2022年1月19日水曜日

大学入学共通テスト(3)

大学入試センターから,今回の令和4年度大学入学共通テストの平均点の中間集計結果が公表されている。ほとんどの科目は昨年とおなじくらいだが,数学Ⅰ・Aが,57.7点から40.3点へ17.4点下がり,数学Ⅱ・Bが,59.9点から45.9点への14点ダウンだ。読解力という謎のキーワードに振り回されて,どう考えても作問に失敗しているようにみえる。

大学入学試験の共通化は,1979年の共通一次(大学共通第1次学力試験)からはじまった。これは,1989年まで約10年にわたり11回実施された。その共通一次の監督業務が当たるようになったのは,1982年に大阪教育大学の助手になってからだ。池田分校や,天王寺分校,平野分校などで監督に当たったが,年配の先生の指導の元,教室で受験生への説明をすることもあった。

当時は,いまよりもずっとのんびりしていて,事前の監督者説明会もなかったし,現場では多少の融通もきいた。自分で問題を解いてみたり,欠席者の席にすわってあたりを監督したり,場合によっては読書も可能だったが,今となっては全て禁止でまったく考えられない。

池田分校の門から玄関に至る道では焚き火をしており,焼き芋を焼くのが通例になっていた。天王寺分校で一二度,管理部要員にあたったことがある。用務員さんがトラクターのようなものを運転して,試験問題を1Fにあった管理部の窓から搬入していた。天王寺分校の校舎はかつての師範学校の教室であり,教室の横には銃剣が並んでいたとのことだった。その話をしてくれた当時の天王寺分校の岡森博和主事(数学教育)の部屋で,試験日程終了後にささやかな食事が振る舞われた。

岡森先生には後にコンピュータ教育の科研費の協力者に誘われて,情報処理センター設置のために準備していた資料を提供したことがある。共同研究者ではなかったが,寺田町の安い中華料理屋で開かれた宴会に誘われてご馳走になった。退官後の学長選にも立候補されていたが残念な結果だった。

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