2020年10月27日火曜日

多核種除去設備等処理水

蟹甲殻類大腿部歩脚身取出器具みたいな用語である。

 多核種除去設備等処理水(ALPS処理水,ただし処理しきれなかった核種を含む)のことをトリチウム水とよんで,よってたかって安全だというのがキクマコらの手口。おしどりマコが「【福島第一】測定員不足、計器故障、二次処理の実験もされないまま議論は大詰めに【ALPS処理水】」で,細野豪志のデマを叩き潰していた(時間順序はべつとして)。

トリチウムのベータ崩壊は,ニュートリノ質量の問題でも馴染み深い遷移だ。大阪教育大の1999年の物理の入試問題でも出題したことがある。1970年代に設置された富山大学トリチウムの研究センター(現在の水素同位体科学研究センター)の記事を読んだ当時から,トリチウムの安全な取り扱いは非常に難しいものだという印象を持っていた。トリチウムのベータ崩壊は半減期が12.3年で,ベータ線の最大エネルギーが18.6 keVだけれど,生体分子の水素と置き換わる可能性があるからだ。ところがいつの間にか安全な核種の代表みたいな触れ込みになってしまった。

おしどりマコのいうように実は敷地内に貯蔵タンクの設置可能な場所がまだ十分あるのならば,これを37年貯蔵して放射能を1/8にしてから(他の核種で汚染されていないものを)順次放出ということもあるのかもしれないがどうなのだろう。

一方,炭素年代測定でおなじみの,14C(半減期が5730年で,ベータ線の最大エネルギーは156keV)もALPSで除去できていないらしい。これも大阪教育大の2001年の入試問題で出題した。超微細状態からのミューオン捕獲でも取り上げた核種だ。

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