各地との往来の慣用表現については,二字熟語による往来表現の一覧としてWikipediaにまとめられている。石川県はないが,金沢には「来沢」や「帰沢」がある。大阪は「来阪」や「帰阪」だけれど,大阪市が廃止されても,大阪府だからいいことにするのかしら。
奈良は,「来寧(らいな・らいねい)」や「帰寧」で,「寧楽(なら)」等と表記されたことに由来するとある。そう,奈良市には依水園・寧楽(ねいらく)美術館というものあったか。
芥川龍之介が「蜘蛛の糸」を発表して百年。高二の秋の文化祭,クラスの仮装行列のテーマが 蜘蛛の糸だった。お釈迦様の極楽タワーの竹を近所から切り出し,地獄の焔と煙の絵を描いた。犍陀多に続いて蜘蛛の糸(登山部の赤いザイル)に群がる地獄の亡者だったころ。
各地との往来の慣用表現については,二字熟語による往来表現の一覧としてWikipediaにまとめられている。石川県はないが,金沢には「来沢」や「帰沢」がある。大阪は「来阪」や「帰阪」だけれど,大阪市が廃止されても,大阪府だからいいことにするのかしら。
奈良は,「来寧(らいな・らいねい)」や「帰寧」で,「寧楽(なら)」等と表記されたことに由来するとある。そう,奈良市には依水園・寧楽(ねいらく)美術館というものあったか。
津田大介さんが日本学術会議問題での学会声明をまとめていたが,500学協会(会長,理事会等からのものを含む)くらいから声明がでているとのことだ。インターネットでざっと検索したところ,250くらいは見つかった。しかし,工学系学会,医学系学会,スポーツ系学会からごく一部を除いて全く出ていなかった。日本天文学会([0]の97学協会には含まれている)にも学術会議批判派がいたため,産経新聞やネトウヨメディアなどでさっそく重用されていた。以下は完全なリストではないので注意すること。
日本学術会議 第25期 幹事会 記者会見資料(2020.10.29) http://www.scj.go.jp/ja/member/iinkai/kanji/pdf25/siryo302-kaikenshiryo.pdf手元にある筒井康隆の「幻想の未来 」(角川文庫)は1971年の文庫初版だった(山下洋輔の解説だ)。それまでは,ハヤカワ・SF・シリーズ(1957-1974)等に閉じ込められていた日本のSFが,大出版社の文庫本を通じて拡散していく過程の嚆矢となったもののうちの一冊だ。その後「アフリカの爆弾」や「にぎやかな未来」と続いていった。「幻想の未来」が寺町大通りに出たところの藤沢書店に並んだのを見つけたときは,欣喜雀躍で早速購入したのを憶えている。
「幻想の未来」は筒井康隆の若書き(1968年)の中編だ。Ⅰ 前意識期−後期,Ⅱ 分意識期−前期,Ⅲ 分意識期−中期,Ⅳ 分意識期−後期,Ⅴ 汎意識期−前期,Ⅵ 汎意識期−後期,Ⅶ 静生代−合意期,というサブタイトルに比べて,中身はとっ散らかっている。それでもこの当時は楽しく読んだし,未来を夢見ることができた。
2020 大阪市廃止特別区設置住民投票(11月1日)・アメリカ大統領選挙(11月3日)かつて大阪市に本部のあった大学で学び,大阪市にある大学に勤務していたものとして,大変残念な事態に至っている。
2008年にあの橋下徹を大阪府知事に担ぎ上げたがために,2010年には大阪維新の会が結成されてしまった。その後,公明党の寝返りによって大阪市廃止・特別区設置住民投票が実施されたが,2015年5月17日の住民投票によってこれは否決された。
否決を受けて「もう二度とやらない」といった橋下の舌の根もに乾かないうちに,2015年11月の大阪府知事・大阪市長ダブル選挙で松井・吉村が当選してしまう。そして,2019年4月の統一地方選挙に立場を入れ替えた吉村・松井が再び当選したことによって公明党が完全に賛成側に回わり,ついに2020年11月1日の2回目の住民投票を迎えることになる。
「大阪都構想」賛否真っ二つ…“市消滅”なら大阪はもうダメかもしれない(大前治,弁護士,2020.10.23)
記者座談会 大阪市廃止仕掛ける黒幕は誰か 外資や財界の代理人・維新(長周新聞,2020.10.24)*
「大阪都構想」で大阪市民は大損する…これは時代遅れの構想だ(左藤章,自由民主党衆議院議員,2020.10.26)
大阪市4分割ならコスト218億円増 都構想実現で特別区の収支悪化も 市試算(毎日新聞,2020.10.26)
