2020年10月26日月曜日

市制

現在ある「市」という自治組織は,1888年(明治22年)に公布された市制によってスタートしている。1889年に市制が施行されたのは次の40市(東京,京都,大阪,堺,横浜,神戸,姫路,長崎,新潟,水戸,津,名古屋,静岡,仙台,盛岡,弘前,山形,米沢,秋田,福井,金沢,富山,高岡,松江,岡山,広島,赤間関(現下関),和歌山,徳島,高松,松山,高知,福岡,久留米,熊本,鹿児島,佐賀,岐阜,甲府,鳥取)である。

この時点で,札幌,青森,福島,宇都宮,前橋,千葉,浦和,大宮,長野,松本,大津,奈良,山口,宮崎,那覇などはまだ市ではない。例えば奈良は人口2万4千人の奈良町(町村制)だ。なお,市制・町村制に連動する府県制は1890年に施行されている。

なお,Wikipediaによれば,1888年12月31日の人口は以下の通り。
1 東京市 東京府 1,389,684
2 大阪市 大阪府 476,271
3 京都市 京都府 279,792
4 名古屋市 愛知県 162,767
5 神戸市 兵庫県 135,639
6 横浜市 神奈川県 121,985
7 金沢市 石川県 94,257
8 仙台市 宮城県 90,231
9 広島市 広島県 88,820
10 徳島市 徳島県 61,107
うーん,金沢市と徳島市が脱落したのか・・・

東京市,大阪市,京都市は,市制特例が適用された。すなわち,特例として市制の一部が適用されず,市長の職務は府知事が代行した。このため自治権を与えられなかった三大都市は自由民権派の働きかけによってこの回復を図り,1898年に特例は廃止された。この度の「大阪市廃止・特別区設置」謀略は,実に122年ぶりの逆コースを目指していることになる。


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