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2023年6月1日木曜日

大学教育とChatGPT(7)

大学教育とChatGPT(6)からの続き

テレビと新聞は連日生成系AIの話題を出しているものだから,引き続き各大学からの「生成AIの利用に関する注意」の公表が続いている。5月29日にはとうとう,国立大学協会が「生成AIの利活用に関する国立大学協会会長コメント」を出した。

大学のソーシャルメディア利用ガイドラインは,174大学=全大学の23%が公開している。当面の危機管理的にはより影響が小さい生成AI(137大学=全大学の17%が公開)の方もそろそろ頭打ちになるのではないかと思われる。以下のリストがデータをよくまとめている。
ChatGPT/生成AIへの対応を表明した国内の大学一覧
各大学のChatGPT等生成系AIへの対応・方針・留意点を調べてみた(手羽一郎)
生成系AIに対する各大学の見解や指針など(坂根弦太)

 

5月10日
ChatGPTをはじめとする生成AI(generative artificial intelligence)の利用に関して
旭川市立大学 学長 三上隆

5月15日
ChatGPT等の生成AI(人工知能)への対応について
新潟薬科大学 学長 下條文武

5月15日
人工知能チャットボットの利用について
浜松医科大学 理事(教育・産学連携担当)・副学長 山本清二

5月16日
学修における生成系人工知能の取り扱いについて
九州工業大学 教育高度化本部長

5月17日
生成系AIの利活用について
関東学院大学 学長 小山嚴也

5月18日
生成系AI(ChatGPT等)の利活用について
四国大学 学長 松重和美

5月19日
生成系AI(ChatGPT等)利用上の留意点等について
城西大学 学長 藤野陽三

5月24日
生成系AIガイダンス
大東文化大学 学園総合情報センター

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5月25日
生成系AIの利用について
千葉商科大学 学長 原科幸彦

5月25日
生成 AI(対話型 AI)の利用に関する本学の方針について
東京未来大学 学長 角山剛

5月25日
教育・研究活動における生成系AIの利用について
八戸工業大学 学⻑ 坂本禎智

5月26日
ChatGPT 等の生成系 AI について
日本獣医生命科学大学 学長 鈴木浩悦

5月26日
ChatGPT等の生成系AIの利用に関する注意事項について
鶴見大学 学長 中根正賢

5月26日
生成系AI(ChatGPT,BingAI,Bard等)利用についての注意喚起
中国学園大学 学長 千葉喬三

5月26日
岡山理科大学の教育における生成系AI の取扱いについて
岡山理科大学 副学長(教育担当) 松浦洋司

5月26日
科学技術における知的⽣産活動と⽣成系AIの利⽤について(4月28日)
東京理科大学 学長 石川正俊

5月29日
ChatGPTなど生成系AIの利用についての本学の基本的な考え方
成城大学 学長 杉本義行

5月29日
生成系AIの利用に関する留意事項について
東京情報大学 大学院総合情報学研究科委員長 花田真樹・総合情報学部長 圓岡偉男・看護学部長 藤井博英

5月31日
本学の教育における生成系AIツールの利用に関する留意事項について
福岡大学 教学担当副学長 加留部善晴

5月31日
生成AIの利用について
徳島大学 理事(教育担当) 長宗秀明

5月31日
生成系AIの利用に関する留意事項
北海道大学 理事・副学長 山口淳二

2023年5月30日火曜日

対話型AIによる教育と評価(2)

対話型AIによる教育と評価(1)からの続き

実際にプロンプトを作ってChatGPT(GPT-4)で試してみると次のような結果が得られた。何度か繰り返してみて,そこそこの解答が得られたものだ。丁寧に指示しないといきなり問題が全て表示されたり,解答途中にコメントが入ったりする。また,評価基準はかなり甘くなっている。Bardではほとんど指示のとおりには機能しなかった。一方的にQとAの提示が始まって,余計な説明がされてしまうのだった。ChatGPTの応答についての経験値を増やす必要がある。

User
生成系AIが学校教育の評価について参与できるか
どうかのテストをしていますので協力してください。

私が問題数Nとテーマを与えますので,そのテーマについて
生徒が理解しているかどうかを判定するためのN個の質問項目を
考えて,まず第1問目だけを提示して下さい。
生徒はその質問に対する解答を入力します。
その後に,あなたからの質問と生徒の解答の繰り返しが続きます。
質問や解答の途中段階における説明やコメントは不要です。

N個の問題の解答をあなたが受け取った後に,これらを総合的に評価して
理解度を5段階で答えてください。5:優秀,4:良い,3:普通,
2:あまりわかっていない,1:まったくわかっていない。です。
その後,この評価に至った根拠を分かりやすく説明して,今後の学習に
必要となる指針を与えてください。

N=3でテーマは,「力学(物理学)におけ作用と反作用」についてです。

ChatGPT
それでは、評価のための質問を始めさせていただきます。

第1問目: ニュートンの第三法則(作用反作用の法則)とは何ですか?

User
物体の運動を作用といいます。反作用は反対に運動することです。

ChatGPT
第2問目: 物体Aが物体Bに力を作用させたとき、物体Bはどのような反応を示しますか?

User
物体Bは力を吸収します,これが反作用です。

ChatGPT
第3問目: 作用と反作用が同時に発生する具体的な日常生活での例を一つ挙げてください。

User
日常生活では起こりません。宇宙空間でのみ起こります。例えば小惑星の接近です。

ChatGPT
理解度評価:2:あまりわかっていない

ご解答ありがとうございました。今回のテーマ「力学(物理学)における作用と反作用」についての理解度を評価すると、"あまりわかっていない" という結果となりました。以下にその理由を説明します。

ニュートンの第三法則(作用反作用の法則)についての理解が不十分です。作用と反作用はそれぞれ物体の運動ではなく、一つの物体に力が働くと、その力と等しい大きさの逆方向の力(反作用)が働くという法則です。
物体Bが力を吸収するという表現は少し誤解を生む可能性があります。物体Aが物体Bに力を作用させた場合、物体Bは物体Aに等しい大きさで逆方向の力を作用させます。これが反作用の法則です。 
作用と反作用は日常生活で常に起こっています。例えば、地面を蹴って走るとき、我々は地面に力を加え(作用)、その反作用として地面は我々に逆方向の力を加え、それが前進する力となります。
以上の理由から、力学の基本的な法則である作用反作用の法則について、もう少し深く理解することが必要だと感じました。教科書を読み直すだけでなく、日常生活での例を思い浮かべながら理解を深めてみてください。それが理解の助けとなるでしょう。

User
次に移ります。N=1でテーマは,「力学(物理学)におけ力のつり合い」についてです。

ChatGPT
了解しました。それでは、評価のための質問を始めさせていただきます。

力のつり合い(力の平衡)について説明してください。

User
重さに等しいモノを天秤の両端に取り付けると天秤がつり合います。運動している天秤ではこのようなことはありえません。

ChatGPT
理解度評価:3:普通

ご解答ありがとうございました。今回のテーマ「力学(物理学)における力のつり合い」についての理解度を評価すると、"普通"という結果になりました。以下、その理由を説明いたします。

あなたの説明は、力のつり合いの概念を一部正しく捉えています。天秤の例は力のつり合いを示す一つの具体的な例であり、それぞれの物体の重さ(つまり力)が等しい場合、天秤は平衡状態になるという理解は正確です。

ただし、運動している物体についての理解については少し誤解があるようです。力のつり合い(力の平衡)は運動状態にある物体でも成り立つことがあります。例えば、一定の速度で直線運動をしている物体は、前後から働く力が等しければ力のつり合いの状態にあります。

力のつり合いの概念は、物体が静止している状態だけでなく、一定の速度で直線運動をしている状態でも成り立つという点を理解することが大切です。そのために、力のつり合いについてさらに学び直すことをお勧めします。この理解は物理学全体の理解にとって重要な基礎となります。

 

2023年5月29日月曜日

対話型AIによる教育と評価(1)

教育における評価の問題というのはそもそも一大テーマで難しいのだ。

FacebookでTakuya Kawaiさんが,生成AIを教育に使うといってもそもそも評価はどうするのかという問題提起をしていたので(そのとおりだ),さっそくChatGPTさんと相談してみた。

Q:User
生成系AIを学校教育で利用する場合,評価の問題を切り離して考えることはできません。「測定できないものは評価することができない」からです(*)。
これまでの学校教育でも,評価者個人の主観による影響が小さくなるような
工夫はされてきました(例えば,客観テストやルーブリックなど)。

生成系AIの場合は,
・いつ測るのか
・どこで測るのか
・だれが測るのか
・何を測るのか
・どのように測るのか
の問題が特にクローズアップされてきます。
これについての名案を求めます。

A:ChatGPT
生成系AIを学校教育に用いる際の評価についての問題は、非常に重要で複雑です。以下に、ご提示いただいた各問題点に対して提案を行います。

いつ測るのか
AIの活用は学習の過程を進行中に測る形で最も効果的です。AIは生徒の学習パターンを評価し、その結果を元に最適な教材や学習方法を提案できます。したがって、定期的な評価(例:週単位や各学習単元終了後など)が推奨されます。

どこで測るのか
AIの利用により場所の制限は大きく緩和されます。学校、自宅、または任意の場所でインターネットにアクセスできれば、AIの学習プログラムは生徒の進捗を評価できます。

だれが測るのか
生成系AI自体が生徒の学習を評価します。ただし、教師や教育関係者はAIが出力した結果を監視し、解釈し、最終的な評価をすることが重要です。

何を測るのか
AIは以下のような事項を測ることができます:

