマスメディアの役割 : SDGsを事例として(八塩圭子)

2022年6月13日月曜日

典型的な状態(2)

典型的な状態というのは,統計力学の基礎となる,$N$粒子系の相空間(Γ空間)の点=微視的状態の部分集合である。その微視的状態の数を評価してみる。

簡単のため,常温(300K)の気体分子(窒素分子)を1Lの容器に入れたものを例にとる。$N=1$として,3自由度=6次元の相空間の体積要素は,プランク定数を$h$として,$h^3$になる。ここでは,1自由度だけ取り出して,2次元相空間の体積要素がどんな値なのかを考える。

プランク定数は,$h = 6.6 \times 10^{-34} {\rm \  [J \cdot s]} = 6.6 \times 10^{-34} {\rm \  [kg \cdot m^2 / s ]}$,ボルツマン定数は,$k_B=1.4 \times 10^{-23} {\rm \ [J/K]}$とする。窒素分子の質量は,$m=\frac{28 \times 10^{-3} {\rm \  [kg]}}{6.0 \times 10^23 {\rm \  [/mol]}}$,その平均速度は,$\bar{v}=\sqrt{\frac{3 k_B T}{m}}=\sqrt{\frac{3 R T}{M} }= 5.2 \times 10^2 {\rm \ [m/s]}$

プランク定数を,窒素分子の質量で割ると,相空間の体積要素の換算値$\tilde{h}$が長さと速度の積として表わされ,$\tilde{h}=1.4 \times 10^{-8} {\rm \ [m \cdot m/s]}$である。ここで,箱のサイズが$L=0.1 {\rm \ [m]}$,窒素分子の速度の最大値が$\ v_{\rm max} =3  \times 10^3 {\rm \ [m/s]} \ $のオーダーとして,その積は,$L \cdot v_{\rm max} = 3 \times 10^2 {\rm \ [m \cdot m / s]}= 2 \times 10^{10} \ \tilde{h}\ $となる。

そこで,箱のサイズと速度の最大値をほぼ均等に10万($10^5$)分割すれば,相空間の体積要素は,$10^{-6} {\rm \ [m]} \times 3 \times10^{-2} {\rm \ [m/s]}\ $となる。つまり,相空間の各次元を10万分割してつくる体積要素=セルを単位として,微視的な状態数(総セル数)を勘定することになる。

$N$粒子系の相空間は,$6N$次元空間であり,$N \sim 3 \times 10^{22}$として,総セル数は $\bigl( 10^5 \bigr) ^{10^{23}}$ のオーダーとなる。とにかく多いのだけれど,計算した意味はあまりなかった。

2022年6月12日日曜日

典型的な状態(1)

阪大の菊池誠さんの統計力学の講義がYouTubeで公開されている。

「メルトダウンじゃないだす」とか「甲状腺検査は人権侵害」とか「おしどりマコいじめ」など,Twitterではさんざん物議を醸して,なんだかなぁ・・・なのだけれど,物理の講義はおもしろくてわかりやすい。そのもとになっている講義ノート「統計力学のはじめの一歩」もよい。

その講義では,統計力学の概念的な出発点として,典型的な状態(Typical States)の考え方を採用している。これは田崎晴明さんの培風館「統計力学I」や菊池さんの弟子の湯川諭さんによる日本評論社「統計力学」などのモダンな教科書で強調されている考え方だ。湯川さんの教科書も最近たまたま本屋(理工系書籍の品揃えと配列が最低のツタヤ・・・)でみつけて買ったところだった。

我々が学んだ50年前もそうだったが,20世紀の古い統計力学の教科書では,エルゴード原理によって物理量の時間平均が相空間平均(=集団平均)に一致する(はず(らしい))というのが教科書の定番のイントロの記述であり,まあそんなものかと深く考えずに本論に進むのが常だった。

エルゴード原理を基礎とする考え方は,状態数が膨大なために時間平均の時間があっという間に宇宙年齢を超えるオーダになることで否定され,そのかわりとなる論理が要求された。そこで導入されるのが典型的な状態なのだが,この説明がわかったような,わからないような,古い頭ではなかなか飲み込めない。田崎さんの本によれば次のようになっている。

マクロな系の基本的性質:マクロな量子系では,ある平衡状態に対応する「許される量子状態」のほとんど全てが(マクロな物理量の測定値で比較するかぎり)ほとんど区別できない。

平衡状態についての基本的仮定:ある系での(熱力学でいうところの)平衡状態の様々な性質は,対応する「許される量子状態」の中の「典型的な状態」が共通に持っている性質に他ならない。

