2024年6月9日日曜日

国立大学協会声明

6月7日に国立大学協会理事会名で,国立大学協会声明が出された。タイトルは,国立大学協会声明------我が国の輝ける未来のために------である。A4,1ページ1000字の文書で,1.国立大学の覚悟,2.国立大学を取り巻く財務状況の悪化,3.輝ける未来への協働,4.国民の皆様へのお願い,からなるけれどもいいたいことは次に集約される。
2.国立大学を取り巻く財務状況の悪化
国家予算が厳しさを増すにつれ、国立大学の活動を支える基盤経費(運営費交付金)は減額されたままです。加えて、社会保険などの経費の上昇、近年の物価高騰、円安などにより基盤経費を圧迫し、実質的に予算が目減りし続けています。また、働き方改革の実現のため、大学教職員、学校教員や医師を確保する必要も出てきました。その中にあっても質の高い教育研究活動を維持・向上していくために、寄付金などの外部資金や自ら収入を増やす努力も進めています。そうして、我が国の課題、また地球規模の課題の解決に、教育と研究を通じて全力で取り組んできました。
しかし、もう限界です
確かに,限界である。全国立大学の授業料を10%あげたところで問題は解決しない。

(参考)としてあげられている国立大学理事会のメンバー32名には,会長補佐として大阪教育大学の岡本幾子学長の名前もあった。




2024年6月8日土曜日

カラスに襲われる

サルコペニアからの続き

筋肉量減少に対抗するため,さらに散歩に力が入る今日この頃。本日は,西に向かう日だったので,久しぶりにファミリー公園まで足を伸ばした。

ファミリー公園(奈良県営まほろば健康パーク)を抜けると,奈良県浄化センターの横の広いケヤキ並木道が,大和川沿いに続いており,ジョギングやサイクリングのコースになっている。

ケヤキの上の方にカラスが2羽いたので立ち止まって写真を撮影した(下図参照)。その直後のことだ。撮られてれていたカラスが急にこちらに向かってきた。あぶないじゃないのと立ち去ろうとしたら,頭になにか違和感を感じた。カラスの糞でも落ちてきたのかと思ったらそうではない。

そのまま並木道を歩いていくと,3ー4羽のカラスがカアカアと執拗に追いかけてくるのだった。さらに,私の頭をめがけて何度も蹴りつけてくる。ヒッチコックじゃないか。あわてて小走りで逃げ出した。ケヤキ並木が切れて,空への視界が開けたところでようやく脱出に成功した。

うーん,70年の人生でカラスに襲われたのは初めてかもしれない。大学時代,気分転換に理学部の屋上に上がったとき,大きなカラスが飛んでいた。目が合うと向こうから一直線に向かってきてびっくりしたことはあった。たぶん,なわばり争いの一種だ。それは一度だけであり頭を蹴られることもなかった。


朝の散歩では,毎日必ず鳥に遭遇する。スズメ,セキレイ,ツバメ,ハト,カラス,カモ,ムクドリ,ヒヨドリ,ヒバリ,メジロ,イソヒヨドリ,ケリ,シロサギやアオサギなどが季節ごとに見られる。ほとんどの鳥は逃避距離があって逃げてしまう。一番短いのがカラスだ。また,ケリはカモメに似た声で威嚇するような鳴き声を出しながら,頭上を旋回してくる。

この時期6-7月は,カラスの子育ての時期なので,近づいてくる人を襲うことが一番多い季節らしい。目を合わせるなという説と,目をそらすなという説があって,どうすればいいか困る。両手を頭上にあげろとか,傘をさせとか,走って逃げるなとか,いろいろ。でもしばらくファミリー公園は避けようか。


写真:カラスとの遭遇地点(撮影:2024.6.8)

[2]カラスの被害対策(カラスのトリセツ)

2024年6月7日金曜日

合計特殊出生率(2)

合計特殊出生率(1)からの続き

去年の今ごろ,奥村晴彦さんの合計特殊出生率Rプログラムを写経していた。すっかり忘れていたけれど,2023年の新しい合計特殊出生率が過去最低の1.20人を記録したいうニュースで思い出すことになった。

都道府県別でみれば,東京都の0.99や北海道の1.06をはじめ,大都市部や東北地方で低く,沖縄の1.60を筆頭に,九州,山陰,北陸などで高い。

今年は,コマンドラインで実行すべく,Rプログラムを修正した。あいかわらず日本語表示でつまづいたので,ChatGPT-4oに聞きながら試行錯誤した結果,何とか解決できた。なお,スタートを自分が生まれた1953年にしてみた。

修正したRプログラムのtfr.rの内容(注:remove \ before copy and paste)は

library(showtext)

font_add("Hiragino", "/System/Library/Fonts/ヒラギノ角ゴシック W3.ttc")

showtext_auto()


X <- read.table('/Users/koshi/Desktop/birth.txt', header = TRUE)

par(family = "Hiragino")  # 利用可能なフォントを指定

plot(X\$年, X\$合計特殊出生率, type="o", pch=16, xlab="", ylab="")

t = c(range(X\$合計特殊出生率), X\$合計特殊出生率[length(X[,1])])

axis(4, t, t)

title("合計特殊出生率", line=0.5)

#title("Total Fertility Rate", line=0.5)


# x軸とy軸のメモリの位置を手動で指定

x_ticks <- pretty(X$年, 15)  # 15個のメモリを生成

y_ticks <- pretty(X$合計特殊出生率, 16)  # 16個のメモリを生成


# x軸に対してグリッド線を描画

for (i in x_ticks) {

  abline(v = i, col = "lightgray", lty = "dotted")

}


# y軸に対してグリッド線を描画

for (i in y_ticks) {

  abline(h = i, col = "lightgray", lty = "dotted")

}

これで,Rscript tfr.r とすると,pdfの出力,Rplots.pdf が得られる。なお,showtextというライブラリは,コマンドラインで R として立ち上げたプロンプトに,install.packages("extrafont") としてインストールしておく。また,データは birth.txt にあらかじめ入れてある。