学習内容の理解度:例えば、生徒が学習した内容について問い合わせを行い、その回答を分析します。
学習の進捗度:教材をどの程度進めたか、理解度テストのスコアはどうかなどを分析します。
学習行動・習慣:どの程度の時間と頻度で学習に取り組んでいるか、どの時間帯に活動的であるかなどを分析します。
どのように測るのか

生成系AIは主に以下のような方法で評価を行います:

データ分析:AIは生徒の学習データを収集し、分析します。それにより、生徒の理解度や進捗度を評価します。
自動フィードバック:AIは生徒からの質問に回答したり、問題の解答を提供したりします。その結果を基に、生徒の理解度を評価します。
適応的学習:AIは生徒の学習パターンとニーズに応じて教材を調整します。それにより、生徒の学習効果を最大化し、進捗を測定します。

パーソナライズされたレポート: AIは収集したデータを用いて、各生徒の進捗レポートを作成します。これは教師や保護者に対するフィードバックの一部となります。 
その他の注意点
ただし、AIの評価システムを適切に実装し使用するためには、以下の点に注意が必要です。

データプライバシーとセキュリティ:生徒の学習データは敏感な情報を含む可能性があります。したがって、データの保護とプライバシーの確保が必要です。
公平性と偏見の排除:AIは、学習データから偏見を学んでしまう可能性があります。そのため、AIの評価が公平であることを確認し、必要に応じて調整を行うことが重要です。
教師の役割:AIが生徒の学習を評価するとはいえ、教師の役割は依然として重要です。教師はAIの出力を解釈し、生徒の学習状況を理解するために必要なコンテクストを提供します。
学習意欲の保持:AIが適切なフィードバックを提供し、学習の進捗を評価することで、生徒の学習意欲を保つことが可能です。
生成系AIの活用は学校教育に新たな可能性をもたらしますが、上記の問題に対する解決策を明確にすることで、より効果的な活用が可能になります。
相変わらずの優等生的な模範解答だった。問題は個人ごとの学習履歴記録システムをリンクする必要があることだ。トークンバッファが非常に大きくなれば可能なのかもしれないし,別途プラグインとのデータのやりとりが必要かもしれない。いずれにせよ,そのうちベネッセとか予備校とかあちこちで始まることになるだろう。

(*) 測定というとすぐに定量的あるいは半定量的なモノがイメージされるけれど,主観的な測定も測定の一種で,ただ確率分布が歪んでいるだけなのかもしれない。職人技によってそれが乗り越えられてきた部分もあるし,芽を潰してきたという負の側面もあるかもしれない。

(**) 人間の直観や洞察力が衰えてきたため,外部の道具に頼るとともに,安易な数値化を選択してしまうことになるというのは,なにも教育の現場だけではない。しかし,データを可視化することで圧倒的な生産性の向上や安全性の確保につながった場面も多々あるわけでむずかしいところ。

(***) で,これから人間に最後に残された砦だった,「言語を用いた総合的な判断の場」が奪われようとしているわけだ。まあ,そんなものとっくに消えていたのかもしれないけれど。

(****) NHKの映像の世紀でベトナム戦争におけるマクナマラの誤謬が取り上げられていた。データにできるものをコンピュータに取り入れて評価する,それが数値から言葉に広がったとしても,データにはできないものがまだ残っている。

2023年5月28日日曜日

留数計算

GPT-4とBardとPerplexityに実関数の広義積分を複素解析を使って解くようにお願いした。

問題は,$\displaystyle \int_0^\infty \dfrac{\sin x}{x} dx$  というものだ。で,三者全員がそれらしい導出過程を示しながら答えは$\pi$だと返してきた。どうもおかしいなと思って,Mathematicaで検算すると $\dfrac{\pi}{2}$だ。やはり,ちゃんと勉強せずに生成系AIを使うことはできない(何度か試すと正しい答えを返す場合もあった)。

ところが,最近(ここ数十年)留数計算なんかご無沙汰しているので,自分の方が計算の仕方が分からなくなってしまっている。AI以下である。インターネットで復習してから自分で結果を再構成してみた。まだよく理解できていないけれど概ね次のようなものだ。

図:2通りの積分路と極の位置(ChatGPTのtikzコードによる)

複素関数$f(z) = \dfrac{e^{iz}}{z}$の積分を考える。

経路 $C_1 :  \gamma_{-} + \Gamma' + \gamma_{+} + \Gamma$,
経路 $C_2 :  \gamma_{-} + \Gamma'' + \gamma_{+} + \Gamma$,
とする。

$f(z)$がコーシーリーマンの関係式を満たす正則関数であるならば,
$C_1$のように閉じた積分路の中に$f(z)$に極がない場合,$f(z)$の経路積分の値は,$I_1=\oint_{C_1} f(z) dz =0 $になる。
また$C_2$のように閉じた積分路の中に極がある場合は,$f(z)$の経路積分の値は,$I_2=\oint_{C_2} f(z) dz =2 \pi i \ \mathrm{Res} f(z)$になる。

$\oint_{C_1} f(z) dz = \int_{-R}^{-\varepsilon} \dfrac{e^{i x}}{x} dx + \int_{\Gamma'} \dfrac{e^{iz}}{z} dz +  \int_{\varepsilon}^{R} \dfrac{e^{i x}}{x} dx + \int_{\Gamma} \dfrac{e^{iz}}{z} dz =0$

第1項と第3項をまとめて,第2項と第4項は $z=r e^{i \theta}$と極座標表示して,
これから$\varepsilon \rightarrow 0, \ R \rightarrow \infty$の極限をとると,

$\displaystyle 2 i \int_0^{\infty} \dfrac{\sin x}{x} dx - \pi i + 0 = 0$

同様に積分路$C_2$については,$\mathrm{Res}(z=0) f(z) = 1$ なので
これから$\varepsilon \rightarrow 0, \ R \rightarrow \infty$の極限をとると,

$\displaystyle 2 i \int_0^{\infty} \dfrac{\sin x}{x} dx + \pi i + 0 = 2\pi i$

いずれにしても,$\displaystyle \int_0^{\infty} \dfrac{\sin x}{x} dx = \dfrac{\pi}{2}$

2023年5月26日金曜日

対話型AIと教育(5)

対話型AIと教育(4)からの続き
Q:User
大学の授業で出されるレポート課題(エッセイ)に対して,ChatGPTを使って答えを生成してそのまま提出する学生が頻出するのではないかとの懸念が示されている。このため,大学によっては,ChatGPTの使用を禁止したり,制限しようとする動きがみられる。これは,各大学で発出される「生成系AIの利用に関する注意事項」として成文化されつつある。ここでは,上記のようなレポート問題だけではなく,機密情報や個人情報の漏洩,著作権侵害の恐れなどが指摘されている。これによって,ChatGPTなどの生成系AIの利用を,程度の大小はあれ,抑制することで,大学でのトラブル発生を減らそうようというリスク管理の動きが顕著にうかがえる。
ところで,今後の社会は,現在の生成系AIやその発展形態となるAIシステムとは無関係ではありえない。そのため,できるだけ早期にその利用方法を習得して対応することが求められている。授業のレポート課題などでの使用制限を越えて,教員や学生が積極的にChatGPTなどの生成系AIシステムを活用することができるようにするには,どうすればよいか,具体的な例を箇条書きで示すことで,これらの疑問や懸念を払拭する方法を教えてください。

A:ChatGPT
生成型AIの恰好な利用に関して教員や学生を支援するための具体的な提案は以下のとおりです。

教育的な目的でのAI利用: 学生が生成型AIを使ってエッセイを書く代わりに、学生が自分の言葉で議論を組み立てる訓練の一環として、AIを使用する方法を教える。AIは情報源やアイデア生成ツールとして有用だが、最終的な書き上げと分析は学生自身が行うべきである。
プラグラミングスキルの教育: 学生自身がAIを制御、調整、プログラムする方法を教える。これは学生がテクノロジーを適切に利用する方法を理解し、潜在的なミスや誤解を避けるのに役立つ。
AIの限界と可能性についての教育: AIが何を得意とし、何が苦手であるかを学生に理解させる。これにより、AIが学術的なタスクにどのように利用できるか、またどのように利用すべきでないかについて理解を深める。
データプライバシーと情報セキュリティの教育: AIがどのようにデータを処理し、保管するかについての教育を強化する。これにより、学生は自分の情報をどのように安全に管理するか、またAIを使用する際にどのようなリスクが存在するかを理解する。
情報源の評価: AIが生成する情報の信頼性を評価するためのスキルを教える。これにより、AIが提供する情報が常に正確であるわけではないことを理解する。
AIの倫理的使用: AIが持つ可能性とリスクについての議論を促す。これにより、AIを道徳的、倫理的にどのように使用すべきかについての理解を深める。
AIの使用ガイドラインとポリシーの作成: 学校全体でAIの使用ガイドラインとポリシーを作成し、これをすべての学生と教職員に共有する。これにより、AIの適切な使用に関する共通の理解を形成し、問題の予防を図る。
学生と教員のためのAIリテラシーワークショップ: 定期的にAIに関する教育ワークショップを開催し、学生と教員がAIについての最新の知識を得ることを支援する。これにより、AIの正しい利用と倫理的な問題に対する理解が深まる。
対話とフィードバック: 教員と学生がAIの使用経験について定期的に意見交換を行い、互いに学び合う環境を作る。これにより、問題や新たな利用法が迅速に共有され、学習経験が改善される。
AI利用の透明性: AIを使用して生成された作業や研究についてはその事実を明示する。これにより、利用の公正さと透明性が保たれ、評価における不公平さが避けられる。