これは「許される量子状態」と「典型的な状態」は別であるということを主張している。許される量子状態は,マクロな内部エネルギーUが再現される状態(およびその重ね合わせ状態)の集合であり,内部エネルギー以外のマクロ変数の値が再現されるとは主張していないことになる。一方,「典型的な状態」は,「許される量子状態」のうち,系のひとつの巨視的な熱平衡状態とすべてのマクロ変数の組の値が一致する微視的状態の集合ということか。

で,許される状態のうち,ほとんど全てが典型的な状態であるという主張が,マクロ系の基本的性質として主張されていることになる。うーむ,少なくともどの程度のオーダーかという例を簡単なモデルでいいから見せてほしいところだ。

2022年6月11日土曜日

喫水18m

数日前にTwitterで@miyapii8844 さんが次のように書いていた。

現在世界の造船は水深18m以上の大型船を量産体制に入っています。夢洲のC-10~11は水深15m,C-12は16m,咲洲地区では14m以下しかありません。因みに神戸では15~16mです。
このままでは大型船が入港出来なくなり,その際は一番水深の深い横浜で対応して日本各地に回漕させるか、外地で小型船に移し変えて日本に入港させるかしか出来なくなります。夢洲はIR誘致よりも,水深工事をしなければ,このままでは日本は抜港という事態になり,運送費が跳ね上がる事が予想されます。
水深○○mというのは喫水○○mを可能とする接岸埠頭の水深という意味だろうか。土木学会による日本のインフラの体力診断(港湾)をみると,現状についてはほぼ正しい主張であることがわかる。それから導かれる結論や,その前提となる他の条件までは判断ができない。

無駄な東京五輪2020や大阪万博2025,大量の電力を消費するリニア中央新幹線,さらにはGDPの2%を目指す防衛費など,わけがわからないところに利権まみれのお金を湯水のようにつぎ込もうとしている。だが,肝腎のところはほったらかし,改憲=人権抑圧+軍拡をおもちゃに遊んでいるようにみえるのが自民・公明・維新だが,支持率は高い。

参議院選挙のテーマとして掲げてほしいのは,世襲政治+新自由主義からの脱却を前提に,
(1)少子化と地域過疎化への対応
(2)エネルギー・食糧の革新と確保
(3)社会インフラの更新と維持
などが思いつくのだけれど,課題が生ずるたびに,教育とイノベーションが重要だという話になって,現在の教育研究システムを毀損する新制度ばかりを山のように積み重ねている。


図:コンテナ船の大型化と最大水深岸壁(国土交通省港湾局資料から引用)


2022年6月10日金曜日

惑星直列

 太陽系の地球を除く惑星を一直線上に隙間なく並べると,ちょうど地球−月の距離と等しくなるという話を見かけたので確かめてみた。

地球を除く7惑星の直径 [km] は,{水星,金星,火星,木星,土星,天王星,海王星}={4879.4, 12103.6, 6794.4, 142984.0, 120536.0, 51118.0, 49528.0}となる。また,地球−月の平均公転半径 [km]は,388440.0 である。

Mathematicaで次のコードを実行する。

d = {4879.4, 12103.6, 6794.4, 142984.0, 120536.0, 51118.0, 49528.0}
r = Table[Sum[d[[i]], {i, 1, k}] - d[[k]]/2, {k, 1, 7}]
g1 = Graphics[{Circle[{384400/2, 0}, 384400/2, {11 Pi/12, 13 Pi/12}], 
   Circle[{384400/2, 0}, 384400/2, {-Pi/12, Pi/12}]}]
g2 = Graphics[Table[Circle[{r[[k]], 0}, d[[k]]/2], {k, 1, 7}]]
g3 = Graphics[Table[Circle[{r[[k]] - d[[1]], 0}, d[[k]]/2], {k, 2, 7}]]
Show[g1,g2]
Show[g1,g3]
水星をふくめると公転半径から少しはみ出すが,水星を除けばすっぽりとおさまった。



図:地球−月の公転軌道半径と7惑星の直列配置

2022年6月9日木曜日

アルゼンチンアリ

 先日のクローズアップ現代で,「静かなる侵略者“史上最強”アルゼンチンアリとの攻防」をやっていて,これは大変だ!と思った。

アルゼンチンアリは,南米原産の特定外来生物であり,日本で大繁殖しているとして,大阪空港や周辺の住宅地での調査や防護の様子が紹介されていた。生態系を破壊し農作物にも被害を与えるのは,複数の女王蟻を擁し,スーパーコロニーという巨大な地下ネットワークを作るからだ。国立環境研究所の五箇公一生態リスク評価・対策研究室がロックなヘアースタイルで説明していた。

