2020年5月8日金曜日

小田垣さんのSIQR

朝日新聞に,九州大学名誉教授の小田垣さんの計算として「PCR検査を倍にすれば、接触「5割減」でも収束可能?」という記事がでた。twitterでも注目を集めていた。

小田垣さんのホームページにその論考があった[1]。SIQRモデルということで,感染者を2段階に分けていた。我々のSIIDR2モデルと本質的に同じではないか。感受性保持者S(t)から直接我々の重症患者I2(t),すなわち小田垣さんの隔離感染者Q(t)に遷移する項があって,ここは違うのだが,議論が始まる前の段階でこの項を落としているので結局同じです。違うのはこちらには死亡数D(t)への遷移を含んでいることくらいである。

そこで両方のモデルで使用しているパラメタを比較してみた。左が小田垣さんのSIQR,右が我々のSIIDR2である。
\begin{equation}
\begin{aligned}
N\beta \quad (0.07) &= \beta \quad (0.4-0.6)  \\
p \quad (0.096) &= \dfrac{1}{\alpha_2} \quad (0.04) \\
\gamma \quad (0.04) &= \dfrac{1}{\alpha_1} \quad (0.16) \\
\gamma \quad (0.04) &= \dfrac{1}{\gamma_1}\quad  (0.064) \\
noparameter (0) &= \dfrac{1}{\gamma_2}\quad   (0.00267) \\
\end{aligned}
\end{equation}
感染率の$\beta$が一桁違うことがわかる。その他はファクターが異なるくらいである。I(t)からR(t)への遷移時間とQ(t)からR(t)への遷移時間が同じとしていることもやや疑問に感じる。また,小田垣氏は論考の中で,基本再生産数(実効再生産数)は$N\beta/p$でなく$N\beta/(p+\gamma)$とすべきだと主張しているが,これはどうなのだろうか。

とりあえず,感染初期のS(t)=Nのときにあてはめて,接触5割減の議論に持ち込んでいる部分は興味深いが,実際にこのパラメータを使って日本の感染データの全体像を説明できるのだろうか。我々のコードを少し修正して彼らのモデルとパラメタを使った計算を再現してみた(初期値の細かな調整は我々のモデルを前提としているがとりあえずはそこはそのままにしておく)。

- - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -
using DifferentialEquations
using ParameterizedFunctions
using Plots; gr()

sky = @ode_def SIQR_model begin
  du0 = 1 # u0:time
  du1 = -β*u1*u2/n # u1:Noimmunity(Susceptible)
  du2 = β*u1*u2/n -u2/α2 -u2/α1 # u2:(Infected)
  du3 = u2/α2 -u3/γ1 # u3:(Quarantined)
  du4 = u3/γ2 # u4:Dead(not in use)
  du5 = u2/α1 +u3/γ1 # u5:Recovered
  du6 = u2/α2 # u6:Accumulated Quarantined
  du7 = u3/γ1 # u7:Accululated Recovered
end n α1 α2 β γ1 γ2 λ τ

function epidm(β,ν,λ,τ,T)
n=10000.0 #total number of population
α1=1/0.04   #5.0/0.8 #latent to recovery (days/%)
α2=1/0.096  #5.0/0.2 #latent to onset (days/%)
β=0.07  #0.45  #infection rate (/day・person)
γ1=1/0.04   #15.0/0.96 #onset to recovery (days/%)
γ2=15.0/0.04   #onset to death (days/%) (not in use)
u0 = [0.0,n-11ν,4ν,2ν,0.0,5ν,ν,0.0] #initial values
p = (n,α1,α2,β,γ1,γ2,λ,τ) #parameters
tspan = (0.0,T) #time span in days
prob = ODEProblem(sky,u0,tspan,p)
sol = solve(prob)
return sol
end

#japan-data(start=3/1)
xj=[0,1,2,3,4,5,6,7,8,9,10,11,12,13,
14,15,16,17,18,19,20,21,22,23,24,25,26,27,
28,29,30,31,32,33,34,35,36,37,38,39,40,41,
42,43,44,45,46,47,48,49,50,51,52,53,54,55,
56,57,58,59,60,61,62]
yj=[0.0190,0.0202,0.0213,0.0225,0.0252,0.0277,0.0324,
0.0361,0.0387,0.0408,0.0451,0.0492,0.0536,0.0568,
0.0619,0.0646,0.0658,0.0658,0.0693,0.0754,0.0790,
0.0830,0.0864,0.0895,0.0947,0.103,0.110,0.119,
0.134,0.148,0.155,0.173,0.189,0.208,0.232,
0.260,0.290,0.310,0.338,0.378,0.424,0.477,
0.536,0.576,0.607,0.643,0.681,0.728,0.777,
0.822,0.853,0.882,0.912,0.946,0.983,1.018,
1.046,1.062,1.078,1.099,1.118,1.133,1.154]
zj=[0.040,0.048,0.048,0.048,0.048,0.048,0.048,
0.048,0.056,0.071,0.095,0.119,0.151,0.167,
0.175,0.190,0.222,0.222,0.230,0.262,0.278,
0.286,0.325,0.333,0.341,0.357,0.365,0.389,
0.413,0.429,0.444,0.452,0.452,0.516,0.548,
0.556,0.579,0.635,0.643,0.675,0.698,0.746,
0.778,0.810,0.865,0.944,1.079,1.175,1.222,
1.278,1.357,1.476,2.198,2.278,2.516,2.651,
2.762,2.786,2.984,3.087,3.294,3.429,3.603]/100
plot(xj,yj,st=:scatter,label="Confirmed-japan")
#plot!(xj,zj,st=:scatter,label="Deaths-japan")

