2024年8月19日月曜日

若者世代のリアリティ

東京都知事選挙(6)からの続き

成蹊大学の伊藤昌亮さんの分析「若者世代のリアリティ 石丸現象とTikTok」がWEB世界(岩波書店)で公開されていた。なかなか興味深い論説だった。

東京都知事選挙における石丸伸二の躍進について,ネット戦略にその原因を求めることについて菅野完は否定的な見方をしていた。確かに,旧勢力のメンバーが選挙運動の実際を担っていたことが大きいのは間違いないが,それでも若年層における支持率の高さや菅野自身が認めていた投票所に行列ができるような朝の風景の分析には不十分なのだった。

伊藤は,TikTokのいいねについての定量的な分析を踏まえて,石丸がどのように若者達の心をつかんだのかを詳細に検討している。これまでの様々な石丸現象の説明よりは格段に精度が上がっているような気がする。

その論説をChatGPT-4oにまとめさせると次のようになった。
Q(koshix):
何が書いてありますか?
(略)
Q(koshix):
事実内容やデータと論理の筋道と考察をもう少し詳しく説明してください。

A(ChatGPT-4o):
このPDFの記事「石丸現象とTikTok――若者世代のリアリティ」は、2024年7月の東京都知事選挙で石丸伸二氏が若者世代から大きな支持を得た背景と、その要因を分析しています。以下に、記事の内容をさらに詳しく解説します。

1.石丸現象の概要と選挙結果
背景:石丸伸二氏は、安芸高田市長としての経験を生かし、従来の既得権益層や古参議員との対立を強調した選挙キャンペーンを展開しました。
選挙結果:石丸氏は、特に若者世代からの支持を集め、蓮舫氏を上回る票数を獲得し、都知事選での大躍進を果たしました。
2.ネット戦略とTikTokの役割
ネット戦略:石丸氏は、YouTubeやTikTokなどのネット動画を積極的に活用し、自身の政治的メッセージを広く発信しました。特に、対立を煽るような「劇場型」演出が、若者の間で共感を呼びました。
TikTok分析:伊藤教授は、YouTubeではなくTikTokに焦点を当て、動画の「いいね」数に着目することで、若者が石丸氏に共感する理由を分析しています。特に、「老害批判」「マスメディア批判」「若者応援」の3つのメッセージがTikTok動画で支持を集めていることが示されています。
3.投票前後の「いいね」率の変化
投票前:投票前の動画では、「老害批判」と「若者応援」のメッセージが多くの「いいね」を獲得していました。これらのメッセージは、石丸氏が既得権益層との対立を強調し、若者の権利を守ろうとする姿勢を示していました。
投票後:投票後には、「マスメディア批判」の動画が特に多くの「いいね」を集めました。石丸氏がマスメディアに対して強硬な姿勢を取ったことが、支持者に強い印象を与えたと考えられます。
4.応援型メッセージと自己啓発的なアプローチ
自己啓発的な内容:石丸氏のTikTok動画には、勉強の仕方や仕事のテクニックなど、日常生活での成功を支援する自己啓発的な内容が多く含まれていました。政治的な議論よりも、若者が日常的に直面する課題に対する実用的なアドバイスが重視されています。
前政治的領域:伊藤教授は、石丸氏のアプローチを「前政治的な領域」と呼び、伝統的な政治的な言説から距離を置き、むしろ日常生活に密着した問題解決を強調するものだと述べています。これは、自己責任や自助努力を重視するネオリベラリズム的な考え方と一致しています。
5.ネオリベラリズムの内面化とリベラリズムの額面化
経済的な右派:石丸氏のアプローチは、ネオリベラリズムに基づくものであり、政治的な調整を回避し、個々人の自己実現を重視する姿勢が見られます。この点で、経済的には右派的な立場にあると考えられます。
文化的な左派:一方で、石丸氏はジェンダーやエスニシティに関する問題ではリベラルな立場を示しています。ただし、これは表面的なものであり、深く内面化されたものではないと分析されています。
6.成長が困難な時代における成長戦略としての自己啓発
若者の成長戦略:石丸氏は、自己啓発を通じた自己実現を成長戦略の一部として掲げています。これは、社会全体の成長が見込めない時代において、若者が個々に成長を目指すための手段として機能していると分析されています。
投資と成長の関係:ただし、投資を通じた自己実現は劣悪なものであり、石丸氏の「応援メッセージ」はより本来的な意味での成長戦略として若者に受け入れられたとされています。
7.社会的弱者への配慮の欠如とその影響
矛盾点:石丸氏のアプローチには、社会的弱者への配慮が欠けている点が批判されています。彼の「老害批判」が、若者を応援するための正当なものとされている一方で、そのメッセージが社会的に弱い立場にいる高齢者や他の社会的弱者への攻撃に転化する危険性が指摘されています。
リベラリズムと福祉政治の欠如:石丸氏のアプローチは、福祉政治を軽視し、自己責任に基づくネオリベラリズムを強調していますが、これは持続可能な社会を構築する上で問題があると論じられています。
8.社会全体への示唆と「若者世代化」の影響
永遠の若者:伊藤教授は、現代社会では中年世代も「若者世代化」しているとし、成長と自己実現の欲求が満たされない状態が続いていると指摘しています。石丸氏を支持した中年世代には、こうした状況に置かれた人々が多かったと考えられます。
結論:最終的に、石丸現象を通じて、現代日本社会が抱える問題がより鮮明に浮き彫りになると結論づけています。リベラル派が成長戦略を軽視し、文化政治に重点を置きすぎている点も、今回の選挙結果に影響を与えたと考えられています。

このように、伊藤昌亮教授は石丸現象を若者世代のリアリティとして分析し、その背景にある社会的、経済的な要因について論じています。また、石丸氏の戦略やアプローチが一時的な支持を得ることには成功しているが、長期的には社会的な弱者への配慮が不足しているため、持続的な支持を得るのは困難であるという考察がなされています。

図:「上記にふさわしくて,あまり説明的でない抽象的なイメージを下さい」
の回答 by DALL-E3・・・なんだろうこのSは。


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