ところで,この番組内容をどのくらいの重みで受け止めるべきなのだろうか。一般に放送番組は,その内容を強調して印象を強めるように作られている。放送直後の,これは大変だ!はどこまで尤もな話と考えればよいのか。念のために確認してみる。

環境省の生態系被害防止外来種リストのパンフレットをみると,全体像とアルゼンチンアリの位置づけがわかる。外来種リストには,421種が登録されている。そのうち,外来生物法(特定外来生物による生態系等に係る被害の防止に関する法律)で定義される特定外来生物であり,かつ緊急対策外来種であるものは,ほ乳類8種,鳥類1種,爬虫類4種,両生類1種,魚類4種,昆虫類3種(アルゼンチンアリも含む),クモ・サソリ類3種,軟体動物1種,その他の無脊椎動物1種,草本植物(陸生植物)4種,草本植物(水生植物)9種の計38種である。

また,防除に関する手引きが作られているのは,アメリカザリガニ,アカミミガメ,アライグマ,カミツキガメ,オオクチバス,アルゼンチンアリの6種なのでそれなりに重要視されていることは間違いなかった。


図:アルゼンチンアリ(防除の手引きより引用, 実サイズは体長2.5mmで小さい)

[1]我が国の生態系等に被害を及ぼすおそれのある外来種リスト

2022年6月8日水曜日

科学映像館

1960年代を中心として,日本では数多くの良質の科学映画が制作された。それらをデジタル化して保存・公開することを目的としたのが「NPO法人科学映像館を支える会」であり,科学映像館のサイトや,YouTubeチャンネルで700本以上の科学映画が配信されている。

本部は,埼玉県にあり,埼玉県の歯科医師協会が協力していることもあって,撤去冠の寄付を受け付けている。ジャンルとしては,幅広いものであり,教育,自然,動物,植物,生命科学,消化器・循環器・呼吸器系,骨,皮膚,医学・医療,食品科学,工業・産業,農業・漁業・暮らし,社会,芸術・祭り・神事・体育となっている。

科学映画といえば,国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)が運用しているサイエンスポータルの中のサイエンスチャンネルも科学映画や短い動画クリップを扱っている。YouTubeのチャンネルには,1700本くらいのコンテンツがある。

2000年度の卒業論文で,「物理教育動画データベースの構築」というタイトルで物理実験のビデオクリップのウェブサイトを作ってもらった。当時は類似のデジタルコンテンツはごく限られていた。ユーザ側の負荷を考えて,かなり品質を落とした動画をアップロードしていた。その後YouTubeが2005年にスタートし,20年後の今は,質はともかく大量のコンテンツがあふれている。それが子供たちの学びにつながるかどうかはまた別の話となる。

[1]科学映画の一考察(中谷宇吉郎)

[2]科学映像を守る 記録映画の保存と活用(久米川正好)


2022年6月7日火曜日

WWDC22

奈良盆地の田植えがはじまると,アップルの開発者カンファレンスWWDC(World Wide Developers Conference)の季節がやってくる。WWDC22のキーノートが日本時間6/7の午前2時から2時間弱あった。もちろん熟睡中である。朝起きてから評判をざっとみると,イマイチ大きなニュースがなかったようだった。

早速,Appleのサイトでキーノートの録画をみる。今回は屋外でのApple Park 内のライブビューイングだった。現地ではTim CookCraig Federighiの登壇あったが,ライブビューの様子が見えない編集動画を公開していた。印象に残ったのは,カプコン伊集院勝さんが登場したところ。バイオハザードビレッジがApple Siliconに対応したので,もうゲーミングPCでなくてよいという話を日本語でしていた。これは珍しいシーンだ。

ハードウェアは,Macbook Air M2とMacbook Pro M2 13inchの2つが軽く紹介されていた。昨年4月に買ったMacbook Air M1 は CPU/GPU=8/8,Memory/Storage=16G/1T で21.5万円,同じスペックのMacbook Air M2は,CPU/GPU=8/8,Mamoru/Storage=16G/1Tで 26.5万円(注:34.5万円 = 10/8,24G/2T)なので,5万円アップだ。為替レートが130円/$の効果もあって,5万円高くなる。

