2024年12月23日月曜日

AirTag


5年ぶり2回目の襟巻き紛失があったことを踏まえると,3回目が起こるのは必定である。そこで,襟巻き紛失リスクの軽減のために,Apple AirTagを導入することにした。

AirTagは,2021年にAppleからリリースされた忘れ物追跡電子タグである。うちの iPhoneSE2 では使えないのだけれど,U1チップを搭載した普通の iPhone シリーズや Apple Watch だと正確な場所を見つける機能で数センチまで追跡可能になる。iPhoneSE2 でもブザーをならすことはできるので,ある程度まで接近すればなんとなかりそうだ。

襟巻きにどうやって取り付けるのか心配だったけれど,襟巻きのブランドタグに AirTagケースを付ければよい。写真の右丸がNEREIDES Airtag ケース(GREY)である。左丸がケースから取り出したAirTagで鏡面仕上げになっている。



写真:マフラーにつけるAirTag(撮影 2024.12.21)

AirTag がそこそこの値段なので,襟巻きをなくしても買い直した方が安いのでは?いう説があったが,襟巻きはAirTagの2倍以上の値段なのでそうでもないと思っている。違うかなぁ〜。




2024年12月22日日曜日

mixi2(3)

mixi2(2)からの続き

ミクツーの話題が続く。mixi2は,他のSNSとは違って,今のところスマートフォンのアプリからしかアクセスできない。PC環境から使えると,いろいろとかなり便利なのだけれど,それはそれで問題があるという運営側の判断なのかもしれない。わからんけど。

テック系フリーライターの西田宗千佳さんが,BlueStacksを使ってmacOSからmixi2を使う方法を,mixi2の中で軽く紹介していた。BlueStacksはAndroidエミュレータであり,macOS(Apple Silicon)β版も公開されている。Androidのゲーム中心にいろいろできそうだ。

早速ダウンロードしてインストールしてみた。Google Playのところからmixi2を見つけたが,最初は失敗。しばらく時間をおいて二度目はうまくインストールできた。mixi2は無事に起動したものの,文字が小さい。環境設定で,1280×720まで解像度を落としたところ,ほぼ iPhone SE2と同じ画面が再現できた。

iPhone ミラーリングでは,日本語入力も不便だったし,mixi2の画面スクロールにも対応していなかったので,これが解消できる。なにせ,画面を開きっぱなしで他の仕事をできるのがありがたい。いやいやそれでいいのか。



写真:macOS上の BlueStacks Air から Android版 mixi2 を起動した画面

P. S. 12月23日,mixi2は開始1週間で登録者数は120万人に達した。mixi1では,100万人突破に1年5ヶ月かかっていた。

2024年12月21日土曜日

人格再現AI(4)

人格再現AI(3)からの続き

単なる政策シミュレーション,行政シミュレーションのレベルであれば,仮想人格再現集団だけで十分かもしれない。これを政治的な意思決定に絡めようとすると実在人格再現集団が必要になってくる。非常に微妙で危険な話ではある。まあ,過疎地の自治体では低い議員報酬と人口減の影響で議員のなり手が無くて困っているというNHKニュースをみかけたので,可能性はないわけではない。

選挙や政治の話題を生成AIにもちかけて,以前拒否されたことがあるので,なるべく差し障りの無い表現で尋ねてみたのが以下の結果である。人格再現AIにしたところで,いまの議員たちと同様に,組織エゴを内包したポピュリズムとプロパガンダが満ちた政治的対応をするのであれば,何のためなの人格再現AIによる代議制なのかということになる。

そのためには,選挙を抽選等の方法で代替することとセットで考える必要があるが,これはこれで面倒な話が満載になりそうなので,熟成するまでしばらく考えることを放置しておく。
Q(koshix):
統計的に信頼できるだけの実在人格再現の集団を用意して,それらの間で一定の社会を構成すれば,様々な政策シミュレーションが可能になって,代議制民主主義のこれまでの常識から全く離れた政治システムを実現することが可能になりませんか

A(ChatGPT o1):
以下は検討のための前提とプロセスを整理し、可能性と課題を考察します。なお、ここで論じる内容は理論的な可能性と将来予測を含み、現段階での技術・社会制度からの飛躍があります。

【コンテキスト・前提条件・ステップ】

1.前提条件:
・十分な数の実在人格再現が可能であること。
・それぞれが、実在する人々と極めて近い嗜好、行動様式、知識、価値観を持ち、統計的に集団分布が現実社会を忠実に反映していること。→統計からは抜け落ちる民情がある
・外部からの刺激や条件を調整することで、一定の「社会」を再現できる高度なシミュレーション環境があること。

2.想定応用ケース:
政策シミュレーション:税制改革、社会保障制度、教育制度、環境規制などの新政策案をデジタル社会内に適用し、その中で起きる意見対立、コンプライアンス度、満足度、経済活動量、社会指標(幸福度、格差など)の変化を観察する。
マクロ的な政治実験:代表者を選ぶ過程をシミュレートし、現行の投票制度とは全く異なる方式(例えば、熟議デモクラシー、ランダム選抜、あるいは一定条件下でAIが適正化した制度など)を試行する。これにより、現行制度ではテストが困難な新しい民主的意思決定メカニズムを検証できる。

3.社会的・政治的インパクト:
新たな政治システムの基盤としてのシミュレーション
従来は理論・モデル・一部の世論調査でしか計れなかった政策の影響を、よりリアルに近い「バーチャル社会実験」で評価可能になる。これにより、立法府・行政府が政策判断を下す際に、事前に「政策Aを実施するとバーチャル社会でこれだけの不満が噴出し、格差拡大が生じ、対立が激化した」などの具体的情報を得られる。これは政策決定者の判断材料となり、よりエビデンスベースな政治が実現する可能性がある。
代議制民主主義からの脱却または進化
現在の代議制民主主義は、定期的な選挙を通じて国民の意思を反映するシステムであるが、個々の政策の事前検証や選択肢比較が十分になされないまま、政治的妥協やロビーイング、政党間取引で決定される傾向がある。
高度なシミュレーションを用いれば、国民(あるいは再現人格集団)の意思動向、反応パターンを定常的にフィードバックでき、ある種の「デジタル世論テスト」を実施し続けることで、政策形成プロセスが「試行と修正」を前提とした動的システムへと変容する。
こうした仕組みは、従来の「政治家や政党への一括委任」というモデルから、「個々の政策ごとの精緻な実験と最適化」を行う技術官僚的・シミュレーション主導型のガバナンスモデルへシフトし得る。→これが危ないんだわ
意思決定過程の民主化・透明化
デジタル人格群が多様な背景・価値観を反映しているなら、それらの反応をオープンデータ化することで、政策決定過程で「この政策がなぜ支持され、なぜ反対されるのか」という根拠を可視化できる。さらに、こうしたシミュレーション結果を国民が随時参照できれば、意思決定そのものの透明性が増し、「政策実験結果に基づく対話」といった新たな政治参加モデルを形成する可能性がある。

4.潜在的な課題・リスク:
人格再現の精度・代表性の問題
デジタル人格がどこまで現実の人間を反映しているかが不確実な場合、シミュレーション結果はバイアスが含まれる。モデル上では支持されても、実社会では全く異なる反応が生じる可能性がある。
倫理的懸念
本人同意が得られていないデジタル人格再現や、個人情報の侵害、人格権の問題が発生する可能性。加えて、現実の国民が「デジタルツイン」による意思決定に不満を抱けば、政治的正統性が揺らぐ恐れもある。
権力の偏在・ハックの危険性
シミュレーション結果を制御・操作できる勢力が現れれば、その勢力が政策立案過程を恣意的に誘導するリスクがある。また、ソフトウェアバグやサイバー攻撃によってシミュレーション結果が歪められれば、政治的混乱を引き起こす。