これらの提案を通じて、教員と学生がAIを適切に使用し、理解するスキルを育てることが可能となるでしょう。AIが学術環境での問題解決や創造性を刺激するツールとして有効に活用されるためには、その正しい利用法と倫理的な問題について理解を深めることが必要となります。

Q:User
対応のための全体的イメージや戦略は把握できました。とくに第1項目に関連して,これまで出していたようなエッセイ課題はどのように修正すれば,ChatGPTの結果をそのまま回答に使う(大学によってはこれを剽窃とまでよんでいます)ことを避けることはできるでしょうか。学生は全員ChatGPTにいつでも自由にアクセスできる環境があるものとします。

A:ChatGPT
ChatGPTなどの生成型AIが学生の手元にあり、それを活用する能力もある状況下で、エッセイ課題を設計する際には、以下のような要素を考慮すると良いでしょう。

個人的な視点や体験を求める: AIは一般的な知識に基づく答えを生成できますが、個人的な経験や視点に基づく答えを生成することはできません。したがって、学生に自分自身の意見や体験に基づく思考を要求するエッセイ課題は、AIがそのまま解答することを防ぐことができます。
クリティカルシンキングの展開: AIは情報を提示し、論理的な結論を導くことができますが、複雑な問題に対する深い洞察や独自の分析を提供することは困難です。そのため、特定の問題やトピックについての深い分析や評価を要求する課題は、AIの直接の回答を避ける助けになります。
アプリケーションとシミュレーション: 抽象的な概念や理論を具体的な状況や事例に適用するような課題は、AIが自動的に解答することを難しくします。これは、AIが現実の状況を完全に理解する能力に限界があるためです。
ディスカッションとコラボレーション: チームやグループでのディスカッションやコラボレーションを必要とする課題は、AIの単独での解答を防ぐことができます。また、ディスカッションの過程を報告するような課題は、学生自身の対人スキルやチームワークのスキルを評価する機会にもなります。
リフレクション: 自己反省や思考の反省を要求する課題は、AIが解答することを困難にします。これは、AIが自己意識や自己理解を持つことができないためです。 
上記のようなアプローチにより、生成型AIの単純な利用を超えて、学生自身の思考力や独自性を引き出す課題設計が可能となります。また、以下の点も考慮するとより有効でしょう。 
オープンエンドの問い: 一つの明確な正解が存在しない問題を提出することも、生成型AIの単純な利用を避ける有効な手段となります。このような問題は、学生が多角的に考え、自分自身の見解を形成することを促します。
プロジェクトベースの学習: 長期的なプロジェクトを課題とすることで、学生が深く学び、自分自身の解釈と分析を形成するプロセスを評価できます。これは、単一の問題に対する一時的な回答よりも、AIを単純に利用することを避ける助けとなります。
実験や観察に基づくレポート: 実験の設計、実行、観察、そしてその結果の解析と報告を求める課題は、AIが単独で完結することを難しくします。これは学生自身の科学的な思考や観察力を評価する良い方法です。
教材の外部情報の使用: 一部の情報を教材以外から引用するような課題も、生成型AIの単純な利用を防ぐ手段となります。その際、どの情報源をどう選択し、その信憑性をどう判断したかを報告することを求めると、情報リテラシーも評価できます。

これらの提案を通じて、教員は学生が自分自身の思考力と創造性を発揮し、生成型AIを超えた高度な学習を達成するのを助けることができます。

2023年5月25日木曜日

大学教育とChatGPT(6)

大学教育とChatGPT(5)からの続き

毎週一度,大学から発出されているChatGPT(生成系AI)への注意を集めてまとめている。5月25日現在で,全国の大学のほぼ15%が一般公開していることになる。

各大学が足並みをそろえて同じテーマについてメッセージを出すというのは,新型コロナ感染症以来のことで,シンギュラリティ・サロンの松田卓也さんがおっしゃるように,2020-2022年のコロナ騒動が,2023-2025年に生成AI騒動として再現されることになるのかもしれない。
5月15日
長浜バイオ大学における生成系 AI の使用に関する方針
長浜バイオ大学 学長 伊藤正惠
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5月19日
国立音楽大学における生成系AIへの教学上の対応について
国立音楽大学

5月19日
教育におけるChatGPT等の生成系AIの利用について
北海商科大学 教務センター長

5月19日
全学教育科目における生成系AIの利用に際しての留意事項
名古屋大学 教養教育院長 納谷信

5月19日
学修における生成系AI(ChatGPT等)活用に関する注意事項
武蔵野大学 学長 西本照真

5月21日
学修におけるChatGPT等の生成系AIの使用への対応について
鈴鹿大学情報教学管理委員会

5月22日
ChatGPT等の生成AIの利用について
成蹊大学長 森雄一

5月22日
生成AIへの愛知大学の対応について
愛知大学

5月22日
生成AIの利用について
北星学園大学 学長 大坊郁夫

5月23日
生成系AI(ChatGPTなど)の使用に関わる注意
京都産業大学 学長 黒坂光

5月23日
生成系AI(ChatGPT等)の利用について
和洋女子大学 学長 岸田宏司

5月23日
本学の教育活動における生成系AI(ChatGPT等)の利用方針
広島大学 理事・副学長(教育・平和担当) 鈴木由美子

5月23日
生成系AI(人工知能)の利用についての考え方
神戸女学院大学

5月24日
ChatGPT等生成系AIの利用について
宮城大学 副学長(教育担当) カリキュラムセンター長

5月24日
学生の生成系AIの使用に関する本学の考え方
国際基督教大学 教養学部長 生駒夏美・大学院部長 溝剛・学生部長 木部尚志

2023年5月21日日曜日

ChatGPTのPlugin

3月の末にOpenAIからChatGPTにPluginが搭載されて,外部アプリケーションを組み合わせることができるとのアナウンスがあった。

数日前から 日本でも利用が開始されたようで,ユーザからの報告があがっていた。自分は順番待ちなのかと指をくわえていたが,ふと気がついてWebインタフェースの左下にある自分のSettings(環境設定)をのぞいて見ると,Beta featuresの中のWeb browsing と Plugins のスイッチが動かせるようになっていた。さっそく両方ともONにした。

Pluginsの方はさらに自分の必要なPluginを使えるように設定する必要があるので,早速Wolfram Alphaの機能を入れた。70-80ほどのPluginsがある。SNSでは3つまで使えるとあった。どれを普段使いにするかはもう少し様子をみてからだ。

さっそく,WolframAlphaを試してみる。

Q:User
x^3+y^3+1-3 x y を因数分解してください

A:ChatGPT(3.5)
指定された式は、一般的にキュービックアイデンティティとして知られる形式を持っています: a³ + b³ = (a + b)(a² - ab + b²)。
あなたの式で、x^3 + y^3 + 1 - 3xy の第三項と第四項が a³ + b³ の形式に合わせるように整理できます。つまり、a = x、b = y、および、c = 1として、 a³ - 3ab + b³ + c³ を因数分解します。
これにより、以下のような形式になります。(x - y)²(x + y) + 1
これは因数分解の一形式であり、より具体的に展開することは可能ではありません。なお、上記の式はx, yの値により、具体的な値を取ることが可能です。

A:ChatGPT(4.0+WolframPlugin)
式 
x^3+y^3+1−3 x yの因数分解は次のようになります:
(x+y+1)(x^2−x y−x+y^2−y+1)

また、この式の3Dプロットと等高線プロットは以下の通りです:
3Dプロット:
3D plot
等高線プロット:
Contour plot
うーん,GPT3.5は明らかにハルシネーションを起し,嘘八百を並び立てている。一方,GPT-4+WolframAlphaの方は,すぐにWolframAlphaに丸投げして,結果をそのまま戻しているだけだ。余計なお世話のプロットで目くらまししているが,ChatGPT特有の言葉による説明が失われている。どうもWolfram Alphaのユーザインタフェイス部分にはなじめないのだ。

WolframAlphaのプラグインに関しては継ぎ接ぎ感が否めない。もう少し落ち着いて分析する必要がある。あと,WebBrowsingのほうは,「広島のG7の今日のイベントを教えてください」「淡路島の明日の天気を教えてください」という例題で試した。GPT-4はやたら時間がかかるだけで,時間切れになるかもしくは不正確な答えを返してきた。これはBardのほうに分があった。


図:OpenAI ChatGPTの設定画面から引用

2023年5月19日金曜日

生成 AI と報道

5月17日に日本新聞協会が,「生成 AI による報道コンテンツ利用をめぐる見解」を公表した。新聞協会とはいうものの,新聞社だけではなく放送局や通信社も構成社に含まれている。定款によれば,「新聞、通信および放送の倫理水準の向上に資する事業を行い、共通の利益を擁護することにより、健全な民主主義の発展に寄与することを目的とする」とのこと。

生成AIに関する見解は次の項目から成り立っている。
(1)生成 AI による報道コンテンツ利用をめぐる見解
(2)言論空間の混乱と社会の動揺
(3)個人情報保護上の懸念
(4)現行著作権法や法改正に至る過程の問題点
(5)報道機関の著作物等をめぐる課題
(6)不透明な運用実態、権利者への不十分な情報開示
結論は「権利者の権利の実効性を確保するためにも、 AI による報道コンテンツの無断・無秩序な利用が既成事実化される前に、政府等により 適切な対応が検討されることを強く望む」だった。