その5万円で手に入るのは,M2チップ(+20%処理性能),新デザイン(軽量・薄型・スクェア・新色),FaceTimeカメラ 720p→1080p,3.5mm ヘッドホンジャック→ハイインピーダンス,スピーカー→×4,MagSafeポート追加,ディスプレイ→LiquidRetina + 500ニト + 13.6 inchなので,微妙。

iOS16やiPadOS16やmacOS Ventura に至っては,ほとんどどうでもいいような細かな機能を,大げさに宣伝しているので,ちょっとうんざりしてしまう。その中で気になったのが,Dictation(日本語は大丈夫なのか)と,iPadOSとmacOSのシームレスな運用を実現するステージマネージャーくらいか。

iPhoneSE第2世代はぎりぎりiOS16に対応したが,次はどうかわからない。iPad ProもiPadOS16をクリアできた。Macbook Air M1 はもうしばらくいけるだろう。ということで,今回も前回に続いていまひとつ盛り上がりに欠けるWWDCだった。

今回の印象でもっとも大きかったは円が弱いことだ。30-40%程度の貨幣価値の違いはボディーブローのように日本の消費者やAppleユーザを毀損している。まさに後進国化のはじまりだ。

2022年6月6日月曜日

図書館API

国立国会図書館の実験的なサービスに関係した資料を探していると,図書館APIの記事が見つかった。国立情報学研究所教育研修事業 「大学図書館員のための IT 総合研修」2020 年度「Web API を使ったデータの入手とその整備講義資料で,東京大学情報システム部の前田朗さんによるものだ。

国立国会図書館カーリルCiNii,その他数多の例が挙げられている。例えば,国立国会図書館では,NDC Predictorだけでなく,検索用APIと書影APIがある。カーリルでは,蔵書検索APIと近隣の図書館情報APIが提供されている。ただし,その利用にはアプリケーションキーの取得が必要な場合もある。

 

写真:国立国会図書館の書影APIの見本(APIで埋め込み)

もう少し若かったら,卒業研究で学校APIを作ってもらっていたかもしれない。よく考えて設計を始めないと,単なる検索とどう違うのかという突っ込みだらけになりそうだ。

[1]図書館におけるAPIの公開 −PORTAの事例から−(中嶋晋平)

2022年6月5日日曜日

NDC Predictor

国立国会図書館NDLラボが提供している実験的サービスの一つに,NDC Predictorがある。これは,機械学習による日本十進分類の推測アプリであり,テキストエリアに貼り付けられた書誌情報から日本十進分類(NDC9版)を推測する。

日本十進分類法の最新版は,2014年に改訂された新訂10版である。書籍で2分冊800pからなるが,ネット上の関連資料としては,日本図書館協会NDC10による分類記号順標目表や国立国会図書館 の「日本十進分類法(NDC)新訂 10 版」 分類基準がある。

実際の分類には熟練の技が必要かもしれないので,タイトルや著者や出版者などのざっくりした書誌情報で他のテキストが混ざっていても,第一から第三候補まで推測してくれるのであれば,それはそれで有難そうだ。

さっそく,試してみるが,書名と著者名で検索したところ,「統計力学 著者」は,第一候補が90%以上の確率で421/理論物理学,第二候補が1%以内の確率で426/熱力学となった。各著者の第一候補の確率は,久保亮五が99.9%,鈴木増雄99.8%,田崎晴明99.5%,長岡洋介99.2%,北原和夫・杉山忠男98.8%,湯川諭92.3%となった。稲葉肇の統計力学の形成は,91.9%だった。

REST-APIもオープンになっているので,PCからコマンド入力によって結果を機械可読な形式で取り出すこともできる。早速試してみる。APIというとHTTP-APIのGETしか使ったことがない。4回生の2009年の卒業研究でGoogleMap-APIを使って,自然観察の理科ノートを地図上に貼り付けて時空間の変化を調べようというものだった。

今回は,HTTP-POSTを使うので普通のブラウザではアクセスできない。どうするのかと思ったら,curl コマンドを使えばよいということがわかった。具体的には次のようにする。

curl -XPOST "https://lab.ndl.go.jp/ndc/api/predict" --data "bib=統計力学 久保亮五" 

予測に使う文字列は,1000文字以内であり,bib=の後にいれればよい。出力は,JSON形式となり,[ { "value":"推測されたNDCの値, "label":"推測されたNDCのラベル", "score":"推測の確信度(0-1)" }, {第二候補}, {第三候補} ],のようになる。上の例ではつぎのとおり。

