村上龍の「限りなく透明に近いブルー」が芥川賞を取ったのは1976年。自分は修士1年で,本屋で文芸春秋を立ち読みしたかなんだかで,ざっと目を通したけれどそんなに面白くなかった。てっきり,武蔵野美大の線が細い芸術青年だろうとイメージを膨らませていたのだが,登場した本人は全く違っていた。
自分の本棚には,コインロッカー・ベイビーズ,愛と幻想のファシズム,他が並んでいるが,この2冊が圧倒的によかった。五分後の世界,半島を出よ,希望の国のエクソダス,歌うクジラはそれぞれSFのつもりで読んだけれど,自分の期待値が大きすぎて残念な空回りをしていた。テーマは良いのだから,前者2冊のような密度と構成で書かれたものを読みたかった。
村上春樹と村上龍は全然違うのである。村上龍は社会=世界をみているのだ。村上春樹はいくら文学を標榜してアンダーグラウンドで卵がぶつかっていても,ノルウェーの森のせいかなにかわからないけど,ベクトルが違うので全く読む気がせず,読んだことのない作家なのである(完全にkoshixの偏見です)。訳本の,熊を放つ(ジョン・アーヴィング),ニュークリア・エイジ(ティム・オブライエン)などはもちろん面白かった。
・・・小林信彦も亡くなったのか。オヨヨ。

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