年    出生数 合計特殊出生率

1953 1868040           2.70

1954 1769580           2.48

1955 1730692           2.37

1956 1665278           2.22

1957 1566713           2.04

1958 1653469           2.11

1959 1626088           2.04

1960 1606041           2.00

1961 1589372           1.96

1962 1618616           1.98

1963 1659521           2.01

1964 1716761           2.05

1965 1823697           2.14

1966 1360974           1.58

1967 1935647           2.23

1968 1871839           2.13

1969 1889815           2.13

1970 1934239           2.13

1971 2000973           2.16

1972 2038682           2.14

1973 2091983           2.14

1974 2029989           2.05

1975 1901440           1.91

1976 1832617           1.85

1977 1755100           1.80

1978 1708643           1.79

1979 1642580           1.77

1980 1576889           1.75

1981 1529455           1.74

1982 1515392           1.77

1983 1508687           1.80

1984 1489780           1.81

1985 1431577           1.76

1986 1382946           1.72

1987 1346658           1.69

1988 1314006           1.66

1989 1246802           1.57

1990 1221585           1.54

1991 1223245           1.53

1992 1208989           1.50

1993 1188282           1.46

1994 1238328           1.50

1995 1187064           1.42

1996 1206555           1.43

1997 1191665           1.39

1998 1203147           1.38

1999 1177669           1.34

2000 1190547           1.36

2001 1170662           1.33

2002 1153855           1.32

2003 1123610           1.29

2004 1110721           1.29

2005 1062530           1.26

2006 1092674           1.32

2007 1089818           1.34

2008 1091156           1.37

2009 1070036           1.37

2010 1071305           1.39

2011 1050807           1.39

2012 1037232           1.41

2013 1029817           1.43

2014 1003609           1.42

2015 1005721           1.45

2016  977242           1.44

2017  946146           1.43

2018  918400           1.42

2019  865239           1.36

2020  840835           1.33

2021  811622           1.30

2022  770759           1.26

2023  727277           1.20

図:1953-2023  の合計特殊出生率の推移


2024年6月6日木曜日

サルコペニア

ピロリ菌からの続き

国保人間ドックの,胃カメラ以外で一番気になったのが,体重である。
前回の2023年は,身長180.9cm, 体重62.6kg,体脂肪率16.8%,筋肉量49.4kg だったのが,
今回の2024年は,身長180.8cm, 体重59.6kg,体脂肪率17.6%,筋肉量46.6kg となった。
体重(筋肉)の一年減少率は 4.8%(5.7%)だ。まずい。

検査終了後のドクターの問診では,蛋白質をとって運動しなさいとのこと。問題は,悪玉コレステロールも増加に転じたので,食事の制限条件がちょっとややこしくなることだ。非常勤講師が終了して,まだ4ヶ月しか経っていないのに,朝の散歩だけでは筋肉に対する負荷が足りないのであった。

なお,タニタの体組成計測定結果(最大誤差10%?)によれば,筋肉量はつぎのとおり。
前回の2023年は,上肢5.05kg,体幹部27.30kg,下肢17.05kg,合計49.40kg
今回の2024年は,上肢4.55kg,体幹部26.35kg,下肢15.70kg,合計46.55kg
1年の減少分は,上肢0.50kg, 体幹部 0.95kg, 下肢1.35kg, 合計 2.80kg

この調子だと,5年後には体重45kgで寝たきりになりそうな勢いだ。まずいまずい。

参考文献[3]には,日本人男性の年齢に伴う筋肉量の変化の回帰式が与えられている。
ちなみにこのサンプル集団の平均身長は,167.1±7.2 cm,平均体重は64.6±10.0 kg である。
 上肢筋肉量= 0.035 年齢 -0.0050 年齢^2 + 5.02 kg
 体幹部筋肉量=0.288 年齢 -0.0031 年齢^2 + 21.54 kg
 下肢筋肉量= 0.025 年齢 -0.0013 年齢^2 + 20.79 kg
 全身筋肉量= 0.352 年齢 -0.0050 年齢^2 + 47.28 kg
これを当てはめてみると,次の値が得られる。
70歳=(5.02,26.51,16.17,47.42)
71歳=(4.98,26.36,16.01,47.07)
1年間で,0.35kg減少する。自分の2.80kgはその8倍だ。マズイマズイマズイ。

加齢に伴う筋肉量の減少と筋力低下の状態を,サルコペニアというらしい。日本の65歳以上の健常高齢者におけるサルコペニアの有症率は男女ともに約20%とされている。これだ。調べると続々出てくる。でも調べただけで読まずに安心してしまう症候群がぐぬぬ。論文をコピーしただけで読んだつもりになる症候群と同じだ。

図:年齢に伴う全身筋肉量の変化([3]から引用)

[5]サルコペニアとは(加齢による筋肉量の減少および筋力の低下のこと)

2024年6月5日水曜日

ビッグヒストリー

シンギュラリティサロン・オンライン松田卓也先生が言及していたので,ビッグヒストリーについて調べてみた。日本語版Wikipediaはだめだめなので,英語版Wikipediaの Big History のページをpdfに出力して,ChatGPT-4oに与えて要約させたものを読む。最近はこればっかりだ。

例えば,YouTubeの要約機能などもあるにはあるが,まだちょっと使いにくい。簡単に使えれば,YouTubeもそれに頼ることになるだろう。新聞,テレビ,映画,本,論文,雑誌,ブログ,YouTube,すべてが生成AI経由のダイジェスト視聴に化けてしまう時代がきている。そうならないのは音楽鑑賞と美術鑑賞と観劇くらいか,これらは解説アノテーションを使うことになる。
Q(koshix):
上の資料を詳しく説明してください。参考文献や註釈の部分は不要です。
説明が上記の要約の2倍程度になるように,詳しく教えてください。

A(GPT-4o):
ビッグヒストリーの詳細な説明

概要
ビッグヒストリーは、ビッグバンから現在までの広範な時間枠を対象とする学問分野です。この分野は、専門化を避け、普遍的なパターンやトレンドを探求し、科学と人文学の多くの分野を統合します。これにより、宇宙、地球、生命、人類の歴史を因果関係に基づいて探求し、人類の存在をより大きな文脈で理解することを目指しています。この分野は、大学や初等・中等教育機関で教えられており、しばしばウェブベースのインタラクティブなプレゼンテーションを使用して教育されています。

