「修羅(1971)」は「薔薇の葬列(1969)」に続く松本俊夫(1932-2017)の監督・脚本の映画作品であり,大学時代に劇場でみた。彼の作品では桂枝雀(1939-1999)主演の「ドグラ・マグラ(1988)」もおもしろそうだったが,残念ながらこちらはまだみていない。
「修羅」の原作は,鶴屋南北(1755-1829)の「盟三五大切(かみかけてさんごたいせつ)」であり,中村嘉葎雄(1938-)が薩摩源吾兵衛,三条泰子(1940-)が小万の役だった。その三条泰子がとてもきれいに思えたので,帰省したとき母にいうと,なんか怪しい映画に出ている人じゃないのと切り替えされた。今,調べてもほとんどそういうことはないのだけど。
その薩摩源吾兵衛は,「盟三五大切」の元になった並木五瓶の「五大力恋緘(ごだいりきこいのふうじめ)」にも登場し,「国言詢音頭」の初右衛門に対応している。これらのもとになったのは,元文2年(1737)夏,曽根崎新地で薩摩藩の早田八右衛門という人物が,曽根崎桜風呂の菊野ら五人を切り殺したという事件だ。
ということで,大学時代に見ていた「修羅」が,文楽入門のきっかけとなった40年後の「国言詢音頭」につながっていた。
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