β=0.07
ν=0.01
T=60

@time so=epidm(β,ν,λ,τ,T)
#plot!(so,vars=(0,2))
#plot!(so,vars=(0,3))
plot!(so,vars=(0,4))
#plot!(so,vars=(0,5))
#plot!(so,vars=(0,6))
plot!(so,vars=(0,7))
- - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -

結果は以下の通りである。確かに初期の段階ではデータを説明しているが,その後の振る舞いは説明できない。このモデル(のパラメタ)はあまりよろしくないのかもしれない。

図 日本の新規感染数累計の推移(3/1-5/1)u6をデータと比較する


[1]新型コロナウイルスの蔓延に関する一考察(小田垣孝,2020.5.5)
[2]隔離と市中の感染者を分ける SIR モデル(佐野雅己,2020.4.29)
[3]3.11以後の科学リテラシー No. 89(牧野淳一郎,2020 科学5月号)
[4]感染症の数理シミュレーション(8)(2020.3.15)

2020年5月7日木曜日

中野さんのK値

阪大の杉山清寛さんのFacebookから,RCNPの中野貴志さん(ペンタクオークでおなじみ)がCOVID-19の収束状況を判定するK値というのを考案しているという情報がみつかった。あれ,こちらで計算していたものと本質的に同じ量ではないか。彼のK値は次式で与えられる[2]。総感染者数は我々の(というか普通報道されている)新規感染数累計(Confirmed)のことだ。3月の末に,新規感染数累計の増倍率という記事[1]を書いていた(忘れていた)。

    K = 1 - (1週間前の総感染者数) / (当日の総感染者数)

こちらで計算を続けていたのは,r = (当日の総感染者数)/ (1週間前の総感染者数) = 1/(1-K) である。最近1に収束してきて(下に有界な単調減少数列)おもしろい情報がとれないので更新を停止したところであった。なるほど,こうすれば,初期段階の感度は悪いが,収束段階の感度はよくなる。また,中野さんの最近の論考[3]ではさらに考察が進化していた。まあ,物理屋さんがやるとだいたいこういう発想になるのだろう。



図1 アジアの新規感染数累計増倍率の推移(2020.3.1-5.4)


図2 ヨーロッパの新規感染数累計増倍率の推移(2020.3.9-5.4)

その3月下旬から4月にかけて日本だけが他の国と違う振る舞いを見せていてどきどきしたが,やがて収まった。逆にシンガポールの異常を発見したのもこれを観察していたときだった。

[1]新規感染数累計の増倍率(2020.3.31)
[2]COVID-19 感染状況の推移について(中野貴志,2020.4.19)
[3]K 値で読み解く COVID-19 の感染状況と今後の推移(中野貴志・池田陽一,2020.5.6)
[4]新型コロナウイルス感染症(COVID-19)について(吉森保,2020.5.10)

2020年5月6日水曜日

米国の集団免疫率(3)

米国の集団免疫率(2)からの続き

タイトルはもう変更したほうがいいかもしれない。というのも,抗体検査の結果,ニューヨーク州では12.3%が抗体を持っている(感染済という結果がでているからだ。こちらの結果とはほぼ1桁違うので,我々のモデルの前提や仮定のどれかががまったく間違っているのではないか。しかし,モデルを検討する余力がないので(遠隔授業の準備で手いっぱい),そこは放置したまま,米国の新しいデータに基づいたパラメタ推定を行う。というのも,これまでの6万人から6.5万人という発表に代わり,再び死亡者が10万人を越えるという予想が出ているからだ。前回と同様に,HEMLのCOVID-19 projections のページを見れば,確かに米国全体の死亡数は8月には13.4万人になりそうだとある。

