令和四年度の水産白書には,日本の水産物輸出の状況が説明されている。そもそも,2016年以降,肉の消費量が魚のそれを上回ってしまい,日本人が魚介類を食べなくなってしまったのが問題だ。こどもが魚を嫌い,値段は高く,調理も面倒だからだというのがその理由だ。
その分は輸出に活路を見いだそうということになる。2022年度の日本の水産物輸出額は3900億円に達しており,その42%の1600億円が中国・香港むけである。ここまでは良く報道されている。その内訳はどうか。輸出品目の一位がホタテ貝(23.5%)で,その半分が中国向けだ。五位のナマコ調製品(4.8%)の89.3%と六位のカツオマグロ類(4.6%)の35.8%が中国・香港向けだ。それ以外は少ないのでこれでほぼ全体像がわかる,と思いきや中国で285億円(33%),香港で405億円分(54%)はその他の水産物だ。なお,三位の真珠の72.7%は香港向けだけれどこれは食べないからなあ。
結局,主にひどい目にあうのは北海道のホタテ業者(ほぼ100%)と北海道・青森・山口のナマコ業者(これで50%)ということなのか。
NHKのクローズアップ現代で,「フクシマ」論の元凶の開沼博が国民一人1600円魚を食べて応援しようという酷い発言をしていた。単純な自分は思わずうなずいて騙されそうになってしまった。食べて応援する場合は,ホタテとナマコを中心としてあと少しのマグロ・カツオを加えることを忘れないようにする。
図:ホタテとナマコ(どこぞからコピペして加工したもの)
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