2023年10月18日水曜日

恒星間天体

オウムアムアという天体が,大陽系の外から飛来した恒星間天体だとして話題になったのは2017年のことだった。当初推定されていたその形が,全長800mの非常に細長い棒状のものであり,なんらかの人工物ではないかという議論まであった。

コズミックフロントのはずなのだが,最近NHKで見たのは次のようなことだった[1, 2]。
・オウムアウアの変光は,サイズが45m×44m×7.5mの円盤型でアルベドが0.64とすれば説明できる。このアルベドは冥王星やトリトンの凍った窒素表面と一致する。
・オウムアウアの加速で,ガスがみえないことは,窒素だとすれば説明できる。
・したがって,オウムアウアは太陽系外惑星のかけらかもしれない

これに対する反論もあって,どこにそんなたくさん窒素があるものか,というようなものだった[3]。

もうひとつのポイントは,オウムアウアの他にも恒星間天体が見つかっているというものだ。2019年のボリソフ彗星や,2014年のパプアニューギニア火球である。さらに,100m級の恒星間天体は,海王星軌道内に1万個程度定常的に存在し,その平均滞在時間は10年ということになるらしい[4]。


図:オウムアウアの軌道(Wikipediaから引用)

[4]Interstellar Interloper 1I/2017 U1: Observations from the NOT and WIYN Telescopes
(D. Jewitt, J. Luu, J. Rajagopal, R. Kotulla, S. Ridgway, W. Liu, T. Augusteijn)


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