前回同様のSIIDR2モデルで計算する。使用するWHOのデータ(人口1万人当り)はこれ。
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ya=[0.014,0.021,0.030,0.038,0.051,0.051,0.051,
0.106,0.107,0.215,0.317,0.462,0.462,0.958,
1.280,1.576,1.929,2.074,2.587,3.136,3.722,
4.268,4.953,5.684,6.483,7.335,8.310,9.327,
10.13,11.03,11.99,12.93,14.00,14.96,15.92,
16.81,17.55,18.33,19.20,20.19,21.10,21.96,
22.80,23.58,24.31,25.19,26.12,27.29,28.28,
29.16,29.85,30.47,31.42,32.39,33.20,34.16]
za=[0.0006,0.0008,0.0009,0.0011,0.0012,0.0012,0.0012,
0.0018,0.0018,0.0030,0.0046,0.0061,0.0061,0.0122,
0.0143,0.0204,0.0268,0.0301,0.0377,0.0506,0.0641,
0.0728,0.0865,0.117,0.146,0.178,0.213,0.254,
0.290,0.329,0.387,0.445,0.504,0.562,0.620,
0.667,0.712,0.785,0.856,0.922,0.984,1.038,
1.089,1.141,1.216,1.284,1.337,1.402,1.456,
1.492,1.532,1.591,1.679,1.742,1.792,1.842]
- - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -

パラメタはこれ,前回と少し変えている。
#β=0.61,ν=0.12,λ=49,τ=16,α2=5.0/0.20,γ2†=15.0/0.10 

結果はこれ,確かに15〜16万人くらいになりそうだ。
図 米国の感染カーブ(u3=重症感染数,u4=死亡数,u6=新規感染数累計,1万人当)

P. S. 日本でも,神戸の病院の外来患者の約3%に新型コロナウイルス感染症の抗体が検出されたとある。なかなか大きな数字だ。これが1%だとしても,大都市部の数十万人が感染済みということ。

2020年5月5日火曜日

CFR(致命率)(1)

一つの集団におけるある感染症の致命率(Case Fatality Rate)とは,その集団における感染者数に対する,その感染症が原因となる死亡者数の比率である。COVID-19における各国の致命率の時間推移が次のサイトMotality Risk of COVID-19 (Our World in Data)にある。そこでいくつかの代表的な国々を選んで図示してみた。

図 各国のCFRの推移(3/20-5/2)

アジアが欧米に比べて明らかに低いのは何故かという問題提起があったが,これをみれば,米国と中国は同じオーダーである。ここに載せていない,台湾,香港,シンガポールが非常に小さいのは確かである。

2020年5月4日月曜日

新型コロナ感染症の時系列

自分で計算できる実効再生産数からの続き

高橋健太郎さんが12日シフトで説明できるということだったので,これまでの経緯を時系列でまとめ,前回の実効再生産数の計算値の日付を12日だけ引き算した日時にあてはめてならべてみたものを,日付[数値]として埋め込んだ表を作った。
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1/30 新型コロナウイルス感染症対策本部の設置
2/04 ダイヤモンドプリンセス横浜で再検疫
2/16 [1.0]
2/19 ダイヤモンドプリンセス下船開始
2/21 [2.1]
2/26 全国的イベント自粛(Perfume EXILE)
2/29 [1.1]
3/01 ダイヤモンドプリンセス全員下船
2/28 北海道知事の緊急事態宣言
3/02 要請に基づく全国学校休業(-春休み)
3/05 [1.0]
3/08 大相撲無観客場所初日
3/13 [2.1]
3/14 新型インフルエンザ等対策特別措置法改正
3/17 特措法にもとづく新型コロナウイルス感染症対策本部へ
3/20 [1.7]
3/24 東京五輪を2021年に延期
3/25 東京都重要局面発言/春休み
3/28 [1.5]
3/29 志村けん
3/31 [1.0]
4/05 [1.0]
4/07 7都府県に特措法による緊急事態宣言(-5/6)
4/16 [0.5]
4/16 全国に特措法による緊急事態宣言(-5/6)
5/04 全国の緊急事態宣言延長(-5/31)
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細かいところまで対応させて解釈するのはきびしいかもしれない。

[1]新型コロナウイルス(COVID-19)への正しい理解をするためのオンライン学習教材について(島根県立出雲高等学校,大日康史・菅原民枝)

2020年5月3日日曜日

自分で計算できる実効再生産数

新型コロナウイルス感染症専門家会議が5月1日に出した提言・状況分析における実効再生産数のグラフについてあれこれいわれている。こういう場合は自分で確かめておよその感じをつかみたい。いやいやこんな緊急事態に素人が世情を惑わせるよけいな計算をしてはいけないという声も,かつてよけいなことをしまくったその分野の素人(別の分野の専門家)から聞こえてくるのである。ここでComputational Thinkingを標榜するのであれば,計算の自由(Freedom of Computation)を宣言しておきたい。もちろんそのためには最低限データとアルゴリズムを明らかにしておく必要がある(専門家会議はそうしていない)。

①使用するデータ:日本の新規感染数の日次統計(WHOに報告されたもの)WHOのSituation Reportsのデータ(確定感染者数 Confirmed)は次のようになった。ただし,2月22日から5月1日まで(WHOが公表している日付を基準としたもの)の70点のデータである。
{12,27,12,13,7,22,24,20,9,15,14,16,33,32,59,48,33,26,54,52,55,41,64,34,15,15,44,77,46,50,43,39,65,98,96,112,194,173,87,225,206,233,303,351,383,252,351,511,579,658,743,507,390,455,482,585,628,566,390,367,378,423,469,441,353,203,191,276,236,193}