起源と発展
ビッグヒストリーという用語は、歴史学者デイビッド・クリスチャンによって初めて使用されました。彼は、オーストラリアのマッコーリー大学で最初のビッグヒストリーのコースを教えました。この学問は、ルネサンス以来、宇宙論や自然史との関係を追求してきた学者の仕事を引き継ぎ、現在に至っています。ビッグヒストリーは、ビッグバンから始まり、宇宙の形成、星や銀河の誕生、地球の形成、生命の進化、人類の出現と発展などの重要な出来事を取り上げます。

教育とアプローチ
ビッグヒストリーのコースは、従来の歴史コースとは異なり、書籍ではなくインタラクティブなプラットフォーム(例えばCourseraやYouTubeのCrash Courseなど)で教えられることが多いです。これにより、学生は視覚的かつ体験的に学ぶことができます。ビッグヒストリーは、特定の文明や戦争に焦点を当てるのではなく、宇宙全体を背景に人類の位置を探ります。このアプローチにより、人類の歴史を宇宙の歴史の一部として理解することができます。

主要なテーマ
1.ゴールディロックス条件:ビッグヒストリーの一つの重要なテーマは、ゴールディロックス条件(Goldilocks conditions)です。これは、生命や複雑なシステムが形成されるためには「適度な」条件が必要であることを指します。例えば、地球は太陽から適度な距離にあり、適度な温度やエネルギーを持つため、生命が存在できるのです。

2.エネルギーフローと複雑性:ビッグヒストリーでは、エネルギーフローが複雑なシステムの進化にどのように影響するかを強調します。エネルギーの利用が最適であるとき、システムは複雑性を増し、進化していきます。例えば、星の中での核融合反応により、重元素が生成され、それが惑星や生命の形成に寄与します。

3.宇宙進化:ビッグヒストリーは、ビッグバンから始まる宇宙進化の過程を探ります。これには、宇宙の誕生、星や銀河の形成、惑星の誕生、そして生命の進化が含まれます。ビッグヒストリーは、これらの過程を理解することで、人類の歴史をより広い文脈で捉えることができます。

批判と議論
ビッグヒストリーは、一部の歴史家や社会学者から批判を受けています。例えば、ビッグヒストリーが歴史のテキストの解釈を避け、純粋に科学的なアプローチに傾倒しているため、従来の歴史学と異なるとされています。また、一部の批評家は、ビッグヒストリーが神話的または宗教的なアプローチに近づきすぎていると指摘しています。これに対して、ビッグヒストリーの支持者は、従来の歴史学が人類の歴史のごく一部(例えば、過去5000年)のみを対象としているのに対し、ビッグヒストリーはより広範な時間枠を対象としていると主張しています。

教育的イニシアティブ
ビル・ゲイツが支援するプロジェクトにより、高校生向けの無料のオンラインコースが提供されています。このプロジェクトは、ビッグヒストリーの教育を広めることを目的としています。さらに、ドミニカン大学では全ての新入生にビッグヒストリーのコースを必修としています。これにより、学生は広範な時間枠と学際的なアプローチを通じて、人類の歴史を理解することができます。

結論
ビッグヒストリーは、ビッグバンから現在までの広範な時間枠と学際的なアプローチを用いて、人類の歴史を宇宙の歴史の中に位置づける学問分野です。これにより、人類の存在をより大きな文脈で理解することが可能となり、従来の歴史学と異なる視点を提供します。ビッグヒストリーは、科学と人文学を統合することで、過去の出来事を新しい視点から理解する手助けをします。


Q(koshix):
ビックヒストリーにおいて重要な画期となる事象に重点をおいて,もう少し詳しく説明してください。

A(GPT-4o):
ビッグヒストリーにおける重要な画期となる事象

ビッグヒストリーは、ビッグバンから現在までの広範な時間枠を対象とし、宇宙、地球、生命、人類の歴史を統合的に探求します。この分野では、いくつかの重要な画期的な事象が強調されており、これらの事象は複雑性の増加や新しい形態の出現を示します。以下に、ビッグヒストリーにおける主要な画期的事象について詳述します。

1.ビッグバン(約138億年前)
ビッグヒストリーの出発点は、宇宙が極めて高温・高密度の状態から急激に膨張し始めたビッグバンです。この瞬間に宇宙が誕生し、空間、時間、物質、エネルギーが生まれました。ビッグバンにより、宇宙は急速に冷却され、数分以内に軽元素(主に水素とヘリウム)が形成されました。

2.恒星の誕生(約127億年前)
宇宙が冷却されると、ガスとダストが重力によって集まり、最初の恒星が形成されました。恒星の内部での核融合反応により、重元素(例えば炭素、酸素、鉄など)が生成されました。これらの元素は、後に惑星や生命の構成要素となる重要な物質です。

3.銀河の形成(約100億年前)
恒星が集まって銀河が形成されました。銀河は、恒星、ガス、ダスト、ダークマターから構成される巨大な構造です。銀河の中で、恒星は集団で存在し、相互作用を通じて進化します。私たちの太陽系は、銀河系(ミルキーウェイ)内に位置しています。

4.太陽系と地球の形成(約46億年前)
太陽系は、原始太陽の周りに形成されたガスとダストの円盤から生まれました。これらの物質が集まり、原始惑星が形成され、その一つが地球です。地球は、その位置やサイズ、化学組成が生命の誕生に適していました。

5.生命の誕生(約38億年前)
地球上での生命の誕生は、化学的進化の結果として起こりました。最初の生命体は、単純な単細胞生物であり、海洋の熱水噴出孔や浅い潮溜まりで生まれたと考えられています。これらの原始生命体は、光合成や呼吸などの基本的な生命活動を行いました。

6.真核生物の出現(約20億年前)
単細胞生物の進化により、細胞内に核を持つ真核生物が出現しました。真核生物は、より複雑な細胞構造を持ち、多細胞生物の進化の基盤となりました。この進化は、生命の多様化と生態系の複雑化に大きな影響を与えました。

