f(t)は0となり,g(t)は一定に近づくのでr(t)→1となる。
新規感染数が指数関数的に増大する場合は,f(t)=aet/λとなるので,g(t)=aλ(et/λ−1) となる。この場合,r(t)=e(t+τ)/λ−1et/λ−1であることから,limt→∞r(t)=eτ/λ に漸近する。
そこで,WHOが毎日報告しているCOVID-19のSituation Reportsの各国の新規感染数累計(Confirmed)の日次統計から τ=7日間としたときのr(t)を求めてその特徴を比較する。日次統計には揺らぎがあるので,ˉr(t)=15∫t+2t−2r(t′)dt′という5日移動平均をExcelによって求めてグラフを描いた。なお基準日はWHOの統計が始まった2020年1月21日をt=1(日)とする。図1のアジア・太平洋地域の国々はt=41(3月1日)〜t=68(3月28日)を,図2の欧州・北米の国々はt=47(3月7日)〜t=68(3月28日)の範囲で計算した。
図1 アジア・太平洋地域のˉr(t)
図2 欧州・北米地域のˉr(t)
① アジア・太平洋地域の直近で,オーストラリアの4倍〜韓国の1倍までに対して,欧州・北米地域でアメリカ合衆国の6倍〜イラン・イタリアの2倍の範囲にあり,それぞれ漸減中である。ただし,東京・日本は増加傾向にあり,カナダはっきりした減少傾向が見えない。
② 初期にインフレーションを起した韓国・イラン・イタリアはその後単純な減少カーブを描いている。それ以外の国で複数の山が観測される。例えば,当初収束しているといわれていた台湾,香港,シンガポールに第二の緩やかなピークが生じ,マレーシアやオーストラリア,スペインやアメリカにも大きな第二のピークが現れている。
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