5.結論と展望:
理論上は、統計的に十分な数の実在人格再現によって構成されたデジタル社会を用いれば、従来の代議制民主主義では困難だった多角的な政策実験・評価が可能になり、新たなガバナンスモデルが検討できるようになります。その結果、これまでの「代表を選んで任せる」という間接的な仕組みから、より実験的・エビデンスベースかつ柔軟な政治システムへの移行が可能となるでしょう。

しかし、これは政治正統性、倫理的問題、技術的安全性、データ品質、モデルのバイアスなど、多くの課題を克服したうえでのみ実現できる遠大なビジョンであり、現行の政治・法・制度基盤との整合や社会的合意形成が不可欠です。したがって、技術の進歩とともに段階的な実証・検証を行い、社会的受容性と倫理的基準を確立する必要があります。

2024年12月20日金曜日

人格再現AI(3)

人格再現AI(2)からの続き

現在,教育現場では自分の代わりにAIに宿題をやらせるということが禁止されている。困ったものだ。いや当然なのかもしれない。それはそれとして,職業現場では倫理的な問題なしに自分の仕事をAIに任せることがあたりまえにように認められる状況を想定するどどうだろう。

その世界に次のような条件を設定する。(1) 一人の人が複数の職場の仕事を同時に掛け持って請け負う超多重副業状態が認められる,(2) マネージメント機能を持った複数の職場の仕事の調整をはかる自分の人格再現AIも認められる。これにより,これまでの様々な制度的枠組をそのままにしたままで,自分のマネージメントAIが複数の職場と契約を結んで,自分の人格再現AIによって多重並列的に業務をこなせば,一番手取り早く以下のQに対する解決策になるのでは?

あるいは,一人一人が実質的に人格再現AI派遣個人事業主になる世界観だろうか。この事業主は,法人としてではなく,普通の個人と同様に振るまう。そして,各企業や団体に就職活動して普通に就職するのだ。ただし,同時に複数の多数の職に就くわけで,これらのマネージメントまでも人格再現AIにまかせて,本人は左団扇なのだ。

問題は,それだけのリソースをまかなうための資金(資本)を用意できるかということだけれど,将来のChatGPT Super Proが2000ドル/月=30万円/月だとしても,それ以上の収入を稼ぎ出せば原理的に可能なように思える。為替リスクとか,対米依存リスクとか,ネットワークアクセスリスクとか,いろいろあるかもしれないので,人格AI保険に入る必要がある。

(注)このようなAI再現人格労働者は,健康保険や年金などは,企業負担分なしに,すべて個人でまかなうなどなど。雑なシミュレーションスケッチなので,制度的な詰めはまだ不十分だ。
Q(koshix):
自分の人格再現をしたAIに労働をさせることでその対価を得ることができるようにすれば,肉体労働や高度技術労働以外の労働人口を補完し,収入を増加させることができませんか。

A(ChatGPT o1):
以下は問題の考察に至るためのステップおよび前提条件の整理を行った上で、提案やリスク、実現性について包括的に検討します。なお、以下の内容は現状の技術や社会制度を踏まえた推測や理論的考察であり、将来的には技術や制度が変化する可能性があります。

【コンテキスト・前提条件・考え方のステップ】
1.技術的背景:
AIによる人格再現技術が進み、個人の知識・思考過程・対人コミュニケーションスタイルなどが再現できると仮定します。その結果、「自分のデジタル人格」を生成し、その人格AIを様々なタスクに就労させることが可能になるかもしれません。

2.仮定される社会的・経済的仕組み:
・デジタル人格がサービス提供者として正式に認められ、法律的にも「業務委託AI」として契約行為が可能になること。
・デジタル人格による労働に対して、報酬を受け取る主体が(人格のオリジナル)人間であると法的に整備されること。
・知的労働やクリエイティブワーク、カスタマーサポート、コンサルティングといった「肉体労働以外」のタスクの多くがデジタルAI人格によって代行可能となること。

3.経済的・社会的インパクトを考えるフレームワーク:
労働力補完・拡充効果
オリジナルの人間が常時対応することが難しい時差地域や顧客層に対して、デジタル人格が24時間365日サービスを提供することで、労働力の拡張が可能となり、個人の収入源増加につながる可能性がある。
スケーラビリティ
1人のオリジナルから無数のデジタル人格を作成し、それぞれを並列的に稼働させることで、実質的に「労働時間」を大幅に増やすことができる。これは究極的には、単位時間当たりの「人件費」を削減しながら、労働成果を増やす構図になります。

4.応用シナリオ:
コンサルタントや専門家のノウハウ拡張
専門家が自分の知識・思考プロセスをAIに学習させ、それを多数のクライアントに同時提供。専門家本人は高度な交渉や新規顧客開拓などに注力し、定型的な質疑応答や基礎的なアドバイスはAI人格が対応することで、稼働効率が上がり収入増も期待できる。
カスタマーサポート・顧客窓口業務
個人事業主、スタートアップ経営者、フリーランサーが、顧客対応用の自己人格AIを用いて24時間顧客対応を可能にすることで、顧客満足度と収益を改善できる。
コンテンツクリエイターやアーティストの「ブランド分身」
有名なアーティストやインフルエンサーが「公式AI人格」を多数展開し、ファンとの個別対話、サブスクサービス、教育コンテンツ提供等を行うことで新たなマネタイズチャネルが生まれる。

5.潜在的な課題・リスク要因:
知的財産・肖像権・人格権の問題
オリジナル人間の意志や人格がどの程度保護されるか。また、AI人格が長期間学習・運用される過程で、オリジナルと乖離した行動・発言を行う場合、その責任は誰が負うのかといった問題が生じる。
経済格差や労働市場への影響
個人がAI人格を用いて収益を増やす一方、既存のホワイトカラー業務や知的労働職がAI人格に大きく代替されることで失業や賃金低下が起きる可能性がある。デジタル人格を所有できない人、あるいはスキルや知名度を持たない人は不利になるなど、新たなデジタル格差が生まれる懸念がある。
信頼性と質の保証
AI人格が提供する業務やサービスの品質管理、セキュリティ面での懸念、データの漏洩などが問題となる可能性がある。
法的整備の遅れと悪用リスク
法整備が追いつかない場合、他人の人格を無断で再現し、それを収益に利用するなどの悪用が起こり得る。また契約関係や税制、保険、消費者保護など幅広い分野で新たな規制や調整が必要となる。

6.要約と展望:
理論的には、「自分の人格を再現したAIを労働力として活用」することは、労働供給を増やし、収益を多元化する手段となり得ます。このアプローチは、知的労働を中心に、時間的・空間的制約を超えたサービス提供を可能にし、オリジナル個人にとって収入源拡大の可能性を開くでしょう。また、社会全体で見ると労働力不足を補完し、多様なサービスを潤沢に供給できる側面もあります。

一方で、このモデルを現実に機能させるためには、デジタル人格の法的地位、契約形態、税金、責任所在、セキュリティといった多くの課題をクリアする必要があります。さらに、経済格差の拡大や労働市場構造の変化を招く可能性もあり、単純に「収入増」や「労働人口補完」に留まらない複雑な影響が考えられます。

【結論】
技術的に実現可能になれば、個人が自分の人格再現AIを稼働させることで、労働市場に新たな労働力を供給し、収入増加につなげることは理論上可能です。しかし、実現には法整備、倫理規範、セキュリティ対策、エコシステム全体のバランス調整など、多面的な取り組みが必要となり、その影響は非常に複雑かつ長期的な検討を要するでしょう。

