2022年2月5日土曜日

反知性主義(1)

Wikipediaによれば,反知性主義とは 1950年代にアメリカ合衆国で登場した概念であり,知的権威やエリート主義に対して懐疑的な立場をとる主義・思想とされていた。1963年のホフスタッターの「アメリカの反知性主義」が代表的な文献とされているが,この日本語訳が出たのは,40年後の2003年になってからである。

安倍晋三や麻生太郎や菅義偉の発言や政策を巡って,あるいは橋下徹を筆頭とする日本維新の会やその支持者達に対して,反知性主義だという分析がされてきた。ところが,Wikipediaではむしろその対抗言論として,日本における(反知性主義の)誤用・乱用の指摘がやけに強調されていた。

録画してあった,ベトナム戦争後の1970年代のカンボジアを描いたドゥニ・ドゥ監督のアニメーション「FUNAN」をみて,クメール・ルージュ(オンカー)の酷薄さを改めて印象づけられた。カンボジア大虐殺では,100万人以上の知識人・専門家が都市から追放されて虐殺されたが,反知性主義の行き着く先はここにある。

[1]反知性主義とアメリカン・デモクラシー(清水晋作)

[2]公共圏への回路と新たな秩序問題(長谷川公一)

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