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2025年4月3日木曜日

NEXUS 情報の人類史

イスラエルの歴史学者,ユヴァル・ノア・ハラリ(1976-)は,サビエンス全史(2011)で有名だ。ガザのジェノサイドでの発言で,やはりイスラエル人なのかという失望があったけれど,バランスのとれた広い視野に立つ議論ができる。

報道ステーションのインタビューの様子がYouTubeにあがっていた。徳永有美キャスターはハラリのNEXUS 情報の人類史 をちゃんと読んで予習してきたのだが,質問の切れはイマイチだった。そこで,ChatGPTを使って概要を調べてみることに。

Q(koshix):
(Nexus の目次pdfファイルを添付)
Harari がその著書 Nexus で主張していることを詳しく教えてください。

A(ChatGPT 4.5):
ご提供いただいたファイル『Nexus: A Brief History of Information Networks from the Stone Age to AI』は、ユヴァル・ノア・ハラリ(Yuval Noah Harari)による書籍のようですが、アップロードされたPDFは、書籍のタイトルとリンク(https://oceanofpdf.com/)以外には具体的な本文が表示されておらず、中身の詳細を確認することができませんでした。
お手数ですが、本文が正しく表示されているPDFファイルを再度アップロードいただくか、または特に知りたい内容やテーマを具体的に教えていただければ、Harariの主張に関する詳しい情報を改めてお調べいたします。

Q(koshix):
Harariの本の本文のテキストデータは持っていないので,pdfにある目次とインターネット上にある書評やブログの中からその本の断片を探してまとめることはできますか?

A(ChatGPT 4.5):
​ユヴァル・ノア・ハラリの著書『NEXUS 情報の人類史』は、石器時代から現代のAI時代に至るまで、人類の歴史を「情報ネットワーク」の観点から再解釈した作品です。以下に、目次と各章の主な内容をまとめます。​(以下回答略)

Q(koshix):
各章の内容についてもう少し深く立ち入って教えてください。
(続けてくださいを2回)

A(ChatGPT 4.5):
(回答略)

Q(koshix):
これを元にして,現在のアメリカ トランプ=イーロン・マスクの未来を予想してください。

A(ChatGPT 4.5):
ハラリが『NEXUS 情報の人類史』で提唱したフレームワークをもとに、ドナルド・トランプやイーロン・マスクが象徴する現代アメリカの状況を考察し、その未来を予測してみましょう。まず、簡潔にフレームワークの再確認をします。

前提・フレームワークの再整理
ハラリの『NEXUS』は以下の視点を中心に展開されています。

(1)情報のネットワーク化と社会の構造変化
・情報が広範にネットワーク化されることで、権力構造が変容する。
・共有する「物語」が政治的結束を可能にするが、同時に社会を分断する要因にもなる。
(2)デジタル技術と全体主義のリスク
・ビッグデータ、SNS、AIが政治的意思決定を左右し、監視社会や情報操作を容易にする。
・情報の透明性の低下やフェイクニュースの氾濫により、民主主義そのものが揺らぐ危険性がある。
(3)AIと民主主義の未来
・AI技術の発展により民主主義の運営方法が変わり、意思決定がAIに委ねられる可能性がある。
・テクノロジー企業や強力な個人が情報ネットワークを掌握し、政治に大きな影響力を持つ可能性が高まる。

現在のアメリカの状況
アメリカは現在、以下の3つの要素が交錯しています。

(1)トランプ的ポピュリズム(大衆を動員する物語の政治)
(2)イーロン・マスク的テクノロジー至上主義(技術・AI中心の権力構造)
(3)デジタル情報の偏在と監視化(SNS、デジタル監視、情報操作の拡大)

ハラリ的視点での未来予測(トランプ=マスク的な未来像)
ハラリが提示する未来像をトランプとマスクが象徴する要素に重ね合わせると、次のようなシナリオが考えられます。

強力な個人による情報ネットワークの掌握
・トランプ的シナリオ(政治的支配)
 —トランプはSNSやメディアを通じて人々の感情を強力に動員し真偽よりも「物語の力」によって世論を操縦する可能性があります。
 —フェイクニュースや陰謀論が意図的に拡散されることで、事実の共有基盤が崩れ、民主主義的な合意形成が困難になります。
・マスク的シナリオ(技術的支配)
 —マスクが運営する「X」(旧Twitter)などの巨大な情報プラットフォームが、世論形成の中心となり、マスクの思想やアルゴリズムによる意図的・無意図的な情報操作が常態化します。
—AIを活用した意思決定アルゴリズムやビッグデータを活用した情報監視が政治に影響を及ぼし、民主主義の質が低下する可能性があります。

