2026年10月5日月曜日

ゲーテはすべてを言った:鈴木結生


図:ゲーテはすべてを言った書影(Amazonから引用)

いつものように,Kindle unlimited をブラウズしていたら,鈴木結生の「ゲーテはすべてを言った」があった。えっ,ついこの前の芥川賞受賞作ではないか。さっそくゲットする。

最初に感じたのは,しっかりとした教養に裏付けられて安心して読める物語だということだ。途中で一瞬,殺人ミステリーになるのかと構えたがそんなことはなかった。そう,奥泉光のようなフレーバーを感じたからだ。ノヴァーリスが登場したところで,ますますその感を強める。奥泉光は「ノヴァーリスの引用」をはじめ自宅の本棚に何冊も並んでいる。

物語は,二重構造になっているが,ゲーテの言葉の引用をめぐってなされる。主人公の娘が作成してる引用文のデータベースサイトが,Tree of Wordsだったので,思わず検索したがもちろんそんなものはない。一瞬,生成AIを使って自作したくなるが,そんなものは沢山あって,なんのことはない Wikiquote を再発見しただけだ。

高校のとき,米島君がこれを読むと良いよといって,貸してくれたのが,ゲーテのファウスト(手塚富雄訳)と映画化もされた「ラブ・ストーリーある愛の詩」だった。ファウストはちょっと重くて読み切れなかったが,当時映画化されていた後者は軽いのですぐ読み終えた。なお,黒沢明の「生きる」は映画館でもテレビでも何度かみた(Wikipediaの解説のどこにもメフィストフェレスとファウストの話が出てこないのはなぜ?)。



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