2018年12月14日金曜日

アルトゥル・エーリヒ・ハース

大学院の授業で「20世紀の物理学(L. M. Brown, A. Pais, B. Pippard:丸善)」の 第2章「原子と原子核の導入」を読んでいたら,''アーサー・ハースというウィーンの物理学者(チェコ出身の Arthur Erich Haas 1884-1941)がボーアより前の1910年に原子の量子仮説を導入した'' とあった。東欧なので,Wikipediaロシア語版の記述が最も詳しいようだ。

東海大学出版会から刊行されている,物理学古典論文叢書10「原子構造論」にハースの「プランクの輻射法則の電気力学的な意義および電気素量と水素原子の大きさに関する新しい決定について」という論文が採録されていた。長岡半太郎やボーアばかりに気をとられていたので,すっかり見落としていた。

あとでもう少し勉強してみよう(2018-12-16「原子モデルとプランク定数」に続く)。

P. S. この第2章はパイスが書いており,わかっている人が読むといろいろおもしろそうなことが書いてあるのだが,背景知識の少ない初心者が読むと,なにがなんだかわからない雑木林を彷徨っているような状態になりそうなので,授業で使うには対象者とのマッチングに注意したほうがよいかもしれない。


写真:A. E. ハース(Ceder Grove Cemetery から引用)


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