デジタル全体主義のリスクの高まり
・アメリカが直面する危険の一つは、トランプのような政治指導者と、マスクのようなテクノロジーリーダーの共存による「デジタル全体主義」です。
・政治的な指導者がテクノロジー企業と協力または利用することで、市民のプライバシーが浸食され、情報を元に市民を制御するシステムが進む恐れがあります(例えば、社会信用スコアなどの導入)。

AIの台頭による民主主義の変質
・マスクが進めるAI技術やニューラルリンクのような脳情報ネットワーク技術が普及すると、人間の意思決定はますますテクノロジーに依存し、民主主義的なプロセス自体が大きく変化します。
・政治的意思決定にAIが介在し、民主的な合意形成は「AIが導く合理的解」に置き換わる可能性があります。その結果、民主主義の本質的な要素である討論や意見交換は軽視され、人間がAIによって政治的意思決定を受動的に受け入れる社会が出現するかもしれません。

想定される具体的な未来のシナリオ
シナリオ / 内容 / リスク・課題
物語政治の極端化 / トランプ型の政治が広がり、「事実よりも感情」が優先される / 情報分断、陰謀論の蔓延
テクノロジーによる監視社会 / マスク型のテクノロジー企業が政府と結びつき、監視技術やビッグデータが広く活用される / プライバシーの喪失、社会信用システムの登場
AIによる意思決定 / 政府がAIを用いて「最適な政策」を決定し、市民が政治的意思決定から排除される / 民主主義の実質的崩壊、AIへの過剰な依存

これらの未来を回避するための示唆
ハラリ的視点を踏まえると、次のような行動が求められます。

(1)情報透明性とリテラシーの強化
フェイクニュースや陰謀論への抵抗力を高めるため、教育やメディアのリテラシー向上が不可欠です。
(2)テクノロジー企業への監視と規制
権力を持つテクノロジー企業(Xなど)に対して適切な規制を設け、AIやデータ利用の透明性を求めることが必要です。
(3)AIとの共存を目指す倫理的フレームワーク
AIに人間の意思決定を委ねる際には、倫理的枠組みや人間中心のガイドラインを設定することが重要です。

まとめ(要点の再確認)
・トランプ(政治的ポピュリズム)とマスク(技術中心主義)が交錯すると、情報の分断やデジタル監視が加速し、民主主義の弱体化や変質を引き起こす可能性が高い。
・これを回避するには情報リテラシーの向上、適切な企業規制、AIへの倫理的対応が必要である。

ハラリが警告する未来を参考に、こうした課題に積極的に対処することで、より望ましい社会を築くことが可能となります。


写真:ハラリ(Wikipediaから引用)

2025年4月2日水曜日

アンドロイドと人間

アンドロイドと人間」という,フィリップ・K・ディックの1972年のエッセイがある。これを読むのが面倒なので,pdfからテキストを抽出して,タイトルと著者名を伏せたままQwen2.5-MaxとDeepSeek V3に読みこませた。2種類の要約を1つのテキストファイルとして,ChatGPT o3-mini-highに評価させた(DeepSeek V3 は著者がディックであると見抜いた)。
Q(koshix):
ある英語の文書を2つのAIに解読させたものが,添付ファイルの【テキストA】と【テキストB】です。どちらの方がよりよい解説になっているかを評価してください。

A(ChatGPT o3-mini-high):
以下、評価の前提とプロセスを説明した上で、最終的な結論を述べます。

分析の前提と考察プロセス
1.解説内容の網羅性と明確さ
・テキストAは、原文の主要なテーマを箇条書き形式で整理し、各項目(例:原始的な心と現代心理学、人工環境の「生命化」、若者の反逆など)をシンプルに解説しています。ポイントごとに端的でわかりやすいですが、背景や文脈に踏み込んだ説明はやや不足している印象です。
・テキストBは、同様のテーマを扱いつつも、フィリップ・K・ディックという著者の視点を明示し、サイバネティクスや哲学(例:ノーバート・ウィーナー、スピノザ、宗教的象徴)といった関連知識を取り入れることで、より深い文脈理解とニュアンスある解釈を提供しています。

