あいにくの雨模様だったが,到着すると順番に十名程度ずつ登ってもらいますとのことだった。二階の待合室で説明を聞いてから,それほど待たずに登ることができた。昔は五山の送り火もすべて一望できたようだが,いまは,左大文字と妙法の一部がみえるにとどまる。南側の木立を整理すれば,鴨川と高野川の合流地点がきれいに見えるはずなのに惜しい。
三井家から広岡家に嫁入りした広岡あさをモデルにした「あさが来た」が2015年度下半期のNHKの朝ドラとして放映され,その縁の品なども展示されていた。この建物が当時の撮影にも登場したそうで,放送当時は表まで行列ができるほどのにぎわいだったそうだ。
二階から急な階段の脇に張った太い組み紐につかまりながら,恐る恐る登っていくと三畳ほどの四方が開けた望楼になる。雨戸が下から引き出す方式が珍しいという説明を受けた。プライバシーの問題があるので,三階の望楼からの撮影は禁止である。
十分ほど説明があって,降りた二階には,伊藤若冲の「樹花鳥獣図屏風」の高精彩複製品(キャノン)が展示されていた。一階にはしゃれたデザインの洗面所や風呂場などがあり,瓢箪池のあり庭園にでて散策したが,そこからは建物の全体が一望できた。
写真:三井下鴨別邸(2019.3.3)
(若冲の樹花鳥獣図屏風に続く)
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