いわゆる「大阪都構想」についての大阪市民の理解度に関する調査結果 〜都構想の制度内容等を、賛成派ほど誤って認識している〜(京都大学レジリエンス実践ユニット,2020.10.27)*
「大阪都構想」は世紀の愚策…いよいよ大阪が「終わる」かもしれない(畑中章宏,作家,2020.10.28)
大阪都構想「1.1兆円の財政効率化」に実現可能性なし(幸田泉,作家,2020.10.29)
大阪都構想で“敵認定”された「大阪の公務員」、彼らが語った「やりきれぬ思い」(松本創,ノンフィクション・ライター,2020.10.29)
2022年度から実施される高等学校の必履修科目「情報I」にプログラミングが導入されることから,情報処理学会が教員研修や授業で利用できる動画教材(IPSJ MOOC)を順次公開している。文部科学省が「高等学校情報科「情報Ⅰ」教員研修用教材」を公開していて,この第3章,第4章に準拠しているようだ。
教育用のプログラミング言語としてはpythonを用いている。50年前のFORTRAN,BASICから始まり,CやPascalを経由してJavaやJavascriptをかすめながらここに至っている。自分のgoogleアカウントでGmailにログインした後,Google Colaboratory で学習することになっている。
蟹甲殻類大腿部歩脚身取出器具みたいな用語である。
多核種除去設備等処理水(ALPS処理水,ただし処理しきれなかった核種を含む)のことをトリチウム水とよんで,よってたかって安全だというのがキクマコらの手口。おしどりマコが「【福島第一】測定員不足、計器故障、二次処理の実験もされないまま議論は大詰めに【ALPS処理水】」で,細野豪志のデマを叩き潰していた(時間順序はべつとして)。
トリチウムのベータ崩壊は,ニュートリノ質量の問題でも馴染み深い遷移だ。大阪教育大の1999年の物理の入試問題でも出題したことがある。1970年代に設置された富山大学トリチウムの研究センター(現在の水素同位体科学研究センター)の記事を読んだ当時から,トリチウムの安全な取り扱いは非常に難しいものだという印象を持っていた。トリチウムのベータ崩壊は半減期が12.3年で,ベータ線の最大エネルギーが18.6 keVだけれど,生体分子の水素と置き換わる可能性があるからだ。ところがいつの間にか安全な核種の代表みたいな触れ込みになってしまった。
おしどりマコのいうように実は敷地内に貯蔵タンクの設置可能な場所がまだ十分あるのならば,これを37年貯蔵して放射能を1/8にしてから(他の核種で汚染されていないものを)順次放出ということもあるのかもしれないがどうなのだろう。
一方,炭素年代測定でおなじみの,14C(半減期が5730年で,ベータ線の最大エネルギーは156keV)もALPSで除去できていないらしい。これも大阪教育大の2001年の入試問題で出題した。超微細状態からのミューオン捕獲でも取り上げた核種だ。
中央教育審議会の初等中等教育分科会の答申の中間まとめ「令和の日本型学校教育」の構築を目指して 〜全ての子供たちの可能性を引き出す,個別最適な学びと,協働的な学びの実現〜」が10月7日にでていた。
(1) 学校教員の過重負担労働の問題,(2) 外国人教育・特別支援教育・児童生徒支援の問題,(3) ICT教育の問題,などにどのように対応するかが例によって総花的に取り上げられている。これまでは,学校教員の過重労働を軽減するため,チーム学校による外部人材の活用で教員は授業へ力を注ぐという話だった。ところが,コロナ禍を奇貨として教員数を増やすための論理構築の都合上,いつの間にか「日本型教育」の強みは,学校が子供の生活を丸抱えしているところにあるという話にすりかわっていた。英語教育とプログラミング教育の重しを膝の上にのせたままで。ここにきて破綻が確実な教員免許更新制についても,腰が引けながらも再検討を言い出している。
10月23日の日本外国特派員協会の記者会見において,菅首相により日本学術会議会員への任命を拒否された6名がそろって意見表明を行った。記者会見に参加したのは芦名定道・京都大教授(宗教学),岡田正則・早稲田大教授(行政法学),及びオンラインで,小沢隆一・東京慈恵会医科大教授(憲法学),松宮孝明・立命館大教授(刑事法学)。また,宇野重規・東京大教授(政治思想史)と加藤陽子・東京大教授(日本近代史)はメッセージで意見を明らかにした。