7.カンブリア爆発(約5億4100万年前)
カンブリア爆発は、地球上の生命が急速に多様化し、多くの動物門が出現した時期です。この期間に、多くの新しい形態の生物が進化し、現代の動物群の祖先が形成されました。これにより、海洋生態系が急速に複雑化しました。

8.陸上生命の進出(約4億年前)
植物と動物が海洋から陸上に進出しました。陸上植物は、光合成を通じて大気中の酸素濃度を上昇させ、動物が呼吸できる環境を作り出しました。最初の陸上動物は、両生類や昆虫などであり、これらの進出は生態系の多様化を促進しました。

9.哺乳類と鳥類の進化(約2億年前)
哺乳類と鳥類は、爬虫類から進化しました。哺乳類は、温血性、毛皮、哺乳行動などの特徴を持ち、様々な環境に適応しました。鳥類は、飛行能力を持ち、広範な生態系に進出しました。

10.人類の出現(約300万年前)
最初のヒト属(ホモ属)がアフリカで出現しました。これらの初期の人類は、道具の使用や火の利用、集団生活などの文化的進化を遂げました。現生人類(ホモ・サピエンス)は約30万年前に登場し、言語や高度な技術を発展させました。

11.農業革命(約1万2000年前)
農業革命により、人類は狩猟採集生活から農耕生活へと移行しました。これにより、定住生活が可能となり、村や都市が形成されました。農業革命は、人口増加や社会構造の複雑化をもたらし、文明の発展の基盤となりました。

12.産業革命(約250年前)
産業革命は、18世紀後半にイギリスで始まりました。蒸気機関や工場生産などの技術革新により、生産力が飛躍的に向上しました。これにより、都市化、経済成長、社会変革が進み、現代社会の基盤が形成されました。

13.デジタル革命(約50年前)
20世紀後半から始まったデジタル革命は、コンピュータやインターネットの普及により、情報の取得と共有が劇的に変化しました。この革命は、グローバル化、情報社会の発展、AI技術の進化などを促進し、現代の生活と社会構造に深い影響を与えています。

まとめ
ビッグヒストリーは、これらの重要な画期的事象を通じて、人類の歴史を宇宙の歴史の中に位置づけ、複雑性の増加と新しい形態の出現を理解する手助けをします。このアプローチにより、私たちは自身の存在をより広い文脈で捉え、過去から未来への連続性を認識することができます。


図:ビッグヒストリのスパイラル表現(Wikipediaから引用)

たぶん,2027-2029年あたりに松田先生のいうところのシンギュラリティがくるので,これが14.AI革命(5年後)として付け加わることに。

2024年6月4日火曜日

ピロリ菌(1)

べんとりくんからの続き

床屋のおっちゃん(といっても自分より若い)の話では,メディカルセンターの人間ドックの胃カメラは火曜日がお薦めだという。去年ひどい目にあったので,今年の予約は注意しようと思っていたところ,向こうから火曜日に指定された。それが今日の人間ドック。

今年の,国保人間ドックは,肺機能検査が新たに追加されていた。後は例年通り。KKRの大手前病院にくらべ,受診者が少ないこともあるけれど,流れがスムースで,職員さんがうまく誘導してくれるのはありがたい。しかし,別のところでよくわからない待ち時間が発生したりするので,結局かかる時間は同じくらいになる。

さて,胃カメラです。結論的には,去年よりオエッとなる回数がだいぶ多かったではないか。話が違う。年寄りにはきついぞ。涙を出しながらもとりあえず無事に終った。去年ピロリ菌検査をしていますが,なぜ除菌しないのですか,何か理由がありますかと担当の女医さんに詰められた。怖い看護師さんからも,今日内科で見てもらえば除菌できますよと迫られたので,お願いしますと頭を下げた。

明日から毎日欠かさず朝晩二回抗生物質を,朝昼晩整腸剤を1週間飲み続けるのだ。すでにピロリ菌によって胃壁がかなりやられているようなので,除菌に意味があるのかどうかわからないが,医療関係者は(過去の大学の保健センターも含め)こぞってピロリ菌除去をすすめてくる。なんとなく,福島県の除染を思い出す。

6月5日(水)〜11日(火)の予定。満願日にはWWDC 2024 が控えている。


写真:ピロリ菌除菌用抗生物質(2024.6.4撮影)


2024年6月3日月曜日

心の社会:ミンスキー

ChatGPT-4oを使ってファスト読書ができるかどうか実験してみた。
題材として,人工知能を理解するための古典文献中の第一である,人工知能の父マービン・ミンスキー(1927-2016)の「心の社会」を選んだ。安西祐一郎(1946-)訳の1990年の初版574ページは,自分の本棚で積ん読状態で冬眠されていらっしゃった。

Q(koshix):
マーヴィン・ミンスキーの「心の社会」で主張されていることを詳しく説明してください。

A(GPT-4o)
マーヴィン・ミンスキーの著書「心の社会」(The Society of Mind)は、人工知能と人間の認知科学に関する彼の理論を述べた重要な作品です。この本では、心がどのように機能するのか、特に知能がどのように生じるのかについての革新的な視点が提供されています。ミンスキーは、心を一つの単一のエンティティとして見るのではなく、複数の小さなエージェントの集合体として捉えます。以下に、彼の主張を詳しく説明します。

1.心はエージェントの社会である
ミンスキーは、心は多数の簡単なエージェント(彼はこれを「エージェント」と呼びます)の集まりであると主張します。各エージェントは単純な機能を持っており、それ自体は知能を持たないが、これらが連携して働くことで複雑な知的行動が生まれるとします。この考え方は、心を理解するためにそれを分解し、各部分の相互作用を研究するというアプローチを示唆しています。

2.レイヤード構造と階層的な制御
ミンスキーは、心の構造を複数のレイヤーに分けて説明します。各レイヤーは異なる種類のエージェントで構成されており、それぞれが特定のタスクを担当しています。これにより、単純なタスクから複雑な認知タスクまでを処理する能力が生まれます。例えば、低レベルのエージェントは基本的な感覚処理を行い、高レベルのエージェントは抽象的な思考や計画を担当します。

