フラッグシップ大学(1)からの続き
教育再生実行会議は,安倍内閣の閣議決定による私的諮問機関であり,このような装置を用いて教育政策が恣意的に進められてきた。その第十一次提言が「技術の進展に応じた教育の革新、新時代に対応した高等学校改革について(第十一次提言)(令和元年5月17日)」である(参考資料)。
これを受けて,中央教育審議会初等中等教育分科会教員養成部会教員養成のフラッグシップ大学検討ワーキンググループが最終報告をまとめた。その概要は,冒頭で次のように紹介されている。
☆Society5.0時代に対応した,教員養成を先導するフラッグシップ大学(例えば教員養成の指定大学制度等)を創設する。つまり,フラッグシップ大学が具体的に何をすることが求められているのかというと,「Society5.0時代にふさわしい教員養成カリキュラムの研究開発(教科横断的なSTEAM教育・プログラミング 教育,AIやビッグデータ等に対応した特別の授業内容、指導方法等)」であり,普通だと概算要求プロジェクトとして公募をかけるような案件だ。
☆ STEAM教育や,児童生徒がICTを道具として活用することを前提とした問題発見・解決的な学習活動等についての高い指導力を 有する教員の育成を促進する。
それが,新しいカテゴリーの大学をつくる(期限付きのようだが)ような話に持ち込んでいるのは,これをテコとして教員養成系大学の再編統合やコントロールにさらに手を突っ込みたいという文部科学省の意志の表現だと思う。もっとも,これまでもずっとそのための誘導政策は進めてきているが,肝腎のところで文科省の根性が足りないため,10年以上もずるずるとひっぱってきたわけだ。
あいかわらずのナンダカナー案件だが,いちおう行方は気になっている。
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