加藤陽子さんのメッセージは東京新聞の記事になっているが,これを引用しておく。
今回の任命拒否を受けて感じたのは第1に,2011年施行の公文書管理法制定まで有識者として関係してきた人間として,法解釈の変更なしには行えない違法な決定を菅義偉首相がなぜ行ったのか,意思決定の背景を説明できる決裁文書があるのか、政府側に尋ねてみたい。
任命拒否の背景を考える際に留意すべきなのは,拒否された6人全員が学術会議第1部(人文・社会科学)の会員候補だったこと。日本の科学技術の生き残りをかけるため1995年に制定された重要な法律に科学技術基本法というものがあるが,この法は今年25年ぶりに抜本的に改正され「科学技術・イノベーション基本法」となった。改正前の法律では「人文・社会科学」は,科学技術振興策の対象ではなかった。つまり法律から除外されていた分野だった。しかし,新法では人文・社会科学に関係する科学技術を法の対象に含めることになった。
世の中のSNS上では「役に立たない学問分野の人間が切られた」との冷笑的な評価があったが,真の事態は全く逆で,人文・社会科学の領域が,新たに科学技術政策の対象に入ったことを受けて,政府側が改めてこの領域の人選に強い関心を抱く動機づけを得たことが事の核心にあると,私は歴史家として考える。新法の下では,内閣府の下に「科学技術・イノベーション推進事務局」が司令塔として新設されるという。自然科学に加えて,人文・社会科学も「資金を得る引き換えに政府の政策的な介入」を受ける事態が生まれる。
日本の現在の状況は,科学力の低下,データ囲い込み競争の激化,気候変動を受け「人文・社会科学の知も融合した総合知」を掲げざるを得ない緊急事態にあり,ならば,その領域の学術会議会員に対して,政府側の意向に従順でない人々をあらかじめ切っておく事態が進行したと思う。
「科学技術」という日本語は,意外にも新しい言葉であり,1940年8月,総力戦のために科学技術を総動員した際に用いられ始めた言葉だった。このたび,政府は「科学技術・イノベーション」という新しい言葉を創ったが,国民からの負託がない,官僚による科学への統制と支配は国民の幸福を増進する道ではない。私は学問の自律的な成長と発展こそが,日本の文化と科学の発展をもたらすと信じている。
名古屋大学名誉教授の福井崇時(ふくいしゅうじ)先生(1923-2018)は,阪大物理出身で福井宮本の放電箱で有名だ。福井先生は大阪市生まれで,1930年に大阪市立精華小学校に入学している。その一節を引用するとつぎのようになる。
校舎は地下1階、地上4階の鉄筋構造。・・・地階と 便所を除き、全室の床、廊下、階段の床も板張り、壁も高さ1メートル程は化粧板の板張り(年2回油 引きがされた)。階段の手摺も丁度良い高さに木材の覆い、格好の滑り台となった。廊下も含めて全室に ラジエーターがあるスチーム暖房。地階から4階までのエレヴェーターが2個所(生徒は単独では乗れ ない)。理科、音楽、図画、工作の特別教室と畳敷きの作法教室があった。グランドピアノが4階の講堂、 1階の雨天体操場、音楽教室、幼稚園と計4台。・・・机は特製。・・・この特製机の一番の特徴は、生徒の座高と脚の長さに合わせて、それぞれの高さが調節できる構造になっていることである。学年の初めと夏休み開けに校務員さんが予め 身体検査で測定されている各自の座高と膝下の長さとに合わせて調節してあるが、微調整のため教室へ 来て下さる。1年後に進級すると教室も代わる。新学期には既に高さが調整された机に生徒個々の名前 が書かれた紙を貼り並べられていた。
大阪市立精華小学校,現在は統合移転されて大阪市立南小学校になってしまい,その跡地は売却されて見る影もない。一方,京都の番組小学校では,明倫小学校や龍池小学校のようにその跡地が保存・再利用されている例もある。かつての日本は初等教育にここまで力を注いでいたということだ。大阪では維新を始めとする「新自由主義」の信者達によって公共財の売却の餌食となってしまった。そしてその大阪市も日本に先駆けてまもなく終焉を迎えようとしている。
