にっぽんの芸能で山川静夫が,「稽古照今(けいこしょうこん)=いにしえをかんがえ いまをてらす」という言葉をよく覚えておいてくださいとのこと。古事記の序文に出てくるもので,「莫不稽古以繩風猷於既頽・照今以補典教於欲絶」とある。「古(いにしえ)を稽(かんが)えて以(もつ)て風猷(ふうゆう)をすでに廃(すた)れるに縄(ただ)し、今を照らして以て典教(てんきょう)を絶えんと浴するに補(おぎな)わずということなし」であり,「昔のことをよく学び,すでに廃れてしまった道徳を見直し,今の基準とすべく失われかかっている尊い文献を補うために、この古事記を書き残しておく」とのことらしい。古事記編纂の趣旨である。ネトウヨの皆様にはよく肝に銘じてほしいところであるが,記録は全部廃棄したことにしてデータを改竄するのが最近のはやりなのだろう。
番組は,「蔵出し!名舞台~初世 吉田玉男」であり,ゲストの山川静夫とともに,玉男の名場面や思い出をたどるものだった。「曾根崎心中の天神森の段」,「菅原伝授手習鑑 丞相名残の段」,「菅原伝授手習鑑 寺子屋の段」,「心中天網島 河庄の段」が取り上げられた。英太夫の若々しい声や越路太夫の力強さが印象深かった。菅原伝授手習鑑の寺子屋の段は出遣いではないのだが,松王丸の迫力が凄い。
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