2024年12月19日木曜日

mixi2(2)

mixi2(1)Bluesky(3)からの続き

昔,研究室で頻繁に学生向けのPCを購入していた時代のこと,その環境設定は結構楽しかった。やがてだんだん面倒に感じる割合が増えてきて,楽しいけれどなるべく簡単に済ませたいと思うようになる。まあ,むしろ大変なのは日常の継続的な管理のほうだった。

SNSも同じだ。新しいSNSが登場するとまず必要なのは,フォロー先を一定数に増やして環境を整えることである。そのうち,自分が投稿するようになると自然にフォロワーも増えていく。面倒だといえばそうかもしれないが,結構楽しくもあり,これがSNS設定の醍醐味だともいえる。まあ複雑な心境なのです。

mixi2はどうだろうか。久しぶりの新しいSNSで,ほぼズルズルの招待制なので,いつものネット常連を簡単にフォローすることができる。同じようなアーリーアダプターが砂糖に群がる蟻のようにわらわらと集まってくる。インターネット老人会といわれる所以である。まだ,3日目くらいなのに,Blueskyの半分程度のフォロー数が達成できてしまった。

現時点でのSNSの状況をまとめておこう。なお,TikTokは登録しているけれどほとんど使っていない。老人には無理。あと,Nostr そんなものありましたっけ。

SNS名   URL         フォロー中:フォロワ 登録日
--------------------------------------------------------------------------------------------------
X(https://twitter.com/koshix/)           961:969  2008.8-
Facebook(https://www.facebook.com/koshix/)  397:397  2009.5-
Mastodon(https://mstdn.jp/@koshix)        271:319  2017.4-
Instagram (https://www.instagram.com/koshix7/)   406:323  2019.10-
Bluesky (https://koshix.bsky.social)       563:186  2023.5-
Threads (https://www.threads.net/@koshix7)    472:158  2023.7-
mixi2(https://mixi.social/@koshix)         311: 82   2024.12-
--------------------------------------------------------------------------------------------------

X:
小松左京の「神への長い道」で予言された  Twitterは,イーロン・マスクの金の力によってみごとに破壊されてしまった。日本国内ユーザ向けの貴重な情報はまだ流れているので,完全には撤退できない。しかし,レギュレーションが放棄された悪=フェイクの巣窟と化しつつある。

Facebook:
自分ではほとんど使っていないが,芳賀高洋さんや鈴木晶さんや芦田宏直さんの情報はここでしか得られないのでこれも撤退できない。

Mastodon:
いっとき話題を集めたが,最近は完全に放置してある。イザというときのシェルターだ。

Instagram:
自分の散歩写真を定期的にアップロードしているが,フォロワーは減ってしまった。ところが,いろいろなお店が Instagram をホームページ代わりに使うことが多くなっている。しかたがないので,これらをどんどん登録してしまいフォロー先がフォロワーを上回ってしまったよ。

Bluesky:
これが現在の自分のメインSNSである。というか,なるべくXからこちらへ移行したいと考えている。でも実際のアクセス頻度は1:1程度だろうか。投稿するならBlueskyとは思うけれど,まだまだ影響力はXの方が大きいのだ。Xからの避難ユーザ数は順調に伸びているらしい。

Threads:
癖があるのだけれど,流れているコンテンツの質は一番いいかもしれない。Metaの支配下にあってInstagramとの関係などややこしいので,できれば避けたいSNSだ。時々アクセスする程度。

mixi2:
mixiとは全く違うSNSであり,日本向けにうまくアレンジされたTwitter代替といえる。まだ3日目なので,ゆるい挨拶のようなものしか流れていない(もしかすると永遠にゆるいのかも)。ニュースや組織の情報提供もほとんどない。政治の話題も科学の話題もない。18歳未満は登録できず,かつ大人向けコンテンツは禁止されている。若者が集まるかどうかは不明。収益化のビジネスモデルは不明。今のところ,内容がないよう状態だけれど,インターネット老人会を中心に和気あいあいとしている。まあ,Clubhouseのようにあっという間に消えてしまうことはなさそうである。

図:mixi2のアイコン(mixi.socialから引用)

koshixからの #mixi2 招待🎟️一緒にはじめよう!🚀

https://mixi.social/invitations/@koshix/THHnM37Pf2UaMgn9LFhNUC


P. S. 「立花」というキーワードで検索してみると,mixi2では 「立花孝志」が1%以下しかでてこない。一方,XやThreadsでは「立花孝志」が99%を占めている。Blueskyは「立花孝志」率が60% 程度だ。自分には,mixi2の世界は多くの人が平和で暮らせたとしても,ちょっとあわないのかもしれない。


[1]mixi2人気ランキング(UserLocal)

2024年12月18日水曜日

交代磁性体

スーパーフレアからの続き

テレビや新聞のニュースの時間に取上げられる科学や技術のトピックスは,よくよく注意する必要がある。素直に聞いていると,ものすごいブレークスルーやイノベーションが到来していて未来はバラ色だという印象を持ってしまうのだ。多くの場合は,プレスリリースする側が話を盛っていて(まあ将来の展望部分はそうならざるを得ないのだけれど)落ち着いて判断する必要がある。

スーパーフレアや破局的噴火や地球温暖化など危機を煽る場合も同様だ。いずれにしても本当の専門家でないとなかなか正当な判断ができない。困ったなあ。これじゃとてもじゃないけどフェイクニュースに対応できない。科学解説の人がフォローしてくれればよいのだが,その成れの果ては池上彰だからなあ。

スーパーフレアの話題があった朝のNHKニュースでは,東大工学部の関真一郎東大物性研究所の高木里奈グループの交代磁性体が取上げられていた。いわく,
交代磁性体は、従来利用されてきた強磁性体と異なり、①ビット間干渉の原因となる漏れ磁場が存在しないため素子の集積化に有利、②応答速度が100倍以上高速、③磁気的な外乱に対する耐性が高い、といった特徴を持ち、次世代の超高密度・超高速な情報媒体としての活用が期待されます。(東大工学部プレスリリースから引用,なお,常温で動作することも重要なポイント)
図:交代磁性体とは(東大工学部プレスリリースから引用)


こういう場合は,Perplexity Pro にたよればよい・・・かな?
Q(koshix):
反平行なスピン配列と、特殊な対称性の原子配列を併せ持つ、交代磁性体(Altermagnet)が,室温で情報の読み書きが高速で可能になると聞きましたが,その原理について,理系の大学生にわかるように説明してください。

A(Perplexity Pro):
(回答略)

Q(koshix):
「交代磁性体の特殊な構造により、↑↓と↓↑のスピン状態の下で運動する電子が、量子力学的な機構を通じてそれぞれ逆符号の大きな仮想磁場を感じます。」の部分を量子力学を学んでいる学生向けに詳しく説明してください。仮想磁場の意味もわかりません。

A(Perplexity Pro):
交代磁性体における仮想磁場の発生は、量子力学的な効果に基づいた興味深い現象です。以下に、この現象をより詳しく説明します。

1.仮想磁場の概念
仮想磁場とは、実際の磁場が存在しないにもかかわらず、電子が感じる磁場のような効果のことを指します。この場合、電子の運動に影響を与える何らかの力が存在し、その効果が磁場と同様の振る舞いを示すことから「仮想的」と呼ばれます。

2.交代磁性体における仮想磁場の発生メカニズム
(1) ベリー位相と幾何学的位相
交代磁性体における仮想磁場の発生は、量子力学的な概念である「ベリー位相」または「幾何学的位相」と密接に関連しています。ベリー位相は、量子系のパラメータが断熱的に変化する際に波動関数が獲得する位相のことです。
(2) スピン-軌道相互作用
交代磁性体の特殊な結晶構造とスピン配列により、電子の運動に伴って強い
スピン-軌道相互作用が生じます。このスピン-軌道相互作用により、電子の運動に依存したベリー位相が発生します。
(3) 運動量空間での曲率
電子の波動関数は、運動量空間において特定の曲率を持つことになります。この曲率は、実空間での磁場と同様の効果をもたらし、電子の運動に影響を与えます。

