2026年7月14日火曜日

グロテスクな光景

なぜ私は・・・からの続き



図:支配の宴と血統の監視


(注)パッへルベルのカノンでも流しながらお読みください。


絶滅しそうな朱鷺の繁殖をどうするかを議論するような口調で,当事者たちの人権を愚弄するようなことがらが平気で語られている。これが戦前の旧皇室典範ならば,臣民(帝国議会)には口出しなど出来なかった。菅野完の言葉をお上品に意訳すれば,家族の生殖の問題を他人がよってたかって決めようとしているという構図だ。

36-38親等も離れた赤の他人を連れてきて,30年後に見直すという設計の本質は,現在の愛子人気を完全に封じ込めて問題を先送りすることにある。これにまつわって騒いでいる自民党や維新の連中の突き刺さるような言葉を,問題の当事者たちがどんな気持ちで聞いているのかを想像するだけで気が滅入る。

そもそもは,基本的人権とは矛盾する日本国憲法第一章に問題がある。しかし,日本は共和制を採用できるほど成熟していない。だぶんこれからも。これまでは,明仁・美智子や徳仁・雅子が日本国憲法の精神である平和主義にもとづく追悼と慰霊を続けることで,かろうじて象徴天皇制が維持されてきた。それが根底から覆されるのだ。

衆議院本会議のたった3時間余の議論では,与党によって2600年の万世一系というフィクションが声高に語られる。NHKは百地章という宗教右派のデマゴーグを男系男子派識者として扱い,天皇が発した「国民の総意」という言葉を今ごろになって報道している。委員会でまともな反論をしたのは選挙で惨敗した日本共産党だけだった。

なぜここまで性急に話を進めているかといえば,他の政策群と並べると一目瞭然だ。国家情報局の創設,スパイ防止法,国旗損壊罪,防衛ガイドラインと安全保障三文書の改訂,この先には憲法改正が待つだけだ。さらには,国立大学や研究機関の中に防衛秘密研究拠点を作り,無条件な盗聴によって国民の通信の秘密まで侵害可能にしようとしている。

そう,戦争を始めるには,現在の天皇家のスピリットは邪魔なのだ。だから昭和百年カラオケ大会でも天皇の発言は封じられた。そして,為政者が皇位継承に介入し操作可能な新たな天皇にすげ替えるというわけだ。ヘイトスピーチにあふれ,社会の様々な矛盾に口出しできず,階級分裂が進んだ権威主義シン・日本帝国の戦時体制を目指して一直線。

冷静に考えれば,人口が減少し,高齢化が進行し,インフラの寿命が尽き,経済基盤が破綻しつつあるこの国で,戦争ごっこにリソースを費やす余裕はない。それにもかかわらず,高市というトリックスターを利用して,支配階級だけの生存を企図する歯車が回りはじめた。


P. S.  久しぶりに,生成AIにたよらずに「自分で」書いた。いや,「自分の」考えというのはすべて,どこかで見聞きした断片をつなぎ合わせたものに過ぎない。その選択と配列に自分のオリジナリティがほんのわずかだけ宿る。つまり,自分も生成AIの一種なのかもしれない。

P. P. S.  ChatGPTにかけると山のようにダメ出しされそうな文章である。生成AIまで国家管理される時代には,表現の自由までもが完全にコントロールされてしまうのだろうか。そして,自分で文章を書くということは伝統手技扱いされてしまう。

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