OECD生徒の学習到達度調査(PISA)は3年ごとに本調査が実施されている。このほど,PISA2018の結果が公表された。利害関係者の皆様は,戦々恐々としてこの餌に飛びつこうとしている。長期トレンドは平坦でありあまり変わっていないというのが結論のはずだが,変化分を強調して見たい向きからすれば,読解力が落ちたというのがセールスポイントになるのだろう。
読解力に関しては,6段階のレベルの上位層は前回とあまり変わらないが,中位層が減って,下位層が増えているようだ。「評価し,熟考する」能力については、2009年調査結果と比較すると,平均得点が低下しており,特に,2018 年調査から追加された「質と信ぴょう性を評価する」「矛盾を見つけて対処する」の正答率が低かった。とのことであり,そりゃあ桜を見る会を巡るこの間のグダグダな日本のマスコミと政府を見ていれば宜なるかなだろう。
一部コンピュータ型調査であることと学校におけるコンピュータ使用率の低さと絡めた議論にしたがる勢力もありそうだが,それはそれ,これはこれ。むしろスマートフォンによる断片的コミュニケーションや離散的情報取得に完全に適応しているネイティブICT人類についての分析の方が必要なのではないだろうか。
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