2019年3月4日月曜日

若冲の樹花鳥獣図屏風

旧三井家下鴨別邸からの続き)

旧三井家下鴨別邸の望楼特別公開にあわせて,2階では伊藤若冲の樹花鳥獣図屏風の高精細複写品(キャノン)が展示されていた。本物は静岡県立美術館にあって,これは実際にみたことがある。たぶん平面にして展示してあったと思うが,今回は屏風立てで,床に置いたロウソク風のLED照明をあてている。以前の印象より小振りに見え,表現もすっきりしているように感じた。
写真:若冲の樹花鳥獣図屏風の高精細複写(2019.3.4)

それは,プライスコレクション「鳥獣花木図屏風」のイメージと比較したからだろうか。2006年に「若冲と江戸絵画」という展覧会があって,愛知県美術館で「鳥獣花木図屏風」をはじめてみた。白象の背中に敷物があるほうだ。これがこの屏風を見た初めての機会であったがとても印象深かった。最終日に近く,ちょうどジョー・プライス夫妻も来ていてので図録にサインをもらうことができた。静岡県立美術館の方はその数年後に訪れたが,設置の位置のせいか,プライスコレクションのそれより小さく感じたのだった。

「樹花鳥獣図屏風(静岡)」と「鳥獣花木図屏風(プライス)」については,佐藤康宏と辻惟雄の間に真贋論争がある。


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