②使用するモデル:単純なSIRモデルを仮定し,感染が人口の数%を越えて拡がっていないものとし,未感染者数(感受性保持者 Susceptible $S(t)$)が全人口($N$ 定数)とほぼ等しいとする。なお,感染者(Infected $I(t)$)と未感染者の接触による1人1日当りの感染率 $\beta$は対策効果を含めて時間の関数$\beta(t)$とした。さらに,感染期間(日)を$\alpha$として,実効再生産数を$R_t=\alpha \beta(t)$で定義する。このとき,感染者数$I(t)$は次の微分方程式を満足し,$R_t$は$I(t)$とその時間微分から求まる。
\begin{equation}
\begin{aligned}
\dfrac{d I(t) }{dt} = \beta(t) S(t) I(t) / N - I(t) / \alpha \approx \dfrac{ R_t - 1}{ \alpha} I(t) \\
\therefore R_t = 1 + \alpha  \dfrac{d I(t) }{dt} / I(t)
\end{aligned}
\end{equation}
③計算方法:誤差はあるけれど時間の単位を1日とする差分式に直して,エクセルで計算する。もとの新規感染数データのままではゆらぎが大きいので,5日移動平均を求めて$I(t)$とする。これから中心差分($I(t+1)-I(t-1))/2$)で1日当りの新規感染数の変化分を求める。さらに,このゆらぎを緩和するためにこの5日移動平均をもとめて$d I(t)$とする。これから②の式を用いて$R_t$を求めた。

④結果:図のとおりである。
図1 全国の新規感染数の推移(2/22-5/1)

図2 全国の実効再生産数の推移(2/24-4/29)

図2には社会的な事象を書き加えているが,WHOへの報告公表時点とは時間的なずれ(1週間〜10日)があることに注意する。→(注)12日ぐらいか(P. S. 参照)

⑤ 結論:1ヶ月前に1.5〜2.0近くまであった$R_t$が現在0.5〜1.0の範囲にまで落ちてきたことがみてとれ,これは専門家会議の結果とおおよそ近いものである。しかし,細かく見ればそのピークの位置や高さは異なっている。とくに,2月末から3月中旬までの結果は待ったく違う。そもそも出発点となる新規感染数のデータもWHOに報告されたものは,1週間の大きな周期構造を持っており,牧野さんのいうように(ちょっと意味が違うかもしれないけれど),専門家会議が確定感染者数(Confirmed)からどのように処理して新規感染数の推定値を導いているのかがはっきりしないのでもやもやが残る。

P. S. 高橋健太郎さん(@kentarotakahash)によれば,「潜伏期間+発症〜報告までの日数の平均を12日と考えてみたら、かなり納得できました。15日目あたりから一度、下降してRe=1を切りますが、2/24+15-12ですので、2月27日の休校要請の効果に見えます。その下降のピークは3月4日頃。一週間で緩んで、再び上昇が始まった。3月10日頃にRe=2を越えるピーク。」だそうだ。またさらに,「その後、Re=1.5以上の状態が続きますが、三連休の人手の反省があり、3月25日の都知事緊急記者会見を経て、3月27日頃から下降に転じる。3月31日にはRe=1を切り、専門家会議の4月1日には1を下回ったという分析と合致します。」
そして,「その後一度、上昇して、1を越えますが、4月5日頃から本格的な下降が始まる。これは緊急事態宣言が出るというムードの先取り。が、4月14日あたりから再び上昇の兆しというところでしょうか。」なるほどなのだった。


[2]新型コロナウイルス感染症対策専門家会議の見解等その2(牧野淳一郎,2020.05.12)
[3]感染症数理モデル(北海道大学医学統計学教室のSqquential SEIRモデル)
[4]Rt-COVID-19 Japan (都道府県別新型コロナウイルスの実効再生産数)
[5]山中伸弥による新型コロナウイルス情報発信
[6]A New Framework and Software to Estimate Time-Varying Reproduction Numbers During Epidemics(Cori et al.)
[7]新型コロナ対策専門家会議が判断の拠り所にしている『実効再生産数・倍加時間』の算出方法に関する考察(@makirin1230  2020.05.06)

2020年5月2日土曜日

WHOのSituation reports

WHOがCOVID-19の特設ページで毎日掲載しているSituation reportsの様式が,5月1日版から模様替えした。なんでもいいからCSVで出してほしい。日本の厚生労働省とかわらないのか。

これまでは,もとのpdfファイルから,pdftotext(コマンドラインツール)でテキストにしたものと, PDFelement6 Pro(無料版)でエクセル化したものとを組み合わせて,国・地域別データを整理した日次統計テキストファイルをつくっていた。

新しい様式ではpdftotextの出力がちょっとましな感じだったので,perlプログラミング1発+若干の手作業による修正で,上記の日次統計テキストファイルまでたどり着くことができそうだ。