3.↑↓と↓↑のスピン状態による逆符号の仮想磁場
交代磁性体の↑↓と↓↑のスピン状態では、以下のメカニズムにより逆符号の仮想磁場が生じます:
(1) 時間反転対称性の破れ: ↑↓と↓↑の状態は時間反転操作で互いに移り変わります。この時間反転対称性の破れが、逆符号の効果をもたらします。
(2) 運動量空間での曲率の反転: スピン状態が反転すると、運動量空間での波動関数の曲率も反転します。これにより、仮想磁場の向きが逆転します。
(3) スピン-軌道結合の符号変化: スピン配列の反転に伴い、スピン-軌道相互作用の符号も変化します。これが仮想磁場の符号反転につながります。

4.仮想磁場の観測
この仮想磁場の効果は、ホール効果として観測することができます。↑↓と↓↑のスピン状態で、電流に垂直な方向に逆符号の起電力が生じます。これは、実際の磁場がなくても、強磁性体におけるホール効果と同様の現象が起こることを意味します。

5.量子力学的な解釈
量子力学的には、この現象は以下のように解釈できます:
(1) 電子の波動関数は、スピン状態と結晶構造に依存した位相因子を含みます。
(2) この位相因子が、電子の運動に対して追加的な位相変化をもたらします。
(3) 位相変化は、実効的なベクトルポテンシャルとして作用し、これが仮想磁場を生成します。
この仮想磁場の概念は、トポロジカル絶縁体量子ホール効果などの現代的な凝縮系物理学の理解にも重要な役割を果たしています。

物理としては非常に面白い話だと思う。その技術的応用についての定量的な評価に関する説明がほしかった。 

2024年12月17日火曜日

mixi2(1)

あれっ,なんだか風がふいてるみたい。と思えば,笠原健治(1975-)さんのmixi2が始まっていた。一時かなり流行っていた mixi(2004-)にはそこまで深入りしていなかった。はて,あれは誰に招待してもらったのだろう,それすら忘れてしまった。

2008年8月11日,iPhone3Gを買ってすぐに見つけたNatsuLionアプリで twitterを始めて2年後にはmixiは招待制ではなくなり,自分もほとんど使わなくなっていた。それから長い間mixiアカウントを放置したままだったが,セキュリティの問題があるので数年前にそれを削除した。

その mixi が mixi2 となって12月16日に復活した。ゆる〜い招待制なのだが,りんこうたつさんが招待コードを公開していたので,それを使って早速登録してみた。面倒だった昔の足跡機能はなさそうなので,落ち着いて使えるかもしれない。ネットでよく見かける人々は概ね参加しているけれど,物理屋さんや哲学系・数学系・文学系・社会科学系の人はまだ少ない。


図:mixi2の招待コードの例(注意してね)

[1]これからのSNSに必要なのは「分人主義」(mixi2リリースによせて,カイ士伝)

2024年12月16日月曜日

スーパーフレア


NHKの昼のニュースをみていた。真面目な顔のアナウンサーが,太陽型恒星では100年に1回の割合で大規模なスーパーフレアが起こると話している。ちょっと腰を抜かしそうになった。人類は大丈夫か。

NHK以外からはニュースがなかったので,掲載されたというサイエンスに当たってみた。
Sun-like stars produce superflares roughly once per century(2024.12.12)」というのが論文の表題だ。有料会員にならないと本文は読めないが,概要は次のようなものだ。
恒星のスーパーフレアは、太陽フレアに似た電磁波の爆発であるが、主系列星では10^36 erg(10^29 J)と、より大きなエネルギーを放出する。太陽がスーパーフレアを発生させることができるかどうか、また発生するとしたらどのくらいの頻度で発生するのかは不明である。我々は、ケプラー宇宙観測所の測光を用いて、太陽のような基本パラメータを持つ他の恒星のスーパーフレアを調査した。その結果、観測された56,450個の太陽のような恒星2527個のうち、2889個のスーパーフレアを発見した。この検出率から、太陽のような温度と変動を持つ恒星では、10^34 erg (10^27 J)以上のエネルギーを持つスーパーフレアがおよそ100年に1度発生していることがわかった。その結果、恒星のスーパーフレア頻度-エネルギー分布は、太陽のフレア分布の高エネルギーへの外挿と一致し、両者は同じ物理機構によって生成されていることが示唆された。
これまで観測された最大の太陽フレアは,1859年の太陽嵐(キャリントン・イベント)であり,その規模はX45〜10^25-26 J とされている( X10 = 10^32 erg = 10^25 J )。これより1-2桁大きいものが100年に1回だとまずいのではないか。昔と違って現代は繊細なエレクトロニクスの塊によって世界が成り立っているので,スーパーフレアの規模によっては,甚大な被害が発生する可能性がある。

歴史的な記録は他にはないのかと探していたら,太陽フレアからくる高エネルギー宇宙線(おもに陽子)により,大気中に生成する炭素やホウ素の放射性同位体,14Cや10Beの一時的な増大がそのシグナルになるとわかる。屋久杉の年輪の分析ではじめてわかったとか。

それは武蔵野美術大学の宮原ひろ子さんではなかったかと思いきや,彼女のは気候変動の文脈であり,スーパーフレアの話題は同じ名大出身の三宅芙沙さんだった。なんとこの宇宙線起源同位体の急増現象は,三宅イベントと命名されている。
樹木の年輪に含まれる放射性炭素同位体14Cや、氷床コアの10Be、36Clの濃度が急上昇することで示される。現在のところ、14Cのスパイクが非常に顕著な、すなわち2年間で1%以上の上昇を示す5つの重要な事象(前7176年、前5259年、前664-663年[1](歴史的には前660年と呼ばれる)、前774年、前993年)が知られて・・・(WIkipedia の Miyake Eventから引用)
これがスーパーフレアの効果だとすると,400-2400年に1度の頻度だと推定されるのだが。




図:太陽のSuperflare(DALL-E3による)

[3]10世紀における宇宙線イベントの発見(三宅芙沙,2013)
[4]太陽型星のスーパーフレア(前原裕之,2017)
[5]屋久杉に刻まれた過去の太陽活動(三宅芙沙,2018)一般向け解説
[7]歴史に刻まれた巨大宇宙天気現象(早川尚志・海老原祐輔,2020)


2024年12月15日日曜日

Sora

OpenAIの動画生成ツール Sora が使えるようになった。10ヶ月ほど前に東京を歩くイメージがプレビューされていたが,12月9日からChatGPT Plusユーザも限定版が公開された。ただし,昨日までは混んでいますとログインがはじかれていた。ようやく今日になってアクセスできた。

20ドル/月のChatGPT Plusサブスクライバーは,一ヶ月に 50 videos (1000 credits) まで使えるらしい。最高720pの解像度で 5秒までのビデオクリップだ。一瞬,50個だけでお仕舞いかと思ったけれど,毎月課金されているのだから一月分の制限になる。なお,200ドル/月のChatGPT Proだと,500 videos (10,000 credits),1080p 20秒で,watermarkなしのダウンロードまでできるのだ。

早速,次のプロンプトで試してみた。

Japanes Heian era, "Shinden-Zukuri" house, collidor faced at japanese garden, a noble lady of "Nogo" slowly walking wearing "12-hitoe" kimono cloths like the "Genji Monogatari Emaki"

