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2019年3月2日土曜日

電子計算機と人間

SSS 現代の科学シリーズというのが,1967年から1980年にかけて,河出書房新社から出版されていた。ちょうど中学の終わりから高校にかけて何冊かそろえていた。講談社のブルーバックスよりも少し上といった感じのシリーズである。最初に買ったのが,アイザック・アシモフの「化学の歴史」であり,中学の時に理科クラブで化学に取り組んでいたことに関係があるかもしれない。この本は今では,ちくま学芸文庫に収録されていているので入手しやすい。

もう一冊よく憶えているのがドナルド・フィンクの「電子計算機と人間」である。あと何冊かあったような気がするが,タイトルをみてもどれもピンとこないのである。もしかすると2冊だけしか持っていなかったのかもしれない。

「電子計算機と人間」は,石田晴久先生が最初に手がけられた本のようである。情報処理 Vol.50 No.7(2009年)に「あの時代」に想いをはせて−証言者たちからのメッセージ−として,2009年の3月に亡くなられた石田晴久の追悼特集が載っている。その中に,元bit誌編集長の小山透さんが石田先生の著述物の一覧を整理されている。その第1号が,1969年に出版された,高橋秀俊先生との共訳によるこの本なのだった。

写真:電子計算機と人間(アマゾンより引用)

金沢泉丘高等学校の理数科の1年でプログラミングのさわりを学ぼうとしていた自分にとっては,まさに時宜を得た読書体験であった。ところで,この本には,FORTRANのプログラミングで円周率を求めるという話が延々と書いてあったのだが,どうして円周率が求まるのかがさっぱりわからず,狐につままれたような思いが残っているのだった。いったい,どんなアルゴリズムを用いようとしていたのだろうか。

円周率の計算に続く)

2019年2月1日金曜日

初めての旅

数日前に,日本映画製作者連盟の新年記者発表があり,クイーンのボヘミアン・ラプソディが2018年度の興行収入トップで100億円を越えた,とテレビのニュースでやっていた。東映グループ会長ですっかりおっさんになってしまった岡田裕介が映っていた。

岡田裕介といえば,映画の「赤頭巾ちゃん気をつけて」の薫クンであり,同じ森谷司郎監督の「初めての旅」の主人公である。両作品ともに森和代が主人公の相手役として出演している。高校時代に米島誠二君が森和代を絶賛しており,今はなくなってしまった金沢劇場(東宝の配給館,ゴジラシリーズも日本のいちばん長い日もここで観たのだ)に一人で行ったのが48年前の高校2年の冬か。さらば青春を含む映画音楽は小椋佳だった(青春−砂漠の少年− 岡田裕介と森和代のナレーション入り)。そして,その小椋佳が東大出身の銀行員だとわかったときに,二人でかなりがっかりしていたのもなつかしい。

庄司薫の薫君シリーズでは「白鳥の歌なんか聞こえない」が,NHKの銀河テレビ小説でドラマ化され,主演が荒谷公之と仁科明子だったのだが,やはり岡田裕介−森和代ペアには勝てなかった。岡田裕介は70年代半ばには映画プロデューサに転じ,その後父親の岡田茂の後をついで東映の社長になる。

P. S. 何年か後に,「初めての旅」は曽野綾子が原作だということに気がついた。あの曽野綾子だ…orz。まあ,ストーリーから考えて “むべなるかな” なのであった(岡田裕介が岡田茂の息子であるという状況から考えると2乗で効いているのか,現実の権力関係は青春を凌駕する…orz)。