2023年3月12日日曜日

幽霊漢字

 今日,第1回AIアートグランプリ発表があった。主催がドスパラ(サードウェーブ)で事務局が清水亮さんのMEMEPLEXだ。

279件の応募作品から,17作品が第一次選考を通過した。そのうち12作品が佳作であり,第2次選考を通過した5作品から,グランプリ1作品と準グランプリ4作品が選ばれた。なんと,グランプリは,backspace.fmでお馴染の松尾公也さんの「Desperado by 妻音源とりちゃん[AI]」だ。

これまでも亡くなった妻のとりちゃんの音源を作ってきたが,AIによって画像イメージも生成した上に,自分の歌声をとりちゃんの声に変換できるようになった。さらに3次元化にもチャレンジしているらしい。自分の声やテキストもAI化して残る未来を想定している。

最近,テクノエッジを運営するテクノコアに入社した松尾さんは,MacUserの初代編集長で,有料メールマガジンMacWIREも立ち上げている。ドリキン,西川善治と3人で毎週流しているbackspace.fmの話が面白い。

さて,AIアートグランプリで印象に残ったのは,カラス=ヨーロッパ中世の防疫マスクで登場した機能美Pさんの作品だ。急遽作られた審査員特別賞も受書した。AIグランプリなのにAIは2%しか使っていないというメタコンセプトの「そんな話を彁は喰った」がその作品だ。そのタイトルに登場する漢字「彁(か・せい)」は幽霊漢字とよばれている。

1978年に通商産業省が制定したJIS C 6226(後のJIS X 0208)では,いわゆるJIS第1・第2水準漢字として6349字が規定された。このとき典拠は次の4つの漢字表だ。
 1. 標準コード用漢字表(試案): 情報処理学会漢字コード委員会(1971年)
 2. 国土行政区画総覧: 国土地理協会(1972年)
 3. 日本生命収容人名漢字: 日本生命(1973年、現存せず)
 4. 行政情報処理用基本漢字: 行政管理庁(1975年)
この中に,音義・使用例の不明な文字があることが指摘され,辞書類に収録されながら実用例のない単語を意味する「幽霊語」をもじって「幽霊文字」と呼ばれるようになった(WIkipedia 幽霊文字から抜粋引用)。

また知らなかった事実に出会うことになる。犬も歩けば棒に当たる。

図:幽霊漢字の例(

P. S. AIアートグランプリはNHKニュースでも取り上げられて,松尾さんがインタビューに答えていた。


[1]「松尾PはなぜAIアートグランプリで優勝できたのか?!」(第1965話 shi3z & drikinの#AIドリフト)
[2]第一回AIアートグランプリを受賞したので自分の作品解説とファイナリスト作品への感想。そしてその先(CloseBox)(松尾公也)
[3]第1回 AI Art GrandPrix が素晴らしかった件(白井暁彦)

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