いや,Johns Hopkins 大学のCSVデータを使えという話もあるかもしれないが,いちおうそこはほれ,WHOを支持しているので。

あいかわらず正規表現もまともに習得していないので泥臭いperlプログラムになった。
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# /usr/local/bin/perl
# 05/02/2020 K. Koshigiri 
# 05/07/2020 K. Koshigiri -> revised version
# extract data from WHO covid-19 reports
# https://www.who.int/emergencies/diseases/
# novel-coronavirus-2019/situation-reports/
# usage:: ./who.pl < pdf-in.txt > out.txt

while($line = <STDIN>) {
  chomp($line);
  if($line =~ /([A-Z].*)/) {
    $a=$1;
    $a =~ s/\(.*//;
    $flg='a';
  } elsif($flg eq 'a' && $line =~ /([\d\h]+)/) {
    $b=$1;
    $b =~ s/\h//;
    $flg='b';
  } elsif($flg eq 'b' && $line =~ /([\d\h]+)/) {
    $c=$1;
    $c =~ s/\h//;
    $flg='c';
  } elsif($flg eq 'c' && $line =~ /([\d\h]+)/) {
    $d=$1;
    $d =~ s/\h//;
    $flg='d';
  } elsif($flg eq 'd' && $line =~ /([\d\h]+)/) {
    $e=$1;
    $e =~ s/\h//;
    $flg='';
    print("$a\n$b\n$c\n$d\n$e\n");
  }
}
- - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -
※WHOのデータ形式が変わったので,若干修正した(2020.5.7)。

2020年5月1日金曜日

実効再生産数

新型コロナウイルス感染症対策専門家会議が5月1日の発表で実効再生産数$R_t$の値を示していた。だいぶ前に東京で$R_t$=1.7という数字を出して以来,この値については沈黙していたので,あちこちから不満があがっていたためかもしれない。


図 全国の実効再生産数の値(朝日新聞から引用)

新規感染数のピークが600人を越えていないのは何故だろう。生データや簡単な移動平均では600人を越えると思う。また,推定感染者数となってため,減少期の振動構造も消えているのだろうか。

2020年4月30日木曜日

新規感染数の推移

5月6日が期限であった全国の緊急事態宣言が1ヶ月程度延長されそうであまり異論はないようにみえる。twitterで各国の新規感染数を比較しながらこの問題を検討している人がいた。自分でもやってみた。ただし時間軸は揃え,イタリア,英国,日本×5,スウェーデン×5を試しにやってみる。


 図 新規感染数の推移(3/12-4/29)(日本とスウェーデンは5倍した値)

日本のデータが信頼性に欠けているということはさんざん指摘されている。それでもなお日本は,英国の高止まりやスウェーデンの上昇傾向とは異なりイタリアのような下降線に近いようにみえてしまう。本当のところはどうなのだろうか。まだ予断を許さない。

2020年4月29日水曜日

9月入学

どうやら5月6日に緊急事態宣言を解除するのは難しいとわかってきて,目くらましと先延ばしと人気取りのために9月入学を声高に叫び始める維新や国民民主や首長たち。下手すると経産官邸族に唆されてアベノマスク氏も乗ってしまうのかもしれない。やめたほうがいいような気がするけど。やっぱり入学式には桜がないといけませんね。COVID-19の次の波がきたらまた半年づつずらすのかよ。東大が失敗した大学だけシフトはありうるとは思うけれど・・・。子どもたちの学習保障はそれはそれで別に考えるほうがよいと思う。このたいへんで不確定要因が多い時期に更なる混乱を招くだけだろう。むしろ,各大学が入試問題を従来のように作れるのか,大学院入試ができるのか,などが老婆心ながら気になるところ。

2020年4月28日火曜日

東京タワーとスカイツリー

テレビで(テレビの見過ぎ),東京タワーと東京スカイツリーが同じ高さにみえる場所を探すというのがあった。その場所を結ぶ軌跡は円になっていた。そうなのか。

原点に高さ$h_1$の塔を置き,$x=a\ (a>0)$の点に高さ$h_2\ (>h_1)$の塔を置く。$x$軸上には仰角が等しくなる点が2つあり,$x/h_1 = (a-x)/h_2$と$x/h_1 = (a+x)/h_2$を満たす点であり,$x=\frac{a}{1 \pm h_2/h_1}$ で与えられる。

次に点P $(x,y)$を考えて,この点からの仰角が等しくなるための条件を求めれば,
\begin{equation}
\dfrac{x^2+y^2}{h_1^2} = \dfrac{(a-x)^2+y^2}{h_2^2}
\end{equation}
である。整理すれば以下のように円の方程式が得られる。ここで,無次元の量 $c$を $c=(h_2/h_1)^2-1$と置いた。
\begin{equation}
\begin{aligned}
\bigl\{ ( h_2 / h_1 )^2 - 1 \bigr\} x^2 + 2 a x + \bigl\{ ( h_2 / h_1 )^2 - 1 \bigr\} y^2 = a^2 \\
(x + a/c)^2+y^2=a^2/c *\bigl( 1 + 1/c \bigr) = (a/c * h_2/h_1)^2
\end{aligned}
\end{equation}
中心の位置は先ほど$x$軸上に求めた2点の中点になっている。円の半径は$a/c * h_2/h_1$である。