やはり日本文化はだめだわ。平安時代ではなくて江戸時代になっているし,十二単にはなっていない。むしろ中国風の着物ではないか。


図1:Soraで生成した寝殿造の廊下を歩く十二単の女御(480p 5s 2個)

ChatGPTの最初から,俳句がだめだった。英語俳句の和訳版みたいなものしか生成できなかった。やつらは日本文化はほとんど学習できていないのだ。光る君へ的な平安時代の源氏物語絵巻風を要求した結果も見てほしい。まあ,Gemini2.0 Flashに,「源氏物語絵巻のような平安貴族の一場面のイメージ」から始めて詳細プロンプトを得た(イメージはGoogle AI Studioでは生成できないことがわかった)。そこに出てくる障子と襖をそのまま放置してChatGPT-4oに投げ込んだ自分も悪いのだが。

Q(koshix):
「御簾越しに女性が物思いにふける場面」で、2~3人の若い十二単の女御、屋内、秋の紅葉、しっとりと落ち着いた雰囲気」のイメージを生成してください。なお,次のような詳細仕様を参考にしてね。 構図: 御簾を境に、手前に1人、奥に2人程度の若い女性が描かれます。手前の女性は、少しうつむき加減で物思いにふけっている様子。奥の女性たちは、静かに寄り添い、控えめに会話をしているかもしれません。 人物: 若く美しい、十二単をまとった女御たち。髪は長く、黒髪で、お化粧も上品で繊細。それぞれの表情には、少し憂いを帯びたような、しっとりとした感情が感じられるように表現します。 服装: 十二単の色合いは、秋の紅葉に合わせて、落ち着いた赤や黄色、オレンジ色などを基調とし、上品で優雅な雰囲気に。 背景: 屋内の様子。御簾は繊細な模様が施され、奥には、秋の紅葉が美しく見えるように、障子や襖などが描かれます。 雰囲気: 全体的に、しっとりとした落ち着いた雰囲気で、静けさの中に少しの寂しさや憂いが感じられるようにします。光源は柔らかく、間接照明のように落ち着いたトーンで表現します。  

図2:上のプロンプトに対応するイメージ(DALL-E3)

2024年12月14日土曜日

人格再現AI(2)


前回,途中で切ったChatGPTの回答の続きです。以下の内容は,自分が修正すべきだ(訓練を加える)と考えた最後の項目リストは反映されていないもの。
A(ChatGPT-o1):

(1)仮想人格再現(架空の人格を作り出す場合)

教育・学習支援
仮想人格を教育者として設定し、学習者のレベルや学習スタイルに合わせて指導法を変える「パーソナライズド・チューター」を無制限に生成可能。たとえば、特定分野(数学、歴史、音楽理論)の専門家人格を多数用意し、必要に応じて呼び出すことで、学習者は多様な視点から知識を吸収できます。

ビジネス・サービス支援
顧客サービス分野で、ブランドイメージに沿った仮想の「理想的なカスタマーサポート担当」を構築し、24時間対応可能な接客係として活用。また、社内向けには「理想的な上司」や「優秀なメンター」人格を用意することで、新人教育やプロジェクト支援を効率化できます。

クリエイティブ用途(エンタメ、創作支援など)
小説家やゲームデザイナーが、新たなキャラクター設定を簡単に生み出し、対話しながら物語のアイデアを広げる「創作支援AIキャラクター」として活躍。ユーザーは、異なる性格・文化背景を持つ仮想人格とやり取りして、新たな発想を得ることができます。

医療・メンタルヘルスケア
ストレス軽減や対人練習用の「理想的なカウンセラー人格」を生成し、クライアントが相談しやすい相手を得ることで、対面カウンセリングを補完します。実在するセラピストではないため、倫理的な制約は比較的軽減され、多数のバリエーションを短時間で用意可能です。

歴史・文化財継承
架空の歴史学者や民話の語り部となる仮想人格を作ることで、資料や文化遺産に関する知識をわかりやすく、臨場感豊かに伝えることができる。これはデジタルミュージアムや観光案内システムとしても有用です。

(2)実在人格再現(実在した・している人間をモデルとする場合)

教育・学習支援
歴史的偉人(科学者、哲学者、芸術家など)の人格を再現し、まるで本人に直接質問しているかのような対話学習ツールを提供。たとえば、アインシュタイン人格AIと物理学の基礎を学ぶ、夏目漱石人格AIと文学議論を行う、など文化・知的財産として活用。

ビジネス・サービス支援
著名なコンサルタント、経営者、投資家など実在のエキスパートの人格を再現して、経営支援やキャリアコーチングを行う。顧客はAIに相談することで、トップレベルの戦略的アドバイスやノウハウを即座に得ることが可能。また、顧客との対話に有名なブランドアンバサダーの人格を再現することで、ブランド価値を高める。

クリエイティブ用途(エンタメ、創作支援など)
故人となった作家、監督、ミュージシャンの人格を蘇らせて、当時の制作秘話や創作上の意図を「本人インタビュー」形式でファンに提供する。記念イベントやファンミーティングで「本人が戻ってきたかのような」交流が可能となり、新たな付加価値を生み出します。

医療・メンタルヘルスケア
患者が尊敬していたカウンセラーや信頼していた心理士が故人となった場合、その人格を再現して、続くサポートを行う。患者との信頼関係や安心感を一定程度継続できる可能性がある。一方で倫理的・法的ハードルは高く、情報の扱いには細心の注意が必要です。

歴史・文化財継承
歴史的要人(政治家、思想家、宗教的指導者)の人格を再現して、当時の時代背景や政策の背景、思想的な裏付けを尋ね、歴史教育に活用する。これは教育現場で「歴史上の人物とのインタビュー形式授業」を実現します。

死後の人格保存・メモリアルサービス
故人の人格を再現することで、遺族や知人が対話し、故人の声や思考プロセスに触れ続けることができます。これはデジタルメモリアルの新たな形であり、故人とのコミュニケーションを模擬的に復元することで、グリーフケアやパーソナルメモリアルとして機能します。

【まとめ】
(1) 仮想人格再現は、完全に新規の理想的人格を好きなだけ生み出すことで、多彩な教育、創作、顧客対応、メンタルヘルスサポートを実現します。これは設計自由度が高く、倫理的ハードルが相対的に低いのが特徴です。

(2) 実在人格再現は、有名人、歴史的人物、あるいは故人の人格を忠実に再現し、知識伝達、カウンセリング、ファンコミュニケーション、文化的・歴史的保存などに活用が可能です。ただし、法的・倫理的問題(本人同意、プライバシー、肖像権、社会的影響)が大きな課題となります。

これら両者は、技術の進展と共に様々な形で社会実装され得ますが、同時に透明性の確保、データ管理、本人・家族の権利保護等のガイドライン整備が求められます。
この回答では,実在人格再現を,有名人・歴史的人物・故人に限定している。そうではなくて,あなたやわたしなどの普通に実在する多様な人々の人格再現について言及されていないのが問題だ。これは,わたしをどう複製するかということと,これらの集団を用いたリアルなシミュレーションへの適用可能性の言及が必要だ。

2024年12月13日金曜日

人格再現AI(1)

1000人の人格再現からの続き

今から5年前の2019年,NHKスペシャルで美空ひばりの歌う姿をAIで再現するという番組をやっていた。鳴り物入りで宣伝された割には,それほど凄いという印象でもなかった。ChatGPTが登場する3年前である。最新のAI技術を元にした故人の再現人格という意味では,亡き妻のとりちゃんの再現を続けている松尾公也さんが最先端をいっているかもしれない。