[{"value":"421","label":"理論物理学","score":0.9997790320037916},{"value":"426","label":"熱学","score":2.3498150212228626E-4},{"value":"429","label":"原子物理学","score":1.2803195946766326E-5}]

lynxコマンドでも大丈夫かを確かめたところ,標準入力からデータと終了記号をいれてOK。

lynx https://lab.ndl.go.jp/ndc/api/predict -post_data
bib=統計力学 久保亮五
---

[1]開発者のための日本十進分類法

[2]NDCデータ(日本図書館協会)

2022年6月4日土曜日

NDL Ngram Viewer

 NDLラボ国立国会図書館の実験的サービスを提供するサイトである。

そこで,NDL Ngram Viewerが5月から公開されている。国立国会図書館デジタルコレクションでインターネット公開されている資料のうち,著作権保護期間が満了した図書資料約28万点のOCRテキストデータから集計した,約8.3億種類の単語及びフレーズを使って,ある単語やフレーズが年代別にどのくらい使われているかを可視化するアプリケーションだ。

複数の単語を/で並べて入力すると1つのグラフでこれらを比較することができる。横軸は年代だが,著作権保護期間満了という条件があるため,明治から戦後しばらくまでの間は有効だが,それを外れると例外的な点しかでてこない。正規表現が使えるのでかなり凝った処理ができそうだ。

グラフの横軸が年代で,縦軸に単語の出現頻度あるいは出現確率が出てくる。出現確率は,総N-gram数を分母にと書いてあったので??となった。N-gramというと,昔,全文検索エンジンを勉強していたときにでてきた記憶がある。単語のかわりに文字を単位とし,N文字の並びの出現頻度を使って全文検索を実現するものだ。単語の区切りにとらわれず,すべての文字の並びを切り出して処理していた。総N-gram数というと膨大な数にならないか。

説明をよく読んでみると,「全文テキストデータに対して異体字等の丸め処理を行った後,NormalモードのKuromojiで形態素解析を行い,形態素gramで1gramから5gramまでの総出現頻度が4以上の単語及びフレーズを集計しています」とあった。そういうことね,文字ではなく形態素解析で品詞分解したものを使うのか,しかも 1≦N≦5 なので,これならば適当な数に収まる。

さっそく,「代数学/幾何学/解析学/統計学」や「宇宙/原子/原子核/素粒子」などで調べてみた。「力学/電磁気学/熱力学/統計力学」として力学は使えないことに気付く。なぜならば形態素解析では,熱力学も統計力学も熱+力学,統計+力学に分解されるので,ここからも力学のヒットが生じてしまうからだ。うーん・・・。これは仕方ないのかもしれない。




図:Ngram Viewerの出力(電磁気学/熱力学/統計力学/量子力学)
上段は総Ngram数に対する相対確率,下段は出現頻度の絶対値

2022年6月3日金曜日

鶴瓶・二葉・べ瓶

 UNEXTの宣伝用に,笑福亭鶴瓶(1951-)の無学 鶴の間 第1回 が無料公開されていた。記念すべき第1回ゲストは桂二葉(1986-)だった(天狗刺し参照)。冒頭,桂二葉が入門前に笑福亭鶴瓶のおっかけをしていたことが紹介されていた。二葉は大学に入るまではTVを見ることがなかったらしい。そのテレビで初めて見たのが,きらきらアフロの鶴瓶であり,それからおっかけがはじまった。

これをきっかけとして,二葉は落語にめざめるのだけれど,弟子入りしたのは鶴瓶ではなく米朝一門の桂米二(1957-)だった。面倒見がよさそうだったというのがその理由らしい。芸歴をアフロヘアーでスタートしたというのも,二葉と鶴瓶の共通点になっている。

桂二葉のエピソードは,鶴瓶の最後の弟子である笑福亭ベ瓶(べべ,1982-)との対談,桂二葉に迫りたいでも繰り返されていた。べ瓶のことは,ほとんど知らなかったけれど,鶴瓶に3回破門されて,再び戻ってきた人だった。

笑福亭べ瓶は,去る3月31日に新宿の末広亭で,笑福亭鶴瓶との親子会を開いている。主要演目はらくだであり,そのコンテンツはネット上に見当たらないが,対談の様子を鶴瓶・べ瓶親子会 師弟対談ほぼ完全版でみることができた。