言論空間が混乱しているというか疲弊しているのは,十分は取材力や批判力を喪失し,安易にインターネット空間上の情報に依存しながら,肝腎の権力批判は避けながら思い込みでストーリーを組み立てている既存メディア"ジャーナリスト"の側に真の原因があるようにも思う。

著作権法の成立過程に,あまり正当でない言いがかりをつけているのはどうかと思うが,国産検索エンジンだけのためにこの項が設けられたわけではない。
著作物に表現された思想又は感情の享受を目的としない利用
第三十条の四 著作物は、次に掲げる場合その他の当該著作物に表現された思想又は感情を自ら享受し又は他人に享受させることを目的としない場合には、その必要と認められる限度において、いずれの方法によるかを問わず、利用することができる。ただし、当該著作物の種類及び用途並びに当該利用の態様に照らし著作権者の利益を不当に害することとなる場合は、この限りでない。
一 著作物の録音、録画その他の利用に係る技術の開発又は実用化のための試験の用に供する場合
二 情報解析(多数の著作物その他の大量の情報から、当該情報を構成する言語、音、影像その他の要素に係る情報を抽出し、比較、分類その他の解析を行うことをいう。第四十七条の五第一項第二号において同じ。)の用に供する場合
三 前二号に掲げる場合のほか、著作物の表現についての人の知覚による認識を伴うことなく当該著作物を電子計算機による情報処理の過程における利用その他の利用(プログラムの著作物にあつては、当該著作物の電子計算機における実行を除く。)に供する場合
政府や行政や企業の発表を端末に入力しながら質問もせずにまとめて報じるのは生成AIにまかせて,その先の地に足のついた取材が必要だと誰かが言っていた。


2023年5月18日木曜日

大学教育とChatGPT(5)


連休明けも,各大学から生成系AIの利用に関する注意が公開されている。もうすぐ東京外国語大学のアナウンスから2ヶ月近くになるが,現時点で100大学/790大学≒13%に達する。もちろん,学内だけの公開で観測されていない大学も多いかもしれない。

そろそろこれはという目新しい表現はなくなってきた。坂根弦太氏のブログによれば,92大学になっている。gmorikiさんはデータをExcelでまとめているのはすごいが,55大学にとどまっていた。

なお,データ収集は,google検索で,"生成系AI | 生成AI | ChatGPT +site:ac.jp" の結果から目視で選別している。
5月9日
ChatGPT等の生成系AI利用に関して
北海道科学大学 学長 川上敬

5月10日
対話型AI サービスの利用について
山梨県立大学教育改革推進室室長・副学長 八代一浩

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5月11日
筑波大学における生成系AIの使用に関する基本方針
筑波大学

5月11日
生成系AIの使用について
総合研究大学院大学

5月11日
生成系AI(ChatGPT等)の使用について
宮崎産業経営大学 学長 大村昌弘

5月11日
生成AIツールと教育についての教員向けガイド
大阪公立大学高等教育研究センター

5月11日
ChatGPTをはじめとする生成AIの利用に関して
神戸大学 海洋政策科学部・海事科学部・海事科学研究科

5月12日
生成系AI(ChatGPT等)の取り扱いについて
横浜国立大学 副学長(教育担当)髙木まさき・副学長(研究・情報担当)四方順司

5月12日
チャットGPT等の生成系AI(人工知能) 利用に関する対応について
常葉大学 副学長 安藤雅之・磯貝香・小田寛人 教務部長 笛木茂雄

5月12日
ChatGPT等生成系AI利用上の注意事項について
城西国際大学 学長・教務部長

5月12日
ChatGPTなどの生成系AI利用について
平安女学院大学学長 谷口吉弘

5月12日
APU における生成系 AI の利活用について
立命館アジア太平洋大学 教学部長 MEIRMANOV Serik

5月12日
生成系人工知能をはじめとするAIの利活用について
立教大学

5月12日
教育研究上における Chat(チャット)GPT 等の利用に関する注意事項
九州産業大学 学長 北島己佐吉

5月15日
ChatGPT等生成AIの利用について
慶應義塾大学

5月15日
ChatGPT等(AIチャットボット)の取扱いについて
独協大学

5月16日
生成系AIの利用について
和光大学 学長 半谷俊彦

5月16日
ChatGPT などの生成系人工知能(AI)について
順天堂大学 学長 新井一

5月17日
生成系AI(ChatGPT等)利用に関する注意事項について
新潟大学 学務部教務課

5月17日
生成系AIに対する大東文化大学の対応について
大東文化大学

5月17日
生成系AIの利活用について
関東学院大学 学長 小山嚴也

5月17日
ChatGPTをはじめとする生成系AIの利用について
明治大学 学長 大六野耕作

5月18日
ChatGPT等の生成AIへの対応について
敬愛大学 学長 中山幸夫

5月18日
生成系 AI(Generative AI)の利用に関する注意事項について
大分県立看護科学大学 学長 村嶋幸代

5月18日
大学での生成系AIの活用について
文教大学 学長 中島滋

2023年5月16日火曜日

最強のプロンプト

シンギュラリティ・サロンで松田卓也先生が最強のプロンプトという海外のAIブロガー(Matt Wolfe)のYouTubeを紹介していた。それは,「What are the absolute coolest, most mind-blowing, out of the box, ChatGPT prompts that will really show off the power of ChatGPT?  Give me 10.」というものだった。

その結果はなかなかすごいものだったので,自分もGPT-4で試してみた。日本語だとイマイチなのだが英語にすると少しマシになった。BardやPerplexityでも試してみたが,これらはかなり残念な結果になった。やはりBardはGPT-4に比べるとやや劣っているように思う。何度か試した結果,少し味付けしたもの(+ speculative and unimaginable theme not usually mentioned in the scientific literature or in the Internet)を翻訳してみた。

次元の意識: 私たちの意識は多次元に同時に存在するが、私たちの身体は3次元と時間しか認識できないとしたらどうだろう?このことは、現実と自己の認識にどのような影響を与えるのでしょうか。

情報宇宙: 物質やエネルギーではなく、情報が基本的な構成要素である宇宙を考えてみましょう。このことは、私たちの存在や意識に対する理解をどのように変えるのでしょうか?

反転物理学:  物理法則が正反対に働く宇宙を想像してください。このような状況下で、生命や文明はどのように発展するのでしょうか?

意識のある星: 星が意識的な存在で、宇宙のタイムスケールで生命を体験しているとします。そうすると、宇宙に対する私たちの認識はどのように変わり、そのような存在から何を学ぶことができるでしょうか?

量子感情: もし、感情がデータのように定量化され、転送されるようになったらどうだろう。それは対人関係や社会、メンタルヘルスにどのような影響を与えるのでしょうか。

有機体としての時間: 時間を、生きて進化する存在として考えてみましょう。過去、現在、未来に対する私たちの認識は、この文脈でどのように変化するのでしょうか?

ダークマター文明: 宇宙の目に見えない暗黒物質の中に存在する文明を想像してください。その文明はどのようなもので、私たちはどのようにその文明とコミュニケーションをとることができるのでしょうか。

人工惑星デザイン: もし、私たちがゼロから惑星を作り上げることができるとしたら。新しい世界をデザインするために、私たちはどのような倫理的、哲学的、実用的な課題に直面するだろうか?

記憶の風景: もし、記憶が物理的な風景に変わり、それをナビゲートしたり探索したりすることができるとしたらどうだろう。記憶や個人的な歴史に対する私たちの認識はどのように変化するのだろうか。

ニューロンとしての宇宙: 私たちの宇宙は、想像を絶する巨大な生物の脳の中にある、たった1つのニューロンであるという可能性を考えてみましょう。そうすると、私たちの存在や宇宙そのものに対する理解はどのように変わるでしょうか? 

これはSFコンテストが成立しなくなるのも 無理はない。

2023年5月15日月曜日

Bard再び

BardとStableLMからの続き

Googleの対話型AIのBardは,5月10日に開催されたGoogleの開発者イベントGoogle I/Oでリニューアルされた。日本語と韓国語に新たに対応し,180以上の国・地域で利用可能になり,https://bard.google.com で無料でアクセスできる。

これまでのgoogleにおける開発経緯をWikipediaの記事を参考に整理してみる(これをBard自身に尋ねてみたが,自分のことなのにかなり出鱈目な答えが混じっていて使えなかった)。

2020年1月28日 2.6BパラメタのチャットボットMeenaを発表
(2020年6月11日 OpenAI が GPT-3発表)
2021年5月18日 Google I/Oで,Transformerに基づく大規模言語モデルLaMDAを発表
(パラメタ数は,2B,8B,137Bからなる)
2022年5月11日 Google I/Oで,後継のLaMDA2を発表
2022年6月12日 GoogleエンジニアがLaMDA2は意識を持つと主張
(2022年11月30日 Open AIが ChatGPT(GPT-3.5)供用開始)
2023年2月 6日 LaMDAを組み込んだ対話型AIチャットボット Bardを発表
2023年2月 8日 Bardを公開(失敗・株価下落)ただちに閉鎖
2023年3月21日 Bardのアーリアクセス開始(USとUK)
(2023年3月14日 Open AIが ChatGPT(GPT-4)供用開始)
2023年4月10日 BardのLLMをLaMDAからPaLMに変更
2023年4月18日 Bardへの日本からのアクセス解禁(英語のみ)
2023年5月10日 Google I/OでBardのLLMをPaLM2へ切り替えた(発表・即日導入)

