2023年4月30日日曜日

ルリアード(2)

ルリアード(1)からの続き

その後,arxiv.orgを調べてみたら,Ruliadのキーワードで引っかかる論文が2つあった。1つは本家ウルフラムの"The Physicalization of Metamathematics and Its Implications for the Foundations of Mathematics"である。

もうひとつは,SingularityNETのCEOのBen Goertzelによる"Reflective Metagraph Rewriting as a Foundation for an AGI "Language of Thought"だ。汎用人工知能(AGI)システムのために用いられる,シンボル,接地,変数,型,置換,パターンマッチを扱うための非常に基本的で一般的な機能を持つメタ言語として設計されたMaTTa(Meta Hyper Talk)が,Ruliadに対応するということらしい(OpenCog Hyperon AGI system 参照)。

さて,ウルフラムの論文の概要を要約して,GPT-4に突っ込んだところ次のような話だった。
Q:ルリアードに関するスティーブンウルフラムの論文の概要は次のようなものであった。『メタ数学も物理学も、すべての可能な計算のもつれ限界に対応するユニークなルリアッド構造の観測者によるサンプリングから生まれると仮定している。人間がアクセスできる高次の数学の可能性は、物理的観測者が物理空間を知覚することの数学的観測者にとってのアナログであると仮定される。数学の基礎に対する伝統的な公理的アプローチのバルク限界の物理化された分析が、形式化された数学のいくつかの例に対する明示的な経験的メタ数学とともに与えられる。メタ数学的運動、必然的二重性、証明トポロジー、メタ数学的特異点などの概念に関連する、物理化された数学の一般法則が議論される。現在行われている数学は、物理的世界の経験に類似した直接プラトン的な方法でルリアードから派生したものと見なすことができ、公理的定式化はしばしば便利ではあるが、数学の究極の性格を捉えるものではない、と主張する。この見解の意味するところは、ある特定の公理のコレクションだけが、人間の数学的観察者の必然的な特徴と一致する可能性があるということである。歴史的、哲学的なつながりや、数学の将来に対する基礎的な意味合いについての議論も含まれる』。これはどのように評価されるか。

A:スティーブン・ウルフラムのこの論文は、数学と物理学の関係を調査するために、ルリアード構造という新しい枠組みを提案しています。このアプローチは、数学と物理学が、あらゆる可能な計算のもつれから生まれる観測者によるサンプリングであると仮定しています。また、人間が高次の数学にアクセスする能力は、物理的観測者が物理空間を知覚することと数学的観測者にとって同等であると主張しています。

ウルフラムのこのアプローチは、数学の基礎に関する伝統的な公理的アプローチを超えて、数学の物理化された分析を提案しています。この分析は、形式化された数学のいくつかの例に対する明示的な経験的メタ数学とともに提供されます。物理化された数学の一般法則に関連する概念、例えばメタ数学的運動、必然的二重性、証明トポロジー、メタ数学的特異点などが議論されています。

この論文は、現在行われている数学が、物理的世界の経験に類似した直接プラトン的な方法でルリアードから派生していると主張しており、公理的定式化は便利ではあるが、数学の究極の性格を捉えるものではないと述べています。また、特定の公理のコレクションだけが、人間の数学的観察者の必然的な特徴と一致する可能性があるとしています。

評価に関しては、この論文は物議を醸すものであると言えます。一方で、ウルフラムのアプローチは数学と物理学の関係や数学の基礎に対する新しい視点を提供し、これまでの概念や枠組みを再検討する機会を提供していると評価されるでしょう。一方で、彼の主張は、証明や検証が困難であるため、批判的な意見も多く存在します。

また、歴史的・哲学的なつながりや数学の将来に対する基礎的な意味合いについての議論が含まれているため、この論文は数学者や哲学者から様々な意見や評価を受けることでしょう。ウルフラムの提案は、数学と物理学の境界を模索し、数学の基礎的問題に対する新たな洞察を試みています。このため、彼のアイデアは、革新的で刺激的であると見なされることが多いです。しかし、彼の主張が正確であるという確固たる証拠がまだ不足しているため、懐疑的な意見も存在します。

ウルフラムの論文は、数学の基礎に対する新しいアプローチを提案するだけでなく、数学と物理学の将来の研究に影響を与える可能性があります。彼のアイデアが正しいと証明される場合、数学と物理学の分野に革命が起こることがありますし、数学の理解や物理学の基本原理に新たな洞察がもたらされることが期待されます。しかし、そのような革命的変化が実現するまでには、さらなる研究や実証が必要であると言われています。

結論として、スティーブン・ウルフラムのルリアードに関する論文は、数学と物理学の関係や数学の基礎に対する新しい視点を提供しており、多くの議論と評価を呼び起こしています。彼のアイデアは革新的で刺激的であると見なされる一方で、懐疑的な意見も多く存在します。この論文が将来の研究にどのような影響を与えるかは、今後の研究や実証によって明らかになるでしょう。

大分誤解していた。ウルフラムは物理学の統一理論を目指したプロジェクト(The Wolfram Physics Project)を実行中だが,それから派生してきた概念のようだ。プラトン的な世界とは真逆な方向性を持った話だった。

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