トリチウムについて,あるいはヨウ素129について,あちこちに書き散らかしている。このため,どこに何があるのかもよくわからない状態で困っている。そこで少しまとめておく。(1EBq = 100京Bq = 2.77kgT, ∵1molT = 6.02×10^23×0.693/(12.3*3.15*10^7) = 1.08×10^15Bq)
地球上のトリチウム
自然生成量 大気上層で宇宙線が生成:7.2京Bq/年(200gT/年)
原発生成量 気圏放出:1.2京Bq/年(32gT/年) 水圏放出:1.6京Bq/年(44gT/年)
核実験起源 1950-60年代:1.9垓Bq(530kgT)→ 2021:2000京Bq(55kgT)
全存在量 自然生成との平衡量:130京Bq(3.6kgT)・・・7/{1-e(-0.693/12.3)}
核実験・原発起源等:5200京Bq(140kgT)
水圏のトリチウム
排出基準 6万Bq/L
海洋測定濃度 〜1Bq/L
降水測定濃度 〜0.5Bq/L 降水総量 (日本全国 223兆Bq/年)
飲料水規制基準 100Bq/L(EU),1万Bq/L(WHO)
大気中のトリチウム
規制基準 5Bq/L
測定濃度 HTO 〜10mBq/㎥
福島第1原発からのトリチウム(事故前)
原子炉中の総量 3400兆Bq(9.4gT ≒ 63gHTO) → 1〜2割が海洋放出
海洋放出実績 2.2兆Bq/年 (日本全国 380兆Bq/年)
大気放出実績 1.5兆Bq/年 (日本全国 260兆Bq/年・・・推定値)
福島第1原発からのトリチウム(今後)
第1原発サイト総量 2600兆Bq(7.2gT)
汚染水タンク中の総量 830兆Bq(2.3gT ≒ 15gHTO)
サブドレン放出濃度 660Bq/L(平均)〜1100Bq/L(最大)
海洋放出基準 1500Bq/L (22兆ベクレル/年)
大気放出基準 5Bq/L (なし)
[1]トリチウムの性質について(案)(多核種除去設備等処理水の取扱いに関する小委員会事務局)
[2]自然環境中のトリチウム生成のシミュレーションとその評価(水野義之)
[3]トリチウムの環境動態及び測定技術(柿内秀樹)
[4]環境トリチウム—その挙動と利用(高島良正)
[5]トリチウムの環境動態(百島則幸)
[6]環境水の中のトリチウム(宮本霧子)
[7]ALPS処理水に含まれるトリチウムとは何か(鳥飼祐二)
[8]トリチウムの物性等について他(経済産業省資料)
[9]トリチウム分析法(文部科学省原子力安全課防災環境対策室)
0 件のコメント:
コメントを投稿