[1]精華小学校の写真(Twitter ブンチョウママさんより)菅野完の官邸前ハンストは20日目を迎えた。その後の記事をいくつか探してみた。10/12には「日本学術会議任命拒否問題・菅野完ハンスト11日目のスピーチ」や「日本学術会議への人事介入へ抗議する 菅野完・緊急スピーチ」があり,10/14のHARBOR BUSINESS Onlineには,藤倉善郎による「日本学術会議問題。官邸前で可視化される法治国家の崩壊」が載っている。10/19にデモクラシータイムスの池田香代子によるインタビュー「著述家菅野完さんはなぜ2週間超のハンストを続けるのか」があった。田中龍作によるBLOGOSの記事も続いている。ツイキャスの配信はここからも見えるが,ドクターストップが近いかもしれない。
追伸1:「菅野完氏 ハンストライブキャスより 初めての呼びかけと現時点での総括」(2020年10月19日)
追伸2:フランス人記者からのインタビュー「菅野完氏 外国人記者からのインタヴュー 2020年10月21日 #日本学術会議への人事介入に抗議する #ハンストの現場から」,「菅野完氏 ハンストライブキャスより 初めての呼びかけと現時点での総括(2020年10月21日)」
追伸3:「菅野完氏 ハンストライブキャスより :娘に脅迫状が来た〜官邸に勝って学術会議に負けた・・」(2020年10月24日)
追伸4:官邸前に登場した新しい戦い「本を読むことが抵抗だ」:田中龍作ジャーナル(2020年10月25日)
追伸5:日本学術会議問題、菅野完氏がハンストで伝えたメッセージ法を破った内閣総理大臣に対する「戦い」はどうあるべきなのか:論座,藤倉善郎(2020年10月28日)
2021年1月から新たに実施される「大学入学共通テスト」。これまでの6教科30科目を2025年から7教科21科目に再編するという案が出ている。むむむ。理科の基礎科目統合はどんなイメージだろう,問題選択制かなあ。
fjのアーカイブはgoogle などいくつか見てきたが,Unified fj NetNews archive(渡邊克宏)は知らなかった。1992年は1/3程度,1996年以前は2/3程度しかarchiveできていないということだが,幸いにも1992年5月の自分の最初の投稿は見つかった。
Path: galaxy.trc.rwcp.or.jp!sparky!uunet!ccut!wnoc-tyo-news!sranha!sranhb!okds1!koshi日本学術会議の会員6名に対する任命拒否にからみ,首相の菅義偉(1948-)と並んで 内閣官房副長官(事務)の杉田和博(1941-)の関与があったのではないかと囁かれている。警察庁の役職を歴任した杉田は,2004年に63歳で第二次小泉内閣の内閣危機管理監を退任して世界政経調査会会長として天下った。その後,2012年に71歳で第二次安倍内閣の内閣官房副長官(事務)に就任し,2020年の菅内閣の現在まで8年近くこのポストを続けて79歳に達している。
このポストは,自治省,警察庁,厚生省の事務次官経験者レベルで回しているようだ。1987年から1995年の8年7内閣にわたって石原信雄(自治省)が務めているが,それでも69歳で退任している。
2001年の第二次森内閣のときに,内閣法が改正されて内閣官房副長官は認証官となっている。認証官とは任免にあたって天皇の認証が必要な官吏である(通称であり法律用語ではない)。
日本国憲法第7条
第7条 天皇は、内閣の助言と承認により、国民のために、左の国事に関する行為を行ふ。
5 国務大臣及び法律の定めるその他の官吏の任免並びに全権委任状及び大使及び公使の信任状を認証すること。
ということで,内閣官房副長官は官吏なので国家公務員法を参照することになるが,これは,一般職ではなく特別職であるため,この法が直接適用されるわけではないので,その任免や基準についてはよくわからなかった。
内閣法には,第十二条で「内閣官房を置く」とし,第十四条で「内閣官房に、内閣官房副長官三人を置く。2 内閣官房副長官の任免は、天皇がこれを認証する」とあるだけだ。ということは,内閣官房副長官の任免は内閣の職権でおこなわれることから,内閣総理大臣が提案して閣議で決定されるということだろうと思われる。特別職として委嘱するので定年という概念はあてはまらないということか。
非常に重要なポストであるにもかかわらず,他の認証官と比べて制度が意図的に明確化されていないために,長期に渡って特定の人物が滞留する現象が起こるわけだ。
さて,元に戻れば,立教大学の中原淳が日本学術会議問題について語っているのが本質をついているような気がする。