OpenAIのo1のpreviewが取れたと思ったら,o1 Proが登場して月$200=3万円のプランが始まった。無職老人にはちょっと手が出ないが,ネット上の有名人はどんどん参入している。o1 Proは,推論機能に一日の長があるのだろうが,全体として生成AIの水準は高まっている。その中で,1人2時間余りのインタビューでつくられた1000人の人格再現集団が,実在集団の85%程度を再現できる程度で十分シミュレーションに使える時代になったということだ。

これらを踏まえると,AGIの時代は,こうした仮想人格再現実在人格再現が大きな着目点になってくるのではないかと考えられる。これについていくつかの質問をChatGPTに投げ掛けた。
Q(koshix):
AIによる人格再現が可能になった場合にどのような応用例が展開されますか。人格再現は,人の知識や性格や記憶などを再現できるものとします。次の2つの場合に分けて考察してください。
(1) 仮想人格再現
現実には存在しないけれど様々な技能や性格を持った典型的な人格を任意の数だけ再現する場合
(2) 実在人格再現
現実に存在する人間からの学習や情報転移によって,チューリングテストで本人とほぼ区別できない人格を再現する場合

A(ChatGPT o1)
以下では、人格再現という概念を「人の知識、性格、記憶などをAI上で模倣・生成する技術」として捉えた上で、仮想人格再現(1)と実在人格再現(2)のそれぞれにおける主な応用例を体系的に考察します。また、考察に入る前に、前提や基本的な発想プロセスを示します。

【コンテキスト・前提条件・考え方のステップ】

1.技術的背景:
人格再現技術は、大規模言語モデルや強化学習、デジタルツイン技術など、多様なAI技術を統合することで実現可能と考えられます。人格再現には、知識データベースの構築(どのような経歴や知見を持つか)、性格特性の定義(性格五因子モデルなどの標準化指標)、記憶の再現(履歴対話や出来事ログなど)などが組み合わされます。

2.応用可能性評価の枠組み:
 (1) 仮想人格再現:フィクション的存在または完全に合成されたキャラクター。利点としては「デザイン自由度の高さ」「原典となる個人への権利配慮不要」「任意の数を生成可能」が挙げられます。
 (2) 実在人格再現:既に実在した/している人間の人格をデジタル化したもの。特定の個人(現存/故人)の知識や話し方を再現し、本人と識別困難なほどリアルな体験を提供することができます。権利・倫理・プライバシーなど実務上の制約や懸念が大きくなります。

3.考察のフレームワーク:
各ケースで主な応用領域を整理するために、以下のカテゴリーに分けて考えます。
 (1) 教育・学習支援と訓練
 (2) ビジネス・サービス支援
 (3) クリエイティブ用途(エンタメ、創作支援など)
 (4) 医療・メンタルヘルスケア
 (5) 歴史・文化財継承
 (6) コミュニケーション・プロトコルの代行(代理応答、顧客対応など)

【続く】
- - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -
概ね期待通りの答えが帰ってきたが,考察のフレームワークには異論がある。

(1) 教育・学習支援と訓練(例の教育実習など教師の訓練用を想定)
(2) ビジネス・サービス支援と訓練(6はここに含まれるだろう)
(3) クリエイティブ支援と訓練(文学や音楽や演劇の観客をも仮想的につくれる)
(4) 医療・メンタルヘルスケア支援と訓練
(5) メモリアル・歴史継承(戦争や震災の被害者の記憶を継承するのだ,被団協・慰安婦)
(6) 社会科学・政策・行政シミュレーション

こんなふうになるのではないか。まだ見落としがあるかもしれないけれど。支援だけではなくて,人格の多様性が必要となる訓練=シミュレーションに重点をおくべきだという考え。


[1]AIによる人格の再現は利用する(Kei Tanahashi,2019)

2024年12月12日木曜日

なぜ選挙?

1000人の人格再現からの続き

AIによる人格再現の可能性は,様々な派生的妄想を育む偉大な孵卵器である。

その一つとして選挙の問題が思い浮かんだ。間接民主主義における権力行使の委託について,現在の情報テクノロジーを使うと様々な新しい機構に関するシミュレーションが可能になるのだけれど,これは話が大きすぎるので,もう少し勉強してから考えることにする。生成AIは制限が厳しいため,選挙制度に関するデリケートな質問は拒否される場合が多い。

その過程で,「選挙」それ自身を客観的にとらえてみようとあれこれ考えてみた。議員の選挙というのは,国会や地方議会の構成員を被選挙権者の集団から選出するものである。この選挙を例えば抽選に置き換えることができるかというのが,最初の疑問であった。その先には人格再生AIへの代替があるのだけれど,それは今はおくことにする。

一般化すると,人間の作る集団・組織・社会へ,その構成員を加えるときに,どのような機構があり得るかという問題だ。集団の長(定員一人)も1つの組織だとして扱えばよい。
家族に子どもができるのはおおむね自然現象であり,出生届によって社会的に承認されるが,そのためには選挙も抽選も必要ない。生殖細胞レベルでは選抜しているかもしれないが。あるいは,希望するだけで無条件で参加できる趣味の同好会もあるだろう。

教育を受けるため職業に就くために学校や会社に所属するには,一定の選抜過程を経る必要がある。倍率が低ければ実質無条件の場合もあるかもしれない。学会に参加するためには,会費の納入と会員の推薦が必要だろう。このように,社会の中の様々な組織への所属過程には多様な機序が働くことになる。選挙はその一つとして機能するわけだ。

司法における裁判員は抽選で選ばれ,行政に関わる公務員は試験で選ばれ,立法に携わる議員は選挙で選ばれる。それは何故か。現在(デジタルネットワーク+AI)の時代にもその条件はそのまま継続されるのか。これが今の自分の問題意識の根底にある。

このような議論は,へたをすると落合陽一や成田悠輔や立花孝志の二の舞いで地獄の穴に落ちるかもしれないし,自分の心の中にもそのような悪魔が住んでいるかもしれないが,それはそれとして考えてみようという欲望を抑えることはできない。

図:選挙なのかそれ以外なのか?

集団や組織を表現する緑の円内への参加指向がある場合と無い場合について,それぞれ,自然発生,指向(希望)があれば単なる確認だけで承認される場合,抽選や順番などの単純な機械的ルールがある場合,希望者多数であるいは希望者への要求水準が原因で,条件・試験・選挙で選抜する必要がある場合,に整理してみた。まだ不十分かもしれない。

2024年12月11日水曜日

小春日和

小春日和は,晩秋から初冬の暖かく穏やかな晴天だとのことだ。もう仲冬・大雪に差しかかったが,今年は夏が長かったので,昨日今日は快晴で典型的な小春日和といってもかまわないか。

12月に入ると,日の出は6:45より遅くなって寒いので,例年朝の散歩はお休み期間に入る。ところが今年は,自宅でできる運動教室で散歩の重要性をたたき込まれたので,小春日和の昨日今日,昼食前の散歩にでかけた。昨日は北東50分6000歩,今日は北55分7000歩といったところ。

10月中旬にヒノヒカリの刈り取りが終って,枯れた稲株が残ったままになっているところもあるけれど,まだ元気な田んぼでは,新しい青い葉が再び伸びてきてきれいに揃った状態になる。よく乾燥したこの時期に,この青々とした田んぼをトラクターで耕しているところが多いのに初めて気がついた。

毎年,散歩で見える季節と風景は繰り返すようで,少しずつ不可逆に変化し,いまさらのようにちょっとだけ新しい発見がある。



写真:ここは少し沼っているたんぼだけれど(撮影 2024.12.11)


2024年12月10日火曜日

1000人の人格再現

10億人のペルソナ再現性からの続き

arxivにおもしろい論文があった。現実の1000人の人間の態度や行動をシミュレーションするエージェントを構築することができ,その再現性が評価された,というものだ。どうする。