2020年4月27日月曜日

有界な単調数列は収束する


大人の学び直し

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○実数を項とする無限数列 $\{a_n\}$ を考える。すなわち,$n \in \mathbb{N}$,$a_n \in \mathbb{R}$ である。数列 $\{a_n\}$ の全ての項を要素とする集合を $A$ とする。すなわち,$A=\{a_1, a_2, a_3, \dots \}$ である。

○集合 $X$ が 上に(下に)有界 であるとは,$\forall x \in X \rightarrow x \le (\ge) M$ となる実数 $M$ が存在することである。この $M$ を $X$ の上界(下界) とよぶ。$X$ が上にも下にも有界であれば,$X$ は 有界 であるという。

○上界(下界)$M$ が $M\in X$ であるとき,これを $X$ の 最大値(最小値) という。

○上界(下界)の集合が空集合 $\emptyset$ でないとき,上界(下界)の最小値を $X$ の上限(下限) という。空集合ならば,上限(下限)を $\infty \ (-\infty)\ $ と表すことがある。

○なお,数列 $\{a_n\}$ については,その全ての項からなる集合 $A$ についての表現を流用して,数列に対して,有界,上界(下界),最大値(最小値),上限(下限)などの用語をあてはめることにする。

○数列 $\{a_n\}$ が有界ならば,$\forall n \in \mathbb{N} \rightarrow |a_n| \le M$ と表すことができる。

○数列 $\{a_n\}$ が 単調増加(減少) であるとは,すべての$n \in \mathbb{N}$に対して,$a_n \le a_{n+1}\ ( a_n \ge a_{n+1} )\ $ が成立することである。等号を含めない場合は, 狭義単調増加(減少) であるという。単調増加と単調減少の性質を持つ数列をまとめて 単調数列 という。

数列が収束する ことは次のように表現する。各項が実数である無限数列 $\{a_n\}$ がある。この数列が実数 $\alpha$ に収束するとは,つぎの関係が成り立つことをいう。『任意の $\varepsilon > 0$ に対して,ある自然数 $N(\varepsilon)$ が存在して,$n \ge N(\varepsilon)$ をみたす 任意の自然数 $n$ について $| a_n - \alpha | < \varepsilon $をみたす』

$\forall \varepsilon > 0,\ \exists N(\varepsilon) \in \mathbb {N} \ \mathrm{s.t.}\ \forall n \in \mathbb {N} \quad [\ n \ge N(\varepsilon) \Rightarrow | a_{n} - \alpha | < \varepsilon \ ]$

○「 有界な単調数列は収束する 」を証明するための前提としては,実数に関する次の公理が必要となる。すなわち,「上に(下に)有界な実数の部分集合には最小上界(最大下界)が存在する。

○証明は次のように進む。上に(下に)有界な数列 $\{a_n\}$ があるとすると,その最小上界(最大下界)を $\alpha$ とすると,すべての $n$ に対して,$a_n \le \alpha \ (a_n \ge \alpha)\ $ が成り立つ。

最小上界より小さな数(最大下界より大きな数) $\alpha \mp \varepsilon \ ( \varepsilon > 0 )\ $を考えると,この数と $\alpha$ との間には数列 $\{a_n\}$ の部分が存在する(存在しなければ, $\alpha$ が最小上界や最大下界ではないことになるから)。つまり,$\varepsilon$ を与えると定まる自然数 $N$ が存在し,それは,$a_N > \alpha -\varepsilon \ ( a_N < \alpha + \varepsilon )\ $を満足する。

○$\{a_n\}$ は単調増加(単調減少)数列なので,$n \ge N$ となる $n$ に対して,$a_n \ge a_N > \alpha -\varepsilon \ (a_n \le a_N < \alpha + \varepsilon)\ $である。一方,$a_n \le \alpha \ ( a_n \ge \alpha )\ $ より,$a_n < \alpha + \varepsilon \ (a_n > \alpha - \varepsilon )\ $ である。

○これらより,$n \ge N$ となるすべての $n$ に対して,$ |a_n - \alpha | < \varepsilon $ が成り立つ。したがって,数列 $\{a_n\}$ は $\alpha$ に収束する。これを次式のように表して,$\alpha$ を収束する数列の 極限値 という。
$\lim_{n \to \infty} a_n = \alpha$


2020年4月26日日曜日

COVID-19雑感(2)

昨日のものを再編してみた。

○ニューヨーク州の抗体検査による既感染累計が人口の14%というのはほんとうだろうか。
 (もしそうならモデルパラメタの前提がそもそも間違っている)

○スウェーデンの試み(ロックダウンしない)は成功するのだろうか。死亡数累計が人口の0.02%を越えて増加中である。スペインの0.04%よりは小さいが,増加率が・・・

