コペンハーゲンからの続き
第2次世界大戦中のコペンハーゲンにおけるハイセンベルクとボーアの対談の意味を考えるために,ナチスドイツ敗戦後のイギリスのファーム・ホールにおける会話がしばしば取り上げられる。Wikipediaは英語版しかないので,簡単に紹介すると,
イプシロン作戦とは,第二次世界大戦末期に連合軍が,ナチスドイツの核開発計画に携わっていたと思われるドイツ人科学者10人を拘束した計画のコードネームである。科学者たちは,1945年5月1日から6月30日にかけて,連合軍がアルソス作戦の一環として主にドイツ南西部の大捜索を行った際に捕らえられた。
1945年7月3日から1946年1月3日まで,イギリス・ケンブリッジ近郊のゴッドマンチェスターにあるファームホールという盗聴器付きの家に収容され,彼らの会話を聞くことでナチスドイツがどれだけ原子爆弾の製造に近づいていたかを調べることが最大の目的であった。
1945年8月6日、広島に原爆が投下されたことを知らされた科学者たちは,みな衝撃を受けたという。中には,その報告が本物かどうか,まず疑う者もいた・・・そして,アメリカの爆弾はどのように作られたのか,なぜドイツは爆弾を作らないのか,について考えた。
この記録は,物理学者,特にハイゼンベルクが,原子爆弾に必要な濃縮ウランの量を過大評価していたか,意識的に過大評価していたこと,ドイツのプロジェクトはせいぜい原子爆弾の仕組みについて考える,ごく初期の理論段階にあったことを示しているようだ。
写真:Farm Hall at Godmanchester(Wikipediaより引用)
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