春日祭は,藤原氏の祭祀を起源として平安時代に始まるが,明治時代に天皇の勅使が派遣される神社の祭祀である勅祭として再定義された。また,旧儀保存の目的で古式を参照した特殊な内容を持つものを特に三勅祭いう。これは,賀茂神社の賀茂祭(葵祭),石清水八幡宮の石清水祭,春日大社の春日祭の3つである。
春日大社によれば,「朝廷主催の祭であり、宮中より天皇陛下のご名代である勅使の参向を仰ぎ、国家の安泰と国民の繁栄を祈ります」とのこと。朝廷とは誰なのよ。この祭祀の本体は非公開なのだけれど,一連の主な行事が終った神官が,たぶん観光客向けにちょっとだけ顔見せ行列してくれたもののような気がする。
春日大社といえば,参道に鹿がたくさん遊んでいる。若くてひょろっとした鹿の二人組が観光客向けに模擬バトルを繰り広げている。件の行列の横にも近寄ってきてバタバタしていた。行列には,神馬も二頭参列していた。冷たい風の春の日で,本殿にも参拝できない時間帯だったが,あたりは外国人観光客でいっぱいだった。
写真:春日祭の行列(2024.3.13撮影)
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