本丸は、おそらく「大学」「メディア」「司法」。つまりは、この国の「言論」と「判断」だと思う。それらを政治のコントロールのなかに入れることが「本丸」だと思う。陰謀論のように感じられるかもしれないが、おそらく、そうだろう。。。学術会議は、その格好の「最初の餌食」だ。なぜなら、学術会議の功績は、世間からは遠い。世間からもっとも成果が見えにくいところをついて、世論を味方にして任命権の拡大解釈を行う。世論を味方にする最高の方法は「携帯電話の料金引き下げ」だ。それは、実現すれば、僕だって嬉しい(笑)。
しかし、これを背景にした「任命権の拡大解釈」こそが今後の「すべての既成事実」となりうる。「任命」を「任命拒否することも含む」と解釈しその理由もさして述べる必要なく「俯瞰的・総合的な判断で決めました」でよいのなら、あとは「やりたい放題だ」個人的には、今回の件を「既成事実」にして、この流れが「他の領域に拡大されること」を最も憂慮する。
すなわち、拡大されるのは、大学・メディア・司法。事実、政権の「任命」する職は少なくない。たとえば、国立大学の長は、文部科学省大臣の「任命」。NHKの長を選ぶ経営委員会は、国会をへて、内閣総理大臣によって「任命」。検事総長も内閣総理大臣による「任命」。下でどんな議論をしようが、上で「拒否できる」任命権が「任命拒否も含むと解釈できる」という「既成事実」をつくったならば・・・。きっとこの件は、長く禍根を残すと思う。
オンライン上のGoogle 日本語入力は聞いたことがあったような気がしていたが,ダウンロードしてMacにインストールできるようになっていた。評判を調べてみるとまあまあなのかもしれない。日本語IME(旧ことえり),ATOK,かわせみ2との比較記事もあった。これまではかわせみ2を使っていたがさして不便は感じていない。iOSはどうかと調べると,Gboardというアプリ経由になるようで評判も今一つであった。
追伸:中核派へのお笑い家宅捜索(毎日新聞)と並んで,昨日の中曽根葬儀の写真が話題だ。秋篠宮ファミリーが参列したようだ。招待により参加したのが結局1400人なのか650人だったのよくわからない。グレイのロングコートで不気味に並んだ自衛官の写真が日本の将来を暗示している。勲章を派手に並べた演出もきもち悪くて,日本の今日の崩壊過程の礎(原発・公的セクター破壊・対米従属軍拡)を築いたことがどこかから称賛されているのだろうと思われる。そして日本学術会議の梶田さんの腰砕けぶりにも非難轟々だが,野尻さんのいうように誰であっても結局同じようなものなのかもしれない。こうして確実に我々の自由は奪われていく。
2019年の11月29日に亡くなった中曽根康弘の内閣・自民党合同葬が,10月17日午後2時からグランドプリンスホテル新高輪国際館パミールで開催される。3月15日に行われる予定だったものが,新型コロナウイルス感染症のために延期されていた。これにともなう公費支出や各省庁・学校,裁判所などへの弔意表明要請の通知に抗議が集中している。一方,これまでにも前例があるということで擁護する意見も出ているが,微妙に条件が異なるため丁寧に見る必要がある。
菅首相による新自由主義的再編の精神的シンボルとして位置づけれられるのかもしれないこの問題が,学術会議問題や対面授業問題とも共鳴・干渉して,大学へは暗黙の(むしろ明示的な)圧力となっている。
その中曽根は,没後に従一位に叙せられている。日本の位階制度をみると,第二次世界大戦後に生存者に対する叙勲は停止されていたが,1947年に位階令が改正されて復活している。
現行の位階は,正一位(しょういちい)から従八位(じゅはちい)までの16段階となっている。1960年以降に没後追賜で従一位(じゅいちい)に叙されたのは,鈴木貫太郎(1960正二位),吉田茂(1967正三位),佐藤栄作(1975従四位),中曽根康弘(2019従六位)の4人だけだ。なんだか生前の位階と比べるとインフレ気味に感じるのは気のせいか。他の内閣総理大臣らは正二位に並んでおり(注:宮澤喜一は大勲位も位階も辞退している),従二位に湯川・朝永・八木・長岡などの名前が見られる。松下幸之助・井深大・盛田昭夫は正三位(しょうさんみ)なのか。