Googleの大規模言語モデル研究はトップを走っていたにも関わらず,2022年6月の
LaMDA2の意識問題で足を取られているすきに,OpenAIのChatGPTに先を越されてしまった。焦って2月8日にBardを公開したものの,期待が大きすぎたために些細な情報の不正確さが仇となって(宇宙望遠鏡の話)大きな失望を招いてしまった。バタバタとした結果,ようやく日本語や韓国語も使えるBardの公開に至ったわけだ。

BardをGPT-4と比較してみると,優れている点は (1) 無料であること,(2) 最新の情報をカバーしていること,(3) 応答時間が短く複数の回答があらかじめ用意されていること,がある。劣っている点は,(1) 推論がより不正確な場合がやや多い,(2) 説明が不十分な場合がやや多い,(3) 表現が劣る場合がやや多い。これだけならば,Bardの方がメリットが大きいように見えるが,実際の体験上はGPT-4に軍配をあげたくなる。

2023年5月14日日曜日

教員向けChatGPT講座

5月13日の午後13:00から17:00過ぎまで,東京大学の工学系研究科国際工学教育推進研究機構吉田塁さんが,オンラインイベント「教員向けChatGPT講座」を開催していた。昼寝をしながらEarPodsで聞いていたが,充実した資料があったので大変参考になった。

その目次はつぎのようなものだ。
 • ChatGPT について
• ChatGPT の活用に関連する注意点
• ChatGPT に関連する知識
• ChatGPT と教育
• 国内外における大学の対応
• ChatGPT が教育に与える影響
• 影響1: ChatGPT は評価を揺るがす
• 影響2: ChatGPT は学習者の学習プロセスを支援し得る
• 影響3: ChatGPT は教員の授業作りを支援し得る
• 影響4: その他
• おわりに

最後のChatGPTが教育に与える影響部分が目新しい。この項目をGPT-4で膨らませてみた。
Q:User
ChatGPT が教育に与える影響として,(注:これが吉田さんの最後のスライドのポイントをほぼそのまま入力したたところ)
• AI リテラシー教育のニーズが高まる?
• 高次な認知能力が高まる?
• メタ認知能力がより重要になる?
• マネージメント・ファシリテ—ション能力が高まる?
• 専門性の重要性が認知される?
• 操作する人間の専門性や思考能力が試されている?


A:ChatGPT
AIの進歩とともに教育のパラダイムも変わってきていることは間違いありません。具体的には、ChatGPTや他のAI技術が教育に与える可能性のある影響を以下に挙げます。
AI リテラシー教育のニーズが高まる:
 現代の社会ではAI技術が多くの領域に浸透しており、それに対する理解と適切な使用が必要とされています。教育では、AIリテラシー教育のニーズが増大し、学生たちはAIの基礎的な理解を得るとともに、それをどのように活用するかを学ぶ必要があります。
高次な認知能力が高まる:
 AIが情報検索や基本的なタスクを行うことが可能になったため、人間の役割はより高次の認知能力にシフトする可能性があります。これには、批判的思考、創造性、問題解決能力などが含まれます。
メタ認知能力がより重要になる:
 AIと共同作業するためには、自分の思考と学習プロセスを理解し、それを調整する能力、つまりメタ認知能力が必要となります。これは自己調節、自己反省、自己認識などを含みます。
マネージメント・ファシリテーション能力が高まる:
 AIツールを効果的に使用するためには、それらを適切に管理し、指導する能力が必要です。これは、AIを学習プロセスに統合し、他の人々との協働を促進するためのスキルも含みます。
専門性の重要性が認知される:
 AIは多くの一般的なタスクを自動化することができますが、特定の専門知識やスキルを持つ人間の役割は依然として重要です。そのため、教育は専門性の開発とそれを活用する能力を高めることを目指すかもしれません。
操作する人間の専門性や思考能力が試されている:
 AIの効果的な活用は、その操作者の技術的な知識だけでなく、倫理的な判断や高次の思考能力をも試すことになります。これはAIが社会の多くの面で活用され、倫理的な問題や困難な決定を伴う可能性があるためです。これには、AIのバイアスの理解、プライバシー問題、情報セキュリティなどが含まれます。したがって、教育は技術的なスキルを超えた範囲で学生を準備することを求められるかもしれません。

全体として、AIは教育の領域において革新的な変化をもたらし、新たなスキルと理解を求めるようになります。しかし、これは教育者や学生にとってチャンスでもあり、学習の効率を高め、より深い理解を達成し、新しい方法で問題を解決する機会を提供します。これらの変化は、教育の方法だけでなく、我々が学ぶべき内容にも影響を及ぼし、未来の学習者が21世紀の社会で成功するために必要なスキルを持つことを保証するためには、教育システム自体の進化が必要となるでしょう。

2023年5月12日金曜日

アテンション・エコノミー

アテンション・エコノミーというキーワードにぶつかったので,GPT-4に聞いてみた。

Q:User
アテンションエコノミーと呼ばれるものの構造を整理して理解させてください。

A:ChatGPT
アテンションエコノミー(Attention Economy)は、情報過多の現代社会において、人々の注目や関心(アテンション)が限られた資源であり、それを獲得するために競争が起こるという概念です。このアテンションエコノミーの構造を整理してみましょう。

注目の限定性
人々は限られた時間とエネルギーしか持っていません。そのため、一度に多くの情報に対処することは困難であり、人々の注意力は貴重な資源となります。

情報過多
インターネットやSNS、メディアなどによって、膨大な情報が日々発信されています。この結果、人々はどの情報に注目すべきか選択しなければならない状況に置かれています。

競争
企業、メディア、個人などは、限られた注目を獲得するために競争します。これには、広告、コンテンツの質や魅力、独自性などが重要な役割を果たします。

モノタイズ
アテンションエコノミーにおいて、注目を獲得することは、広告収入や売上などの収益につながります。そのため、企業や個人は注目を集めることで収益を上げようとします。

インセンティブと行動変容
アテンションエコノミーでは、注目を獲得するためのインセンティブが生まれます。これにより、企業や個人は、注目を集めやすいコンテンツや戦略を採用し、行動や価値観が変わることがあります。

このような構造を持つアテンションエコノミーは、人々の行動や価値観、ビジネスモデルなどに大きな影響を与えています。また、偽情報の拡散や、品質の低いコンテンツが増えるといった問題も生じています。


Q:User
アテンションエコノミーの発達が,民主主義をゆがめるものなのか,あるいはそれこそが究極の民主主義への道であるのか,どう思いますか。

A:ChatGPT
アテンションエコノミーが民主主義に与える影響には、ポジティブな面とネガティブな面が存在します。どちらの観点が支配的かは議論の余地がありますが、以下にそれぞれの側面を整理してみました。

ポジティブな面:
情報アクセスの平等化:インターネットの普及により、多くの人々が情報にアクセスできるようになりました。これにより、従来は情報にアクセスできなかった人々も意思決定に参加できるようになり、民主主義の理念に近づいています。
グラスルーツ運動の促進:SNSやインターネットを活用することで、個人や小規模な団体でも意見を発信し、集団行動を起こすことが容易になりました。これにより、市民が直接政治に関与し、民主主義を促進することが可能になります。

ネガティブな面:
偽情報の拡散:アテンションエコノミーの中で、注目を集めるために誇張や偽情報が広がりやすくなります。これにより、有権者が正確な情報に基づいた意思決定ができなくなり、民主主義の質が低下する可能性があります。
意見の分断と極端化:SNSなどのプラットフォームでは、利用者が自分の意見に同調する情報に出会いやすくなります。これにより、意見の分断や極端化が進み、対話や妥協が難しくなることで、民主主義の機能が低下する恐れがあります。

総合的に見ると、アテンションエコノミーは民主主義にポジティブな影響を与える一方で、ネガティブな側面も存在しています。これらの側面がどの程度民主主義に影響を与えるかは、社会や技術の進展によって変わるため、今後も状況を注視し続ける必要があります。

2023年5月11日木曜日

大学教育とChatGPT(4)

大学教育とChatGPT(3)からの続き

大型連休を挟んで前回から2週間経過したので,4月27日以降の追加リスト(前回の取りこぼしを含む)をまとめてみた。大学ではないが,今年の4月に開校した徳島県の神山まるごと高等専門学校が,全学生・教員にChatGPTの有償ライセンスを付与というのが目に付いた。全学生44名と教職員に対して,月額$20を負担するということだ。

明確に禁止のメッセージを出すのも憚られるので,学生の本分は・・・的な道徳論に逃げ込みながら,それでも生成系AIの(この表現の方が生成AIより学術的だとアピールしつつ)重要性はわかっていますよ,といったおためごかしのメッセージであふれているのだった。

武蔵野美大のものは,メディア制作の現場に出る学生さんを預かっているだけに,思慮にとんだメッセージになっている。自分の目で確かめること,現状を知ること,概念的理解と法整備について考えること,危険な側面を考えること(ヘイトスピーチや差別にも言及している)など,後発組だけにこれまでの中でも出色のものだ。
4月12日
学修及び研究活動における AI の取り扱いについて
京都芸術大学大学院芸術研究科長 上村博

4月18日
ChatGPT等の生成系AIの使用に関する留意事項について
兵庫教育大学長 加治佐哲也

4月25日
ChatGPT 等の AI 対話サービスの利用について
山梨大学学長

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4月27日
ChatGPTをはじめとする生成AIの利用に関して
神戸大学 教育担当理事 大村直人