○ブラジル,ロシアなどもじわじわと増えている。


図 欧州・米州の新規感染数累計の推移(人口の10ppm時点を原点)

2020年4月25日土曜日

COVID-19雑感(1)

徒然なるままに・・・

○日本は相変わらず情緒的な対処法で乗り切ろうとしている。正確なデータがないままに。

○シンガポールの新規感染数累計は,人口比で0.2%となり湖北省の0.1%を越えた。まだ収まる様子がみえないのだけれど大丈夫かしら(それにしては死亡数累計が少ない)。

○東京は,韓国・オーストラリアを越えてまだ収束先がみえない。日本全体も上昇中。
 (残念なことに,石川県と福井県が人口比で東京についで2位と3位なのだ)

○台湾,中国,韓国,香港は,第1段階が終息している。


○通常のインフルエンザと比較して問題なしとする正論?は正しいのだろうか。

図 アジア・太平洋の新規感染数累計の推移(人口の10ppm時点を原点)

2020年4月24日金曜日

原子核の周期表

京大の萩野浩一さんと前野悦輝さんが,原子核の周期表を考案し,三次元化したモデルを「ニュークリタッチ」(元素の周期表の三次元モデル「エレメンタッチ」の仲間)と命名したとの発表が京都大学からあった。

論文のほうは,A Nuclear Periodic Table で,Foundations of Chemistry に発表される。

いやー,かつてのシェルモデルユーザとしては盲点でしたね。なかなかおもしろく,教育的な価値もあると思う。

2020年4月23日木曜日

遠隔授業のばたばた(6)

遠隔授業のばたばた(5)からの続き

今日は1回生の「科学のための数学」の初回である。昨日は主に2回生でmoodleにも慣れている集団だったが,今日はどうだろうか。

受講登録者52名の内,45名が出席チェックを通過,46名がアンケートをクリアした。
自宅が44名,寮・下宿が1名,その他(どこやねん)が1名。デスクトップPCが1名,スマホが4名,41名がノートPCである。50GB程度は速度制限なしに利用できるが2名,上記より小さいかわからないが3名,41名が自宅のネットワークなどで無制限に利用できる。まあだいたい昨日と同じ傾向だった。

なお,高等学校で数Ⅲを履修していないものが,11名/46名と1/4あるので毎年のように授業の進め方が難しい。全員化学を選択しているが,物理は35名,生物は13名といったところ。

練習課題の提出でひとり手間取った。手順は次の通りである。

① スマホなどで課題を撮影した写真を PC に取り込む。
② PowerPoint に上記写真ファイルを貼る。
③ 写真を選択した状態で,書式→図の圧縮 または 図の書式設定→圧縮 を実行する。
 (最小のメールサイズにして下さい)
④この PowerPoint ファイルを koshigiri-k-0420.pptx のように名前を付けて保存。
⑤ koshigiri-k-0420.pptx を pdf ファイルとして出力し moodle の課題提出箱に提出する。

これをチャットで手取り足取り教えることになった。なかなかハードルの高い道のりである。

2020年4月22日水曜日

遠隔授業のばたばた(5)

遠隔授業のばたばた(4)からの続き

いよいよから今日から自分の最初の授業「古典力学(前期水曜2限)」が始まった。とりあえず用意したものは,moodleのページとOneDriveに置いた音声付きノート3ページ(各10分≒10MB)である。

moodleのページの段取りは以下の通りである(学生は自己登録でゲストアカウントも可にしている)。学年暦の都合で次回は今週の土曜日にやってくる。
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第1回  オリエンテーション(4/22水)

学生からの質問箱
 質問や意見はこちらにどうぞ。

第1回出席チェック
 出席チェックが終わったら受講生アンケートに進んで下さい。

受講生アンケート
 受講生アンケートが終わったらチャットルームを試して下さい。

第1回チャットルーム
 授業時間中はここでも質疑応答を受けます。

第1回の講義内容
 この中のファイルを視聴して下さい。

練習課題の提出ボックス
 練習課題を本日中に提出して下さい。
 練習課題「ノートに自分の学籍番号と名前,今日の感想(数行)を書いたものを撮影し,pdfファイルにして提出する」

第1回の課題を提出
 第1回課題は次回(4/25土)までに提出してください。
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10時半をすぎると出席チェックが増え出した。結局36名の受講者全員が出席チェックしている。チャットルームはほとんどみんな通りすぎていく。質問が2,3件あった。
アンケートは匿名であったがほぼ解答している。通信環境不明が2名,5G以下が3名,50G以下が1名,他は無制限だ。受講場所は,寮・下宿が3名で,他は自宅だ。端末はスマホが8名,タブレットが1名,デスクトップPCが1名,他はノートPCだ。高校で数Ⅲを履修していないものが6名いた。

練習課題がなかなか集まらない。授業終了の12時ごろで1/3,13時をまわったところでようやく半数だったので,moodleのアナウンスメントを使って全員にメールによるお知らせをして,困った場合は申し出るようにする。

