その調査を請け負ったのは,2013年に英国における同様の調査 "The Future of Employment" という研究を行った,オックスフォード大学のオズボーンとフレイだった。本文テキストへのリンクがつながらなかったので,代替の資料を参考としてあげる。日本版の説明は資料[1]にある。
最近,ChatGPTなどの登場を受けて職業へのAIの影響度を分析したのが,Feltonらだ。彼らの分析手法は必ずしも手の込んだものではないかもしれないが,職業が代替されるかどうかまでは踏み込まずに,影響度の大きさを評価するということにとどめている。ただ,その分析方法が妥当なのかどうなのか。AIの影響が大きな職業ベスト20はかなり偏った結果になった。
なお,職業名の和訳にはGPT-4の力を借りたので少し微妙。「大学」というのは原文では post secondary という表現なので,大学や短大を含む高等教育ということになろうか。
1. テレマーケティング担当者2. 英語・英文学教授(大学)3. 外国語・外国文学教授(大学)4. 歴史教授(大学)5. 法学教授(大学)6. 哲学・宗教学教授(大学)7. 社会学教授(大学)8. 政治学教授(大学)9. 刑事司法・法執行教授(大学)10. 社会学者11. 社会福祉学教授(大学)12. 心理学教授(大学)13. コミュニケーション学教授(大学)14. 政治学者15. 地域・民族・文化研究教授(大学)16. 仲裁者・調停者・調解者17. 裁判官・裁判所判事・法官18. 地理学教授(大学)19. 図書館情報学教授(大学)20. 臨床・カウンセリング・学校心理学者
同じ著者によるChatGPT登場以前の2021年論文の分析はまったく同じ手法だけれど,以下のようによりマイルドだった。どういうこと。以下がAIの影響の大きな職業ベスト20。
1 遺伝カウンセラー2 金融検査官3 精算士4 卸売、小売、農産物以外の購買担当者5 予算アナリスト6 裁判官、裁判所判事、法官7 調達事務員8 会計士および監査人9 数学者10 司法書記官11 大学教育管理者12 臨床心理士、カウンセリング心理士、学校心理士13 財務マネージャー14 給与、福利厚生、職務分析の専門家15 信用承認担当者、チェッカー、事務員16 大学の歴史教師17 地理学者18 疫学者19 経営分析士20 仲裁者、調停者、調解者
[1]日本におけるコンピュータ化と仕事の未来(フレイ,オズボーン, 2015)
[2]Digital Automation and the future of work (Europian Goverment,2021)
[3]Occupational, industry, and geographic exposure to artificial intelligence: A novel dataset and its potential uses (E. Felton, M. Raj, R. Seamans, 2021)
[4]How will Language Modelers like ChatGPT Affect Occupations and Industries?(E. Felton, M. Raj, R. Seamans, 2023)
[5]GPTs are GPTs: An Early Look at the Labor Market Impact Potential of Large Language Models(T. Eloundou, S. Manning, P. Mishkin, D. Rock)
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