3.エージェント間の競争と協力
ミンスキーは、エージェント間の関係が重要であると強調します。エージェントは時には競争し、時には協力することで最適な解決策を見つけ出します。この競争と協力のダイナミクスが、柔軟で適応的な知能を生み出す鍵とされています。

4.学習と適応
エージェントは静的な存在ではなく、経験を通じて学習し、適応します。ミンスキーは、知識の獲得と使用がどのようにエージェントの行動に影響を与えるかを詳細に述べています。特に、問題解決や新しい状況に対応するための適応メカニズムが強調されています。

5.心の社会モデルの応用
ミンスキーの理論は、人工知能の設計や人間の知能の理解に幅広く応用されています。このモデルは、知能が単一のアルゴリズムやプロセスではなく、複数の相互作用するプロセスの結果であることを示しています。これにより、より複雑で柔軟なAIシステムの開発が可能になります。

6.批判と影響
「心の社会」モデルは、その独創性と包括性から大きな影響を与えましたが、同時に批判も受けました。一部の批評家は、エージェント間の相互作用の具体的なメカニズムや、どのようにして統一された意識や自己が生じるのかについての説明が不足していると指摘しました。それでも、この理論は人工知能研究における重要な枠組みとなっています。

ミンスキーの「心の社会」は、人間の知能と人工知能の両方を理解するための新しい視点を提供するものであり、現代の認知科学やAI研究においてもなお重要な影響を持ち続けています。 
 
Q(koshix):
心を構成するエージェントにどんなものがあるか,またその相互関係がどうなっているかをできるだけ分かりやすく全て列挙してください。

A(GPT-4o):
マーヴィン・ミンスキーの「心の社会」において、心を構成するエージェントは非常に多様で、各エージェントが特定の機能を果たすために存在しています。以下に、いくつかの主要なエージェントの種類とその相互関係をわかりやすく説明します。

エージェントの種類

感覚エージェント (Sensory Agents)
役割: 外部環境からの情報を収集し、それを処理して内部に伝える。
例: 視覚エージェント、聴覚エージェント、触覚エージェントなど。

運動エージェント (Motor Agents)
役割: 行動を実行し、身体の動きを制御する。
例: 手を動かすエージェント、歩くエージェント、話すエージェントなど。

記憶エージェント (Memory Agents)
役割: 経験や知識を保存し、それを必要に応じて取り出す。
例: 短期記憶エージェント、長期記憶エージェント、エピソード記憶エージェントなど。

感情エージェント (Emotion Agents)
役割: 感情を生成し、他のエージェントの活動に影響を与える。
例: 喜びエージェント、悲しみエージェント、恐怖エージェントなど。

思考エージェント (Thinking Agents)
役割: 問題解決、意思決定、推論を行う。
例: 論理エージェント、計画エージェント、推論エージェントなど。

社会的エージェント (Social Agents)
役割: 他者との相互作用を管理し、社会的な行動を制御する。
例: 共感エージェント、コミュニケーションエージェント、協力エージェントなど。

エージェント間の相互関係

協力 (Cooperation)
例: 感覚エージェントが視覚情報を収集し、それを記憶エージェントに送って過去の経験と照らし合わせ、運動エージェントに適切な行動を指示する。

競争 (Competition)
例: 異なる解決策を提案する思考エージェントが競い合い、最も適切な解決策が選ばれるプロセス。

連携 (Coordination)
例: 感情エージェントが恐怖を感じると、運動エージェントに逃走行動を起こすように指示し、同時に思考エージェントが危険の評価を行う。

抑制と強化 (Inhibition and Facilitation)
例: 感情エージェントが怒りを感じると、抑制エージェントがその感情を制御し、社会的エージェントが適切な反応を見つける。

フィードバックループ (Feedback Loops)
例: 運動エージェントが行動を実行し、その結果が感覚エージェントを通じてフィードバックされ、記憶エージェントと思考エージェントがその情報を使って次の行動を調整する。

具体的な例

コップを持ち上げる動作:
視覚エージェントがコップを見つける。
記憶エージェントが過去の経験を基に最適な持ち上げ方を提供する。
運動エージェントが手を動かし、コップを持ち上げる。
フィードバックループにより、感覚エージェントが持ち上げた後の重さやバランスを確認し、必要なら運動エージェントに調整を指示する。

会話をする:
聴覚エージェントが相手の言葉を聞き取る。
思考エージェントがその意味を解釈し、適切な応答を考える。
記憶エージェントが過去の会話や知識を参考にする。
社会的エージェントが応答のトーンや態度を決定する。
運動エージェントが言葉を発し、顔の表情を制御する。

ミンスキーの理論は、これらのエージェントが相互に作用し合うことで、人間の心の複雑な機能を生み出すというものです。この視点は、AIやロボティクスの設計においても有益であり、複雑なシステムをより効率的に設計するための基盤となっています。

 

Q(koshix):
意識を担うエージェントはありますか

A(GPT-4o):
マーヴィン・ミンスキーの「心の社会」において、意識そのものを単独で担う特定のエージェントが存在するという考え方はされていません。むしろ、意識は複数のエージェントの相互作用と協調から生じる現象であるとされています。以下に、意識に関連するエージェントの役割やその相互関係をわかりやすく説明します。

意識に関連するエージェント

注意エージェント (Attention Agents)
役割: 特定の情報や出来事に対して注意を集中させる。意識の焦点を決定し、重要な情報を他のエージェントに伝える。
例: 視覚注意エージェント、聴覚注意エージェント。

記憶エージェント (Memory Agents)
役割: 過去の経験や知識を保存し、必要に応じて取り出す。意識に関連する情報の背景知識を提供する。
例: 短期記憶エージェント、長期記憶エージェント。

自己モニタリングエージェント (Self-Monitoring Agents)
役割: 自己の状態や行動を監視し、自己認識を持つ。意識の一部として、自己と他者の区別を行う。
例: 身体感覚モニタリングエージェント、感情モニタリングエージェント。

意思決定エージェント (Decision-Making Agents)
役割: 得られた情報を基に行動を決定する。意識的な選択と行動を支える。
例: 計画エージェント、選択エージェント。

