A日程とB日程で混乱していた共通一次をリニューアルしたのが,センター試験(大学入試センター試験)だった。これは, 1990年度から2020年度まで,約30年にわたって,31回実施された。大きな問題もなく安定して運用してきたが,いいがかりをつけられて共通テスト(大学入学共通テスト)に衣替えさせられた。
2006年度にリスニングが導入されるまでは平和な時代だったが,その後は,細かな不祥事が発生するたびに,これに対処するための試験の注意事項が単調増加していき,監督者マニュアルを読み通すのが大変なことになってきた。事情がある受験生や,突発事態に対応するための別室受験の準備もふえ,試験監督や警備のための教員の出動が半端ないことになった。
かつては,監督に当たる大学教員は,50代の後半くらいでセンター試験の業務からは解放されていた。そうはいっても,個別学力検査では出題もしているため,この時期は監督業務や質問対応業務で忙殺されることにはなる。自分がその年代にさしかかっても業務免除対象になることはなかった。
自分の在職期間に経験した29回のセンター試験を通じて,試験監督をした年よりも裏方の入試管理部業務などに携わった年の方が多かったかもしれない。拘束時間や労働内容は試験監督より量的に多いが肉体労働が中心であり,試験時間の間はピリピリと張りつめることなしに過ごすことができる。
2004年に国立大学が法人化されるまでは,2日目の後片づけが終わった後に,管理部スタッフや警備スタッフの教職員が集まって,準備していたおでんを囲んで歓談したものだった。リスニングが導入される頃には,リスニングの再試験対応などもある関係で,終了時間も遅くなってしまうため,業務が終わると解散ということになった。
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