4月27日
人工知能の利用について(方針)
駒澤大学長 各務洋子

4月27日
ChatGPT など生成系 AI について
芝浦工業大学長 山田純

4月27日
生成系 AI(Generative AI)の利用に関する注意事項について
大分大学 教育マネジメント機構長 藤井弘也

4月28日
ChatGPT等の生成系AIに対する本学の方針について
北見工業大学 学長 鈴木聡一郎

4月28日
生成AIの利用について
⾼崎健康福祉⼤学 学⻑ ⽯⽥朋靖

4月28日
生成系AI利用に関する注意喚起の発出について
島根県立大学 学長 山下一也

4月28日
生成系AI(ChatGPT等)の使用に関する注意事項(第1報)
東京都市大学 副学長(教育担当) 大上浩

4月28日
ChatGPT 等生成 AI の修学上での利用について
宇都宮大学 理事(学務・社会共創担当)・副学長 吉澤史昭

5月1日
生成系AI(Chat GPT等)と「大学生としてのあり方」について
国士舘大学 学長 佐藤圭一

5月1日
全学生・教員にChatGPTの有償ライセンスを付与
神山まるごと高等専門学校

5月2日
生成系AI(ChatGPT、BingAIなど)の利活用について
近畿大学 学長 細井美彦

5月8日
対話型の生成系AI の利用について
流通科学大学 学長 藤井啓吾

5月8日
生成系AIについての基本的な考え方
神戸女子大学 学長 栗原伸公 副学長(研究・情報担当) 山根千弘

5月8日
宮崎国際大学の生成系AI(主に対話型AI)への対応について
宮崎国際大学 学長 村上昇

5月8日
ChatGPT等の生成系AIの学習での利用について
神奈川工科大学 副学長・教務主任 井上哲理

5月8日
勉学におけるChatGPT の利用について
清泉女子大学 学務部部⻑ 鈴木卓 情報運営委員会委員⻑ 福田健

5月9日
生成系AIへの対応について
武蔵大学長 高橋徳行

5月9日
鹿児島大学における生成系AIの利用について
鹿児島大学長 佐野輝

5月9日
学長メッセージ ~ChatGPT等生成AIについて~
広島修道大学 学長 矢野泉

5月10日
生成人工知能の学修利用に関するガイドライン
工学院大学副学長(教学担当) 教育開発センター

5月10日
東京農業大学における生成AI(ChatGPT等)の取扱いについ
東京農業大学 学長 江口文陽

5月10日
ChatGPT 等(生成系 AI)の利用についての注意喚起
名古屋市立大学 学長

5月10日
ChatGPT等の生成系AIの使用に関する留意事項
神奈川大学

5月10日
生成系AIを学生が利用することに対する本学の考え
湘南工科大学 学長 木枝暢夫

5月10日
本学における生成AIの取り扱いについて
武庫川女子大学 武庫川女子大学短期大学部 学長 瀬口和義

5月10日
ChatGPTなどの生成系AIの利用について
東京経済大学

5月10日
生成系AI(ChatGPT等)の利用に関する留意事項について
植草学園大学・植草学園短期大学 教学改革推進センター長

5月11日
ChatGPT等の生成系AIの使用に関する取り扱いについて
滋賀県立大学 副学長(教育・学生支援担当) 小泉尚嗣

5月11日
学修におけるAIツール利用に関する宮崎公立大学の考え方
宮崎公立大学 学長 辻利則

5月11日
生成系人工知能(生成AI)についての学長からのメッセージ
武蔵野美術大学 学長 樺山祐和

2023年5月10日水曜日

対話型AIと教育(4)

対話型AIと教育(3)からの続き

Q:どうもありがとうございました。大変参考になる意見ばかりでした。最後に,対話型AIと教育に係わって,これまでに誰も考えていないような,奇抜で突飛なアイディアや予想や盲点というのが,もしありましたら教えてください。

A:対話型AIと教育に関連して、これまでにあまり考慮されていない奇抜で突飛なアイディアや予想をいくつか提案します。

AI教育アバター:
生徒たちがそれぞれに専用のAIアバターを持ち、それが生徒自身の学習スタイルや興味に合わせて進化し、学習体験をパーソナライズする。このAIアバターは生徒が学んだ内容を覚え、彼らの知識やスキルを継続的にサポートする役割を果たす。

AI駆動の実世界学習環境:
教室や学校の中だけでなく、実世界の様々な場所でAI技術を活用し、生徒が学ぶ場を拡大する。たとえば、AIが動植物や歴史的建造物に関する情報を提供し、博物館や公園、遺跡などでの学習体験を向上させる。

AIを使った異文化交流:
対話型AIを活用して、言語や文化の壁を越えた異文化交流が容易になる。生徒たちは、世界中の他の生徒や教師とリアルタイムでコミュニケーションを行い、異文化理解やグローバルな視野を育む。

脳波を利用した学習効果の最適化:
AI技術と脳波センサーを組み合わせて、生徒の学習効果を最適化する。AIは生徒の脳波を解析し、学習状況や集中度を把握。それに基づいて、最適な学習方法やタイミングを提案する。

バーチャルリアリティ(VR)とAIの融合:
VR技術と対話型AIを組み合わせ、生徒が没入感のある仮想環境で学ぶことができる。例えば、歴史の授業で生徒が過去の時代にタイムトラベルし、AIガイドと会話しながら学ぶことができる。

これらのアイディアは、現在の技術や教育環境からはかなり先進的であるかもしれませんが、将来的には、これらのアイディアが現実の教育環境で実現される可能性があります。それにより、教育の質や学習体験が大幅に向上し、生徒の個々のニーズに応える柔軟性が増すでしょう。

ただし、これらの革新的なアイディアを実現するためには、以下のような課題や懸念事項に対処する必要があります。

テクノロジーのコスト:
新しい技術の導入には、しばしば高額なコストがかかります。教育機関は、技術の導入と維持に必要な資金調達や効果的な運用方法を検討する必要があります。

データセキュリティとプライバシー:
個人情報や学習データの取り扱いに関しては、適切なセキュリティ対策やプライバシー保護が重要です。また、AIが持つ潜在的なバイアスや不正確な情報に対処する方法も検討する必要があります。

教育者の研修とサポート:
教育者は、新しい技術を効果的に活用するために継続的な研修やサポートが必要です。彼らがテクノロジーに対する理解を深め、教育に適切に取り入れることができる環境を整えることが重要です。

社会的スキルや人間関係の維持:
AIやVR技術を教育に導入する際には、生徒が対面でのコミュニケーションや社会的スキルを維持・発展させることができるよう配慮する必要があります。技術の導入は、人間関係や共同体を築く重要な要素を犠牲にしないように慎重に進めることが求められます。

これらの課題や懸念事項を考慮しながら、教育機関や関係者は、AIやその他の先進技術を効果的かつ安全に活用する方法を模索していくでしょう。このような革新的なアプローチが取り入れられることで、教育の未来は、より包括的で効果的なものとなるでしょう。新しい技術の導入により、従来の教育システムや方法に限界があった場合でも、個々の生徒が自分に合った学習方法で成長できる機会が増えることが期待されます。

また、対話型AIやVR技術が普及することで、地理的な制約や経済的な制約を克服し、より多くの人々が質の高い教育を受けることができるようになるでしょう。これにより、教育機会の平等化が促進され、世界中で知識やスキルの向上が図られます。

さらに、異文化交流やリアルタイムでのコミュニケーションが容易になることで、生徒たちは異なる文化や価値観を理解し、グローバルな視野を身につけることができます。これは、グローバル化が進む現代社会で、ますます重要となるスキルです。

しかし、これらの未来のビジョンを実現するには、先述した課題や懸念事項に対処し、技術と教育のバランスを適切に保つことが重要です。教育者、技術者、政策立案者などが協力して、効果的で包括的な教育環境を創出し、教育の未来を切り開いていくことが求められます。

2023年5月9日火曜日

対話型AIと教育(3)

対話型AIと教育(2)からの続き

Q:今のスマートフォンのように,対話型AIアシスタントを子供たちが常時使えて,生活の中で対話的な学習(広義の)を進めることも考えられます。あるいは,学校で使用するAIアシスタントが,子供や教師のSNS上のコミュニケーションに介在するようなこともあるかもしれません。さらに単なるテキストではなく,アバターが生成された動画イメージとの対話に発展することが想定されます。この場合,どんな新しい世界が展開することになりますか。

A:対話型AIアシスタントが子供たちの日常生活に組み込まれ、さらにアバターや動画イメージといった視覚的要素が加わることで、新しい学習環境やコミュニケーションの形態が展開されるでしょう。以下に、そのような状況で期待される新しい世界の特徴をいくつか挙げます。