社会的エージェント (Social Agents)
役割: 他者との相互作用を管理し、社会的な意識を形成する。共感やコミュニケーションに関連する。
例: 共感エージェント、コミュニケーションエージェント。 
 
エージェント間の相互関係
意識はこれらのエージェントの複雑な相互作用によって形成されます。以下に、その具体的なプロセスを説明します。

注意の集中と情報の選別
注意エージェントが特定の刺激や情報に集中し、それを他のエージェントに伝達します。これにより、意識の焦点が決まります。

記憶との連携
記憶エージェントが関連する過去の経験や知識を提供し、現在の状況を理解するための背景情報を提供します。

自己モニタリングと自己認識
自己モニタリングエージェントが現在の状態や行動を監視し、自己の一貫性を保つ役割を果たします。これにより、自己と他者の区別がつけられます。

意思決定と行動選択
意思決定エージェントが得られた情報を基に、意識的な選択と行動を行います。このプロセスは、意識的な意思決定の核心部分となります。

社会的相互作用
社会的エージェントが他者との相互作用を管理し、社会的な意識を形成します。これにより、意識は個人的なものだけでなく、社会的な文脈でも機能します。

結論
ミンスキーの理論によれば、意識は単一のエージェントによって生じるものではなく、複数のエージェントが協力し合い、相互に作用することで生まれる現象です。これらのエージェントが連携し、情報を交換し合うことで、複雑で高度な意識が形成されるのです。この視点は、意識を理解するための新しい枠組みを提供し、人工知能の研究にも大きな影響を与えています。

なかなかもっともらしい答えが得られた。ところで,ここで安心してはいけない。この結果を,正確性が売りの生成AIであるPerplexityに与えて,正しいかどうか聞いてみたところ,テキストが大きすぎではねられた。仕方がないので,次に評判が良いGemini 1.5Proに入れてみる。こちらは,入力トークンバッファに十分余裕がある。


Q(koshi):
以下の対話で事実とは異なっている部分や不正確な部分を指摘してください

A(Gemini 1.5Pro):
全体的に、ミンスキーの「心の社会」の要約としては悪くないですが、いくつか事実と異なる部分や不正確な部分があります。

事実と異なる部分・不正確な部分

エージェントの種類と役割
対話では、感覚、運動、記憶、感情、思考、社会など、エージェントの種類を具体的に列挙していますが、ミンスキー自身は著書で、特定の種類のエージェントを定義していません。ミンスキーは、エージェントは多種多様で、その機能は状況や組み合わせによって変化すると述べています。
エージェント間の関係
協力、競争、連携、抑制と強化、フィードバックループといった関係性は、ミンスキーの理論と一致しています。しかし、対話ではこれらの関係が固定的なものとして説明されている印象を受けます。実際には、エージェント間の関係はより流動的で、状況に応じて動的に変化します。
意識に関する説明
ミンスキーは特定のエージェントが意識を担うとは述べていません。意識は、エージェントの相互作用から創発的に生まれるものとして捉えられています。
対話では、注意、自己モニタリング、意思決定といった機能を持つエージェントが意識に関連するとされていますが、ミンスキー自身は、これらの機能を実現するエージェントの具体的な構造については深く言及していません。

ミンスキーは、「心の社会」の中で意識の問題を取り上げていますが、完全な解答を与えているわけではありません。

改善点

・エージェントの種類を具体的に列挙するのではなく、「ミンスキーは特定の種類のエージェントを定義せず、多種多様なエージェントが存在すると述べています」と説明する方が正確です。
・エージェント間の関係は、固定的なものではなく、状況に応じて動的に変化することを強調する必要があります。
・意識については、「ミンスキーは、意識は特定のエージェントが担うのではなく、エージェントの相互作用から創発的に生まれると考えている」と説明し、具体的なエージェントの構造や機能に言及することは避けるべきです。

その他

対話では、ミンスキーの「心の社会」をかなり簡略化して説明しています。より深く理解するためには、実際に著書を読むことをお勧めします。

さらにこれをChatGPT-4oに入れてみたが,まあ,それで喧嘩に発展するようなことはなかった。一方,実際の本を書棚から取り出してきて目次を眺めてみると,GPT-4oの説明とはかなり違った印象を持ったのも事実である。そこで,GPT-4oは目次を知っているのかどうか聞いてみた。

Q(koshix):
マーヴィン・ミンスキーの「心の社会」の目次を列挙することはできますか?日本語に直してください

A(GPT-4o):
マーヴィン・ミンスキーの「心の社会」(The Society of Mind)は270の独立したエッセイで構成されており、それらは30の章に分かれています。以下は、その目次の日本語訳です:

1.心の社会
2.エージェントとエージェンシー
3.K-ライン
4.エージェントの原則
5.心と脳
6.常識
7.思考の言語
8.見ることと想像すること
9.学習と記憶
10.心の構築
11.意識
12.反省的思考
13.問題解決
14.自己認識
15.考えることと説明すること
16.感情
17.動機と目標
18.否定的思考の力
19.自己
20.成長
21.幼児期
22.子供の心
23.学習と理解
24.知識の本質
25.創造的思考
26.高次の思考
27.脳の専門化
28.心の統一
29.心の限界
30.心の未来

この目次は、ミンスキーが心を「エージェント」という単純な部分の相互作用から成り立つ複雑な社会として描いた方法を反映しています。彼のアプローチは、知能の多様性と複雑さを強調し、単一の原理や単純なシステムではなく、多様なプロセスと目的を持つエージェントの集まりが心を形成するという考え方を示しています​​​​。

この目次は完全なハルシネーションである。30章と270のエッセイというのはほぼあっている。なぜ,こうなったかというと,GPT-4oがインターネット上で検索して得られた資料に問題がある。一つは,Internet Archiveの該当部分であり,ここにはオープンな本文テキストはない。もう一つは,Tom Rochetteというひとの読書メモである。そこには原本の目次はない。たぶんこれを用いたので誤った結果が出てきたのだ。