平岡倭文重(ひらおかしずえ, 1905-1987)は,三島由紀夫(平岡公威,1925-1970)の母である。倭文重は,加賀藩の漢学者であった橋健堂(1822-1881)の孫だということで,三島と金沢の繋がりをもたらしている。なぜ,ここにたどり着いたかというと,桐野夏生と金沢の関係を探していたら,金沢市のホームページに,「文人が愛し魅了され、今も味わえる金沢の食」というのを見つけたからだ。三島と金沢の係わりについてはそれほど詳しく書かれていなかったが,「美しい星」の舞台が金沢(内灘)だとある。
「美しい星」といえば,高校1年のときに米島君にすすめられて,英語の高橋健先生(ESSの顧問でもあった)の授業中にこっそり読んでいたら,隠し読みの要領が悪くて叱られたことを思い出す。「美しい星」はその後,新潮文庫で落ち着いて読むことになるが,SF好きの高校生としても,まあそこまでおもしろくはなかった。
高校2年の秋に三島由紀夫が割腹自殺したというニュースが飛び込んできたのは,高校を抜け出して隣の食堂に昼ご飯を食べに行っていた米本良平君がテレビのニュースを見て知らせてくれたときだ。クラス全員が,えーっとなってしまった。三島由紀夫はときどき話題になることがあった。片町の裏通りの「たぬき」という洋食屋が三島のお気に入りだったという話を,これも米島君からきいたのかもしれない。
「たぬき」に行ったことがあるかと聞かれたが(その話が出た高校時代にはもうなくなっていたのかもしれない),小学校低学年のころに家族でコース料理を食べにいったことがある。じゃがいものポタージュというものが初めてだったので,その見かけにも味にも(味噌汁ではない白くておいしいスープなのだから)強烈な印象が与えられた。その他にも,はじめての和式水洗便所だとかはじめてのホットオレンジジュースだとか,なかなか素敵に刺激的な,しかし落ち着いた店だった。
桐野夏生の「夜の谷を行く」を読了。そうか,立松和平の「光の雨」も読んでいなかったのだ。これが高橋伴明により映画化されたものはネットで部分的に見たような気もする。丁寧に読んだパトリシア・スタインホフの「死へのイデオロギー 日本赤軍派(岩波現代文庫)」は手元にある。この他の当事者らの著作群にはちょっと手が出ないが,山本直樹の「レッド(全8巻)」,「レッド 最後の60日 そしてあさま山荘へ(全4巻)」,「レッド 最終章 あさま山荘の10日間(全1巻)」は読んでみたいと思っている。
さて,「夜の谷を行く」に戻る。弁護士の大谷恭子さんの解説を先に読んでしまったので,どうしても推理が先立ってしまい最後の着地が決まらなかった。そうでなくても桐野夏生の小説の終わり方はこんな感じなのだから。素材も展開も悪くはないが,自分が期待するのがもう少しだけ重いものなので,期待感と読後感の間にズレが生ずるのが桐野夏生だ。
これまでにも何冊か買っているが(おもわず読んでみたくなるテーマを取り上げるのがうまい),最初に図書館で借りて読んだ「OUT」が一番良かったかもしれない。
桐野夏生は1951年金沢生まれだが,父親は転勤族であり,3歳で金沢を離れていて仙台,札幌を経由して中学以降は東京で育っているようで,金沢との関係の痕跡がほとんど見えてこない。でも自己紹介には「金沢生まれ」とあるので,なんらかのこだわりがあるのかもしれないけれどよくわからない。
昨日は晴れ。大手前病院の人間ドックの受診日だった。今年度になって大阪市に出るのもこれが2回目か。そういえば,政令指定都市の大阪市の存続も風前の灯となっている。菅首相のもとで勢いづいている大阪維新に対し,なかなか有効な反撃の手だてが見つかっていない。
新型コロナ感染症対策が厳重になされている中での人間ドックだったが,受診者は例年より多かったかもしれない。なんだか混んでいた。なじみの職員が入れ替わっていたり,あいかわらず胃X線が荒っぽかったり,このごろ眼底検査の要領が悪かったり(こちらの目が濁ってきているのかな),聴力検査の説明がやけに丁寧だったり,心電図のペーストがべとつかなくなったり,なんとなく例年とは違う空気を感じる。ここでの診断も,共済組合の任意継続が終了するので今年限りかもしれない。
大阪城が見える見晴らしのよい12階のレストラン(職員食堂)の人間ドックサービスメニューが変更されていた。昨年までのうどん+おにぎりが,和定食,洋定食,やわらか食の三択になっており,洋定食を注文したところ,ななかなクオリティが高かった。
血液検査の速報値も出るようになった。あいかわらず悪玉コレステロールの値が高すぎる。