まあ,第1回なので評判はそこそこであった。しかし準備にかなりの時間がとられてしまうのが難点である。このままいつまで続けられることだろうか。でも,授業としてはこの形態のほうが望ましいとも思えた。反転授業に大きくかじ取りすべきかもしれない。

P. S. 夕方,zoomによる全学説明会があった。オンライン授業は5月末まで延長というか,実技・実験・実習科目以外は基本オンライン授業でということだ。問題は,中国留学生,期末試験,実習などだろうか。いまのところmoodleの負荷問題は深刻化していない。

2020年4月21日火曜日

ウルフラムの物理

Stephan Wolfram の "A Class of Models with the Potential to Represent Fundamental Physics" がarxiv.orgに投稿されていた。440ページもあるぞ。
A class of models intended to be as minimal and structureless as possible is introduced. Even in cases with simple rules, rich and complex behavior is found to emerge, and striking correspondences to some important core known features of fundamental physics are seen, suggesting the possibility that the models may provide a new approach to finding a fundamental theory of physics.
可能な限り最小で構造のないモデルのクラスが紹介されている。単純なルールの場合でも,豊かで複雑な振る舞いが現れることがわかり、基礎物理学の重要な核となる既知の特徴との顕著な対応が見られ、このモデルが物理学の基礎理論を見つけるための新しいアプローチを提供する可能性を示唆している。
目次は次のとおりである。
 1. Introduction
 2. Basic Form of Models
 3. Typical Behaviors
 4. Limiting Behavior and Emergent Geometry
 5. The Updating Process for String Substitution Systems
 6. The Updating Process in Our Models
 7. Equivalence and Computation in Our Models
 8. Potential Relation to Physics
    Additional Material
    References

発売予定のハードカバー,A Project to Find the Fundamental Theory of Physics(816ページ)のドラフトかと思ったけれど,そうではなかった。WolframのA New Kind of Science から続いている思想の延長線上にある。たぶん,大学に入る前に新聞でカタストロフィーの理論をみて,わーこれはすごい!と思ったが,実際のところはそうでもなくてちょっと残念だったのに近いのではないかと予想しているのだけれど。それでもちょっとワクワクする。

[1]A Class of Models with the Potential to Represent Fundamental Physics(上記のオンラインバージョン)

2020年4月20日月曜日

遠隔授業のばたばた(4)

遠隔授業のばたばた(3)からの続き

4月20日,いよいよ今日からはじまった。ただ,こちらから観測されている範囲では大きなトラブルはない。教務システムUNIPAも学習管理システムmoodleも無事に動いているようだ。もっとも,現場は学生からの質問で大わらわ状態のようだが。

現時点でmoodleに登録されている授業で検索にかかった主なものは下記のとおり。
   1限  2限  3限  4限 5限 6限 7限  合計
月曜 14  18  23  16  5  8  4  88
火曜 13  23  18  18  3  5  6  86
水曜 10  17   0   1  0  5  4  37
木曜 10  28  26  16  4  1  4  89
金曜 13  21  19  17  6  2  3  81
合計 60 107  86  68 18 21 21 381

うーん,大丈夫なのだろうか。

2020年4月19日日曜日

遠隔授業のばたばた(3)

遠隔授業のばたばた(2)からの続き

大阪府立大学の講義動画作成法のYouTubeがなかなか参考になった。田崎晴明さん方式 にしようかどうしようか。そこで,各種方法をまとめてみると次のようになる。
  1. 講師動画&板書動画(1ファイル)(300MB/45分)
  2. 講師音声&板書動画(1ファイル)(200MB/45分)
  3. 講師音声&ノート画像(1ファイル)(100MB/45分)
  4. 講師音声,ノート画像(2ファイル)(10MB/45分)
それらの作成方法は以下のようになる。
  1. zoomの講義録画   → a
  2. zoomの画面共有録画 → b
  3. QuickTimeの録画機能 → c
  4. PowerPoint/Keynoteの録画機能 → c
  5. iOSの録音機能+手書きアプリ → d (→ c FFmpegで編集:50MB/45分)
データ容量としては d. が有利であるが2ファイルを扱う手間がやや心配。

むしろ問題は学生からの課題回収のほうである。大学からはmoodleサーバ保護の観点から,テキストなどなるべく軽いデータで課題を出させよとのお達しがきた。A4プリント1枚の解答をスマホの写真で撮れば2MB程度になるので,50人のクラスでは100MB/授業1回となる。2000クラスで15回の授業を行えば3TBとなる。うーん,なかなか微妙なラインではある。写真をpdf化することに負担もあってどうしたものか思案のしどころ。
(こんなことばかりしていて肝腎の授業ノートが1ミリも進んでいない・・・orz)

P. S. 課題の画像ファイル(2MB)は,PowerPointに貼り付けて画像圧縮(メールサイズ)にしてpdf出力すれば,100KBのオーダーに抑えることができた。