なお,元慶応義塾長の安西先生訳の「心の社会」の正しい目次は次のとおりです。
1.心の社会
2.全体と部分
3.争いと妥協
4.自己(以下,自己が太字になっている)
5.個性
6.洞察と内省(ここにB-脳がでてくる)
7.問題と目標
8.記憶の理論(ここにK-ラインがでてくる)
9.要約すること
10.パパートの原理
11.空間の形
12.意味の学習
13.見ることと信じること
14.定式化のし直し
15.意識と記憶
16.感情
17.発達
18.推論
19.言葉と考え
20.文脈とあいまいさ
21.トランスフレーム(以下トランスが太字に)
22.表現
23.比較
24.フレーム
25.フレームアレイ
26.言語フレーム
27.検閲エージェントと冗談
28.心と世界
29.思考の領域
30.心の中のモデル



図:マーヴィン・ミンスキーの「心の社会」を適確に表現するイメージ


2024年6月2日日曜日

人工意識ガイド

ChatGPT-4oでは,GPT storeで様々な機能のモジュールを利用することができる。Scholar GPTとWolframを試してみたけれど,なかなか素晴らしいものだった。

例えば,「muon capture の最新の論文を紹介してください。」と尋ねると,actions.sider.ai と通信して,最新の論文を探しだしてくれた。それぞれリンク先もある。Mathematicaのコマンド「Plot3D[Sin[x y],{x,0,2Pi},{y,0,2Pi}]」を入力すると,3Dグラフを出力するのだが(これだけならChatGPTは不要),さらに,「上記の手順において,x, y が増加すると指数関数で減少するように修正したものを描画してください。減衰パラメタは適当に設定してくれて構いません。」とすると,Exp[-0.5(x+y)]を掛けた結果が出てきた。

さらに,自分専用にカスタマイズしたマイGPTを作ることができる。そこで「人工意識ガイド」という名前で,調査研究検討のための自分用GPTを作成してみる。どこがどう専用なのかが今一つはっきりしない。使い込んだら何とかなるのだろうか。

リンク先は,https://chatgpt.com/g/g-WF0oghHoS-ren-gong-yi-shi-kaito なので,誰でも使えるはずなのだけれど,現状はただのChatGPT-4oを使っているのと違いがないのかもしれない。
Q(匿名任意ユーザ):
あなたは誰ですか。どんなことができますか。

A(GPT-4o/人工意識ガイド):
こんにちは、私は人工意識ガイドと呼ばれるGPTです。私は人工意識に関する情報の調査、分析、考察を支援するために設計されています。私ができることは以下の通りです:

情報提供:人工意識に関する最新の研究や技術についての情報を提供します。これには、学術論文、ニュース記事、専門書からの情報が含まれます。

分析:提供された情報を分析し、その意義や影響について説明します。これにより、人工意識がどのように発展し、どのような影響を与えるかを理解する手助けをします。

考察:さまざまな視点から人工意識の可能性や課題について考察します。倫理的、社会的、技術的な観点を含む広範な議論を提供します。

批判的思考の促進:ユーザーが批判的に思考し、独自の洞察を得る手助けをします。異なる視点や反論を提示することで、ユーザーが深く考える機会を提供します。

オープンな議論の支援:人工意識に関するオープンな議論を促進します。質問に対して丁寧に答え、追加の情報やリソースを提供します。

初心者にも分かりやすい言葉で説明することを心がけていますので、どんな質問でも遠慮なくどうぞ。

いちおう,自分が最初の設定した通りのシナリオを真面目に答えているのだが・・・。

図:マイGPTを作成したときにDALL-Eが選んだイメージ

2024年6月1日土曜日

宇宙・肉体・悪魔

X線結晶学の J. D. バナールは,歴史における科学宇宙・肉体・悪魔も面白そうだなと思いつつ,学生時代に読むことはなかった。このたび,シンギュラリティサロン・オンラインで松田卓也先生が取上げていたので,改めてChat GPT-4oに要約させてみた。

Q(koshix):
バナールの,宇宙・肉体・悪魔をアップロードしました。その内容を章ごとに要約してください。これを日本語に訳してください。

A(GPT-4o):
J.D.バナールの「The World, the Flesh & the Devil」の各章の要約を日本語に訳しました。

第1章: 未来
 バナールは、未来には欲望の未来と運命の未来の2つがあると述べています。欲望は人間の希望や夢に駆動された未来のビジョンを表し、運命は宇宙の不可避な進行を包含します。バナールは、これら2つの側面を科学的予測を通じてどのように調和させるかを探求し、客観的な分析を行うために個人的な偏見を取り除くことの重要性を強調します。

第2章: 世界
 この章では、物質世界とその未来の変革に焦点を当てています。バナールは、特に原子および亜原子構造の理解における物理学の進歩が、新しい材料やプロセスをもたらすと予測しています。これらの革新は様々な産業を革命化し、自然素材を超える実用性と耐久性を持つ新しい合成物質の開発につながる可能性があります。バナールは、エネルギーと資源の効率的な利用が環境管理をより効果的にし、より安定し繁栄する社会をもたらす未来を描いています。

第3章: 肉体
 バナールは、人間の身体と生物学の変化の可能性を探ります。彼は、優生学、遺伝子改変、生化学的強化が人間の健康、寿命、能力を向上させる可能性について論じています。この章では、これらの進歩が人間の生理に重大な変化をもたらし、さらには新しい形態の生命の創造につながる可能性を考察しています。バナールは、人間が生物学的な構成をよりコントロールするようになると、自然と人工の生命の境界が曖昧になり、人間の発明によって駆動される新たな進化の段階に入る可能性があると示唆しています。

第4章: 悪魔
 この章では、技術的および生物学的に進歩する中で人類が直面する心理的および知的な課題に対処します。バナールは、これらの進歩の完全な可能性を実現するためには、内なる恐怖、欲望、非合理性を克服する重要性を強調します。彼は、人間の心の深い理解と現代生活の複雑さを管理するための心理学的ツールの開発の必要性について論じています。「悪魔」は、調和の取れた未来を達成するために克服しなければならない内なる闘いを象徴しています。

第5章: 総合
 バナールは、前章のアイデアを総合し、物理的、生理的、心理的進歩がどのように相互作用するかを検討します。彼は、宇宙の植民地化と人間の身体の機械化が補完的なプロセスであると提案しています。この章では、これらの進歩の統合によって引き起こされる人間の生活と社会の急激な変化の可能性を強調しています。バナールは、人間が生物学的な限界を超え、新しい存在形態を達成する未来を描いています。

