Q(koshix):15年前に,電子教科書(デジタル教科書)についてのQ&Aを考えました。いよいよデジタル教科書が制度として日本の教育現場に導入されはじめようとしています。15年前のAnswer部分(太字)は,現在文部科学省で導入が計画されているものと一致しているでしょうか。A1〜A21に対して,概ね一致ならば○,部分的一致なら△,概ね異なる場合は×として相違点を示してください。
15年前に考えていたことは以下のとおりである。ChatGPT 4oによる評価は,それぞれのQAの→以下の部分と,相違点として示されている。まあまあそんなものかもしれない。
電子教科書20の質問(2010.02.14 http://twilog.org/koshix)
【導入の意義と目的】
Q1:電子教科書とは何ですか?
「デジタル化された教科書=ノート」を学校の授業でほぼ常時使うというものです。紙の教科書やノートと鉛筆の代替物として考えています。
→ △(部分的一致)
相違点:
・2025年度からのデジタル教科書は、紙の教科書を完全に代替するものではなく、「紙の教科書を基本」としながら「一部補助的に使用」するものとして導入される。
・「ノート機能」については、標準的な機能としては導入されず、タブレット端末のアプリ等で補完される形となる。
Q2:なぜ電子教科書が必要なのですか?
社会活動の総体がデジタルベースに移行しつつあるるからです。電子本・電子メディアが多数派になる段階では,学校だけが紙の教科書を使う必然性がありません。
→ ○(概ね一致)相違点:・社会のデジタル化を背景にした点は一致。・文部科学省の説明では「特別支援教育への活用」や「学習データの活用」なども強調されている。
Q3:以前も同じような儲け話がありましたが?
1985パーソナルコンピュータ,1995インターネット,(2005電子黒板),と同様の話は繰り返されています。2015電子教科書も似たようなものですが,3度目の掃除機か。
→ △(部分的一致)相違点:・これまでの技術導入(電子黒板など)と同様の議論がある点は一致。・ただし、2025年度導入は「GIGAスクール構想」に基づくもので、文科省はより長期的な方針としている点が異なる。
【機器整備の問題】
Q4:電子教科書を使うのは誰ですか?
小学校3年生からの児童および学校教員です。中等・高等教育でも利用可,システムは一般にも販売されて購入可能です。
→ △(部分的一致)相違点:・文科省は、小学校5年生から段階的に導入するとしている。・教員の利用については明確に制度化されておらず、学校ごとの裁量に委ねられる部分が多い。
Q5:本当に無償配布されるのですか?
いいえ。子ども手当ては1人15年間で総額500万円に達するので,それで5年に1度各自購入してもらいます。(小3と中2:機器5年保証含めて1セット5万円,壊したら自分で買い替える)
→ ×(概ね異なる)相違点:・文科省は、デジタル教科書を紙の教科書と併用する形で提供し、原則「無償配布」。・端末はGIGAスクール構想に基づき整備されているが、破損時の補償などは自治体ごとに異なる。
Q6:教員はどうなるのでしょうか?
私学を含めて5年に1度配布されます。5万円/台×100万台÷5年=100億円/年,新機種配布時に教員研修を12時間(3時間×4回)行います(無料)。機器の使い方だけではなく,免許更新講習の代替のだきあわせみたいなものです。
→ △(部分的一致)相違点:・教員向けの端末は、GIGAスクール構想で配布済み。・研修については、各自治体ごとの対応になり、全国統一的な研修は予定されていない。
【仕様の問題】
Q7:システムの仕様はどうなりますか?
iPad/Android/MS tabletなどを包括する想定で(ありえないか ^_^;;),電子教科書=ノートの基本ソフト部分を別途共通仕様として定めます。マルチタッチ,Wifi/GPS及び各種物理センサーは必須。バッテリは9時間。毎日自宅で充電してね!
→ △(部分的一致)相違点:・現在のデジタル教科書は、iPad/Windowsタブレットが主流だが、OSごとに仕様が統一されているわけではない。・物理センサーの活用は標準ではない。
Q8:教科書コンテンツは誰がつくりますか?
教科書会社が作成しepubフォーマットで電子教科書=ノートの基本ソフトの上にのせます。この部分は従来の教科書無償配布と同様の仕組みで実現します。すなわち教科書コンテンツ費用は税金でまかなわれます(高校もね)。
→ ○(概ね一致)相違点:・教科書会社が作成する点は一致。・EPUBフォーマットとは限らず、各社独自フォーマットも利用される。
Q9:教科書以外のソフトやコンテンツは載りますか?
