東北大学の大隅典子さんが,感染者に対する死亡率のデータがみつからないとおっしゃっていたので,前回のデータを1月28日版データに更新してみた。確かに宮城県はトップではないにせよ,その値がかなり低く抑えられていた(他の東北諸県と対比させるとよいかも)。
ある時点での死亡数累計/感染数累計は,致命率(CFR)の近似値だと考えられる。以下では直近3ヶ月の累計比(CFR-3m)と全期間の累計比(CFR-total)を,前者の降順に並べてみた。日本全国では,これらの値は1.4%前後であり,アジア各国の値とほぼ同水準である。欧米でも,その値は2-3%程度であり,本質的に大きな違いはないように見える。
一時的に医療崩壊に近い事象が起きているとき,この値は増大するので,第1波や第2波を除く直近3ヶ月では,過去のこの部分を差し引いた現在の状況がわかりやすい。北陸三県や徳島県では過去の死亡数急増時の部分を除けば,現在は相対的に落ち着いていることがわかる。
宮城県を除く東北地方ではそもそもの感染数の絶対値が大きくないので,大阪府,兵庫県,広島県などで高い値を示していることとは違う環境的な原因で"CFR"が大きいのかもしれない。
東京都や沖縄県は人口あたりの感染数や死亡数の人口比は大きな値を示しているが,感染者に対しては適切な処置が施されているの"CFR"は大きくない。
都道府県名 CFR-3m CFR-total
岩手県 5.77% 5.45%
北海道 3.38% 3.43%
山形県 3.05% 2.71%
福島県 2.76% 2.48%
兵庫県 2.48% 2.37%
福井県 2.40% 3.36%
香川県 2.33% 2.27%
青森県 2.26% 1.86%
大阪府 2.16% 2.09%
広島県 2.11% 1.92%
熊本県 2.03% 1.79%
静岡県 1.91% 1.69%
徳島県 1.83% 3.40%
長崎県 1.79% 1.70%
群馬県 1.72% 1.82%
愛知県 1.67% 1.64%
岐阜県 1.66% 1.66%
長野県 1.56% 1.51%
高知県 1.45% 1.68%
愛媛県 1.41% 1.86%
三重県 1.40% 1.36%
石川県 1.40% 4.01%
大分県 1.36% 1.43%
京都府 1.32% 1.37%
新潟県 1.27% 1.01%
鳥取県 1.25% 1.01%
滋賀県 1.25% 1.35%
栃木県 1.25% 1.11%
山口県 1.23% 1.18%
埼玉県 1.21% 1.36%
奈良県 1.19% 1.24%
和歌山県 1.19% 1.26%
宮崎県 1.12% 0.95%
茨城県 1.09% 1.30%
山梨県 1.02% 1.45%
千葉県 0.91% 1.06%
神奈川県 0.89% 1.12%
岡山県 0.82% 0.87%
沖縄県 0.78% 1.22%
宮城県 0.75% 0.66%
福岡県 0.72% 1.12%
東京都 0.59% 0.87%
佐賀県 0.58% 0.43%
鹿児島県 0.54% 1.14%
秋田県 0.52% 0.39%
富山県 0.23% 3.13%
島根県 0.00% 0.00%
全 国 1.34% 1.45%
(情報:NHKまとめ 2021/1/28現在)