2019年1月3日木曜日

1月1日はパブリックドメインの日

毎年の1月1日はパブリックドメインの日Public Domain Day)になっている。著作権の保護期間が暦年区切りで設定されているため,1月1日になると前年末で著作権の保護期間が終了した著作物が,パブリックドメインになったことを祝うのがその主旨である。

ところが,今年の元旦は,昨年の12月30日に環太平洋連携協定(TPP)が発効したために,改正著作権法にある著作権の保護期間が作者の死後50年から70年へという保護期間の延長部分がスタートした。これにより,今後20年は新たな主要なパブリックドメイン著作物が現れないことになる。

TPP諸国の中では,著作権などの知的財産権保護の強化を積極的に推進してきたのが米国だったので,トランプの政策変更によって米国がTPPを離脱したときには,少し安堵の空気が拡がった。ところが,わけの分からない理由で日本はこの著作権保護期間延長の炎の中に自ら進んで飛び込んでしまった。次の記事(国民を無視して進む「合理性なき著作権保護期間延長」)にこのあたりの事情が詳しく説明されており,必読文献である。

また,著作権の消滅した本を集めたインターネット上の電子化図書館である「青空文庫」からのお知らせ「そらもよう」にも,2018年の12月31日に富田晶子さんから,また,2019年の1月1日には檄文が,寄せられている。著作物の適正な再利用の促進を目的としてCCライセンスを普及させている「クリエイティブ・コモンズ・ジャパン」は,2018年の12月30日にツイッターでメッセージを出している。


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