2025年4月29日火曜日

貿易障壁(1)

相互関税(7)からの続き

24%という相互関税率の根拠はほとんどあいまいで,かつ,トランプの主張も妄想的な思い込みに縛られている。そうはいいつつ,貿易障壁について米国は,FOREIGN TRADE BARRIERS 2025のなかで分析している。

以下はその貿易障壁レポート中の各国の記述内容ページ数である(下線は貿易赤字ランキングベスト10内)。日本は7番目に位置している。まあまあか。
CHINA         48
EUROPEAN UNION 34
GULF COOPERATION COUNCIL 19
INDIA           16
RUSSIA        15
INDONESIA 14
JAPAN          11
TÜRKİYE      11
THE PHILIPPINES 9
VIETNAM    8
KOREA        7
MEXICO       7
BRAZIL        6
CANADA     6
GHANA       6
KENYA        6
NIGERIA     6
PAKISTAN     6
TAIWAN        6

Q(koshix):
(注:2025 National Trade Estimate Report on FOREIGN TRADE BARRIERS of the President of the United States on the Trade Agreements Program から日本に関する11p分を添付)
日本の貿易障壁に関する内容を整理しつつもれなく丁寧にまとめてください。

A(ChatGPT 4o):
日本の貿易障壁についての内容を、各分野ごとに丁寧に整理し、ポイントを押さえてまとめます。

【1】貿易協定
・日米貿易協定 (USJTA)、日米デジタル貿易協定 (USJDTA)(2020年1月1日発効)
食品・農産品の約90%で関税を撤廃・削減。ただし、米、乳製品、飲料など一部品目は依然として高関税が課題。
・重要鉱物サプライチェーン強化協定(2023年3月28日署名・即時発効)
・電気自動車用電池技術の普及推進などを目的としている​。

【2】輸入政策(関税・数量制限など
(1)関税の概要
・平均関税率(2023年)
 農産物: 12.2%、非農産物: 2.4%、全体では3.7%。
 化学品、魚介類、木材製品、宝飾品など一部の工業製品には依然として高関税が存在。
(2)農産物・食品の関税障壁
・米・米加工品、特定乳製品、果物(イチゴ・ミカンなど)、砂糖、ペットフードなどで関税が高く、輸入を制限。
・魚介類では10%の関税のほか、スケトウダラなどに数量割当制度(TRQ)が存在。
(3)皮革・履物製品
・一部革靴には最大130%の関税率相当のTRQ適用。輸入品のコストを著しく上昇させ、市場参入を妨げている。

【3】非関税障壁
(1)米
・ミニマムアクセス(OMA)および同時売買方式(SBS)により輸入を管理。SBSは市場価格から乖離したマークアップを設定し、米国産米の流通を妨げている。
(2)小麦
・農林水産省が小麦輸入を独占的に管理し、輸入価格より大幅に高い価格で製粉業者に転売している。
(3)豚肉
・「差額関税制度」(ゲートプライスメカニズム)で低価格輸入豚肉への累進関税を課しており、市場歪曲効果を生んでいる。
(注:エタノールとバイオ燃料に関する記述が欠落している)

【4】衛生植物検疫障壁(SPS)
・(1)食品安全管理の複雑化
食品安全基準の管理が厚生労働省から消費者庁へ移管(2024年)されたが、監視検査は厚労省が継続。透明性が課題。
(2)最大残留農薬基準(MRL)
・一事業者が基準違反を起こした場合、当該国からのすべての輸入品を対象とする検査を強化するため、リスクベースの合理性が求められる。
(3)牛肉製品
・牛海綿状脳症(BSE)対策として、国際基準よりも厳格な「特定危険部位(SRM)」除去を要求している。
(4)植物検疫の規制強化
・米国産リンゴ、桃、ジャガイモなどの輸入に対し、燻蒸処理など厳格な規制を適用している。
(注:桃など堅い内果皮=核果のある果実のことをstone fruit と呼ぶことを知った


【5】政府調達障壁
・日本はWTOの政府調達協定(GPA)に参加しているが、仕様書が日本製品に有利になる場合があり、透明性に課題がある。

【6】知的財産保護
・地理的表示(GI)の認定プロセスで透明性が不足するケースが指摘されている。
(注:なんだ,たったこれだけか・・・)

【7】サービス障壁
(1)速達サービス
・日本郵便と国際速達業者で関税手続きが異なり、日本郵便が優遇されている。
(2)金融サービス
・ゆうちょ銀行、かんぽ生命の業務拡張が競争上の懸念。
・共済保険の監督が金融庁外にあるため、透明性が欠如。
(3)教育サービス
・外国大学の日本キャンパスは税制・助成金などの面で日本の大学と比べて不利な状況に置かれている。
(注:説明不足,学校法人になれといわれたが,それでも解決できない!と指摘)
(4)法務サービス
・弁護士・クライアント間秘匿特権が限定的で外国資格弁護士に不利。
(5)通信サービス
・外国企業を含むクラウド・ストリーミングサービス企業も日本の規制を受け、登録義務等が課されている。

【8】エネルギーと環境規制 (注:これらは【7】の中に含められている)
・再生可能エネルギーは電力網容量制限などの非競争的な要因で普及が阻害されている。
・産業用蓄電池調達の認証制度で外国企業を実質的に排除する規制導入(2024年)。

【9】デジタル貿易障壁
・デジタルプラットフォーム事業者に対する規制強化は米国企業を不当に狙い撃ちしているとの批判がある。

【10】補助金
・木材製品への国内補助金は輸入品に対して競争上不利。

【11】その他の障壁
(1)透明性
・パブリックコメント期間の短さ、規制制定の不透明性。
(2)自動車市場
・非関税障壁(米国安全基準の非承認、独自周波数規格など)により米国製自動車の参入を阻害。
(3)医療・医薬品
・医薬品価格の維持制度で透明性や予測可能性が不足。
(4)栄養補助食品・医薬部外品
・日本の規制制度が複雑で、製品承認が遅延。

【まとめ・重要ポイント】
・日本の貿易障壁は関税よりもむしろ非関税障壁が多岐にわたり、農産品からサービス分野まで広範に存在。
・米国は引き続きこれらの問題の改善を日本政府に求めており、透明性向上、公平な競争条件の確保、国際基準への整合を主張している。
・この資料に基づき、特に重要なポイントを体系的にまとめました​。




図:ChatGPT 4oによる貿易関税摩擦関係品目



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