電子教科書=ノートの基本ソフト仕様は公開されているので教員の自作教材や他の市販教材もそのまま載せられます。アプリケーションはHTML5+javascriptの範囲で実現してね。
→ △(部分的一致)相違点:・教員が教材を作成して利用することは可能だが、標準仕様としてHTML5+JavaScriptの枠組みが設けられているわけではない。
Q10:システムのバージョンアップはどうなりますか?
教室の無線LANネットワーク経由で必要な時に負荷分散しながら実行します。教科書会社から毎年の差分データもくるかも。
→ ○(概ね一致)相違点:・基本的にはクラウド経由での更新が行われる。
Q11:ノート部分のデータはどこに保存されますか?
教科書の横の余白のノーレイヤーに書き込みますが,データは端末ローカルに保存されます。バックアップはTimeMachineみたいに教室単位で保存され,複製・移動復元可能です。つまり,センターに集約しません。
→ ×(概ね異なる)相違点:・現在のデジタル教科書はクラウド保存が基本(自治体ごとに異なる)。・端末ローカル保存のみ、という方式ではない。
【システム運用の問題】
Q12:小学校1年生から使うのですか?
9歳未満は禁止^_^;;;です。小学校3年から使ってね。1・2年生は,これまでどおり手を使ってください。なお,教員用やグループ活動には小学校1年から使えます。
→ ×(概ね異なる)相違点:・2025年の導入は小5から段階的に進められる。
Q13:家でも使えるのですか?
ランドセルやカバンにいれて毎日持ち運びます(1kg以下)。学校においておくと,管理がたいへんですからね。家でもそのまま使えますので,宿題もでます。
→ ○(概ね一致)相違点:・端末は持ち帰り可能な自治体もあるが、学校管理のもとで運用されることが多い。
Q14:壊れたらどうしますか?
教室や学校に予備機があります。データは教室のサーバに残っていますので,必要部分だけ復元してそのまま使えます。保証に入っていますので,学校に届け出ると交換機種が宅配されます。
→ △(部分的一致)相違点:・一部の自治体では予備機の配備があるが、全国的に統一されていない。
【インターフェースの問題】
Q15:ノートを指で入力するんじゃないでしょうね?
指でもスタイラスでも使えます。細かい入力作業が必要な場合は筆箱?からスタイラスを取り出して使ってくださいね(ここ一番弱点・致命的かも)。
→ ○(概ね一致)相違点:・指入力・スタイラス入力の両方に対応している。
Q16:音声入力,文字認識,翻訳はできますか。
まあ,iPhone程度には実現可能です。カメラ・ビデオ撮影も(ここが微妙),音声記録も可能で,楽器としても使えます。理科実験の測定器としてもね。
→ ○(概ね一致)相違点:・音声入力、OCR機能、翻訳機能は一部端末で可能。
Q17:教科ごとに別のソフトの使い方を覚えるのですか?
基本操作は説明書なしで使えます。操作も統一され,超高速ブラウジングと柔軟なタッチ入力が可能です。標準状態では非常にシンプルな造りになっています。
→ △(部分的一致)相違点:・各教科書会社のUIが統一されているわけではなく、一定の操作統一はあるが完全ではない。
【教師の指導の問題】
Q18:教員が使いこなせるでしょうか?
授業で教科書を使ったりノートを取ったりする部分がおきかわるだけで操作は単純です。教員がアプリケーションの使い方を覚えなければならないということはありません。
→ △(部分的一致)相違点:・研修の実施は自治体ごとに異なるため、必ずしも十分とはいえない。
Q19:プリントの配布や宿題のチェックはどうなりますか?
教室で全員にオンライン配布と回収できます。従来通り赤ペンでチェックしながら作業してそのまま返却できます(ほんとかな,この部分重要)。
→ ○(概ね一致)相違点:・クラウド上で課題配布・提出が可能な環境が整いつつある。
【データ管理の問題】
Q20:古い教科書やノートはどうなりますか?
えーっと,すべて持ち歩けます。わからなくなったら古い教科書やノートを見直してください。
→ △(部分的一致)相違点:・教科書の保存期間やアクセス制限がある可能性がある。
Q21:個人情報とか著作権とかどうなりますか?
すぐにはどうにもなりません。社会の方が変わらないことには。
→ △(部分的一致)相違点:・文科省は個人情報・著作権の管理についてガイドラインを定めている。
#なんで20の質問なのに21あるんだろうか?
図:電子教科書のイメージ(DALL-E3によるもの)
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