2019年5月4日土曜日

第七藝術劇場

第七藝術劇場は今日が2回目。前回は,2012年10月27日(土) の「考察・討論「維新の会・橋下徹と大衆、メディア」PART2」だった。豊竹英大夫による「文楽協会と橋下徹」についてと,湯浅 誠・想田和弘・豊竹英大夫・平田オリザによる考察・討論が,今井一の進行で催されたときだ。

今日観た映画の「主戦場」もそれにつながっている。フロリダ州生まれの日系アメリカ人のミキ・デザキ(1983-)が監督し,釜山国際映画祭2018ドキュメンタリー・コンペティション部門に招待された。東京では4月20日から,大阪では4月27日から公開されている。

地下鉄御堂筋線中津駅から淀川(十三大橋)を歩いて渡り,西村道明さんと行って初めて自分の眼鏡を買ったビジョンメガネの前を通過し,やがて劇場に到着。開演30分前で整理券は71番。約100席の会場はほぼ満席で,立ち見もあるというアナウンスだったが,帰りに見回すとそうでもなかった。

ネットでは,失笑や爆笑が起こる場面もあったらしいが,維新支配下の大阪(サンフランシスコ姉妹都市関係解消のご本家)では他人事でない重いテーマでもあり,あまりそんな雰囲気ではなかった。おおむね自分のこれまで見聞きしてきた範囲の事実に即した内容だったが,転向した日砂恵ケネディの誠実な語りや,英語で分かりやすくこの事態を説明できる中野晃一が印象的だった。左右の関係者のインタビューへの回答と過去のビデオ映像等の資料が積み重ねられ,うまく構成されていたと思う。

こうした論争に中立的な立場があるとも必要だとも思わないので,監督の立場や論理展開は明解であったと思う。ネット上では慰安婦へのインタビューが不足しているという指摘もあったが,高齢化されていることや,記録に残されることを踏まえ,オープニングのイ・ヨンスさんとエンディングのキム・ハクスンさんが登場する構成で問題ないという藤岡朝子のパンフレットでの主張に賛同できる。

あらためて,2006年12月22日に交付された改正教育基本法がもたらした影響の深刻さや,安倍晋三と中川昭一に起因する今日のNHKの惨状に思い至る。日本会議を背景とする安倍晋三の出発点がセクシズムと戦争認識の交点である慰安婦問題であり,それが今日の日本の反韓の空気の醸成をもたらしている。

写真:十三大橋から淀川下流を望む(2019.5.4)

[注1]能川元一のツイートより,安倍晋三の国会答弁についての補足等
[注3]デジタル記念館慰安婦問題アジア女性基金 http://www.awf.or.jp/

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