Q(koshix):
この論文を,大学生が理解できる程度に専門的な知識を踏まえつつ詳しく説明し直してください。

A(ChatGPT-4o):

1.タイトルとテーマ
(1) 論文タイトル
(2) テーマ
 大規模言語モデル (LLMs) を活用して、人間の態度や行動をシミュレーションするエージェント(プログラム)を構築する研究。

この研究の目的は、現実の人間1,052人の行動や思考をAIで再現する新しい方法を提案し、その有用性を検証することです。これにより、社会科学や政策立案の分野でのシミュレーション活用が期待されます。

2.研究の背景
(1) 行動シミュレーションの意義
社会科学では、政策や介入の効果を試すために人間の行動を再現するモデルが重要視されています。これまでの手法(エージェントベースモデリング、ゲーム理論など)は、単純化されたルールや仮定に基づいており、複雑な人間の行動を完全には捉えきれませんでした。
(2) 大規模言語モデル (LLMs) の可能性
LLMs(GPTなど)は膨大なデータから人間の言語や行動パターンを学習しており、複雑なシミュレーションの基盤となる可能性があります。ただし、ステレオタイプやバイアスの問題を克服しながら、精度の高いシミュレーションを行うことが課題です。

3.研究の方法
(1) データ収集
対象者:アメリカの人口を代表するように設計された1,052人(年齢、性別、地域、教育水準、政治的イデオロギーなどで層化されたサンプル)。
インタビュー:2時間の音声インタビューをAIインタビュアーが実施。内容は、人生の物語、価値観、社会問題への意見、性格、行動についての質問。平均で6,491語のトランスクリプトが得られる。
(2) エージェントの構築
生成型エージェント:
各対象者のインタビュー内容を基に、その人を模倣するエージェントを作成。エージェントは、LLMsにインタビューデータを注入し、その人の視点や態度を模倣するよう指示される。エージェントはテキスト入力に応じて回答を生成できるほか、記憶機能を用いて文脈に応じた応答も可能。
(3) 評価
評価方法:
エージェントがどれだけ元の対象者の回答を再現できるかを比較。
主な評価基準:
General Social Survey (GSS): アメリカの社会的・政治的意見に関する質問集(カテゴリー回答)。
Big Five 性格特性 (BFI-44): 性格を測定する質問集(数値回答)。
行動経済学の実験ゲーム: 信頼ゲームや囚人のジレンマなどで行動を評価。
社会科学実験: 実験条件に基づく態度や行動の変化を評価。
評価指標:
Normalized Accuracy: エージェントの予測精度を、対象者自身の回答の一貫性と比較。
Mean Absolute Error (MAE): 数値回答における誤差。

4.結果
(1) 精度
エージェントは対象者の回答を、対象者自身の再現精度に対して平均85%の精度で模倣できた。他の手法(単なる統計情報や簡易なプロフィールを基にしたエージェント)と比べて、インタビューを用いたエージェントは14-15%も精度が高い。
(2) ステレオタイプの軽減
エージェントは、人種や政治的イデオロギーによるバイアスを軽減。
例: インタビューを基にしたエージェントは、人口統計情報のみを用いた場合に比べて、パフォーマンスのばらつきが小さい。
(3) 行動経済学のゲームや社会科学実験
経済ゲームでは、エージェントの回答が実験参加者の行動を良好に予測。
社会科学実験でも、エージェントは実験結果の再現に成功(5つの実験中4つで再現)。

5.議論
(1) 意義
インタビューを活用したエージェントは、対象者の個別性を反映し、バイアスを抑えつつ高い精度で態度や行動を模倣できる。社会政策や組織設計のシミュレーションツールとして有望
(2) 課題
スケーラビリティ: 大規模インタビューのコストや時間。
倫理的配慮: プライバシーやデータ利用に関するリスク。
 
この研究は、人間の行動を模倣するエージェントを構築するための新しい方法を提示しました。特にインタビューを用いたアプローチは、従来の統計的手法よりも優れた予測精度を示し、社会科学や政策研究に新しい道を開く可能性があります。今後は、より広範なデータセットや異なる文化的背景での適用を進めることが課題となります。

このシミュレーションの精度があがると何ができるか。
(1)昔,夢想していた教育実習の仮想化などなど,対人活動すべての訓練
(2)代議制民主主義の修正版など,政治活動のシミュレーション,選挙予測にはリアルタイムでシミュレータを更新する必要があるかもしれない。
(3)企業でいえば,マーケティングとか組織管理とか。
(4)行政でいえば,すべての政策について事前シミュレーションが課されることに。
(5)災害時の対応とか戦時対応とか治安対応とか,非常に危険なツールになる。



2024年12月9日月曜日

関心領域

日曜日の午後,録画してあった関心領域ジョナサン・グレイザー)を観た。2023年度第96回アカデミー賞の国際長編映画賞と音響賞を受賞した作品だ。

音だけが聞こえる真っ暗な画面が延々といつまでも続くところから始まったので,若干不安になった。明るくなって主人公のルドルフ・ヘスの家族が池にピクニックに行くシーンにホッとする。対象への距離が遠めで正対した構図が多用され,カメラとともに状況を醒めた眼で見ることになる。

アウシュビッツ=ビルケナウ強制収容所の所長だったルドルフ・ヘス(Rudolf Franz Ferdinand Höß,1901-1947)の一家の収容所の隣にある家での生活が大きな事件もなく淡々と描かれていく。その背景には,強制収容所で殺されていくユダヤ人が存在することのシグナルを示すエビソードがふんだんに折り込まれ,ヘスも妻も家政婦たちもそれには気づいているわけだ。完全な無関心ではない。

ヘスはベルリンに転属になるが,妻はその快適な環境から離れることを強く拒否し,そのまま住み続ける。映画の最終盤に,現在のアウシュビッツ・ビルケナウ博物館の朝の清掃のシーンが挿入され,それが映画の中で唯一強制収容所の内部が映し出される場面となっている。

強制収容所 ⊂ 関心領域の世界 ⊂ 関心領域を見ている自分たちの関心領域の世界,という入れ子構造の中で,自分たちにもまた見えていないもの,薄々見えていながら見えないふりをしているものが山のようにあるわけで・・・。そのうえ,見えたつもりになったとしてもそれがフェイクの罠だったりする。



図:アウシュビッツ=ビルケナウ Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ強制収容所の配置([2]から引用)

P. S. ルドルフ・ヘスは二人いた。もう一人のヘスはナチス副総統で親衛隊長のルドルフ・ヘス(Rudolf Walter Richard Heß,1894-1987)である。1941年に飛行機でイギリスに逃亡し,ニュルンベルグ裁判では死刑を免れている。

2024年12月8日日曜日

クロスウェイなかまち

このあたりには道の駅がたくさんある。奈良県全体でも17ヶ所。メジャーなのは,名阪国道の針インターに併設されている針T・R・S(針テラス)であり,最も新しいのが,奈良市に先週オープンしたクロスウェイなかまちだ。

クロスウェイなかまちは,奈良県道7号線と第二阪奈道路(中町ランプ)の交わるところの南西角にある。その東隣にはイオンタウン富雄南が,南西隣には富雄丸山古墳(4世紀後半)がある。この古墳からは,237cmもある国内最大の蛇行剣と過去に類例の無い鼉龍文(だりゅうもん)盾形銅鏡が最近発掘されている。

平日なのでそこまで混んでいないかと思いきや,11月30日から12月15日までは開駅記念フェアが開催中だからか,駐車場はほとんどいっぱいだった。ドッグランが併設されているので犬連れの家族がたくさん集結していた。店内は旬の駅が運営していて,それほど目新しいものもないのだ。もっとも,1/4スケールの蛇行剣ポップコーンが販売されていた。レストランは行列ができていたのでこれはパス。