学習の自然な統合:
子供たちが常時AIアシスタントを使えることで、学習が自然に日常生活に組み込まれ、形式的な教育だけでなく、インフォーマルな学習も進むでしょう。

個別化された学習経験:
AIアシスタントは、子供たちの興味や学習スタイルに応じて個別化されたサポートを提供し、より効果的な学習が可能になります。

コミュニケーションの拡大:
教師や生徒がSNS上でAIアシスタントと連携できることで、より効果的なコミュニケーションが可能になり、教育の質が向上するでしょう。

エンゲージメントの向上:
アバターや動画イメージを利用した対話は、子供たちのエンゲージメントを高め、学習意欲を向上させる効果があります。

クリエイティビティの促進:
AIアシスタントとの対話やアバターを活用したインタラクションを通じて、子供たちのクリエイティビティや想像力が刺激されるでしょう。

学習のアクセシビリティ向上:
AIアシスタントは、障害や特別な学習ニーズを持つ子供たちにもアクセシブルな学習環境を提供し、教育の機会均等を促進します。

しかしこのような新しい世界が展開される一方で、プライバシーやデータセキュリティ、バイアスの問題、過度な画面時間や技術依存に関する懸念も生じます。そのため、こうした技術を導入する際には、これらの問題に対処する方法や適切な利用規範を確立することが重要です。以下に、これらの懸念に対処するためのいくつかの方法を提案します。

データプライバシーとセキュリティ:
AIアシスタントの使用に関連するデータプライバシーとセキュリティの問題に対処するために、適切なデータ保護ポリシーや規制を導入し、個人情報の取り扱いに注意を払いましょう。また、保護対象となるデータの範囲や、第三者との情報共有に関するポリシーを明確にすることが重要です。

バイアスの問題:
AIアシスタントが持つ潜在的なバイアスを認識し、その影響を最小限に抑えるために、多様なデータセットを使用してAIを訓練し、定期的な監査を行いましょう。また、AIアシスタントのバイアスに対する教育プログラムを実施し、子供たちや教師がその問題を理解できるようにすることも効果的です。

画面時間と技術依存:
過度な画面時間や技術依存のリスクを軽減するために、適切な使用ガイドラインを設定し、子供たちに健康的なデバイスの使用習慣を教えましょう。また、学校や家庭でのデバイス使用に制限を設けることで、子供たちがオフラインでの活動や対面でのコミュニケーションを維持できるようにしましょう。

教育者の役割の再定義:
AIアシスタントが教育環境に導入されることで、教育者の役割も変化するでしょう。教師は、AIアシスタントを効果的に活用する方法を学び、教育の質を高めるための新しいスキルや戦略を習得する必要があります。

これらの対策を適切に実施することで、子供たちが対話型AIアシスタントを安全かつ効果的に利用し、より豊かな学習環境やコミュニケーションの形態を享受できるようになります。


Q:対話型AIアシスタントが教育で大きな役割を果たすようになると,教育のために学校というシステムが不要ではないかという意見があります。これについては,どう考えられるでしょう。未来の学校はどんなシステムに進化しますか?

A:対話型AIアシスタントが教育で大きな役割を果たすようになっても、学校というシステムが不要になるとは必ずしも言えません。学校は教育だけでなく、子供たちが社会的スキルやコミュニケーション能力を身につける場でもあります。しかし、AI技術の発展によって、未来の学校は従来とは異なるシステムや機能に進化する可能性があります。

ブレンディッドラーニング:
未来の学校では、オンライン学習と対面学習が組み合わさったブレンディッドラーニングが一般的になるでしょう。これにより、生徒は自分のペースで学習を進めることができ、個々のニーズに合わせた学習が可能になります。

より個別化された教育:
AIアシスタントの活用により、教師は生徒一人ひとりの学習進度や理解度に合わせた指導ができるようになります。これにより、従来の「一斉指導」から、個別化された教育へとシフトする可能性があります。

学習者中心のアプローチ:
教師の役割が、情報を伝達するだけでなく、生徒の学習を促進・支援するファシリテーターとして変わります。これにより、生徒は自分自身で問題解決や研究を行い、よりアクティブな学習者となるでしょう。

学習環境の多様化:
学校がオンラインとオフラインの両方で学びの場を提供することで、生徒は様々な環境で学ぶことができます。これにより、生徒が自分に合った学習環境を選択できるようになります。

無境界な学習:
テクノロジーの発展により、生徒は世界中の専門家や他の生徒と繋がることが容易になります。これにより、学習が地域や国境を超えたものになり、より広い視野を持った人材が育ちます。

これらのを踏まえた未来の学校は、従来のシステムや機能から大きく進化し、教育の質やアクセシビリティが向上するでしょう。しかし、その一方で、以下のような課題も考慮する必要があります。

デジタルデバイドの問題:
テクノロジーへのアクセスが不均等である場合、デジタルデバイドが教育格差を拡大させる恐れがあります。そのため、すべての生徒が同等の教育機会を享受できるよう、インフラやアクセスの向上が求められます。

社会的スキルの育成:
AIアシスタントの導入によって、学習が個別化される一方で、生徒間のコミュニケーションや協力が減る可能性があります。未来の学校は、生徒が社会的スキルを育成できる環境やカリキュラムも重視する必要があります。

教育者の役割と研修:
AI技術の導入に伴い、教師の役割が変化することから、教育者向けの研修や支援が重要になります。教師が新しい役割に適応し、技術を効果的に活用できるようサポートが求められます。

倫理的・法的問題:
AIアシスタントを教育に導入する際には、プライバシーやデータ保護、バイアスなどの倫理的・法的問題に対処する必要があります。適切なポリシーや規制を策定し、問題を最小限に抑えることが重要です。

未来の学校は、これらの課題を解決しながら、より効果的で包括的な教育環境を提供することを目指すでしょう。AI技術が教育の質を向上させる一方で、学校は生徒が社会的スキルや対人コミュニケーションを磨く場として、引き続き重要な役割を果たすことが期待されます。

2023年5月8日月曜日

対話型AIと教育(2)


Q:対話型AIシステムが学校教育に及ぼす影響やどのような形で導入すべきかあるいはすべきでないか,についていくつかの立場があります。その立場ごとに主張の要点を整理しながら,どれがもっともらしいかを説明してください。

A:対話型AIシステムが学校教育に及ぼす影響や導入の形態に関しては、いくつかの立場が存在します。ここでは、主要な立場を整理し、それぞれの主張の要点を挙げてから、最もらしいと思われる立場を提案します。

積極的導入派
要点:
・AIは個々の生徒の学習ニーズに対応でき、パーソナライズされた学習経験を提供する。
・教師の負担を軽減し、より効果的な教育を実現できる。
・生徒たちに21世紀のスキル(プログラミングやデータ解析など)を身につけさせることができる。
適切なバランス派
要点:
・AIシステムは教育の一部として活用すべきだが、人間の教師に代わるものではない。
・教育の質を向上させるために、AIと教師の協力が重要である。
・AIの導入に際しては、倫理的・社会的問題に十分な配慮が必要。
消極的導入派
要点:
・AIシステムは生徒のデータを収集し、プライバシー問題を引き起こす可能性がある。
・AIが教育に携わることで、教師と生徒の間の人間関係が損なわれる恐れがある。
・AIシステムはバイアスがあり、不公平な教育結果をもたらす可能性がある。 
最もらしい立場としては、「適切なバランス派」が挙げられます。この立場では、AIシステムは教育の一部として活用すべきであることを認めつつ、人間の教師に代わるものではないと主張しています。教育の質を向上させるためには、AIと教師の協力が重要であり、また導入に際しては倫理的・社会的問題に配慮が必要であるとしています。これにより、教育の効果を最大化しつつ、潜在的な問題を最小限に抑えることができると考えられます。


Q:学校教育へのAI対話システムあるいはその派生システムの具体的な導入イメージを教えてください。どのようなアプリケーションやプラグインがありうるか,各教科の授業シーンで使用される実践例などを知りたいです。

A:学校教育へのAI対話システムや派生システムの導入イメージには、さまざまなアプリケーションやプラグインが考えられます。以下に、いくつかの教科の授業シーンで使用される実践例を挙げます。

数学:
 個別の学習サポート:AI対話システムは生徒が数学の問題を解決する際に、ステップバイステップの指導やヒントを提供できます。
 自動採点・フィードバック:教師の負担を減らすために、AIシステムは生徒の回答を自動的に採点し、適切なフィードバックを提供できます。
言語学習:
 対話型練習:AIシステムは生徒と対話を行い、会話能力を向上させるための練習相手となります。
 文法チェック:AIが生徒の文章をチェックし、文法やスペルの間違いを指摘して、改善する機会を提供します。
科学:
 仮想実験:AIシステムは生徒が仮想環境で実験を行い、科学的な概念を理解する手助けをします。
 シミュレーション:生物学や物理学の複雑なシミュレーションをAIシステムが実行し、生徒が理解しやすい形で結果を提示します。
社会科学・歴史:
 インタラクティブな資料:AIシステムは生徒がインタラクティブな地図や歴史的資料にアクセスし、学習を深める手助けをします。
 論文の添削:AIシステムは生徒の論文をチェックし、論理的な構造や引用の正確さを評価し、改善点を提案します。
芸術・音楽:
 作品の分析:AIシステムは芸術作品や音楽作品を分析し、生徒が理解を深める手助けをします。
 クリエイティブな支援:AIシステムは生徒が独自の芸術作品や音楽作品を制作する際に、インスピレーションやテクニックの提案を行います。

これらのアプリケーションやプラグインは、教師の指導力を補完し、生徒たちがより効果的な学習経験を得ることができます。さらに、AI対話システムや派生システムは、教育環境全体をサポートするために以下のような機能も提供できます。

学習管理システム (LMS) との統合:
AIシステムは、学習管理システムと連携して、教師が生徒の進捗状況を追跡し、必要に応じて個別のサポートを提供できるようにします。
パーソナライズされた学習経験:
AIは生徒の学習履歴や能力に基づいて、個別の学習プランを作成し、学習効果を最大化します。
学習者のモチベーション向上:
AIシステムは、ゲーミフィケーションやインタラクティブな要素を導入し、学習者のモチベーションを維持します。
アクセシビリティの向上:
AIは、障害のある生徒や特別な学習ニーズがある生徒に対して、よりアクセシブルで個別化された学習経験を提供できます。