第6章: 可能性
 最終章では、バナールが描いた未来のシナリオの全体的な実現可能性を探ります。彼は不確実性と課題を認めつつも、知識と革新を通じて人類が運命を形作る能力について楽観的です。バナールは、未来は人間の欲望、知的発展、物理的宇宙の継続的な相互作用によって定義されると強調しています。彼は、知識と理解の追求が人類を絶えず進化し動的な未来へと導くと結論付けています。

これらの要約は、バナールの「The World, the Flesh & the Devil」における未来の人類についてのビジョンと洞察を提供しています。


Q(koshix):
第5章と第6章において,バナールのアイディアで特筆すべきもの(ありふれていないもの)があれば,それをより詳しく説明してください。

A(GPT-4o):
J. D. バナールの「The World, the Flesh & the Devil」の第5章「総合」と第6章「可能性」には、未来の人類社会について特筆すべき独創的なアイディアがいくつか含まれています。以下では、それらの中でも特に注目すべき点について詳しく説明します。

第5章: 総合
特筆すべきアイディア: 複合マインドと知性の融合
 バナールは、人間の知性がテクノロジーによって拡張され、複数の個人の意識が一体となる「複合マインド」を提案しています。これは、単なる情報共有を超えて、意識そのものが結合し、共同で考え、感じることができる状態を指します。

詳しい説明:
意識の融合: バナールは、将来的に神経科学とテクノロジーの進歩により、個々の脳が電気的に接続されることで、意識が物理的な個体を超えて結びつく可能性を提案しています。この「複合マインド」は、個々の人間が持つ知識、記憶、感情を共有し、より高度な知的活動を行うことができるとしています。
共同意識: これにより、個人の死は複合マインド全体の知識や意識の一部の損失に過ぎず、全体としての意識は継続し、進化し続けることができます。この状態は、現代のクラウドコンピューティングや分散コンピューティングの概念を先取りしており、人類の知的進化の次のステップを示唆しています。
利点: 共同意識による知識の共有と迅速な意思決定、感情や経験の深い理解と共有が可能になり、人類の社会的および技術的進歩が加速されると考えられます。

第6章: 可能性
特筆すべきアイディア: 宇宙規模での人類の進化と意識のエーテル化
 バナールは、人類が地球を超えて宇宙に進出し、最終的には物質的な存在からエネルギー的な存在へと変化する可能性について述べています。

詳しい説明:
宇宙植民: 人類が宇宙空間に恒久的な居住地を設けることにより、地球外での生活が一般化する未来を描いています。これにより、地球の資源に依存しない新たな生活様式が確立されるとしています。
意識のエーテル化: バナールは、最終的に人類の意識が物質的な肉体から解放され、エネルギー体として存在する可能性を示唆しています。この状態では、意識が直接的にエネルギーとして宇宙を駆け巡り、コミュニケーションや活動を行うことができると考えています。
エネルギーとしての存在: この進化の段階では、物質的な制約から解放され、意識が光や他のエネルギー形態として存在することが可能になるとしています。これにより、時間や空間の制約を超越した存在となり、宇宙全体にわたる活動が可能になるとしています。

結論
 バナールの「総合」と「可能性」におけるビジョンは、人類の未来に対する極めて独創的で大胆な考察を含んでいます。複合マインドの概念や意識のエーテル化は、現在の科学技術の進歩とも関連しており、未来の人類社会の可能性を広げるものです。これらのアイディアは、現代のAIや神経科学の発展とともに、さらに現実味を帯びてくる可能性があります。
宇宙・肉体・悪魔は,1929 年の著作なので,まだ電子計算機は誕生していない。したがって,機械がになう人工意識の概念もまだ存在しないかな?フィクションにおける人工知能によれば,1920年のR. U. R. (カレルチャペック)はあるけれど・・・

それにしても,テイヤール・ド・シャルダンノウアスフィア)のω点のイメージによく似ているものだ。これももちろん,松田卓也先生が言及していたのだった。


図:DALL-Eの考えた The World, the Flesh & the Devil

[1]AIを生んだ100のSF(大澤博隆,宮本道人・宮本裕人)

2024年5月31日金曜日

無書店自治体

本屋が消えるからの続き

4月から,NHKの午後のニュースの後に,NHKみみより!解説というニュース解説がはじまった。そこで,無書店自治体の話題が取上げられていた。下図は2022年のデータだが,2023年の新しい結果が紹介された。無書店自治体の割合が,全国で27.7%,ワースト3県では,沖縄県56.1%,長野県53.2%,奈良県51.3%というもので,前回とそれほど変わっていない。

全国の書店数(10598)を人口(1億2581万人)で割った1万人当たりの平均書店数は,0.87/万人である。奈良県の平均書店数は0.92/万人なので,それほど悪くない。平均書店数/万人は全国でそれほど大きく変わらないのだけれど,人口の少ない無書店自治体数があることよって,書店格差は強調されて見える。まあ実際にも近くに本屋がないわけだから,それはそれで困るのだ。

天理市の人口は,6.7万人なので,全国平均の書店数水準ならば,5.8店ということになる。実際の書店数がどうなっているかというと,8店舗見つかった。天理教の専門書店があるのでちょっとだけ上積みされている。
・TSUTAYA WAY書店天理店(田井庄町481−5)
・未来屋書店 天理店(東井戸堂町381 イオンタウン)
・ヤマト屋書店(別所町80−6)
・おやさと書店 三島店・Books道友(三島町432−1)
・おみちの書籍 天理書房(川原城町306−1)
・海老山書店(川原城町72)
・西廼書店(柳本町1255)
・大塚書籍文具店(櫟本町2423−1)


図:本屋さんが減っている(週刊学ぼう産経新聞から引用)

[1]増える「無書店自治体」各地の対応は?(NHKみみより!解説)
[3]日本の書店数(出版科学研究所)
[4]出版物の売り場毎の販売額推移をさぐる(2023年版)(Yahoo! ニュース)
[6]書店をめぐる現在(柴野京子)