笑福亭鶴瓶が笑福亭松鶴(6代目,1918-1986)に入門し,ほぼ同時にマスメディアデビューしたのが,1972年である。自分が大阪で大学生をはじめたころだ。テレビの深夜番組に,ベテランの落語家や漫才師に混じって,アフロへアの鶴瓶が出演していた。三題噺を即興で楽々と作り上げるセンスのよさが群を抜いていて印象的だった。

その後,秀逸で記憶に残る11pmでのやしきたかじんとの漫才,鶴瓶・新野のぬかるみの世界突然ガバチョ,9年9組つるべ学級,鶴瓶・上岡パペポTVなど,50年に渡って楽しんでいる。役者としても活躍しているが,古典落語の行方が興味深い。

2022年6月2日木曜日

倍速人生

 今回の虚構新聞の記事はなかなか力が入っていた。まあいつもすごいのだけれど。

倍速行動で人生240年に」というものだ。日常生活の速度を上げたり効率化したりすることで、相対的長寿を目指す「倍速人生」について,厚生労働省は26日(注:5月26日のこと),専門家による検討委員会の初会合を開いたというもので,次のような案が検討されている。

法改正と整備の項目では,(1) 交通機関の速度制限撤廃,(2) 時速10km以下の徒歩禁止,(3) 2倍速以上の番組放送を義務付け,(4) 業務速度2倍→標準労働時間を4時間に。

人間の処理速度向上の項目では,(1) 漢字・カナ文字廃止→ローマ字分かち書きに,(2) 速読義務化,(3) 16進数の採用,(4) 「三・二・一・二制」(12歳で大学卒業),(5) 成人年齢18歳から9歳に引き下げ。

漢字の廃止は,過去の資料が読めなくなるので無理ではないかと思った。しかし,MR グラスが普及すればリアルタイムでの翻訳は可能だし,おまけで日本語以外の全ての言語のドキュメントをそのまま読むこともできる。

交通機関や徒歩の速度についても,電動車椅子・電動三輪車・電動二輪車・電気自動車がすべてインテリジェント化されれば,速度制限不要でおおむね衝突回避できるかもしれない。

2倍速の番組報道については,ビデオ録画した番組視聴やインターネット経由で時間遅延のあるニュース視聴に抵抗がなくなり,CMスキップがあたりまえの世界になったので,最初から倍速視聴を可能とする放送の実現はそれほど難しくない。いや,YouTubeでは,教育コンテンツや映画を倍速あるいはスキップしながら視聴するのが既に当たり前になっている。自分の場合はせいぜい1.5倍速だけれど,訓練次第では3倍速が可能な若者もでてくるかな。

成人年齢の引き下げのためには性成熟の加速化ホルモンの投与も必要になる。そうすると,日本人の寿命は短くなるものの,高齢化+人口減少問題は解決するかもしれない。ウルトラQの1/8計画で,資源問題の解決を夢見た人が時間問題を考えるとこうなる。

2022年6月1日水曜日

タテ型コンテンツ

 NHKのクローズアップ現代でタテ型コンテンツ(動画/漫画)が流行しているという話題。

その前にひとこと。地方版も含めて最近のNHKニュースの訂正頻度がとても多くなってきた。毎日のようにお詫びしている。それに加えて政治ニュースの軽重の付け方や恣意的な報道内容の表現のレトリックにより,ほとんど政府広報のようだといわれている・・・

・・・NHKの質的低下がひどいという前振りのつもりが,感情に任せて話がそれてしまった。そのクローズアップ現代で,桑子キャスターが平然として「固定概念」という識者コメントの言葉をそのまま伝えていた。固定観念または既成概念が正しい

もちろん,言葉は移り変わるものであり,最近の若い人達が固定概念という言葉を使うのは耳にすることがあるので,100%おかしいとはいえない。それにしても,NHKという日本の言語表現基準の中心にあるべき組織で,言葉への感度が落ちているのだろうことが想像され,さきほどの政治的偏向と併せて残念な話なのだった。

さて本題は,YouTubeのようなPCに対応したヨコ型コンテンツより,TikTocのようなスマートフォンと親和性の高いタテ型コンテンツの方が最近注目を集めやすくなっている。スマートフォン上の漫画も,従来のような横スライドでなく,縦スライドでコマ移動するものが増えている。このようなタテ型コンテンツの方が,視聴者への主観的な訴求力が高いという結論だった。

パソコンでも昔,日本電気のPC-100という縦型ディスプレイとマウスから構成された日本版Alto(AppleのMacintoshのルーツ)が,1983年に発売されている。大阪駅前第1ビルのNECショールームで始めた見たときは,なかなかカッコよかった。残念ながら,その後主流になったのはスタンダートな横型ディスプレイのPC-9800シリーズのほうであった。


