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2019年5月9日木曜日

スリンキーの自由落下(1)

@sekibunnteisuu @irobutsu @Yh_Taguchi @Hal_Tasaki @genkuroki などで以前から話題になっていたスリンキーの自由落下をようやくいまごろ目にした。最も簡単な力学モデルについて,田口さんがすでにQiitaに書いているのだけれど,自分でもやってみた。黒木さんのjuliaの計算は凄いし,田崎さんの物理的説明もわかりやすいし,前野さんの動画もおもしろいのだった。

質量m1の粒子1と質量m2の粒子2が,自然長 L,バネ定数 k の軽いバネの両端に取り付けられている。粒子1を原点に置いて支えながら,鉛直下方に静かにバネを垂らすと粒子2は x=L+m2g/kの位置で静止する。時刻 t=0 で粒子1の支えを静かに取り去ると,2つの粒子は重力とバネの弾性力によって運動を開始する。

運動方程式と初期条件は,
m1¨x1=m1g+k(x2x1L)m2¨x2=m2gk(x2x1L)x1(0)=0,˙x1(0)=0x2(0)=L+m2gk,˙x2(0)=0
 ここで,重心座標 xG=(m1x1+m2x2)/M と相対座標 x=x2x1 を導入する。ただし,全質量を M=m1+m2 ,換算質量を μ=m1m2/M とする。

運動方程式と初期条件は,
M¨xG=Mgμ¨x=k(xL)xG(0)=m2M(L+m2gk),˙xG(0)=0x(0)=L+m2gk,˙x(0)=0これを解くと,ω=k/μとして,
xG(t)=gt2/2+m2M(L+m2gk)x(t)=L+m2gkcosωtx1(t)=gt2/2+m2gk(m2Mm2Mcosωt)x2(t)=L+gt2/2+m2gk(m2M+m1Mcosωt)

これをMathematicaでグラフ化すると,
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x1[t_] := g/2 t^2 + m2 g/k 
(m2/(m1+m2) - m2/(m1+m2) Cos[Sqrt[(m1+m2)k/(m1*m2)]t])
x2[t_] := L + g/2 t^2 +  m2 g/ k

(m2/(m1+m2) + m1/(m1+m2) Cos[Sqrt[(m1+m2)k/(m1*m2)]t])
k = 5; m1 = 1; m2 = 1; g = 10; L = 1;
Plot[{-x1[t], -x2[t], -x2[t] + L}, {t, 0, Pi/4}]
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[1]積分定数:ばねの落下(togetterまとめ)https://togetter.com/li/1345873
[2]前野昌広:コイルバネの落下 https://twitter.com/irobutsu/status/1125581991645081600
[3]田口善弘:ばねの落下 https://qiita.com/Yh_Taguchi/items/e0d82f28447a8d5a2726
[4]W. G. Unluh:(堀田さん紹介)The Falling Slinky https://arxiv.org/abs/1110.4368
[5]田崎晴明:ばねでつながれた粒子の運動 http://www.gakushuin.ac.jp/~881791/mathbook/pdf/slinky20190509.pdf
[6]黒木玄:落下するバネ https://nbviewer.jupyter.org/gist/genkuroki/e317b4b2dd5c19e6b228b75f420aa699

スリンキーの自由落下(2)に続く

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