2.文脈と知的背景の提示
・テキストBは、単にテーマを羅列するだけでなく、どのような知的伝統や理論(サイバネティクス、監視社会、宗教・哲学的考察)に根ざしているかを明示し、読者にとって背景情報が補完される構成になっています。
・これにより、読者は単なるまとめ以上に、原文の意図やその先にある問いに対して多角的に考える手がかりを得ることができます。

3.解説の深みと論理的展開
・テキストAは要点を抑えてはいるものの、各論点間の関係性やより広いテーマとの関連付けに関しては説明がやや表面的です。
・一方、テキストBは「人間と機械の融合」や「人間性の喪失と『アンドロイド化』」など、各テーマが持つ倫理的・哲学的含意についても踏み込んでおり、また若者の役割や未来へのビジョンについても詳細に論じられています。

結論
両解説とも原文のテーマを的確に捉えているものの、より豊かな文脈提示と深い分析を提供しているのはテキストBです。
テキストBは、著者の意図や知的背景(例:サイバネティクス、監視社会、宗教・哲学的考察)を具体的に示すことで、読者が原文の示唆する複雑な問いに対して多面的に考察できるような解説となっており、全体としてより優れた解説であると評価できます。(テキストA・B)

最終評価
テキストBの方が、より深みがあり文脈に富んだ優れた解説であると判断します。
テキストAがQwen2.5-Max,テキストBがDeepSeek V3 である。まあまあ。



写真:Philip K. Dick の肖像(IMDbから引用)


2025年4月1日火曜日

バイブコーディング

これまでも生成AIでプログラムをつくることはあった。しばらく前にそれがバイブコーデイングVibe coding)という看板を与えられた。

バイブコーディングは,従来のようにプログラマがコードを直接記述するのではなく,自然言語によって生成AIに対話的指示を与え,それによって生成されたコードでプログラミング開発サイクルを進める。エラーが出ればそれをそのまま生成AIに投入する。このためには要求仕様をなるべく正確に言語化しなければならない。プログラミング能力=自然言語能力というわけだ。


動機:TBSの報道特集でも話題になったクラウドワークス問題。グレイゾーンの隙をみて,原理的には違法な選挙ビジネスが横行している。その仕事依頼ガイドラインは放送直後に改訂されてごまかしを図っている,その新旧対照表をつくろうと考えた(菅野完のチャンネルでクラウドワークスの出した新旧対照表を紹介していた)。

さっそくバイブコーディングを意識して,ChatGPT o3-mini-high でプログラミングしてみた。最初は新旧の仕事依頼ガイドラインのテキストの差分をdiffコマンドでとったもので試したがうまくいかなかった。次に,データグレンジングのためガイドラインのすべての項目に条番号をつけて章でまとめることにした。それが以下の報告である。ただし3ターン目かな。なお,Gemini 2.0 Flash,DeepSeek,Qwen2.5-Max などはうまくいかなかった。

Q(koshix):
各種の規程案で,新旧対照表というものがあります。 新旧の2列が対照できるように並んだ表であり, (1) 第一条から通し番号で番号付けされた条文ごとに, 新規程では新設部分(新設項目や修正後表現)にマーク(強調)がされ, 旧規程では削除部分(削除項目や修正前表現)にマーク(取り消し線)がされて, 新旧条文の比較対照ができるようになっているものとします。 (2) 条文番号以外に内容変更がない項目は新規程の欄に条文番号と内容を 記述し旧規程側は,旧規程の条文番号をつけて(同上)とします。 この場合,新規程側には強調マークがつきません。 (3) ある番号の条文全体が新設された場合は,旧規程側に条文番号 なしで「(新設)」と表記されます。つまり,条文番号は同期しないことが あります。 (4) ある番号の条文全体が削除された場合は,新規程側に条文番号 なしで「(削除)」と表記されます。つまり,条文番号は同期しないことが あります。 (5) 章番号と章名は,変化がない場合でも, 新旧両方ともそのまま記述してください。