写真:NECのPC-100(Wikipediaより引用)

P. S.  NECの大阪 Bit-INN かと思ったが,それはやはり日本橋にあった。C&Cプラザ的なものだったのだろうか。

2022年5月31日火曜日

スターリンク

 Twitterに流れきた GIFアニメーションが人工衛星コンステレーション(星座)を表わしているという。何これ,イリジウムではなかったの,と調べてみると自分の知識が古いまま更新されていなかった。

イリジウムは,高度680kmの軌道に77個の衛星を投入して構成する衛星電話のシステムで(その後66個に),原子番号=電子数77個の元素イリジウムにちなんで命名された。1998年にサービスが開始しているが,2000年にはサービスが終っている。短命だったのだ。

2009年には,イリジウム衛星の一つがロシアの軍事通信衛星と衝突してスペースデブリをまき散らした。2015年には66個の衛星をすべて更新する計画であるイリジウムNEXTがスタートして,現在進行中らしい。

問題のGIFアニメーションの方は,イーロン・マスクスペースXが運用している衛星インターネットサービスのスターリンクだった。2020年に運用が開始しているが,高度650kmに1600基,高度1150kmに2800基,高度340kmに7500基を順次打ち上げ,総数12000基の人工衛星を2020年代中期までに展開する。日本でのサービスは2022年から提供される予定だ。

先週,5月24日が最初の打ち上げから3年目に当たり,49回の打ち上げで2651機が投入され246機が落下している。問題はスペースデブリと光害だ。彗星の長時間露光写真にたくさんの衛星の航跡が重なって写った画像があったけれどどうなのだろうか。


図:スターリンクのイメージ(agenaさんのtwitter記事から引用)

(注)元素イリジウム(iridium)の語源は,イリス(iris)だった。エリジウム(elysium)とは関係なかった。

2022年5月30日月曜日

友ヶ島

コロナ禍で中断していたファミリーツアーが再開したので,久々の旅行で紀州へ向かった。

目的地の一つが紀淡海峡にあり,和歌山と淡路島の間に位置する友ヶ島だ。明治22年(1889年)に大阪湾を防御するために,由良要塞の建設が始まった。日清戦争が明治27年(1894年),日露戦争が明治37年(1904年),その時代のことだ。

由良要塞は,淡路島の由良地区,友ヶ島地区(沖ノ島+虎島),紀伊半島の加太・深山地区から成り立ち,その後,四国の鳴門地区も編入された。このうちの,深山砲台群と友ヶ島砲台群を訪れた。友ヶ島はラピュタのイメージ島として宣伝されているが,現地ではそんな宣伝臭はあまりない。林の中の廃虚となったレンガ造の雰囲気や,砲台跡の地下の弾薬庫跡の暗闇などなかなかおもしろかった。

友ヶ島へは,加太港から友ヶ島汽船定期便が一日4往復の運行をしている。2隻の船(ともがしま号・友ヶ島V号)が片道20分ほどで加太と友ヶ島を行き来する。連休や土日はかなりの賑わいが戻ってきており,時間通りに乗船場にいくと2時間待ちなどざららしい。事前の予約システムはなく,現地の窓口でおばちゃんから物理的な整理券をもらって,並んだ順に切符が購入できる仕組みだ。

ところが,乗客が増えると時刻表はほとんど関係なくて,始発前に臨時便は出るは,臨機応変にピストン輸送モードに切り替わるは,そのアバウトさが大変素晴らしい。もちろん,紀伊水道の内側の大阪湾内とはいえ安全面の配慮は十分だと思われる。

近ごろは,なんでもかんでもネットでの予約システムを使うことになっている。人間の判断の余地を極限まで少なくして,機械に最適化を頼りながらフレキシビリティを追求するというのが流行りなのだ。自動車のナビや自動運転もその延長線上にある。しかし,友ヶ島汽船の古典的なおばちゃん力と船長の力強い柁捌きには一日の長があるように見えた。


写真:友ヶ島V号 定員48人(撮影 2022.5.29)

2022年5月29日日曜日

RICTYフォント

東北大学の清野舜さんによる「試行回数の増やし方2021年度版」というスライドをみていた。

成功回数 = 試行回数 ×  成功率の公式から,成功率なんてあがらないので,成功するには試行回数を増やせ。試行回数を増やすためには,1回の試行時間を如何に短縮するかということで,プログラム開発における重要な考え方やツールの実践的な紹介をしている。こんなアドバイスを身近にしながら研究できる大学院生がうらやましい。

