人間の体を3つの線質量要素で表現し,上半身と下肢の角度をそれぞれ変数として導入したラグランジアンを考えている。このとき,これらの身体の角度については,何通りかのあらかじめ定められたモデルの周期運動だとしている。遊具のブランコは、ブランコ本体とそれを揺らす人間からなる動的な結合振動子系である。本研究では、上半身の自然な動きの初期段階がブランコの連続的なポンピングに与える影響を分析するモデルを提案し、3種類の長さのブランコで10人の参加者が実際にポンピングした際の運動データを用いて検証する。研究の結果から、スイングが垂直位置(中点)にあり、振幅が小さい時に前方へ移動する際、最大リーンバックの初期段階が発生し、最大振幅のポンピングが予測された。振幅が大きくなるにつれて、最適な初期段階はサイクルの初期段階、すなわちスイングの軌道の後端に向かって徐々に移動する。モデルの予測に従って、参加者全員が、スイングの振幅が大きくなるにつれて上半身の動作の初期位相が早くなることが確認された。この結果から、スイングする人は、上半身の動作の頻度と初期位相を適切に調整することで、ブランコを効果的にポンピングすることができると考えられる。
現実に近いのだけれど面倒なモデルなので今一つピンと来ない。そこで,人体を振り子につながって距離が固定された2質点で表し,その間で周期的な質量移動をすることでスウィングするというモデルを考えてみた。質量移動は,位相と角振動数の2つの変数で制御できる。速度に比例する減衰振動のある単振子をこの質量移動で励振するというものだ。
Do[s0 = Pi/6*0; w0 = Pi; m1 = 1; m2 = 1;λ = Pi/12; ν = 0.05/Pi; ε = 0.95 + i*0.01; δ = Pi/8*0;m[t_] := (m1 + m2)/20 * Cos[ε w0 t + δ];sol = NDSolve[{(m1 + m2) s''[t] == -w0^2 *( (m1 + m[t]) * (Sin[s[t] + λ + ν * s'[t])+ (m2 - m[t]) * (Sin[s[t] - λ + ν * s'[t])),s[0] == s0, s'[0] == 0}, s, {t, 0, 60}];s /. sol[[1]];f[t_] := s[t] /. sol[[1]];g[t_] := s'[t] /. sol[[1]];h[i] = Plot[f[t], {t, 0, 30}, AspectRatio -> 1/2,PlotRange -> {-0.6, 0.6}, PlotStyle -> Hue[0.08*i]],{i, 0, 7}]
もとの振動子の初期位相は s0 であり,固有角振動数は w0 (=√g/ℓ),2質点の距離は角度 λ で表現している。速度に比例した減衰係数は ν,質量移動の角振動数と固有角振動数の比が ε,質量移動の位相のズレが δ である。以下の図は,ε = 0.95 + i*0.01 としたもの(上)と,δ = Pi/8*i; としたもの(下)である。固有角振動数比が 0.97のときが最も励振が大きく,2%ふえるだけで減衰に移行してしまう。
図:振幅の質量移動振動への依存性,振動数(上)と位相(下)
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