これらのアプリケーションやプラグインを導入することで、学校教育がより効果的で個別化されたものになり、生徒の学習成果が向上する可能性が高まります。ただし、AIシステムを導入する際には、データプライバシーやバイアスの問題に対処することが重要であることを念頭に置く必要があります。

2023年5月4日木曜日

生成AIの利用ガイドライン

5月1日に日本ディープラーニング協会(JDLA)が生成AIの利用ガイドラインを公開した。

会社や学校などの組織で生成AI(ChatGPT)を業務で利用する際のガイドラインのひな形となるもので,安心して利用を進めることができるようにというコンセプトで書かれている。ユーザが何らかのデータを入力して何らかの処理(保管,解析,生成,学習,再提供等)が行われ,その結果(生成物)を得る」という構造を前提として,(1) データ入力に際して注意すべき事項と(2) 生成物を利用するに際して注意すべき事項の2つの部分から成り立っている。

データ入力:
日本の著作権法30条の4の「情報解析」非享受利用のために,多くの場合情報入力が法的に問題となることはない。ただし,出力との関係で注意すべきだという組立になっている。
(1)第三者が著作権を有しているデータ(他人が作成した文章等)○
(2)登録商標・意匠(ロゴやデザイン)○
(3)著名人の顔写真や氏名○
(4)個人情報×△
(5)他社から秘密保持義務を課されて開示された秘密情報×
(6)自組織の機密情報△
×は法的に問題となるケース,△は法的には問題ないが,それ以外で問題となるケース,○は法的には問題ないケース

生成物:
(1)生成物の内容に虚偽が含まれている可能性がある
(2)生成物を利用する行為が誰かの既存の権利を侵害する可能性がある
  ①著作権侵害
  ②商標権・意匠権侵害
  ③虚偽の個人情報・名誉毀損等
(3)生成物について著作権が発生しない可能性がある
  ①画像生成AIの場合
  ②文章生成AIの場合
(4)生成物を商用利用できない可能性がある
(5)生成AIのポリシー上の制限に注意する

ということで,それぞれの項目については解説がついていて,各組織において判断をすることが必要となっている。

さっそく反論が出てきているので[1],これはそう簡単な話ではなかった。


2023年5月1日月曜日

ChatGPTの認知度

4月に入ると毎日のように生成系AIのニュースが新聞やテレビで流れている。テレビ東京がサム・アルトマンの独占インタビューを最初に流したのを別にすれば,玉石混交というかあいかわらずネットからつまみ食いしてフィルターをかけたものばかりだ。

3月中旬のGPT-4が登場した頃の各種調査では,2/3が知らない,1/4は聞いたことがあり,1割弱が使っているというような傾向だった。そこで,先週(4/17)の3回生中心の授業の際に生成AIに関するアンケートをMoodleのアンケートシステムを使って実施してみた。

ところで,学生さん達の情報源は新聞でもテレビでもなかった。それを伝えるネット上のニュース記事やSNSのようだ。各分野の専門家やブロガーのネット上の記事を大手マスコミの記者がとりあげてマスメディアのニュースにする。それがネット上のニュース記事となって拡散していくというルートができあがっているような気がする。

さて「ChatGPT/Bing chatのような最近のAI対話システムを知っていますか」という問いに対して,結果は,聞いたことがないが1/6弱,聞いたことはあるが使ったことはないが2/3強,使ったことがあるが1/6という結果になった。


図:ChatGPT認知度アンケートの結果

なお,問2では,画像生成AIについても聞いているが,こちらのほうは,聞いたことがないと聞いたことはあるが使ったことはないが半々だった。また,DeepLやGrammeryは半数以上が使ったことがあるかよく使っている。

なお,生成AIの教育利用の問題点としては,次のような認識だった。
(1) レポートや課題を自分の代わりに書かせてしまえること。 6
(4) ニセの情報や不正確な情報が正しいとして拡散すること。 6
(3) 個人情報や組織情報等をうっかりと提供してしまうこと。 4
(5) 特定の考え方に無意識に染まってしまう危険があること。 1
(2) AIとの対話にはまってしまいひきこもりが発生すること。 0

 まあこんなものかもしれない。

2023年4月30日日曜日

ルリアード(2)

ルリアード(1)からの続き

その後,arxiv.orgを調べてみたら,Ruliadのキーワードで引っかかる論文が2つあった。1つは本家ウルフラムの"The Physicalization of Metamathematics and Its Implications for the Foundations of Mathematics"である。

もうひとつは,SingularityNETのCEOのBen Goertzelによる"Reflective Metagraph Rewriting as a Foundation for an AGI "Language of Thought"だ。汎用人工知能(AGI)システムのために用いられる,シンボル,接地,変数,型,置換,パターンマッチを扱うための非常に基本的で一般的な機能を持つメタ言語として設計されたMaTTa(Meta Hyper Talk)が,Ruliadに対応するということらしい(OpenCog Hyperon AGI system 参照)。

さて,ウルフラムの論文の概要を要約して,GPT-4に突っ込んだところ次のような話だった。
Q:ルリアードに関するスティーブンウルフラムの論文の概要は次のようなものであった。『メタ数学も物理学も、すべての可能な計算のもつれ限界に対応するユニークなルリアッド構造の観測者によるサンプリングから生まれると仮定している。人間がアクセスできる高次の数学の可能性は、物理的観測者が物理空間を知覚することの数学的観測者にとってのアナログであると仮定される。数学の基礎に対する伝統的な公理的アプローチのバルク限界の物理化された分析が、形式化された数学のいくつかの例に対する明示的な経験的メタ数学とともに与えられる。メタ数学的運動、必然的二重性、証明トポロジー、メタ数学的特異点などの概念に関連する、物理化された数学の一般法則が議論される。現在行われている数学は、物理的世界の経験に類似した直接プラトン的な方法でルリアードから派生したものと見なすことができ、公理的定式化はしばしば便利ではあるが、数学の究極の性格を捉えるものではない、と主張する。この見解の意味するところは、ある特定の公理のコレクションだけが、人間の数学的観察者の必然的な特徴と一致する可能性があるということである。歴史的、哲学的なつながりや、数学の将来に対する基礎的な意味合いについての議論も含まれる』。これはどのように評価されるか。

A:スティーブン・ウルフラムのこの論文は、数学と物理学の関係を調査するために、ルリアード構造という新しい枠組みを提案しています。このアプローチは、数学と物理学が、あらゆる可能な計算のもつれから生まれる観測者によるサンプリングであると仮定しています。また、人間が高次の数学にアクセスする能力は、物理的観測者が物理空間を知覚することと数学的観測者にとって同等であると主張しています。

ウルフラムのこのアプローチは、数学の基礎に関する伝統的な公理的アプローチを超えて、数学の物理化された分析を提案しています。この分析は、形式化された数学のいくつかの例に対する明示的な経験的メタ数学とともに提供されます。物理化された数学の一般法則に関連する概念、例えばメタ数学的運動、必然的二重性、証明トポロジー、メタ数学的特異点などが議論されています。

この論文は、現在行われている数学が、物理的世界の経験に類似した直接プラトン的な方法でルリアードから派生していると主張しており、公理的定式化は便利ではあるが、数学の究極の性格を捉えるものではないと述べています。また、特定の公理のコレクションだけが、人間の数学的観察者の必然的な特徴と一致する可能性があるとしています。

評価に関しては、この論文は物議を醸すものであると言えます。一方で、ウルフラムのアプローチは数学と物理学の関係や数学の基礎に対する新しい視点を提供し、これまでの概念や枠組みを再検討する機会を提供していると評価されるでしょう。一方で、彼の主張は、証明や検証が困難であるため、批判的な意見も多く存在します。

また、歴史的・哲学的なつながりや数学の将来に対する基礎的な意味合いについての議論が含まれているため、この論文は数学者や哲学者から様々な意見や評価を受けることでしょう。ウルフラムの提案は、数学と物理学の境界を模索し、数学の基礎的問題に対する新たな洞察を試みています。このため、彼のアイデアは、革新的で刺激的であると見なされることが多いです。しかし、彼の主張が正確であるという確固たる証拠がまだ不足しているため、懐疑的な意見も存在します。

ウルフラムの論文は、数学の基礎に対する新しいアプローチを提案するだけでなく、数学と物理学の将来の研究に影響を与える可能性があります。彼のアイデアが正しいと証明される場合、数学と物理学の分野に革命が起こることがありますし、数学の理解や物理学の基本原理に新たな洞察がもたらされることが期待されます。しかし、そのような革命的変化が実現するまでには、さらなる研究や実証が必要であると言われています。

結論として、スティーブン・ウルフラムのルリアードに関する論文は、数学と物理学の関係や数学の基礎に対する新しい視点を提供しており、多くの議論と評価を呼び起こしています。彼のアイデアは革新的で刺激的であると見なされる一方で、懐疑的な意見も多く存在します。この論文が将来の研究にどのような影響を与えるかは、今後の研究や実証によって明らかになるでしょう。

大分誤解していた。ウルフラムは物理学の統一理論を目指したプロジェクト(The Wolfram Physics Project)を実行中だが,それから派生してきた概念のようだ。プラトン的な世界とは真逆な方向性を持った話だった。