典型的な状態というのは,統計力学の基礎となる,N粒子系の相空間(Γ空間)の点=微視的状態の部分集合である。その微視的状態の数を評価してみる。
簡単のため,常温(300K)の気体分子(窒素分子)を1Lの容器に入れたものを例にとる。N=1として,3自由度=6次元の相空間の体積要素は,プランク定数をhとして,h3になる。ここでは,1自由度だけ取り出して,2次元相空間の体積要素がどんな値なのかを考える。
プランク定数は,h=6.6×10−34 [J⋅s]=6.6×10−34 [kg⋅m2/s],ボルツマン定数は,kB=1.4×10−23 [J/K]とする。窒素分子の質量は,m=28×10−3 [kg]6.0×1023 [/mol],その平均速度は,ˉv=√3kBTm=√3RTM=5.2×102 [m/s]
プランク定数を,窒素分子の質量で割ると,相空間の体積要素の換算値˜hが長さと速度の積として表わされ,˜h=1.4×10−8 [m⋅m/s]である。ここで,箱のサイズがL=0.1 [m],窒素分子の速度の最大値が vmax=3×103 [m/s] のオーダーとして,その積は,L⋅vmax=3×102 [m⋅m/s]=2×1010 ˜h となる。
そこで,箱のサイズと速度の最大値をほぼ均等に10万(105)分割すれば,相空間の体積要素は,10−6 [m]×3×10−2 [m/s] となる。つまり,相空間の各次元を10万分割してつくる体積要素=セルを単位として,微視的な状態数(総セル数)を勘定することになる。
N粒子系の相空間は,6N次元空間であり,N∼3×1022として,総セル数は (105)1023 のオーダーとなる。とにかく多いのだけれど,計算した意味はあまりなかった。
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