2025年2月18日火曜日

Typst(1)

奥村さんが Typst β版の新バージョンが出たことを話題にしていた。聞き覚えがあるような気もするが,早速インストールして試してみよう,というかこれは何をするものだ?

Typstは2023年に生まれた組版処理システム(PCで整形されたきれいな文書をつくるもの)だ。同種のものとして,ドナルド・クヌース(1938-)が1978年に開発したTeXや,レスリー・ランポート(1941-)がこれに続いて1984年に作ったLaTeXがある。まあ,Wordだってその仲間だ。咲子がLaTeXならば風葉がTypstだ。軽量マークアップ言語のMarkdown(2004)に数式表現が加わっている。同工のものとして日本発のSATySFy(2021)がある。

さて,ローカル版はhomebrewで簡単にインストールできる。sample.typ ファイルに対して, typst c sample.typ とすれば,sample.pdf が得られる。しかも,LaTeXよりずっと速い。typst w sample.typ とすれば,ソースコードを修正しながらこれが反映した結果のpdfファイルを確認できる。Typst.appにはWeb版もあって,登録すれば無料で利用できる。Sing In したところ,メールアドレスは登録済みだったので,昔いちど試してみたのかもしれない。もう忘れている。

LaTeXとTypstのコンバータがあれば便利だろうと,OpenAI o3-mini-high にやらせてみたところ,すぐにできたが,入力したtexファイルに問題があって,うまくいかなかった。そうこうしているうちに,ファイルコンバータのpandoc にはこの変換が組み込まれている(逆方向はダメ)ことがわかり,確かにうまくいった(\Big は\big に直す必要があった)。


図:Typst のアイコン(Typstのホームページから引用)

Q(koshix):
日本語と数式と図を含んだ組版システムとして,LaTeX(昔から)とTypst(最近)があります。この両者の特徴を比較して,どちらがお薦めかを教えてください。

A(Perplexity Pro):
LaTeXとTypstは、両者とも日本語、数式、図を含んだ文書の組版に適したシステムですが、それぞれに特徴があります。以下に両者を比較し、どちらがおすすめかを検討します。

LaTeXの特徴
長所
・長年の実績があり、学術界で広く使用されている
・複雑な数式や特殊文字を正確に表現できる
・異なる要素のスタイルを厳密かつ一貫して制御できる
・すべてのOSと互換性がある
・数式や図表の自由な配置編集が可能
・安定性が高く、バグが少ない
短所
・環境構築が複雑
・エラーメッセージが不親切で、デバッグが困難
・初心者には扱いづらい

Typstの特徴
長所
・文法がわかりやすく、特に数式の記述が直感的
・エラーメッセージが親切で理解しやすい
・環境構築が簡単
・処理速度が非常に速い
・レイアウトの調整が容易
・LaTeXからの移行がしやすい
短所
・比較的新しいシステムのため、LaTeXほどの実績がない
・英語のドキュメントしかない

おすすめ
どちらがおすすめかは、ユーザーの状況や目的によって異なります。
LaTeXをおすすめする場合
・学術論文を執筆し、広く受け入れられているフォーマットが必要な場合
・複雑な数式や特殊な組版が必要な場合
・長期的なサポートや豊富なリソースが必要な場合
Typstをおすすめする場合
・迅速な文書作成や編集が必要な場合
・環境構築の手間を省きたい場合
・より直感的な文法を好む場合
・処理速度を重視する場合

結論として、学術界での実績や豊富なリソースを重視するならLaTeXが、使いやすさや処理速度を重視するならTypstがおすすめです。ただし、Typstは比較的新しいシステムなので、今後の発展や学術界での受け入れ状況を注視する必要があります。
[1]Typst.app 公式ページ
[3]Typst入門(奥村晴彦)
[4]Typstの使い方(KumaROOT)
[5]Typstのはじめかた(monaqa)
[6]組版処理システムTypstの紹介(樫村博基)
[7]便利パッケージと使用例の紹介(Qiita,key_271)

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