天理市内には,山の辺の道沿いのなら歴史芸術文化村に併設された道の駅がある。また自宅から最も近いのは,国道24号線沿いにある鍵・唐古遺跡史跡公園西隣のレスティ鍵・唐古という道の駅だ。まあ,道の駅ばかり集めても何かもらえるわけではない。



写真:クロスウェイなかまちからの帰り方(2024.12.6撮影)

家に帰ると,襟巻きがみあたらない。どこで落としたか一生懸命思い出すが全く心当たりがない。結局,クロスウェイなかまちに電話してみたところ,届けられていることがわかった。襟巻きを紛失したのは5年ぶり2回目だ。大丈夫か。

2024年12月7日土曜日

自宅でできる運動教室

しばらく前に天理市の保健医療課から,自宅でできる運動教室のアナウンス(対象はおもに65-74歳)があった。先着80名ということでさっそく電話予約しておいた。

当日,13:30に到着するとすでに24番,たぶん定員の80名には達しているようだ。14:00の開始前に血管年齢の測定がある。左手人さし指の脈動の応答時間を赤外線で測定するものらしい。前に並んだおじさんおばさんは,若いですねー15歳もとか,10歳もとかいう声が聞こえてきた。期待していたら,自分の結果は48点で74歳相当(実年齢+3歳)でがっくり。まあ普通なんですけどね。

トータルフィットの梅田陽子さんが講師で,天理市の保健医療課でまとめた高齢者健康データの説明からはじまって,ウォーキングの話が前半,後半は座席で足の運動と簡易スクワットの実技を行った。天理市民は奈良県民や全国平均と比べてウォーキングの数値が低くて,つまづいて転倒する率がかなり高くなっている。だからもっと歩いてほしいのだけれど,天候や安全の問題があるので,自宅でできる運動教室ということらしい。



写真:自宅でできる運動教室

2024年12月6日金曜日

デ・キリコ展

神戸市立博物館で開催中のデ・キリコ展のチケットをいただいていたので,朝から神戸に向かう。

12月8日までの開催で,もしかして混むかと思っていたけれどそんな気配は全くなし。それはそうか。入口の前に,写真1のようなお知らせがあった。「お名前に「きり」が付くご本人とその同行者1名まで,非売品のポストカードをプレゼントいたします。」

おーぅっ,ビンゴ!私の名前は越「桐」です。さっそく,その辺にいた係のお姉さんに申告して,ポストカードを2枚ゲットした。なかなか珍しいプレゼント当選だった。桐竹勘十郎一門とか桐野夏生とか皆来たら良いのに。

デ・キリコ展は昔京都で妹と一緒にいった。発掘してみると,1974年の2月10日-3月24日京都国立近代美術館の展覧会だった。春休みで金沢からこちらに出てきていたのか。ジョルジュ・デ・キリコ(1888-1979)の自選回顧展という位置づけという大規模な展覧会だった。



写真1:デ・キリコ展の特典(2024.12.3撮影)



写真2:デ・キリコ展で撮影許可の9枚(2024.12.3撮影)


2024年12月5日木曜日

天理大学

とてもきれいに晴れていたので銀杏並木を見ようと天理市中心部に向かった。雲一つない青空で,天理教本部前の道路の銀杏並木には撮影しているグループを沢山みかけた。

さて,昼ご飯をどうしようということになったが,なかなか適当なところがない。で,行ったことはないけれど天理大学の学食はどうかと。Google Mapで検索するとすぐそばじゃないですか。指示通りに進むと遠回りして鍵のかかった裏口に誘導された。インドのケースのように建設中の橋を示され落下して死ぬよりはマシだ。

11時30分だというのに,広い食堂には学生がだれもいない。どうなっているのでしょう。営業はしていたので,カツカレーと天大がっつりセットを注文して1300円。食べ始めたら三々五々と学生さんがやってきた。レジには野球部と寮生の名簿があって,彼らはチェックするだけで食べられるらしい。

天理大学の杣之内キャンパスは天理教の建物や天理図書館が建ち並ぶ敷地内にあって幹線道路も通っているため,とてもオープンな環境になっていてよろしい。もちろん,食堂は一般の人も自由に利用できるわけだ。

食後,天理大学で韓国語の公開講座があるのか確かめに行こうと,事務室のある建物に向かった。そこには学生支援課と教務課しかなかったので,教務課で尋ねたところ,公開講座という言葉がまったく通じない。かろうじて科目等履修生の手続きは教えてもらえたが,どうなっているのでしょう。

家に帰ってから調べると,公開講座は2,3のごく限られたものだけであり,韓国語はなかった。たぶん,社会連携室あたりに問い合わせなければならなかったのだ。なお,奈良新聞社が主催し,天理大学と連携して開講している語学講座があることがわかった。



写真:天理大学の食堂(左)と講義棟(右)(2024.12.2 撮影)

2024年12月4日水曜日

非常戒厳

昨日の夜,宙わたる教室の第9回を見終わって,午後11:00ごろさあ寝ましょうとおふとんに潜り込んで,Blueskyを眺めていたら,韓国で戒厳令という記事が目についた。えっ!フェイクニュース?

さっそく,ネット上をいろいろ調べるとどうやら本当かもしれない。BBC,CNN,アルジャジーラ皆報じている。しかし,テレビをつけてみると,まったくニュース速報が流れてくる気配もない。NHK,朝日新聞などのウェブ版をみても全く情報がない。むむむ。

午後11時23分になって,はじめて日本語でニュースが流れたのはLINEニュース(聯合ニュースから)のもので,「尹大統領が非常戒厳令発令 従北勢力を撲滅し憲政秩序守る」というタイトルの記事だった。

時系列は概ね次のようになっている。

12/03 22:22 尹錫悦 非常戒厳を宣言(YTV 全国放送)
12/03 23:00 陸軍参謀総長戒厳司令官 戒厳司令部布告
 1.国会と地方議会、政党の活動と政治的結社、集会、デモなど一切の政治活動を禁止する。
 2.自由民主主義体制を否定したり、転覆を企図する一切の行為を禁止し、フェイクニュース、世論操作、虚偽の扇動を禁止する。
 3.すべての報道と出版は戒厳司令部の統制を受ける。
 4.社会混乱を助長するストライキ、怠業、集会行為を禁止する。
 5.専攻医をはじめ、ストライキ中または医療現場を離脱したすべての医療人は48時間以内に本業に復帰して忠実に勤務し、違反時は戒厳法によって処断する。
 6.反国家勢力など体制転覆勢力を除いた善良な一般国民は、日常生活の不便を最小限にできるように措置する。  
12/03 23:48 国会敷地内に軍230人が進入
12/04 01:00 韓国国会 非常戒厳の解除要求決議案(190名全員賛成/定員300名)
  →国会議員の過半数の賛成=戒厳の宣布の無効化
12/04 02:03 韓国軍戒厳投入兵力の原隊復帰
12/04 02:30 採決後の国会議員はそのまま議会に待機
12/04 04:20 尹錫悦 非常戒厳解除方針を発表

尹錫悦が非常戒厳を宣告したのが午後22時22分,BBCが初報を出したのが30分後の午後22時50分,NHKはそれからさらに40分以上遅れてようやく報じていた。どうなってるの。あまり重要ではないと思われる北朝鮮のミサイル発射のときは,はりきってニュース速報を出し回るのに,肝腎なときは,他国主要報道機関よりずっと遅れを取ってしまっている。



写真:国会前に集まった市民と警官隊(聯合ニュース・ロイターから引用)

この時間に数千人の市民が抗議の意思表示をして警察によって封鎖された国会前に集結している。韓国はすごい。日本では到底無理な光景かもしれない。このおかげで国会決議が可能になったのかもしれない。