そこで,プログラミング用のフォントの話を見つけた。1(イチ)とl(エル)とI(アイ)や,O(オー)とo(オー)と0(ゼロ)など区別が困難なフォントがある。それを避けるべくデザインされたのが RICTY フォントだ。等幅フォントであり,半角と全角の幅が1:2になっている。

Macでのインストールは,古い資料ではうまくいかなかったが,新しいものでは次のようにして簡単に導入できた。

$ brew tap sanemat/font

$ brew install ricty

$ cp -f /opt/homebrew/opt/ricty/share/fonts/Ricty*.ttf ~/Library/Fonts/

$ fc-cache -vf

結果は次のようになっている。



図:RICTYフォントの見本

2022年5月28日土曜日

個人送信(2)

個人送信(1)からの続き

5月19日から開始された国立国会図書館デジタルコレクションの「個人向けデジタル資料送信サービス(略称:個人送信)」について,申し込みシステムの不備についてさんだんディスっていたが,5月23日に申請受理の連絡メールが届き,無事に使えるようになった。

国立国会図書館が所蔵している資料数は4560万点,そのうちデジタル化されたものが279万点,これまでデジタルコレクションで公開されていたものが56万点,個人送信開始によってこれに153万点が新たに加わり209万点となる。特に,雑誌が2万点から84万点だ。なお,博士論文は13万点,図書が56万点。

本好きが激推し!無料で読める「国立国会図書館」のお宝本」というダイヤモンドオンラインの記事があり,次のようなものが紹介されている。

中央公論社の『世界の名著』シリーズ(1966年~)。『玉川児童百科大辞典』(誠文堂新光社,1967),講談社の『スクール図解百科事典』(1966)。『大辞典(縮刷版)』(平凡社、1953年~1954年)。『川柳大辞典』(日文社、1955年)。『現代短歌分類辞典』(イソラベラ社、1954~)。『寛政重修諸家譜』。全国の市町村史。

さっそく,個人登録番号でログインして「世界の名著」で図書館・個人送信に限定して検索してみた。164件の図書がヒットする。ポプラ社の児童向け「世界の名著」,偕成社の「少年少女世界の名著」,講談社の「少年少女世界の名著」に続いて,中央公論社の「世界の名著」がでてきた。ボンヤリしているとログアウトされて,著作権処理中となって読めないモードに切り替わっているので注意が必要だ。


写真:国立国会図書館のデジタル化作戦の最先端風景(NDLより引用)

[1]元司書が語る! 国立国会図書館の絶版本「読み放題解禁」がスゴい(読書猿・書物蔵)

[2]単なる「雑学好き」で終わる人と、本当の教養を手に入れる人の差(読書猿・書物蔵)


2022年5月27日金曜日

三角関数(4)

三角関数(3)からの続き

東京大学の浜口幸一さんが2022年の夏学期に担当している「基礎方程式とその意味を考える」の中間試験問題が公開されている。

あなたが長い眠りから目を覚ますと、そこは 20xx 年の某国。そこでは、「三角関数は不要だ」と考える権力者によって全ての教科書から三角関数の記述が消されてしまっていた。これは大変だ。しかし幸いなことに、指数関数や複素数に関する記述は残っていた。そこであなたは「基礎方程式とその意味を考える」の講義で出てきた複素指数関数を用いて三角関数を定義し、そこから三角関数の性質を導くことにした*1 。

という設定で,三角関数の加法定理や周期性を導くものとなっている。 その参考文献として,立川裕二さんの2012年の物理数学IIの問題の以下の設定と,

問題:あなたは物理数学のテストの日になって目が覚めてみると空間が 1 次元増えて 4 次元になっていることを発見した!これでは三次元空間における球面調和関数だけでは物理を理解することはできない、四次元における球面調和関数を決定しないといけない。しかし物理数学 II の講義で習った内容は四次元の球面調和関数を決定するのに十分だ。そこで、以下の順序にしたがって、四 次元の球面調和関数について考えよう。

もうひとつ,グレブナー基底大好き bot さんのカクヨム小説「三角関数禁止法」があげられていた。三角関数禁止の世界が洒落にならないのがこわい。まあこの国では,禁止しなくてもみんな忖度で自分から身を捧げるので,だまっていてもどのマスコミも敵性語の三角関数を使わなくなるのかもしれない。キエフも敵性語ということでしたから。