 これを実現するpythonプログラムは次のように考えています。 (1) 入力は条文番号付きの新と旧のテキストファイルです。 (2) 図表や文字の修飾情報などは含まれません。 (3) 出力はmarkdownであり,強調と取り消し線の情報を含めます。 (4) 内容が同一というのは完全に文言が一致することを指します。 (5) 条文間の対応に関する指示はありませんので,出現する表現の一致度から 適当なアルゴリズム(difflibなど)を用いて条文の対応関係を判断する必要が あります。ただし,章をまたいで対応する条文はないものとします。 (6) 章内の条文の順序は入れ替わっていることもあるので,対応関係を 探す際のアルゴリズムには工夫する必要があるかもしれません。

 参考となる新ファイル,cw1.txtの一部はつぎのとおりです。 「クラウドワークス仕事依頼ガイドライン 第1条 仕事依頼ガイドラインでは、利用規約に基づき本サービスにおける依頼の順守事項および利用条件を定めています。 第2条 本サービスでは、以下のような行為や依頼を禁止しています。これに違反した場合、投稿の削除やアカウントの利用制限などの対応をおこなう場合があります。 第1章 公序良俗に反する仕事 第3条 社会規範に反する内容や、道徳観念から外れた行為など、一般的な公序良俗に反する内容への賛同・助長につながるような仕事の依頼を禁止しています。 第4条 一般社会通念上、明らかに第三者に嫌悪感・不快感を与えるような文面や画像、暴力的な表現、猥褻な表現やデータなどを閲覧する必要がある、または意図せずに閲覧してしまうよう公開している、あるいはそれらを作成する依頼質問があればお願いします

A(ChatGPT 03-mini-high):
(内容の問い合わせ,略)

Q(koshix):
(1) 出力は Markdown の「表形式」で作成してください。 (2) 新設部分は太字で,削除部分は取り消し線で (3) 差分検出アルゴリズムの類似度50%以上で一致と判断します。 (4) 変更箇所だけを強調(新規程側)・取り消し線(旧規程側)にする形でお願いします。 (5) 各条文は最初の2つを除いて,各章に包摂されます。 (6) 1つの条文は1行で収まります。 (7) 章内で条文の順序が入れ替わるので,マッチングの際は章単位で処理します。 (8) 新旧で部分的に変更がある場合は,新規程側の変更箇所のみ強調、 旧規程側の変更前部分のみ取り消し線という解釈でOKです。 (9) UTF-8です。macOSのテキストファイルです。 (10) 結果は標準出力にお願いします。

A(ChatGPT 03-mini-high):
(内容の確認,略)

Q(koshix):
OKなので進めてください。

A(ChatGPT 03-mini-high):
(実装の流れとコードとプログラムの使い方)

Q(koshix):
ほぼ期待どおりです。ありがとうございました。 新規程側の条文順はそのままの維持された形で出力してください。 最後に条文と同じように制作年月日の新旧の欄を作ってください。

Q(koshix):
入力ファイルの末尾に改訂年月日の記述があるので,制作年月日というところをそれで置き換えてください。これには条文番号が付いていないので注意してください。 なお,新規程の条文番号順に出力するというミッションは達成されていません。

Q(koshix):
新規程のファイル末尾の2行は,以下のとおりです。 第117条 その他、特に弊社が不適切と判断する内容を含む依頼 令和7年3月14日改訂 この「令和7年3月14日改訂」というテキストをmarkdownファイルの最終行の項目として加えてほしいという希望なのですが,わかりますか?

Q(koshix):
そういうことです。どうぞよろしくお願いします。

Q(koshix):
旧規程側にも同様の行があって,同じように対応することを希望していたのですけれど,大丈夫ですかね。

A(ChatGPT 03-mini-high):
(大丈夫です,最終コードが完成する)

cw1.txt:クラウドワークスの仕事依頼ガイドライン(令和7年3月14日改訂)の整形版
cw2.txt:クラウドワークスの仕事依頼ガイドライン(令和6年12月18日改訂)の整形版
no2m.py:ChatGPTが出力したpythonコード(上記のVibeコーディングで作成したもの)
cw4.md:no2m.py cw1.txt cw2.txt > cw4.md で出力したmarkdownファイル
cw5.docx:pandoc cw4.md -f markdown -t docx -o cw5.docx で出力した修飾済み新旧対照表



図:整形後のcw5.docx の一部見本